作成日:2026年7月31日
※本記事はAIによる分析をベースに作成しています。投資判断はご自身の責任において行ってください。詳細は記事末尾の免責事項をご確認ください。
はじめに:このシリーズについて
本シリーズでは、J-REIT各銘柄の状況を、主に有価証券報告書をもとに確認します。
決算説明資料だけでは見えにくい資産の権利関係、個別物件の収益性、借入金の条件、修繕負担なども確認し、その投資法人がどのような局面にあるのかを考えます。
投資のプロ向けというより、個人投資家や投資初学者の方に向けて、なるべく平易に整理していきます。
今回は、NTT都市開発リート投資法人の2026年4月期、第47期有価証券報告書を確認します。
この銘柄はどんなJ-REIT?
- 名称:NTT都市開発リート投資法人
- 証券コード:8956
- タイプ:オフィス・レジデンス複合型
- 決算月:4月・10月
- スポンサー:NTT都市開発
- 運用資産数:62物件
- 資産規模:2,952億円
- オフィス比率:70.9%
- レジデンス比率:29.1%
- 総資産LTV:47.9%
- 格付:JCR「AA・安定的」
NTT都市開発をスポンサーとする複合型J-REITです。
ポートフォリオの中心は東京都心を中心とするオフィスですが、住宅も約3割組み入れています。
オフィスには東京オペラシティビル、品川シーズンテラス、グランパークなどの大型物件が含まれます。住宅では芝浦アイランドのエアタワー、ブルームタワーなどを保有しています。
スポンサーであるNTT都市開発は、物件の取得・売却、テナント誘致、物件管理など幅広い面で関係しています。
NTTグループ企業はオフィスの主要テナントでもあり、第47期末のNTTグループテナント比率は33.5%です。
信用力や物件情報力は大きな強みですが、スポンサーが売主、買主、テナント、共有者、資産運用会社の親会社など複数の立場を兼ねる点には注意が必要です。
直近決算期の指標確認
| 指標 | 第46期 | 第47期 | コメント |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 3,074.8億円 | 3,076.4億円 | ほぼ横ばい |
| 純資産 | 1,464.9億円 | 1,470.0億円 | 売却益で増加 |
| DPU | 3,140円 | 3,140円 | 横ばい |
| 巡航EPU | 2,586円 | 2,640円 | 小幅改善 |
| 総資産LTV | 47.9% | 47.9% | 横ばい |
| 賃貸NOI等 | 69.11億円 | 69.73億円 | UDX配当込み |
| NOI利回り | 5.0% | 5.0% | 横ばい |
| 期中平均稼働率 | 97.8% | 98.2% | 改善 |
| 1口当たりNAV | 148,206円 | 150,663円 | 上昇 |
| 平均借入金利 | 0.84% | 0.92% | 上昇 |
第47期の当期純利益は51.16億円、会計上の1口当たり利益は3,484円でした。
ただし、ここにはランディック第2新橋ビルの売却益12.39億円が含まれます。本投資法人が決算説明資料で示す、売却益を除いたEPUは2,640円です。
DPU3,140円との差額500円は売却益から分配されています。
また、売却益をすべて分配したわけではありません。5.05億円を圧縮積立金に繰り入れており、利益処分後の圧縮積立金残高は18.89億円、1口当たり1,287円となる見込みです。
表面的には前期と同じDPUですが、中身は異なります。
第46期は圧縮積立金を取り崩してDPUを補いました。一方、第47期は売却益を活用しながら、新たに圧縮積立金を積み増しています。
分配金の持続余力という点では、前期より改善したと考えられます。
注目ポイント

1.第48期はEPU3,030円まで回復する予想
第47期の巡航EPUは2,640円でしたが、第48期は3,030円まで上昇する予想です。
主な要因は、大規模修繕工事の一巡です。
第47期の修繕費は10.11億円でしたが、第48期予想では5.62億円まで減少します。1口当たりでは、修繕費減少がEPUを約306円押し上げる計算です。
運用側は、第45期から第47期に大規模修繕を集中して実施し、約7億円分の工事を前倒ししたと説明しています。

運用側は、第45期から第47期に大規模修繕を集中して実施し、約7億円分の工事を前倒ししたと説明しています。
今後の修繕費は当面、1期6~7億円程度を見込んでいます。
したがって、第47期のEPU2,640円は恒常的な収益力というより、修繕工事が集中したことで一時的に低下した可能性があります。
一方、第48期の5.62億円も巡航見通しを下回るため、第48期EPU3,030円をそのまま恒久的な利益水準と見るのは慎重であるべきでしょう。
第47期と第48期の中間を取り、現時点の実力は2,900円台後半から3,000円程度と考えるのが無難です。
2.オフィス賃料には大きな引上げ余地
第47期末のオフィス稼働率は99.8%です。
ほぼ満室であるため、今後の成長源は空室を埋めることではなく、契約賃料を引き上げることになります。
第47期の賃料改定実績は次のとおりです。
- 入替時賃料増減率:+10.7%
- 更新時賃料増減率:+2.5%
- オフィス全体の賃料増加効果:+0.8%
入替時・更新時の賃料増額が進む一方、市場賃料との差はむしろ拡大しており、今後の賃料改定余地が大きいことが分かります。

市場賃料と契約賃料を比較した賃料ギャップはマイナス10.7%で、面積ベースでは74.7%が市場賃料を下回るアンダーレントとされています。
これは、今後の賃料増額余地が大きいことを示します。
ただし、市場賃料が上昇したからといって、すべての既存テナントの賃料をすぐに引き上げられるわけではありません。
契約更新やテナント入替のタイミングを待つ必要があるため、利益への反映には時間がかかります。
運用側は従来の稼働率優先から、賃料を優先する方針へ切り替えています。多少の空室期間やフリーレントを受け入れてでも、契約賃料を市場水準に近づける考えです。
3.レジデンスも賃料上昇が続く
第47期のレジデンス入替時賃料増減率は+15.2%、更新時は+2.0%でした。
通常の原状回復だけでも入替時賃料は+10.0%です。
さらに、専有部をリノベーションした住戸では、成約した13戸の賃料が平均45.5%上昇しました。
リノベーション工事のROIは17.9%、第44期以降の累計では21.5%です。
高い投資効果が確認されていますが、実施戸数は第47期で19戸です。全4,239戸に対して規模は限られているため、ポートフォリオ全体への効果は少しずつ積み上がる形になります。
4.築古物件を築浅住宅へ入れ替えている
第45期以降、次の築古・課題資産を売却しています。
- ランディック第2新橋ビル
- NTTクレド岡山ビル
- かながわサイエンスパークR&D棟
売却資産の平均築年数は37.9年です。
一方、取得したのは築浅住宅4物件で、平均築年数は3.7年です。
- ウエリスアイビー旗の台
- ウエリスアイビー門戸厄神
- La Douceur都島高倉町
- ミラージュパレス難波クルヴァ
資産規模を拡大するというより、古くて将来支出が重くなりやすい資産を、築浅で管理しやすい住宅へ置き換えています。
投資法人はこの入替により、第47期から第49期までの修繕費を3.6億円、資本的支出を12.7億円削減できると説明しています。
現在の投資口価格で無理に増資を行うより、課題資産を整理して1口当たり価値を高める方針と考えられます。
5.含み益は過去最高水準
不動産部分の帳簿価額は2,564.9億円、期末算定価額は3,353.1億円です。
含み益は約788億円、含み益率は30.7%となりました。
1口当たりNAVも150,663円まで上昇しています。
保有物件のキャップレート低下によって評価額が上がったというより、査定賃料の上昇による評価額上昇が中心です。
第47期は比較可能な物件のうち46物件で査定賃料が上昇し、下落した物件はありませんでした。
賃貸市場の改善が鑑定評価にも反映されています。
気になる点 冷静に見ておきたいリスク
1.DPUはまだ完全な巡航利益ではない
第48期のEPU予想は3,030円、DPU予想は3,100円です。
差額70円は圧縮積立金を取り崩して補う予定です。
第49期はEPU2,920円に対してDPU3,100円で、180円を圧縮積立金から補います。
第49期まで、DPU3,100円を本業利益だけで完全に賄う状態には届きません。
圧縮積立金があるため、直ちにDPUが大きく減少する可能性は低いと考えられます。ただし、内部留保を使って本業の回復を待っている段階であることは認識しておく必要があります。
2.金利上昇が内部成長を削る
第47期に返済した長期借入金83億円の平均金利は0.63%でした。
これに対し、新たに調達した83億円の平均金利は1.68%です。
固定金利30億円の平均金利は2.43%、変動金利53億円は1.26%でした。
支払利息は、
- 第47期:6.93億円
- 第48期予想:7.76億円
- 第49期予想:9.16億円
へ増加する見込みです。

第47期から第49期までの増加額は約2.23億円、1口当たり約152円に相当します。
オフィスや住宅の賃料は上昇していますが、その一部は金利負担増に吸収されます。
今後は、賃料上昇の速度が借換金利上昇の速度を上回れるかが重要になります。
3.築古物件と修繕負担
第47期末の平均築年数は25.5年です。
オフィスは27.5年、レジデンスは20.6年となっています。
第47期は修繕費10.11億円に加え、資本的支出13.55億円を実施しました。合計23.66億円で、減価償却費16.53億円を上回ります。
修繕工事を前倒しした面はありますが、築古資産を多く保有する以上、将来も工事費が発生する可能性があります。
第48期に修繕費が大きく減少しても、第50期以降には再び増える見通しが示されています。
4.上野THビルの大型退去
上野THビルは、2026年7月末に約1,132㎡のテナント退去が予定されています。
同物件には次の特徴があります。
- 1985年築
- 帳簿価額:約44.1億円
- 鑑定評価額:約36.3億円
- 含み損:約7.8億円
- 土地の一部が借地
- 借地権が未登記
- 既存不適格事項あり
一方、第47期には入替区画で+5.9%、更新区画で+7.2%の賃料増額に成功しました。
立地や賃料増額余地はあるものの、建物・権利関係には課題があります。
大型退去区画をどの程度の期間と賃料で埋め戻せるかが、今後の確認点です。
5.秋葉原UDXは収益源だが見えにくい
秋葉原UDXは物件を直接保有しているのではなく、特定目的会社の優先出資証券を通じて19%を間接保有しています。
帳簿価額は約200億円、第47期の受取配当金は約5.3億円です。
収益性は高いものの、市場価格がないため取得原価で評価されています。実質的な含み益や含み損は、有報上では確認できません。
第49期には商業区画「AKIBA_ICHI」のリニューアル工事により、受取配当金が1口当たり116円減少する見込みです。
安定収益源である一方、投資法人のEPUを大きく動かす資産でもあります。
今後確認したいポイント
今後は次の点を確認していきたいところです。
- 第48期の修繕費が予想どおり減少するか
- オフィスの賃料増額が継続するか
- 上野THビルの退去区画が早期に埋まるか
- 第49期以降、秋葉原UDXの配当が回復するか
- 借換後の平均金利がどこまで上昇するか
- 第52期のEPU3,100円目標を内部留保なしで達成できるか
- 自己投資口取得による1口当たり利益の押上げ効果
- 手元資金約90億円を物件取得、借入返済、自己投資口取得のどこへ配分するか
まとめ
NTT都市開発リート投資法人の第47期は、売却益によってDPU3,140円を維持した決算です。
ただし、単純な売却益頼みと見るだけでは不十分です。
売却益の一部を圧縮積立金として留保し、築古・低収益資産を売却して築浅住宅へ入れ替え、大規模修繕を前倒ししています。
第48期には修繕費の減少により、EPUは2,640円から3,030円へ回復する予想です。
さらに、オフィスでは保有面積の74.7%がアンダーレントで、レジデンスも入替時賃料が15.2%上昇しています。
内部成長の余地は十分にあります。
一方、第48期の利益回復は修繕費減少による部分が大きく、第49期には金利負担増と秋葉原UDXの配当減少でEPUが2,920円へ低下します。
DPU3,100円を本業利益だけで安定的に賄う状態には、まだ到達していません。
NTTグループの信用力、厚い含み益、賃料上昇余地は強みです。
その一方で、築古資産、金利上昇、修繕負担、秋葉原UDXの見えにくさなどもあります。
現在は、資産規模を大きくする局面というより、
築古資産を整理し、賃料を引き上げ、1口当たり価値を磨き直している途中
と見るのが適切でしょう。
第52期に目標とするEPU3,100円を、売却益や内部留保に頼らず安定的に達成できるかが、今後の評価を左右しそうです。
免責事項
【AIによる作成について】
本記事は、AIによる分析をベースに作成しています。AIは決算説明資料および有価証券報告書を参照して分析を行っていますが、読み取りの誤り・解釈の相違・情報の欠落が生じる可能性があります。本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、その正確性・完全性を保証するものではありません。
【投資に関する免責事項】
本記事は特定の銘柄への投資を推奨・勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴い、投資元本が保証されるものではありません。J-REITへの投資においては、分配金の減少・投資口価格の下落・上場廃止などのリスクがあります。投資に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。投資判断に際しては、必要に応じて証券会社・ファイナンシャルプランナーなど専門家へのご相談をお勧めします。


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