今回は、成功報酬型求人メディア「Green」や組織力向上プラットフォーム「Wevox」を運営する「アトラエ(6194)」について、2026年9月期 第3四半期(1Q→3Q、中間期を含む)決算と、9/10・9/28・10/1の適時開示を踏まえた継続チェックの結果を確認していきます。
所長ダル








はじめに:なぜ株価は1.4倍になったのか
株価は前回分析時(2026年4月24日)の653円から、10月1日には年高値の941円まで約44%上昇しました(みんかぶ様)。上昇の主な理由は、本業の改善そのものより、還元策の連打だと考えられます。2026年6月から9月の約3か月で、次のことが続きました。
- 上方修正が3回(営業利益予想は期初11億円→14.6億円)
- 増配が3回(33円→34円→37円→39円)
- 株主優待の新設と拡充
- 自社株買い5億円の追加決議
本業では、Wevoxの急伸とGreenの失速という二極化がさらに鮮明になりました。






株価上昇の経緯
| 日付 | 出来事 | 株価の目安 |
|---|---|---|
| 4/24 | 前回分析時点 | 653円(みんかぶ様) |
| 5/14 | 中間決算。Wevox Q2売上10.29億円で、会社見込み9.80億円を超過 | ─ |
| 6/10 | 1回目の修正(営業利益11億→13億円)、配当33→34円 | 約690円(外部報道の利回り4.91%から逆算。ダイヤモンド・ザイ、2026年6月10日) |
| 7/10 | 「資本コストや株価を意識した経営」アップデート、株主優待の拡充を公表 | 822円(7/24終値、3Q説明資料8P脚注) |
| 7/31 | 2回目の修正(売上86→82.5億円に下方、営業利益13→14億円に上方)、配当37円 | ─ |
| 8/12 | 3Q決算。自社株買い上限5億円と同額の借入、FY2027の「37円以上」配当方針、売上+30%目標を公表 | ─ |
| 9/8 | ─ | 841円(9/10開示資料6P脚注) |
| 9/10 | 3回目の修正(営業利益14.6億円、純利益12.06億円)、配当39円、戻入益373百万円の計上を公表 | 4日ぶりに反発(外部報道:時事通信、2026年9月10日) |
| 9/28 | 基準日に関する補足説明資料(権利付最終日10/28) | 889円(IFIS株予報様) |
| 10/1 | 8月決議の自社株買いの取得状況を公表(9/30時点で進捗14%)/年高値 | 941円 |
上昇要因の整理
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 還元の連打 | 配当は期初比+18%(33→39円)。優待は2,000株以上で65,000ポイント(1ポイント=1円相当)。同社試算では841円時点の総合利回りが最大8.5%(9/10開示資料6P) |
| 業績予想の上振れ | 営業利益予想は期初比+33%(11億→14.6億円)。SMBC Wevox株式会社経由の高収益案件と費用の効率化による(9/10開示資料1〜2P) |
| 来期配当の下限提示 | 「FY2027も37円以上」(3Q説明資料5P) |
| 需給 | 基準日は10/31。優待は初年度に継続保有の条件がない。10月には自社株買いの残り分の買い付けが見込まれる |
出典:決算短信、決算説明資料、9/10開示資料、9/28補足説明資料、10/1開示資料、みんかぶ様、IFIS株予報様、外部報道(時事通信、ダイヤモンド・ザイ)
① 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社アトラエ |
| 証券コード | 6194(東証プライム) |
| 設立 | 2003年10月24日 |
| 主な事業 | 単一セグメントの「People Tech事業」。成功報酬型求人メディア「Green」、組織力向上プラットフォーム「Wevox」、ビジネス版マッチングアプリ「Yenta」を運営し、AIキャリアエージェント「Qooa」を4Qに正式リリース予定(3Q説明資料18P、59P) |
| 時価総額 | 約210億円(みんかぶ様、10/1) |
| 発行済株式数 | 2,231.5万株 |
| 決算期 | 9月。ただし配当・優待・議決権の基準日は10月31日 |
| 正社員数 | 141名(2026年6月末) |
| 大株主 | 合同会社ラウレア30.65%、新居佳英7.11%で、創業者側の合計は約37.8%(半期報告書、2026年3月31日現在) |
| 現在株価 | 941円(10/1、年高値) |
出典:決算短信、決算説明資料、半期報告書、みんかぶ様
開示は2025年9月期1Qから非連結です。ただし、子会社MICOTH(出資比率51%)を2026年11月に設立予定のため(3Q短信添付資料7P)、FY2027から連結開示に戻る可能性があります。






② 主要財務指標
期中の推移(累計)
| 指標 | 1Q累計 | 2Q累計(中間) | 3Q累計 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 17.58億円(+0.9%) | 38.21億円(+7.2%) | 60.09億円(+6.5%) | 各短信サマリー |
| 株式報酬控除前営業利益 | 2.47億円 | 7.17億円 | 13.18億円 | 同上 |
| 営業利益 | 1.70億円(▲53.5%) | 5.68億円(▲17.2%) | 11.00億円(▲17.9%) | 同上 |
| 純利益 | 1.11億円 | 4.19億円(▲7.0%) | 7.81億円(▲11.3%) | 同上 |
| EPS | 4.88円 | 18.42円 | 34.55円 | 同上 |
| 自己資本比率 | 55.4% | 53.9% | 56.5% | 同上 |
| 現預金 | 34.43億円 | 35.23億円 | 38.14億円 | 各短信の貸借対照表 |
| 借入金合計 | 約7.9億円 | 7.67億円 | 7.42億円 | 同上 |
2026年9月期の通期予想(9/10修正後)
| 指標 | 期初予想 | 修正後 | 前期比 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 86.00億円 | 82.50億円 | +8.1% | 9/10開示資料1P |
| 株式報酬控除前営業利益 | 14.72億円 | 17.46億円 | ▲19.7% | 同上 |
| 営業利益 | 11.00億円 | 14.60億円 | ▲21.2% | 同上 |
| 経常利益 | 10.53億円 | 13.89億円 | ▲23.3% | 同上 |
| 純利益 | 7.56億円 | 12.06億円 | +3.0% | 同上 |
| EPS | 33.12円 | 55.28円 | ─ | 同上(8月決議の自社株買いの影響を考慮済み) |
修正後予想から逆算した4Q(7〜9月)単体の姿は、売上高約22.4億円(前年同期比+12.6%)、営業利益約3.6億円(同▲30%)です。純利益の4Q分約4.25億円には戻入益373百万円が含まれます。
株価指標・配当(10/1時点)
| 指標 | 数値 | 出典・注記 |
|---|---|---|
| 年間配当 | 39円(期末一括、すべて普通配当) | 9/10開示資料2P |
| 配当性向(同社公表) | 70.6% | 同上 |
| 配当性向(本業ベース) | 約90〜102% | 当研究所試算(後述) |
| 配当利回り | 4.14% | みんかぶ様 |
| BPS | 181.4円 | 3Q末の自己資本40.47億円÷発行済2,231.5万株。IRBANK様の数値とも一致 |
| PER(会社予想EPSベース) | 約17.0倍 | 941円÷55.28円 |
| PER(本業ベースEPS) | 約22〜25倍 | 当研究所試算 |
| PBR | 5.19倍(かぶたん様)/5.24倍(IRBANK様、950円時点) | ─ |
| ROE(予想) | 22.43%(IRBANK様)/29.80%(かぶたん様) | 算出基準が異なる。同社は「前期の26.0%を超えて過去最高を更新する見込み」(9/10開示資料2P) |
新株予約権戻入益373百万円の中身
役職員が、税制適格ストック・オプション(新株予約権)を2026年9月30日付で権利放棄しました(9/10開示資料3P)。
| 対象 | 行使価額(1株あたり) | 消滅株数 |
|---|---|---|
| 第8回新株予約権 | 1,402円 | 297,800株 |
| 第9回新株予約権 | 2,038円 | 160,500株 |
| 合計 | ─ | 458,300株(発行済株式数の約2.1%) |
同社は放棄の目的を、将来の株式希薄化懸念の払拭と適正な株価形成だと説明しています。この戻入益は、キャッシュの流入を伴わない会計上の利益です。純資産の部の「新株予約権」を取り崩して利益に振り替えるだけなので、純資産合計は変わりません。それでも当期純利益、EPS、ROEは押し上げられます。
本業ベースの配当性向(当研究所試算)
| 試算 | 前提 | 本業ベースEPS | 配当39円の性向 |
|---|---|---|---|
| A | 戻入益が課税されない場合(益金不算入) | 約38.2円 | 約102% |
| B | 戻入益に法定実効税率30.62%がかかる場合 | 約43.4円 | 約90% |
計算方法は、純利益予想1,206百万円から戻入益(試算Bは税引後)を差し引き、EPS55.28円から逆算した株数(約2,182万株)で割ったものです。税率30.62%は3Q説明資料7Pの注記にある法定実効税率です。
税制適格ストック・オプションの戻入益は、一般に益金不算入として扱われることが多いと考えられます(要確認)。その場合は試算Aに近くなります。なお、3Q累計で計上済みの戻入益56百万円は考慮していません。また、純利益の上方修正幅(240百万円)は戻入益(373百万円)より小さくなっていますが、差額の内訳は資料からは確認できません。












出典:決算短信、決算説明資料、9/10開示資料、みんかぶ様、かぶたん様、IRBANK様
③ 継続チェックメモ項目評価
毎回チェックする基本項目
| 項目 | 前回(1Q) | 今回(3Q) | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高の進捗 | 20.4% | 期初86億円比69.9%、修正後82.5億円比72.8% | △ |
| 営業利益の進捗 | 15.5% | 期初11億円比100.0%、最新14.6億円比75.3% | ◎ |
| 営業利益率(3Q単体) | 9.7% | 24.3%(基準13%) | ◎ |
| 株式報酬控除前営業利益 | 2.47億円 | 13.18億円(期初14.72億円比89.5%) | ◎ |
| 累計EPS | 4.88円 | 34.55円(基準20円以上) | ◎ |
| 営業CF | 構造的─ | 中間4.73億円。3Qは構造的─ | △ |
| 年間配当予想 | 33円 | 39円(6円増配) | ◎ |
| Wevox四半期売上 | 7.89億円 | Q2 10.29億円、Q3 10.90億円 | ◎ |
| Green四半期売上 | 前年同期比▲6.6% | Q2 ▲6.1%、Q3 ▲12.6% | × |
売上高(△):判定基準を変更しています。旧基準(期初86億円比)では68〜72%の間に入るため△、新基準(修正後計画比)では72.8%なので○です。ただ、計画そのものがGreen要因で3.5億円下方修正されているため、△と評価しました。
営業利益(◎):3Q累計の時点で、期初の通期計画をすでに達成しています。営業利益は一方向型の指標なので◎です。ただし前年同期比では▲17.8%の減益です。
累計EPS(◎):基準は満たしています。ただし通期EPS55.28円には戻入益が含まれる点に留意が必要です。
営業CF(△):中間営業CFは4.73億円(前年同期4.98億円)でした(中間短信添付資料3P、6P)。中間期中に支払った前期配当7.07億円は下回っています。年換算すると約9.5億円で、今期の配当総額見込み約8.5億円をかろうじて上回る水準です。
Wevox(◎):Q2は前年同期比+43.3%、Q3は+32.9%で、2四半期連続で過去最高を更新しました(3Q説明資料21P)。質の指標を見ると、Q3のWevox広告費は前年同期比▲20.4%でした(3Q説明資料20P)。広告を減らしながら売上が伸びており、量・質ともに良好です。
Green(×):減少幅の縮小が条件でしたが、Q3はむしろ拡大しました(3Q説明資料19P)。通期のGreen売上予想は40.86億円(▲7.7%)で、9/10修正でも据え置かれています(9/10開示資料5P)。






営業利益・Wevox・配当予想は◎で、数字上は好調です。一方でGreenは×のままで、営業CFも通期で確認できていません。好調な項目と不調な項目が二極化した基本項目の評価です。
注意点①:配当の原資
| チェック項目 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 通期純利益予想の維持 | 7.56億→9.66億→12.06億円と2段階の上方修正。ただし最後の修正は戻入益が主因 | ○ |
| EPSで配当を賄えるか | 会社予想EPS55.28円に対し配当39円。本業ベースでは約38〜43円で、配当とほぼ同額 | △ |
| 利益剰余金 | 1Q末9.76億円→2Q末12.84億円→3Q末16.46億円。資本剰余金も18.45億円あり、分配可能額は十分(3Q短信添付資料4P) | ○ |
| 2月決議の自社株買い | 70万株・5.01億円を3/10までに取得し、3/31に消却(中間短信添付資料7P) | ○ |
| 借入金 | 3Q末は短期5億円+長期2.42億円で返済が進んでいる。一方、8/12に自社株買いと同額の最大5億円を借り入れる方針(3Q説明資料5P) | △ |
| 来期の配当方針 | 「FY2027も37円以上」と明示(3Q説明資料5P)。39円への増配後に下限が更新されたかは未確認 | ○ |
総還元性向について:同社は153.5%と公表していますが、これは8月決議の自社株買い(上限5億円)を「2026年9月30日までに全額取得完了した」と仮定した数字です(9/10開示資料6P脚注)。実際の取得は9/30時点で58.66百万円でした(10/1開示)。10月分は来期の還元になると考えられます。FY2026の実績ベースで当研究所が試算すると、配当約8.5億円+2月の自社株買い5.01億円+9月分0.59億円で約14.1億円となり、総還元性向は約117%です。












本業の稼ぎを上回る還元が、内部留保の取り崩しと借入で続けられています。分配可能額は十分ですが、本業ベースの配当性向は約90〜102%で、配当とほぼ同額の水準です。注意点①は最上位のまま維持します。
注意点②:本業の稼ぐ力
| チェック項目 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| Wevox Q2売上の会社見込み(9.80億円)達成 | 10.29億円で超過 | ◎ |
| 大口顧客の離脱再発 | 1Q 7.89億円→Q2 10.29億円→Q3 10.90億円と前四半期比で連続増収 | ○ |
| 料金改定後のチャーンレート | 月次1.0%未満を維持(3Q説明資料51P) | ○ |
| Wevox導入社数 | 4,200社→4,300社→4,450社 | ○ |
| Green入社人数 | Q1 728人(▲8.4%)、Q2 771人(▲8.2%)、Q3 829人(▲13.2%)。ウォッチポイントの「▲10%超」に該当(3Q説明資料32P) | × |
| Greenのアクティブユーザー・選考通過率 | アクティブユーザー55,547人(+1.9%)、応募率は過去最高の22.7%。書類選考通過率は22.4%→20.7%に低下(3Q説明資料29〜31P) | △ |
| 広告費に見合う成長か | Green:Q3の広告費+22.1%に対し売上▲12.6%で×。Wevox:広告費▲20.4%に対し売上+32.9%で◎ | ×/◎ |
| 販管費と売上の伸び | 3Q累計で販管費+12.4%、売上+6.5%(3Q短信添付資料2P)。1Q時点(販管費+16.2%、売上+0.9%)より差は縮小 | △ |












Wevoxは量・質ともに好調で、チャーンレートも1.0%未満を維持しています。一方Greenは入社人数▲13.2%、広告費を増やしても売上が減る状況で、悪化が加速しています。注意点②は、二極化がさらに鮮明になった内容です。
注意点③:配当の中身・継続性
| チェック項目 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 配当方針の明文化 | 基本方針は「各期の経営成績及び財政状態等を総合的に勘案した上で、配当を継続的に実施していく」で、数値目標なし(9/10開示資料2P)。ただし「来期37円以上」、ROE/ROIC20%以上の目標、総還元性向の開示は前進 | ○ |
| 基準日の運用 | 10/31で変更なし。権利付最終日10/28、権利落ち日10/29を確定・周知(9/28補足資料1P) | ○ |
| 大株主構成 | 合同会社ラウレアと新居佳英の合計は約37.8%。比率の上昇は消却による株数減の影響と考えられ、売却の形跡なし | ○ |
| 個人投資家向け説明会での発言 | FY2026は計10回開催予定。発言内容は未確認 | ─ |









配当の中身は、3期連続増配・全額普通配当・来期下限の明示と改善しました。基準日の運用や開示も丁寧です。一方、39円の水準が戻入益で押し上げられた利益を基準にしている可能性があり、FY2027の予想で確認する必要があります。
安心項目
| 項目 | 3Q末 | 維持ライン | 判定 | 前回比 |
|---|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 56.5% | 50%以上 | ○ | +1.1pt |
| 現預金 | 38.14億円 | 25億円以上 | ○ | +3.7億円 |
| ネットキャッシュ | 約30.7億円 | プラスを維持 | ○ | 増加 |
| ROE(予想) | 22.43%(IRBANK様) | 15%以上 | ◎ | 上昇 |
| Wevoxチャーンレート | 1.0%未満 | 1.0%未満 | ○ | 横ばい |
| Green登録企業数 | 11,167社 | 増加継続 | ○ | 増加 |
| Green期末掲載求人数 | 28,746件 | 30,000件以上 | × | 減少 |
- ネットキャッシュは、8月決議の自社株買い(借入で実施)と配当約8.5億円の支払い後には、10億円台後半まで減る可能性があります(当研究所試算)。
- ROEは、自己資本の圧縮と戻入益で押し上げられている面があります。
- 契約負債(前受金)が4.34億円から6.16億円に増えたこと(3Q短信添付資料4P)は、Wevoxの前受け入金の拡大を示すものと考えられ、キャッシュ面ではプラス材料です。






自己資本比率・現預金・ネットキャッシュ・チャーンレートはいずれも維持ラインを上回っています。ただしGreenの期末掲載求人数は×で、ネットキャッシュも還元後には10億円台後半まで減る可能性があります。
継続ウォッチ
| 項目 | 状況 | 判定 |
|---|---|---|
| Qooa | 「4Q正式リリースに向け最終調整段階」(3Q説明資料18P)。確認は通期決算に持ち越し | △ |
| SMBC Wevox | 同社経由の高収益案件が、7/31・9/10の2度の営業利益上方修正の主因(9/10開示資料1〜2P) | ◎ |
| 希薄化 | 第8回・第9回新株予約権の放棄で、潜在株式45.8万株(約2.1%)が消滅。ただし行使価額(1,402円・2,038円)は株価を大きく上回っており、実質的な希薄化リスクはもともと限定的だったと考えられる | ○ |
| 2027年1月の株主総会 | 有報を総会3週間以上前に提出する方針どおり進行 | ○ |
| 新規事業 | 子会社MICOTH(2026年11月設立予定)で工場などの現場領域にWevoxを展開(3Q短信添付資料7P) | ─ |
株価・バリュエーション
| 項目 | 前回(4/24) | 今回(10/1) | 変化のポイント |
|---|---|---|---|
| 株価 | 653円 | 941円 | +44.1% |
| PER(予想) | 19.28倍(IRBANK様)/13.23倍(みんかぶ様、調整後) | 17.0倍(会社予想EPS55.28円)/本業ベース約22〜25倍 | 実質的には割高化 |
| PBR | 3.86倍 | 5.19〜5.24倍 | 上昇 |
| 配当利回り | 5.05% | 4.14% | 5%台を割り込み |
| みんかぶ様目標株価 | 874円 | 842円(売り) | 引き下げ。更新日は確認不能 |
| みんかぶ様理論株価 | ─ | 726円(割高、9/30) | 目標株価と同じく現在値を下回る |
| 個人投資家の予想 | ─ | 1,018円(9/3更新) | 更新が3か月以内のため採用 |
| 証券アナリスト | ─ | 1名(強気買い)、予想株価は「—」 | カバレッジが薄い |
| 前回の適正株価試算との比較 | 合理的レンジ約580〜680円 | 前回の強気シナリオ上限(844円)を超過 | ─ |
乖離率:200日線から+27.7%、75日線から+14.1%(かぶたん様)で、過熱感がある水準です。






信用需給・自社株買い
信用取引(9/25時点、かぶたん様):買い残65.45万株、売り残79.22万株、信用倍率0.83倍。
| チェック項目 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 買い残の発行済株式数比 | 約2.9%(要注意の目安は2%超) | × |
| 買い残と出来高の比較 | 5日平均出来高40.97万株(IRBANK様)を上回る | × |
| 株価上昇後の買い残急増 | 8/28の40.81万株から1か月で約60%増加 | × |
売り残が買い残より多いのは、10/31の優待権利を狙ったクロス取引(つなぎ売り)の可能性があります。
8月決議の自社株買い(10/1開示):9/30時点の累計は70,200株・58.66百万円で、平均取得単価は約836円です。累計が9月中の取得分と一致するため、8月中の取得は0株でした。進捗は株数ベースで14.0%です。取得期限は10/30で、残りは約43万株、営業日で約21日あります。1日あたり約2万株となり、5日平均出来高の5%前後にあたります(当研究所試算)。株数上限が先に効くため、最終的な取得額は約4.6億円程度にとどまる可能性があります。












信用買い残は3項目すべてが×で、株価上昇後に急増しています。10月末は権利落ち・自社株買いの期限・優待クロス解消が重なるため、需給面は注意が必要と考えられます。
出典:決算短信、決算説明資料、9/10開示資料、9/28補足説明資料、10/1開示資料、半期報告書、みんかぶ様、かぶたん様、IRBANK様
④ 配当継続性スコア(5項目評価)
| 評価項目 | 評価 | 前回→今回 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 配当の中身 | ○ | △→○ | 3期連続増配(21→31→39円)、全額普通配当で記念・特別配当なし。来期の下限37円を明示 |
| 本業の稼ぐ力 | △(実体) | △→△ | 営業利益は3度上方修正されたが、通期でも前期比▲21.2%の減益予想。売上の約半分を占めるGreenは入社人数・掲載求人数とも悪化 |
| 財務の健全性 | ○ | ○→○ | 自己資本比率56.5%、ネットキャッシュ約30.7億円 |
| 配当の原資 | △(実体) | △→△ | 本業ベースの配当性向は約90〜102%。中間営業CFの年換算(約9.5億円)は配当総額(約8.5億円)をかろうじて上回る程度。自社株買いは借入で賄う方針 |
| 経営方針の透明性 | ○ | ○→○ | 資本コスト対応の継続的なアップデート、ROE/ROIC目標、戻入益・基準日・取得状況の迅速で詳細な開示 |
C→B-(2ノッチ格上げ)
※前回の5段階評価「C」を、11段階の「C」に読み替えています。
判定の考え方:実体を伴う△が2項目あるため、運用ルールによりA以上にはしません。配当の原資は中間CF計算書という実体データで判定しており、3Qの非開示分(構造的─)を格上げ・格下げの根拠には使っていません。
格上げの根拠は、3度の増配と来期下限の明示で配当の中身が改善したこと、財務余力が保たれていること、開示の透明性が高いことの3点です。
一方、Bではなく「B-」にとどめた理由は3点あります。1つ目は、39円配当が、一時的でキャッシュを伴わない戻入益を含む利益を基準にしており、本業ベースではほぼ全額還元であること。2つ目は、還元を借入で賄う構造が方針として明文化されたこと。3つ目は、Greenの悪化が加速していることです。
この評価は業績や財務に重大な問題が生じたことを意味するものではなく、配当の「持続性の裏づけ」がまだ十分でないことを示すものです。
クリックして評価ランクの説明を見る
S:非常に優れている/A:優れている/A-:Aの要件を満たすがBに近い注意点がある/B+:Bの要件を満たしAに近い水準にある/B:良好/B-:Bの要件を満たすがCに近い注意点がある/C+:Cの要件を満たしBに近い水準にある/C:やや懸念がある/C-:Cの要件を満たすがDに近い注意点がある/D:懸念が大きい/E:重大な懸念がある
※評価体系をS/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「+(プラス)-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。






Bへの格上げ条件(通期決算時)
- 通期営業CFが配当総額(約8.5億円)を上回ること。
- 4QのGreen入社人数の減少率が▲10%以内に縮小すること。
- FY2027の配当予想が39円以上で出ること。
- FY2027の会社予想EPS(一時的な損益を含まないもの)が配当予想を上回ること。
⑤ 適正株価試算(普通配当逆算法)
前提:現在株価941円(10/1)、配当39円、配当利回り4.14%、会社予想EPS55.28円、BPS181.4円。
シナリオ別試算
| シナリオ | 想定配当 | 想定利回り | 適正株価(計算式) | 適正株価 |
|---|---|---|---|---|
| 強気 | 45円 | 4.0% | 45÷0.040 | 約1,125円 |
| 中立 | 39円 | 4.5% | 39÷0.045 | 約867円 |
| 保守的 | 39円 | 5.0% | 39÷0.050 | 約780円 |
| 弱気 | 25円 | 5.5% | 25÷0.055 | 約455円 |
- 強気:FY2027に売上+30%と増益を達成し、本業ベースEPSが約53円、配当性向85%を想定しています。
- 中立:会社予想の今期配当39円をそのまま使っています。
- 保守的:増配なしで39円を据え置く想定です。参考として、来期の下限37円を5.0%で割り戻すと約740円になります。
- 弱気:来期は37円を維持したうえで、FY2028以降に本業ベースEPSが約40円で横ばいとなり、配当性向を前期実績の62.8%に戻す想定です。この場合、配当は約25円になります。
弱気シナリオ:「方針を曲げざるを得ない前提条件」
Greenの減収が続き、Wevoxの成長率が10%台に鈍化し、同社が借入による還元の継続を断念することが重なった場合、弱気シナリオに近づくと考えられます。
BPS×適正PBR倍率(2点セット確認)
BPS:181.4円(3Q末の自己資本40.47億円÷発行済2,231.5万株。IRBANK様の数値とも一致)
| PBR倍率 | 適正株価(計算式) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 3.5倍 | 181.4×3.5 = 約635円 | ROE20%超を前提にしたレンジの下限 |
| 5.0倍 | 181.4×5.0 = 約907円 | 同レンジの上限 |
| 現状(約5.2倍) | 5.19倍(かぶたん様)/5.24倍(IRBANK様、950円時点) | 自社株買いと配当の支払い後はBPSが140円台に下がる可能性があり、さらに高く見える |
現在の941円は、中立シナリオ(867円)を約9%、BPS×PBRレンジの上限(907円)も上回っています。強気シナリオ(FY2027の本業増益と増配の継続)を先取りした水準と考えられます。









全シナリオが崩れる条件
- SMBC経由の案件が剥落したり、チャーンレートが1.5%を超えたりして、Wevoxの成長が止まる
- Greenの減収が▲15%超に加速する
- 本業ベースEPSが配当を明確に下回る状態が2期以上続き、内部留保と借入による還元が限界に達する
- 創業者主導の方針が、成長投資優先の還元縮小へ転換する
- 金利上昇などで、借入による還元が続けられなくなる
まとめ
外部目標株価との比較:みんかぶ様の目標株価842円(現在値との差は−99円、前回の874円から引き下げ)、理論株価726円です。いずれも現在の株価を下回っています。個人投資家の予想は1,018円(9/3更新)です。
割高・割安感:配当逆算の中立シナリオ(867円)とBPS×PBRレンジの上限(907円)をいずれも上回っており、やや割高圏と考えられます。本業ベースの実質PERは22〜25倍です。
長期投資家への視点:3期連続の増配と来期37円以上の下限は心強い材料です。一方で、39円配当は本業ベースではほぼ全額還元であり、自社株買いは借入で賄われています。通期決算で示されるFY2027の配当予想と会社予想EPSが、最大の判断材料になると考えられます。
強気シナリオの根拠:FY2027の売上+30%目標と増益局面の明言、Wevoxの+30%成長、SMBCグループ経由の全国5万社への販路、Qooaのリリース、ROE20%以上の目標です。
























- 通期営業CFと配当総額約8.5億円の比較
- FY2027配当予想と、一時的な損益を除いた会社予想EPS
- 8月決議の自社株買いの最終実績と借入額
- Qooaのリリース状況
- MICOTH設立による連結化の有無
- ストック・オプション放棄後の新たな株式報酬(RS等)の付与と費用増
なお、現時点で未確認の事項は、配当支払日、「37円以上」方針の更新有無、優待費用の業績予想への織り込み状況、戻入益の税務上の扱いです。
出典:2026年9月期 中間・第3四半期決算短信、第3四半期決算説明資料、9/10「通期業績予想の修正、配当予想の修正(増配)及び特別利益(新株予約権戻入益)の計上に関するお知らせ」、9/28「期末配当・株主優待・定時株主総会における議決権の基準日に関する補足説明資料」、10/1「自己株式の取得状況に関するお知らせ」、半期報告書(大株主の状況)、みんかぶ様、かぶたん様、IRBANK様、IFIS株予報様、外部報道(時事通信、2026年9月10日/ウエルスアドバイザー、2026年9月10日/ダイヤモンド・ザイ、2026年6月10日)
免責事項
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情報基準日:2026年10月1日
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。






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