今回は、中部地盤の独立系配合飼料メーカー「中部飼料(2053)」の2027年3月期 第1四半期決算について、継続チェックの観点から確認していきます。前回分析(2026年6月13日・評価ランクA-)からの追跡分析です。
所長ダル








① 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 中部飼料株式会社(CHUBU SHIRYO CO.,LTD) |
| 証券コード | 2053(東証プライム・名証プレミア) |
| 業種 | 食料品 |
| 代表者 | 代表取締役社長 藤田 京一 |
| 主な事業 | 配合飼料の製造販売(畜産飼料・水産飼料)、その他(鶏卵販売・肥料・畜産用機器・保険代理業) |
| 決算期 | 3月期(第1四半期=4〜6月) |
| 時価総額 | 約608〜611億円(2026年8月18〜19日時点、かぶたん様・IRBANK様) |
| 発行済株式数 | 30,371,908株(自己株式1,675,695株を含む) |
| 中期経営計画 | 「中期経営計画2024」(2025年3月期を初年度、27.3期が最終年度) |
| 現在株価 | 2,005円(’26/8/19終値、みんかぶ様・かぶたん様) |
出典:27.3期1Q決算短信、27.3期1Q決算補足説明資料、26.3期決算短信、みんかぶ様、IRBANK様、かぶたん様
中部地盤の独立系配合飼料メーカーで、販売量では首位級とされています。畜産飼料・水産飼料を中心に、鶏卵販売や肥料、畜産用機器、保険代理業なども手がけています。






② 主要財務指標
当第1四半期実績(’26年4月1日〜6月30日/百万円)
| 項目 | 27.3期1Q | 26.3期1Q | 前年同期比 | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 56,291 | 52,279 | +7.7% | 221,000 | 25.4% |
| 営業利益 | 1,232 | 1,114 | +10.6% | 5,900 | 20.8% |
| 経常利益 | 1,600 | 1,334 | +19.9% | 6,200 | 25.8% |
| 親会社株主帰属四半期純利益 | 3,466 | 1,024 | +238.3% | 6,900 | 50.2% |
| (不動産売却益調整後) | 1,324 | 1,024 | +29.3% | 4,757 | 27.8% |
| 1株当たり四半期純利益 | 120.79円 | 34.71円 | - | 240.45円 | 50.2% |
| 売上高営業利益率 | 2.19% | 2.13% | +0.06pt | 2.67% | - |
| 減価償却費 | 737 | 714 | +3.2% | 3,300 | 22.3% |
| 設備投資額 | 575 | 721 | △20.1% | 3,900 | 14.7% |
出典:27.3期1Q決算短信、27.3期1Q決算補足説明資料
財政状態・指標
| 項目 | 26.3期末 | 27.3期1Q末 |
|---|---|---|
| 総資産 | 108,935百万円 | 109,775百万円 |
| 純資産 | 72,824百万円 | 75,046百万円 |
| 自己資本 | 72,723百万円 | 74,938百万円 |
| 自己資本比率 | 66.8% | 68.3% |
| 有利子負債 | 93億円 | 73億円 |
| D/Eレシオ | 0.13倍 | 0.10倍 |
| 流動比率 | 271.8% | 299.9% |
| BPS | 2,534.26円 | 2,611.42円 |
通期予想・株主還元関連
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| ROE | 実績8.32%/予想9.21% | IRBANK様 |
| 年間配当予想 | 76円(中間38円・期末38円) | 修正なし。前期65円から+11円 |
| 配当性向(予想) | 31.6% | 前期34.1%から△2.5pt |
| DOE | 3.0%目標 | 前期実績2.7%から+0.3pt |
| 配当金総額(予想) | 22.0億円 | 前期18.8億円から+3.2億円 |
| 配当利回り | 3.79%(株価2,005円) | みんかぶ様・かぶたん様 |
| PER(予) | 8.3〜8.37倍 | かぶたん様/IRBANK様 |
| PBR | 0.77〜0.83倍 | IRBANK様/みんかぶ様 |
※中部飼料は四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しない開示方針であり、当第1四半期も同計算書は作成されていません。営業CFの実額確認は2Q(中間)以降に持ち越しとなります。









③ 継続チェックメモ項目評価
毎回チェックする基本項目
| チェック項目 | 判定基準 | 1Q実績 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 通期計画221,000百万円への進捗 | 56,291百万円(25.4%) | ◎ |
| 営業利益 | 通期計画5,900百万円への進捗 | 1,232百万円(20.8%) | ○ |
| 営業利益率 | 2%台に落ち込んでいないか | 2.19% | △ |
| 経常利益 | 通期計画6,200百万円への進捗 | 1,600百万円(25.8%) | ◎ |
| ROE | 通期計画9.2%への進捗 | 実績8.32%/予想9.21% | ○ |
| EPS | 27.3期予想240.45円への進捗 | 120.79円(50.2%) | ○ |
| 営業CF | 配当総額(22.0億円)を上回るか | -(構造的確認不能) | - |
| 年間配当予想 | 減配・方針変更の予告がないか | 76円・修正なし | ○ |
売上高は進捗25.4%で四半期の目安25%をクリアしています。畜産飼料の平均販売価格上昇と、その他セグメント(鶏卵・肥料)の伸びが牽引しました。売上高は「両方向型」指標にあたるため質の指標も確認したところ、売上総利益率は9.48%(前年同期9.30%)へ改善しており、量・質ともに改善しているため◎と判定しました。
営業利益は進捗20.8%で25%をやや下回りますが、前期同時期の進捗16.9%を上回るペースであり、現時点で計画未達リスクが顕在化しているとは言い難いと考えられます。営業利益率2.19%は継続チェックメモの警戒ライン「2%台」に入っていますが、前年同期2.13%からは改善しており、通期計画も2.67%と3%を下回る前提です。悪化ではなく計画織り込み済みの水準であるため△としました。2Q以降で2.5%以上に戻るかが確認ポイントです。
売上高・経常利益は◎、営業利益・ROE・EPS・年間配当予想は○となり、基本項目の大半で前回からの改善が確認できました。唯一の△は営業利益率で、警戒ラインには入っているものの前年比では改善しており、計画織り込み済みの水準と考えられます。営業CFは会社の開示方針により確認できず、2Q以降まで判定を持ち越します。
注意点①:27.3期の減益計画の進捗(中東情勢によるコスト増の実際の影響)
| チェック項目 | 判定 | 内容 |
|---|---|---|
| 1Q営業利益は計画に対して順調な進捗か | ○ | 進捗20.8%。前年同期進捗16.9%を上回るペース |
| 変動費増加が想定(▲8.2億円)を超えていないか | ◎ | 1Q実績△0.4億円。通期▲8.2億円想定に対し軽微 |
| 畜産飼料の固定費増加が想定(▲4.4億円)を超えていないか | ○ | 1Q実績△1.2億円。四半期按分(▲1.1億円)とほぼ同水準 |
| 水産飼料の利益が減少範囲(▲0.6億円計画)に収まっているか | ◎ | 実績は+0.1億円の増益。計画に対し良い方向に外れた |
| 差別化飼料の売上高構成比が計画どおり上昇(44.5%→46.0%)しているか | × | 1Q実績45.1%。通期計画46.0%に対し未達 |
営業利益の増減要因を分解すると、26.3期1Q実績11.1億円に対し、畜産飼料の販売量減少△0.6億、差別化飼料比率低下による利益減少△0.1億、原料ポジション改善+3.1億、電力費・燃料費・基金負担金等の変動費増加△0.4億、畜産飼料の固定費増加△1.2億、水産飼料の利益増加+0.1億、その他+0.3億を経て、27.3期1Q実績12.3億円となっています。
最も注目すべきは原料ポジション改善の+3.1億円です。前回分析時点では通期で+5.7億円の改善を見込んでいましたが、1Qだけで3.1億円を計上しており、計画に対し良好なスタートと考えられます。会社は原材料価格動向を踏まえた付加価値販売の推進、配合設計の見直し、製造加工条件の最適化による歩留まり改善を要因として挙げています。円安基調と海上運賃高騰という逆風下でこれを達成した点は、価格転嫁力と製造効率の両面での改善を示唆していると考えられます。
一方、差別化飼料の売上高構成比45.1%は明確な未達です。会社は採卵鶏用・ブロイラー用飼料での価格競争激化による汎用化の進行と、販売量の伸び悩みを説明しています。差別化飼料は中期経営計画2024の収益力向上の柱であり、ここが伸び悩むことは中長期の利益率改善シナリオに対する懸念材料と考えられます。前回分析時点(26.3期実績44.5%、計画47.0%も未達)から2期連続の未達傾向にあたる点に注意が必要です。
変動費が想定より軽微だった理由として、電力費単価の下落と燃料費単価の横ばいが挙げられます。前回懸念していた中東情勢によるコスト増は、少なくとも1Q時点では想定より抑制されたと考えられます。ただし飼料価格安定基金負担金単価は上昇しており(26年4-6月の補てん金トンあたり単価2,950円、26年1-3月の1,750円から上昇)、2四半期連続で補てん金が交付される環境が続いています。
ウォッチポイントとして、上期時点で営業利益が2,950百万円を大きく下回る場合は下方修正リスク、という前回設定ラインに対し、1Qで1,232百万円を計上しました。2Qで1,718百万円以上を計上できるかが判断の分かれ目になります。会社は「2Qは1Qより原料ポジションが改善する見込み」としています。












「原料ポジションが2期連続で悪化要因となった場合」という前回設定のシグナルは、今回は逆方向(改善)であり警戒レベルは後退したと評価できます。一方で差別化飼料構成比の未達は2期連続となっており、中長期の収益力向上シナリオに関わる最重要ウォッチ項目として引き続き注視が必要と考えられます。
注意点②:固定資産売却益(31億円)の計上タイミングとそれ以外の純利益の実力
| チェック項目 | 判定 | 内容 |
|---|---|---|
| 1Qで固定資産売却益31億円が予定通り計上されているか | ○ | 固定資産売却益3,118百万円(うち横浜物流倉庫譲渡益3,113百万円)を計上 |
| 売却益を除いた実質純利益は前期からどう変化したか | ◎ | 1,324百万円(前年同期1,024百万円、+29.3%)。通期調整後計画4,757百万円に対し進捗27.8% |
| 投資有価証券売却益の規模・推移 | ○ | 183百万円(前年同期101百万円)。政策保有株の縮減は継続 |
| 調整額(セグメント利益)が計画どおり増加しているか | ◎ | 3,373百万円(前年同期28百万円)。通期計画3,300百万円に対し進捗102.2% |
この項目が今回の最重要ポイントです。純利益+238.3%(3.4倍)という数字だけを見れば◎ですが、「量の指標だけを単独で見て◎を付けない」という判定記号ルールの特則に従い、質=特別要因を除いた実力値を確認しました。
不動産売却益調整後の純利益は1,324百万円で、前年同期1,024百万円から+29.3%の増益です。通期の調整後計画4,757百万円に対する進捗は27.8%と、四半期目安25%を上回っています。「過去最高益更新が一時的要因による見栄えだけのものだった」という前回懸念は、現時点では否定される内容と考えられます。
なお、今回は前回チェックリスト作成時には想定していなかった特別利益として、関係会社出資金売却益200百万円が新規に計上されています。内容の詳細開示はありませんが、事業ポートフォリオの見直しが継続している可能性があります。
政策保有株式については、27.3期は14銘柄を継続保有、2銘柄を随時縮減の方針と明記されています。保有銘柄数は23.3期の17銘柄から26.3期16銘柄へと緩やかに減少しており、投資有価証券売却益183百万円もこの流れに沿ったものと考えられます。












固定資産売却益31億円は予定通りの計上であり、これを除いた実質純利益も+29.3%の増益と確認できました。前回の最大懸念であった「一時的要因による見栄えだけの増益」という疑いは後退したと考えられます。
継続ウォッチ:原料調達構造(為替・穀物相場・米国依存度)
| チェック項目 | 判定 | 内容 |
|---|---|---|
| とうもろこし・大豆油粕相場は前提から大きく変化していないか | △ | とうもろこしは26年6月以降下落し前年同期を下回る一方、大豆油粕は25年10月以降高値推移で前年同期を上回る |
| 為替が想定以上に円安に振れ原料ポジションが悪化していないか | ○ | 前年同期より大幅に円安。ただし原料ポジションは+3.1億円改善 |
| 飼料価格安定基金負担金単価が大幅に上振れていないか | △ | 基金負担金単価は上昇。補てん金は26年4-6月まで2四半期連続交付 |
| 日米関税交渉における米国産トウモロコシ輸入拡大の進展状況 | - | 決算資料に言及なし。次回への持ち越し(偶発的-) |
通関価格ベースでは、とうもろこしが26年4-5月加重平均40,859円/トン(25年4-6月37,983円/トン)、大豆油粕が70,793円/トン(同63,614円/トン)と、いずれも前年同期を上回っています。円安が通関価格を押し上げる構図は継続しています。
それでも原料ポジションが改善した点が今回の最大の発見です。配合飼料価格指数104に対し原材料価格指数104(26.3期1Qを100とした指数)で、価格転嫁が原材料上昇に追いついている状態と読み取れます。ただしこれは構造的な優位性というより、四半期ごとの価格改定タイミングと配合設計見直しの成果である可能性があり、相場が急変した局面で同じ結果が得られる保証はないと考えられます。
引き続き良好なら安心できる項目
| 項目 | 前回(26.3期) | 今回(27.3期1Q) | 維持ラインの目安 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 66.8% | 68.3% | 60%以上 | ◎ |
| D/Eレシオ | 0.13倍 | 0.10倍 | 0.3倍以内 | ◎ |
| 流動比率 | 271.8% | 299.9% | - | ◎ |
| 営業CF対配当総額カバー率 | 約3.8倍 | -(構造的) | 1.5倍以上 | - |
| DOE | 2.7% | 3.0%目標を維持 | 中計目標どおり進捗 | ○ |
| 差別化飼料の売上高構成比 | 44.5% | 45.1% | 46.0%(27.3期計画) | × |
| 配当継続実績 | 減配なし | 7期連続増配予定 | 減益時も配当維持 | ◎ |
| 有利子負債 | 93億円 | 73億円 | 総資産比15%以内 | ◎ |
| 大株主構成 | -(四半期開示対象外) | アクティビスト系新規登場なし | 大株主異動なし | ○ |
財務健全性は前回から全面的に改善しています。自己資本比率68.3%、D/Eレシオ0.10倍は、飼料メーカーとしては極めて保守的な財務構造と考えられます。有利子負債は「両方向型」指標にあたりますが、20億円の減少に対し使途(短期借入金1,500百万円全額返済、長期借入金587百万円減少)を確認したところ、運転資本の逼迫ではなく余資での返済と読み取れます。原材料及び貯蔵品は9,836百万円へ980百万円増加しており、在庫積み増しを行いながらの返済であるため、機会損失というより財務余力の表れと評価しました。
唯一の×は差別化飼料構成比です。ここは注意点①と重複しますが、中長期の収益力向上シナリオの根幹に関わる項目として引き続き最重要ウォッチとします。
大株主構成の追補確認(2026年3月31日現在)
| 順位 | 株主名 | 所有株式数 | 比率 | 属性の見立て |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 3,194千株 | 11.13% | 信託口(パッシブ中心) |
| 2 | 日本生命保険相互会社 | 1,486千株 | 5.18% | 安定株主(生保) |
| 3 | 日本カストディ銀行(信託口) | 1,166千株 | 4.06% | 信託口(パッシブ中心) |
| 4 | 豊田通商株式会社 | 945千株 | 3.29% | 事業関係(商社・原料調達) |
| 5 | 日本ハム株式会社 | 945千株 | 3.29% | 事業関係(畜産・販売先) |
| 6 | 平野殖産株式会社 | 893千株 | 3.11% | 名古屋市所在の非上場会社 |
| 7 | 丸紅株式会社 | 752千株 | 2.62% | 事業関係(商社・原料調達) |
| 8 | 東北グレーンターミナル株式会社 | 679千株 | 2.36% | 事業関係(穀物荷揚・保管) |
| 9 | 日本クリーンファーム株式会社 | 583千株 | 2.03% | 日本ハム系(青森県上北郡) |
| 10 | 日本ホワイトファーム株式会社 | 583千株 | 2.03% | 日本ハム系(青森県上北郡) |
| 計 | 11,229千株 | 39.13% | - | |
出典:有価証券報告書(2026年6月22日提出)「(6) 大株主の状況」/比率は自己株式1,675,635株を除く28,696,273株ベース
信託口2社を除いた事業法人・生保の合計は23.94%です。さらに注目すべきは、日本ハム株式会社(3.29%)+日本クリーンファーム(2.03%)+日本ホワイトファーム(2.03%)=7.35%という点です。後2社はいずれも青森県上北郡所在で、日本ハムグループの生産部門と考えられます。単独株主として見れば実質2位相当の比率であり、販売先が主要株主でもあるという飼料メーカー特有の関係が確認できます。同様に豊田通商・丸紅(合計5.91%)は原料調達側、東北グレーンターミナル(2.36%)は穀物の荷揚・保管インフラ側です。上位株主が原料調達から販売先まで、バリューチェーンの上下に分布している構造で、資本関係が取引関係の安定装置として機能していると考えられます。
大量保有報告義務が生じる5%超の株主は、信託口2社と日本生命のみです。投資ファンド、物言う株主として知られる主体、外資系アクティビストのいずれも上位10位に見当たらず、前回設定した「即座に見直しが必要なシグナル」の該当なしを確認できます。一方で信託口2社で15.19%というパッシブ比率は軽視できません。パッシブファンドは株式を売却できない代わりに議決権行使基準が明文化されており、近年はROEやPBRを基準とした取締役選任議案への反対、政策保有株式の縮減要求が定型化しています。同社の現状はPBR0.77〜0.83倍、ROE実績8.32%と、東証のPBR1倍割れ対応要請の対象圏内にあります。会社がDOE3%以上、政策保有株式の随時縮減、自己株式取得の機動的実施を具体的に開示しているのは、アクティビストの不在にもかかわらず、パッシブ株主と東証を意識した還元強化が進んでいる構図と読めます。
なお本情報は2026年3月31日現在のものであり、有価証券報告書の提出は2026年6月22日と、前回分析(6月13日)とほぼ同時期の情報です。したがって1Q末(6月30日)以降の株主異動は反映されていません。また26.3期に自己株式を874,693株取得しており分母が縮小しているため、次回有報(27.3期)では各株主の比率が機械的に上昇する可能性がある点も申し添えます。
























大株主構成は「-」から○評価に確定しました。アクティビスト系投資家の新規登場は確認されず、原料調達から販売先まで事業関係者が株主に並ぶバリューチェーン型の資本構成が特徴です。この項目は経営方針の透明性を側面から補強する材料ですが、既に○評価の項目であるため配当継続性スコアのノッチには影響しません。
即座に見直しが必要なシグナル(該当状況の確認)
| シグナル | 判定 |
|---|---|
| 年間配当の減配予告または方針変更 | なし(76円・修正なし、DOE3.0%目標を再掲) |
| 営業CFが2期連続でマイナス、または配当総額を下回る | -(1Q非開示) |
| 原料ポジション2期連続悪化+営業利益前期比▲20%超の下方修正 | なし(原料ポジションは+3.1億円改善) |
| 自己資本比率が60%を下回る | なし(68.3%) |
| DOE3%目標の撤回・大幅後退 | なし(改めて明記) |
| 特別損失の計上による大幅な純利益下振れ | なし(特別損失0百万円) |
| 大株主構成にアクティビスト系投資家が新規登場 | なし(有価証券報告書で確認済み) |
該当シグナルはありません。前回「-(四半期開示対象外・次回有報で確認)」としていた大株主構成についても有価証券報告書で確認が取れ、判定不能だった項目が解消されました。
株価・バリュエーション(継続ウォッチ)
| チェック項目 | 今回(26年8月19日) | 変化のポイント |
|---|---|---|
| 株価 | 2,005円 | 8/19終値、前日比△7円 |
| PER(実績) | 8.3倍 | かぶたん様 |
| PER(予想) | 8.37倍 | IRBANK様。特別利益込みEPS240.45円ベース |
| PBR | 0.77〜0.83倍 | 2010年以降レンジ0.36〜1.55倍(IRBANK様) |
| 配当利回り | 3.79% | 76円ベース |
| みんかぶ様目標株価 | 1,499円 | 株価診断「割高」、個人予想「売り」、アナリスト「対象外」 |
PER・PBRが初回分析時のレンジ内かという点では、PBR0.77〜0.83倍はIRBANK様の2010年以降レンジ(0.36〜1.55倍)の下半分に位置します。予想PER8.37倍は特別利益込みEPSベースであり、調整後EPS(4,757百万円÷約28.7百万株≒166円)で計算すると実質PER約12.1倍となる点は注意が必要です。
みんかぶ様目標株価の更新については、目標株価1,499円は現株価2,005円を25%下回り、BPS2,611円に対しPBR0.57倍相当です。純資産価値を大きく下回る水準であり、目標株価がアルゴリズムによる過去株価トレンド依存の算出である可能性を考慮すべきと考えられます。アナリストカバレッジが「対象外」である点も、この数値の解釈に影響します。
配当利回りが目標水準を維持しているかという点では、3.79%は高配当株として妥協できる水準を保っています。ただし年初来で株価が上昇基調(200日線カイリ+11.44%)にあり、妙味はやや薄れつつあると考えられます。
信用需給ウォッチ
| 日付 | 売り残(千株) | 買い残(千株) | 信用倍率 |
|---|---|---|---|
| 07/17 | 15.4 | 139.5 | 9.06倍 |
| 07/24 | 4.8 | 139.0 | 28.96倍 |
| 07/31 | 4.3 | 148.5 | 34.53倍 |
| 08/07 | 4.4 | 142.9 | 32.48倍 |
| 08/14 | 5.1 | 141.9 | 27.82倍 |
出典:かぶたん様 信用取引
信用倍率が低下しているかという点では×です。7/17の9.06倍から27.82倍へ大幅上昇していますが、これは買い残増加ではなく売り残の急減(15.4千株→5.1千株)が主因です。買い残が発行済株式数の何%かという点では○で、141.9千株÷30,371,908株=0.47%と、2%の警戒目安を大きく下回ります。買い残が直近出来高を上回る規模かという点では△で、8/19出来高50,700株に対し買い残141,900株は約2.8日分となり、極端な水準ではないものの軽くはありません。株価急騰後に買い残が急増していないかという点では○で、決算発表(7/31)前後で148.5千株がピークとなり、その後は減少しています。
売り残が枯渇し信用倍率が27倍台まで上昇している状態では、踏み上げによる株価上昇の期待は限定的であり、上値では買い残の利益確定売りが出やすい需給と考えられます。ただし買い残の絶対水準は発行済株式数の0.5%未満であり、需給が業績評価を大きく歪めるほどの規模ではないと考えられます。
④ 配当継続性スコア(5項目評価)
| 評価項目 | 評価 | 解説 |
|---|---|---|
| 配当の中身 | ○ | 全額普通配当。記念配当・特別配当なし。27.3期は中間38円・期末38円で年76円、7期連続増配予定。1Q時点で配当予想の修正なし |
| 本業の稼ぐ力 | ○ | 営業利益1,232百万円(+10.6%)、経常利益1,600百万円(+19.9%)。売上総利益率9.48%へ改善。原料ポジション+3.1億円改善。ただし営業利益進捗20.8%、差別化飼料構成比45.1%が計画未達 |
| 財務の健全性 | ○ | 自己資本比率68.3%(+1.5pt)、D/Eレシオ0.10倍(△0.03倍)、有利子負債73億円(△20億円)、流動比率299.9%。維持ラインを大幅にクリア |
| 配当の原資 | -(構造的) | 四半期連結CF計算書を作成しない方針のため1Q営業CFは原理的に取得不可。参考:営業利益+減価償却費=1,969百万円、四半期配当相当額約5.5億円。26.3期実績カバー率3.8倍 |
| 経営方針の透明性 | ○ | DOE3.0%以上目標を明記。株主還元方針(安定配当の維持向上、DOE段階的引き上げ、自己株式取得の機動的実施)を継続開示。政策保有株式の縮減方針も具体的に開示。業績予想も修正なしで一貫 |
A-→A-(継続維持)
前回A-から1ノッチ引き上げができると判断できます。理由は3点です。第一に、前回の最大の懸念だった固定資産売却益31億円を除いた本業純利益の実力について、不動産売却益調整後の純利益が1,324百万円(前年同期1,024百万円、+29.3%)、通期調整後計画に対する進捗27.8%と、特別要因を除いても増益基調が確認されました。第二に、自己資本比率66.8%→68.3%、D/Eレシオ0.13倍→0.10倍、有利子負債93億円→73億円と、財務健全性が前回から全面的に改善しています。第三に、DOE3.0%目標を1Q資料で改めて明示し、7期連続増配予定を掲げるなど、配当方針の具体性と一貫性が確認できました。
「配当の原資」項目の営業CFは、会社が四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しない方針であることに起因する構造的な-です。特則に従い、これを△として減点扱いにはしていませんが、開示されていない情報がある以上は評価の引き上げは妥当ではないと言う新ルールを設定しましたので、営業CFと配当総額の比較は2Q(中間)または通期決算での確認まで判定を留保します。
なお、-を除く4項目がすべて○であり、うち財務の健全性は維持ラインを大幅に上回る水準にあること、配当の中身も7期連続増配・普通配当のみと質が高いことから、Aを付けても妥当と判断しました。一方で、営業利益進捗20.8%と差別化飼料構成比の計画未達という実体を伴う懸念があるため、A+以上には引き上げていません。
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S:非常に優れている/A:優れている/A-:Aの要件を満たすがBに近い注意点がある/B+:Bの要件を満たしAに近い水準にある/B:良好/B-:Bの要件を満たすがCに近い注意点がある/C+:Cの要件を満たしBに近い水準にある/C:やや懸念がある/C-:Cの要件を満たすがDに近い注意点がある/D:懸念が大きい/E:重大な懸念がある
※評価体系をS/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「+(プラス)-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。
⑤ 適正株価試算(普通配当逆算法)
前提:現在株価2,005円(’26/8/19終値)、27.3期予想配当76円、現在利回り3.79%。
シナリオ別試算
| シナリオ | 想定配当額 | 想定利回り | 適正株価(計算式) | 適正株価 | 現株価比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 強気 | 82円(28.3期もDOE3.0%を維持し、BPS成長〈2,611円→2,730円程度〉に連動して増配。8期連続増配で市場評価が高まり利回り低下) | 3.40% | 82÷0.034 | 約2,412円 | +20.3% |
| 中立 | 76円(会社の27.3期予想配当をそのまま使用。通期計画達成が前提) | 3.50% | 76÷0.035 | 約2,171円 | +8.3% |
| 保守的 | 76円(28.3期も76円で据置。現在の実勢利回りが維持。増配ストップだが減配なし) | 3.79% | 76÷0.0379 | 約2,005円 | ±0% |
| 弱気 | 60円(DOE基準からの後退。実力EPS150円×配当性向40%=60円) | 4.50% | 60÷0.045 | 約1,333円 | △33.5% |
弱気シナリオ:「方針を曲げざるを得ない前提条件」
DOE3.0%は純資産ベースの基準であるため、利益が減っても純資産が維持される限り減配しにくい構造です。したがって減配に至るには、以下のいずれかが必要と考えられます。
- 純資産そのものが減少する事態:投資有価証券の大幅な評価損(1Q末投資有価証券10,379百万円、その他有価証券評価差額金5,068百万円)、または工場設備の減損損失計上
- 原料ポジションの反転と価格転嫁の失敗が同時発生:円安・穀物相場高騰・海上運賃上昇が重なり、四半期ごとの飼料価格改定が追いつかず、営業利益が26.3期の6,584百万円から半減水準(3,000百万円台)に落ち込む
- DOE基準からの後退:DOE目標を撤回し配当性向基準(過去実績34〜44%)に戻す。実力EPS150円×配当性向40%=60円
この弱気シナリオは条件が複合的に起きる前提であり、現時点で兆候は見られません。ただし飼料業界は為替・穀物相場・海上運賃という自社でコントロールできない3変数に利益が左右される構造であり、シナリオとして排除はできないと考えられます。
BPS×適正PBR倍率(2点セット確認)
BPS:2,611.42円(27.3期1Q末、IRBANK様)
| PBR倍率 | 適正株価(計算式) | 現株価比 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 0.77倍(現状) | 2,611.42×0.77 = 2,011円 | +0.3% | 現在の実績PBR水準 |
| 0.85倍 | 2,611.42×0.85 = 2,220円 | +10.7% | 自己資本比率68.3%・ROE8〜9%を評価した水準 |
| 1.00倍 | 2,611.42×1.00 = 2,611円 | +30.2% | 解散価値。2010年以降レンジ(0.36〜1.55倍)の中位 |
普通配当逆算法の中立シナリオ(約2,171円)と、BPS×PBR0.85倍(約2,220円)が近接しています。2,150〜2,250円前後が現時点で説明のつく適正株価レンジと考えられます。現株価2,005円はこのレンジをやや下回っており、軽度の割安と評価できる可能性があります。
ただし注意点として、PBR0.77倍という水準はROE8〜9%の企業としては低めですが、飼料業界全体が薄利多売(営業利益率2〜3%)の構造にあること、株主資本コストを上回るROEの持続性が未証明であることが、市場がPBR1倍を許容しない理由と考えられます。差別化飼料構成比の向上(=利益率改善)が実現すれば、PBR1倍回復の材料が生まれると考えられます。









全シナリオが崩れる条件
- 為替の急激な円安進行と穀物相場高騰、海上運賃上昇が同時発生し、四半期ごとの飼料価格改定が追いつかず原料ポジションが2期連続でマイナス要因に転落する
- 上期(2Q累計)時点で営業利益が2,950百万円を大きく下回り、通期計画の下方修正が発表される
- 自己資本比率が60%を下回る(現状68.3%からは相当の距離があります)
- DOE3.0%以上という目標の撤回、または配当性向基準への回帰が表明される
- 投資有価証券(1Q末10,379百万円)の大幅評価損、または工場設備の減損損失計上により純資産が減少する
- 差別化飼料の売上高構成比が45%を割り込み、次期中期経営計画で収益力向上の目標そのものが引き下げられる
- 家畜家きんの疾病や農場事故の大規模発生により畜産飼料の市場流通量が構造的に減少する(1Q時点で4-5月市場流通量は前年比97.8%)
まとめ






しかし、やはり開示が確認できない以上は評価引き上げは妥当ではないとの判断になりました。
























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情報基準日:2026年8月19日
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
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