【高配当研究所】メタプラネット(3350)/ビットコインは3割上げたのに株価は5%──mNAV0.91倍・信用倍率25倍の「BTC株」は今仕込むべきか

2026年8月17日以降、ビットコイン(BTC)価格が急騰し、8月25日時点で1,256万円台まで上昇しました。これを受けてメタプラネット(3350)の株価も8月21日に前日比+20.95%と急伸しましたが、BTCの上昇率(約32%)には遠く及んでいません。同日には米Nasdaq上場企業を子会社化する大型IRも公表されました。今回は継続チェックの一環として、2026年12月期第2四半期(中間期)決算をもとに、この「BTCは上がったのに株価が追いつかない」ズレの正体と、今仕込むべきかどうかを数字で分解していきます。

はじめにお断り

メタプラネットの普通株式は無配(配当利回り0%)です(かぶたん様・IRBANK様、2026年8月21日時点)。当ラボが通常扱う「高配当銘柄」には該当しません。なお同社はB種種類株式(MERCURY優先株式)に対して1株当たり年49円(額面に対する年率換算4.9%相当)の配当を支払っていますが、これは未上場の優先株式に対するものであり、普通株主が受け取れる配当ではありません(決算短信p.2)。しかもその原資は資本剰余金であり、利益からの分配ではない点にも留意が必要です。本記事では配当は本注記にとどめ、「成長性・競争力・割安感の観点で今仕込むべきか」という切り口で分析します。

所長ダル
車野さん、ビットコインが3割も上がったのにメタプラネットの株価は5%くらいしか動いていないと聞きました。これはどう理解すればよいのでしょうか。
車野アナリスト
所長、そこがこの銘柄を読み解く一番のポイントです。結論から申し上げますと、株価が保有BTCの時価に対してディスカウントされた状態、いわゆるNAV割れが続いているためです。順を追って整理していきましょう。
目次

なぜ今、メタプラネットが話題なのか

ビットコインはみんかぶ様の日足チャートによれば、8月中旬まで1,000万円前後で推移していたところ、8月17日以降に急伸し、8月25日時点で12,560,202円をつけました。6月末の952万円(決算説明資料p.34)から約32%の上昇です。これを受けて同社株は8月21日に前日比+20.95%の306円まで急騰し、出来高も92,834,200株(前日比+66.69%)へ膨らみました(IRBANK様)。

加えて8月18日には、米Nasdaq上場のSuper League Enterprise, Inc.へ2,100BTC+現金250万ドル(総額約215億円)を出資して議決権約95.7%を取得し連結子会社化、社名を「Superplanet, Inc.」へ変更するという大型IRを公表しています(同社IR 2026年8月18日)。「BTC急騰+米国上場子会社化」という2つの材料が重なった結果として注目度が上がった、というのが現時点の構図と考えられます。

なお、8月17日以降の急騰の影響は今回の中間期決算(4〜6月)にはまだ反映されておらず、数字として表れるのは次回のQ3決算(7〜9月)からになります。この点は本記事の随所で確認していきます。

会社概要

項目内容
正式名称株式会社メタプラネット(Metaplanet Inc.)
証券コード3350(東証スタンダード)
代表者代表執行役CEO サイモン・ゲロヴィッチ
決算期12月期(日本基準・連結)
時価総額3,908億円(かぶたん様2026/8/24)/3,920億円(IRBANK様2026/8/21)
発行済株式数1,281,308,624株(かぶたん様)※6月末時点1,281,283,624株
業種卸売業(かぶたん様)
事業セグメントビットコイン関連事業/ホテル事業(決算短信p.19)
ビットコイン保有量43,000 BTC(2026年6月30日時点、決算説明資料p.11)
世界順位上場企業として世界第3位、アジア第1位(決算説明資料p.12、決算短信p.2)
株主総数243.7千人(2026年6月末、前年128.1千人、決算説明資料p.5)

どこで稼いでいるか

同社の売上構成は極めて偏っています。2026年上期の売上高4,944百万円のうち、ビットコイン関連事業が4,742百万円(95.9%)、ホテル事業が201百万円(4.1%)です(決算短信p.19)。さらにビットコイン関連事業の売上4,742百万円の内訳は、ビットコインデリバティブに係る受取オプション料4,583百万円とデリバティブ評価損益143百万円で、実質的にほぼ全額が「保有BTCと現金を担保に置いたオプション取引の受取プレミアム」です(決算短信p.11、p.19)。

つまり同社の損益計算書上の「本業」とは、保有ビットコインを担保に差し出してオプションを売り、そのプレミアムを収益計上する事業と理解するのが正確です。会社はこれを「ビットコイン・インカム事業」と呼び、配当及び利息の支払原資となる営業キャッシュ・フローを創出し、優先資本の規模拡大とさらなるBTC蓄積につなげることを目的としていると説明しています(決算短信p.5)。セグメント利益率はビットコイン関連事業が90.2%(4,279/4,742)と極端に高くなりますが、これは売上原価が3.1百万円しかないためで、製造業的な意味での「利益率」とは性質が異なります(決算説明資料p.7)。一方、貸借対照表では総資産418,177百万円のうちビットコインが409,493百万円(97.9%)を占めます(決算短信p.9)。損益の主戦場はオプション、資産の実態はBTC一本という構造です。

会社が測っている物差し

同社は自らの進捗を、①ビットコイン保有数量、②1株当たりビットコイン保有数量、③ビットコイン関連事業の収益の3点で測定しており、四半期ごとのビットコイン価格を経営の指標としていないと明記しています(決算短信p.2)。この「1株当たりBTC保有量」の成長率が「BTCイールド」で、2026年上期は+9.6%(完全希薄化後1,000株当たり0.0240486BTC→0.0263554BTC)、第2四半期単体では+6.6%でした(決算短信p.2、決算説明資料p.13)。

主要財務指標(2026年12月期 第2四半期/中間期・2026年1〜6月)

指標数値前年同期出典
売上高4,944百万円(+133.7%)2,116百万円決算短信p.1
営業利益3,331百万円(+136.3%)1,409百万円決算短信p.1
営業利益率67.4%66.6%決算短信p.1より算出
経常損益▲182,874百万円+10,565百万円決算短信p.1
親会社株主帰属中間純損益▲182,774百万円+6,059百万円決算短信p.1
EPS(中間)▲150.04円+12.54円決算短信p.1
BPS265.58円IRBANK様
ROE/ROA赤字のため算出不可IRBANK様
PER赤字のため算出不可かぶたん様・IRBANK様
PBR1.15倍かぶたん様・IRBANK様
自己資本比率81.4%(前期末90.7%)決算短信p.1
総資産418,177百万円(前期末505,286百万円)決算短信p.1
純資産340,884百万円(前期末458,592百万円)決算短信p.1
営業CF(中間期)349百万円1,411百万円決算短信p.13
投資CF▲85,332百万円▲196,112百万円決算短信p.13
財務CF+83,550百万円+196,125百万円決算短信p.13
現金及び現金同等物1,087百万円(前期末2,552百万円)1,717百万円決算短信p.13
短期借入金67,486百万円(前期末43,836百万円)決算短信p.10
1年内償還予定の社債8,000百万円(前期末0)決算短信p.10
負債合計77,292百万円(前期末46,694百万円)決算短信p.10
支払利息(中間期)1,805百万円3百万円決算短信p.11
BTC保有量43,000 BTC(+7,898BTC)13,350 BTC決算説明資料p.5、p.11
BTCイールド(上期)+9.6%決算短信p.2
発行済株式数1,281,283,624株(前期末1,142,274,340株=+12.2%)決算短信 注記事項(4)
配当(普通株)0円(利回り0%)0円決算短信p.1
この決算を読むうえで最重要の注意点

その1:巨額赤字は「本業の失敗」ではありません。中間純損失1,828億円の主因はビットコイン評価損184,297百万円の計上です(決算短信p.11)。同社はBTCを時価評価しており、6月末までの円建てBTC価格の下落が損益に反映されたものです。会社は当該評価損が非資金項目であり、これに伴うビットコインの売却は行っていないと明記しています(決算短信p.5)。実際、上期中にBTCは7,898枚増えています。

その2:しかし「本業が絶好調」でもありません。売上+133.7%・営業利益+136.3%は前年同期比の数字ですが、四半期単体で見ると景色が変わります。会社自身が「第2四半期(4〜6月)の売上高は1,759百万円となり、第1四半期(1〜3月)の2,983百万円を下回りました」と開示しています(決算短信p.5)。つまりQ2はQ1比▲41%の減収です。さらに会社は通期業績予想に対する進捗が当初計画を下回っていると認め、その理由をmNAVが1.0倍を下回る水準で推移したため第2四半期に第三者割当による普通株式の発行を行わず、資金調達額が想定を下回った結果、BTC保有数量及びBTC NAVの増加も計画を下回るペースとなったと説明しています(決算短信p.8)。踏み込んで「当初の業績予想は、実際の市場環境のもとで当社のキャピタル・アロケーション・ポリシーに従って構築し得た資産規模を上回る水準を前提としていたことになります」とも記載しており(同p.8)、これは通期予想の前提が崩れていることを会社自らが認めた記述と読むのが妥当と考えられます。それでも「現時点において、当社は通期業績予想を修正しておりません」(同p.8)としている点は、投資家として頭に入れておく必要があります。

その3:営業CF 349百万円という数字の重さ。前回メモで「四半期CF計算書は不作成」として確認を持ち越していた営業CFが、中間期で開示されました。結果は349百万円(前年同期1,411百万円、▲75%)です(決算短信p.13)。内訳を追うと、小計2,418百万円から利息の支払額1,757百万円と法人税等420百万円が差し引かれて349百万円になっています。営業キャッシュの約7割が利払いで消えている計算です。さらに上期にはB種優先株式への配当298百万円も支払われており(決算短信p.13)、これを加味すると営業CFでは賄えていません。

所長ダル
赤字が1,800億円を超えていると聞くと身構えてしまいますが、実際に現金が出ていったわけではないのですね。
車野アナリスト
おっしゃる通りです。時価評価によるものでBTCは売却していません。ただし、営業CFが利払いでほぼ消えている点は本業の自立度という意味で見過ごせません。この点は事業評価の章で改めて整理します。

業績推移(BTC戦略採用以降+今期予想)

同社は2024年4月に「ビットコイン・スタンダード」を採用しており(決算短信p.2)、それ以前はインバウンド向けホテル事業を主体とする別業態の会社でした。2023年12月期以前との連続的な比較は実質的に成立しません。添付資料の範囲で確認できる期間を掲載します。

決算期売上高(百万円)営業利益(百万円)営業利益率EPS(円)備考
2024.121,06022.7BTC戦略採用初年度(4月〜)。経常5,990・最終4,440はBTC評価益による
2025.128,9056,28770.6%▲131.3売上8.4倍。BTC価格下落で最終赤字950億円
2026.12(予)16,00011,40071.3%会社予想(修正なし)。経常・純利益はBTC変動を理由に予想開示せず
2026.12 中間実績4,9443,33167.4%▲150.04進捗率 売上30.9%・営業利益29.2%。会社自ら「当初計画を下回る」と明記

出典:かぶたん様「業績推移」、決算説明資料p.9、決算短信p.1

前期比較を補完する3方向

同社は業態転換に加え、2026年上期に株式会社メタプラネット・ベンチャーズを新設連結し(決算短信 注記事項(1))、7月13日にはメタプラネット証券(旧Siiibo証券)を2,100百万円で完全子会社化しています(決算短信p.20)。以下3方向で補完します。

補完①:セグメント別の前年同期比較

セグメント2025年上期2026年上期増減
ビットコイン関連事業(売上)1,904百万円4,742百万円+149.1%
ビットコイン関連事業(利益)1,641百万円4,279百万円+160.7%
ホテル事業(売上)212百万円201百万円▲5.2%
ホテル事業(利益)82百万円71百万円▲13.4%
全社費用▲314百万円▲1,019百万円▲705百万円(3.2倍)

(決算説明資料p.7)成長はBTC関連事業がすべてです。一方で全社費用が3.2倍に膨らんでいる点は見逃せません。給料手当86→192百万円、支払報酬72→269百万円、広告宣伝費144→198百万円と、組織拡大に伴う固定費増が進んでいます(決算短信p.17)。

補完②:1株当たりBTC保有量の長期推移(同社にとっての実質的なEPS推移)

四半期完全希薄化後1,000株当たりBTC前四半期比
Q2 20240.000619
Q4 20240.003598+309.8%
Q2 20250.016151+129.4%
Q4 20250.024049+11.9%
Q1 20260.024731+2.8%
Q2 20260.026355+6.6%

(決算説明資料p.13)会社は本指標が本戦略の採用以降のすべての四半期において増加しており、当初からの累計で約42.5倍になったと説明しています(決算短信p.2)。利益ではなく「1株当たりBTC」が同社のEPSに相当する物差しであり、この観点では上期は増加を維持しました。ただし増加率は+309.8%→+129.4%→+11.9%→+2.8%→+6.6%と、明確に鈍化トレンドにあります。

補完③:通期予想との比較
通期売上16,000百万円に対し中間4,944百万円(30.9%)、営業利益11,400百万円に対し3,331百万円(29.2%)。下期偏重を前提にしても、会社が進捗の遅れを認めている以上、通期予想は下方修正リスクを抱えたまま据え置かれていると考えるのが妥当です。

所長ダル
1株当たりBTCの伸び率が鈍ってきているのは、少し気になりますね。
車野アナリスト
はい。ただし絶対値としてはプラスを維持しており、希薄化ペースを上回るBTC取得は続いています。鈍化そのものよりも、なぜ鈍化したのかという原因、つまり調達停止の背景を確認することが重要です。次の章で見ていきましょう。

継続チェックメモとの照合

毎回チェックする基本項目

チェック項目前回(Q1 2026)今回(Q2 2026・中間期累計)評価
売上高3,080百万円4,944百万円(累計・進捗30.9%)
営業利益2,267百万円3,331百万円(累計・進捗29.2%)
営業利益率(BTC事業セグメント)約91.9%約90.2%(4,279/4,742)
純利益/EPS▲99.02円(Q1単体)中間損失182,774百万円/EPS▲150.04円△(構造的)
営業CF開示なし(四半期CF不作成)349百万円(前年1,411百万円・▲75%)
年間配当予想(普通株)0円0円(変更なし)
BTC保有数量40,177 BTC43,000 BTC(Q2単体+2,823BTC)
BTCイールド+2.8%(Q1単体)+6.6%(Q2単体)/+9.6%(上期累計)
四半期単体の売上2,983百万円1,759百万円(▲41%)×
車野アナリスト
○が並んでいるように見えますが、評価すべきは「累計と単体の乖離」です。累計では前年同期比+133.7%ですが、Q2単体売上1,759百万円はQ1の2,983百万円を41%下回りました(決算短信p.5)。会社はその理由を、ビットコイン及び現金を取引の担保として活用しているため、BTC保有数量及び利用可能な資金の増加が当初想定を下回ったことに伴い、同事業に配分可能な担保の規模も想定どおりには拡大しなかったと説明しています(決算短信p.8)。
所長ダル
つまり、BTCを積み増せた分だけ収益も増える、という構造なのですね。
車野アナリスト
その通りです。BTCを買う→担保が増える→オプション収益が増える→調達余力が増える、という循環が、mNAV1倍割れによる調達停止で一時的に切れた四半期だったと読めます。なお営業CFは前回「不作成」としていた項目ですが、中間期で開示され349百万円のプラスでした。基準(プラス圏維持)は満たしているため形式的には○ですが、前年比▲75%かつ利息支払1,757百万円をカバーする倍率が1.38倍(小計2,418÷1,757)まで低下していることを重く見て△とします。

注意点①:新株予約権・MSワラントによる希薄化とmNAV水準

チェック項目評価内容
mNAVは1倍を上回っているか×当ラボ試算で約0.91倍。BTC急騰後も1倍を回復していないと考えられる
MSワラントの行使が進んでいないか上期中に第27回新株予約権52,700個が行使され1,790百万円の払込。第10・18・19回も小規模行使
mNAV制限付き調達方針が機能したかQ2は第三者割当による普通株式発行を実施せず。方針どおり運用された
普通株式の第三者割当が新たに実施されていないか1月29日24,529千株(12,239百万円)、3月16日107,368千株(40,799百万円)を実施。ただし両方ともQ1
BTCイールドがプラス圏を維持しているか上期+9.6%、Q2単体+6.6%でQ1(+2.8%)から加速
発行済株式数の増加ペース1,142,274,340株→1,281,283,624株(半年で+12.2%)

mNAV試算——BTCが3割上がっても、株価はNAVに届いていない

前回メモで最優先確認事項としたmNAVを、一次資料と直近株価から試算します。会社の定義は「企業価値÷BTC NAV」、企業価値は時価総額に負債及び優先資本を加え現金を控除した金額です(決算短信p.5)。

項目金額根拠
時価総額3,908億円かぶたん様(305円×1,281,308,624株)
+ 負債+優先株式+1,009億円決算説明資料p.32(6月末)
▲ 現金等▲13億円現金1,087百万円+USDコイン250百万円
=企業価値約4,904億円
BTC NAV(BTC 1,256万円換算)約5,401億円43,000BTC×12,560,202円
mNAV約0.91倍当ラボ試算

BTC価格が6月末比で約32%上昇したにもかかわらず、mNAVは1倍を回復していないという結果です。理由は単純で、BTCの上昇率(+32%)に対して株価の上昇率が追いついていないためです。5月末290円(前回メモ)→8月24日305円で+5%にとどまります。これは同社の資本政策に直接効いてきます。mNAVが1.0倍を下回る水準では、原則として普通株式の発行による資金調達を行わない方針としている(決算短信p.5)ため、BTCが上がっても株式による調達再開のトリガーは引けない状態が続きます。Q2の減収の原因がそのまま下期にも残る可能性がある、ということです。

もう一つの角度として、完全希薄化後1,000株当たり0.026355BTC(決算説明資料p.13)からの逆算では、1株当たりBTC価値は約331円(0.000026355BTC×12,560,202円)となります。現在株価305円はこれの約0.92倍で、mNAV試算とほぼ一致します。ちなみに完全希薄化後株式数は約16.3億株と逆算でき、現在の発行済12.8億株に対してなお27%の潜在希薄化余地が残っている計算になります。

注意点②:BTC担保クレジットファシリティ・借入依存度の高まり

チェック項目評価内容
短期借入金の増加ペース×43,836→67,486百万円(半年で+23,649百万円、+54%)
クレジットファシリティの使用枠△(一次資料で確定)5億米ドルのうち414百万米ドルを借入=82.8%使用(決算短信p.5)
自己資本比率の低下トレンド90.7%→86.2%→81.4%と3四半期連続低下。水準自体は高い
BitBondsの発行条件・規模7月下旬に初回私募を開始し払込完了。無担保シニア債・円建て固定利付
メタプラネット証券の位置づけ2,100百万円で7月13日に取得完了。第一種金商業者・私募社債PF

前回メモで「掲示板情報では8割程度使用との観測あり、一次資料での確認要」としていた点が、決算短信p.5で82.8%使用と確認できました。残枠は約86百万米ドル(約137億円)です。BTCを担保とする借入であるため、BTC価格が上がれば担保余力も増えるという関係にありますが、逆もまた真です。

負債構成は以下のとおりです(決算説明資料p.32)。

弁済順位想定元本累計カバレッジ
クレジット・ファシリティ675億円675億円6.1倍
無担保シニア社債(BitBonds等)80億円755億円5.4倍
その他の負債18億円773億円
MERCURY優先株式236億円1,009億円4.1倍

会社はBTC価格下落への耐性として、BTCが▲75%(235万円)まで下落した時点でカバレッジが1.0倍になるという機械的試算を示しています(決算説明資料p.34)。現在のBTC 1,256万円からの距離は大きく、当面の債務不履行リスクは低いと考えられます。ただし懸念は別のところにあります。手元現金が1,087百万円しかない点です(決算短信p.13)。年換算3,600百万円規模に達しつつある支払利息(上期1,805百万円)とB種優先配当(年約1,156百万円=289百万円×4)を、営業CF349百万円(半期)で賄うのは構造的に困難です。利払い・配当の原資を新規調達またはBTC担保借入に依存する構造が固まりつつある点は、次回以降の最重要ウォッチポイントと考えられます。

注意点③:BTC評価損の会計構造とBTC価格連動性──急騰は「資産」と「オプション事業」で効き方が逆になる可能性

チェック項目評価内容
評価損益が売却を伴っていないか「当中間連結会計期間においてビットコインの売却は行っておりません」(決算短信p.2)
次回決算時点のBTC価格との差額6月末952万円→8月25日1,256万円(+32%)。Q3は評価益への反転が濃厚
3指標(イールド・ゲイン・mNAV)の整合性イールド+6.6%・BTCゲイン2,637BTC・円ゲイン251億円は改善。mNAVのみ1倍割れが継続
実質取得単価との乖離[ – ]添付資料の範囲では算定不可

上期のBTC評価損1,843億円は6月末までの価格軟調を反映したものです。8月の急騰が9月末まで続けばQ3は評価益に転じる公算が大きく、「純利益が黒字転換した」という見出しが出る可能性があります。しかし会社自身が、時価評価による損益を営業活動そのものの成果を示す指標とは区別して捉えていると明記しています(決算短信p.5)。評価益で黒字化しても本業が改善したことにはならない——これは前回メモのウォッチポイントどおりであり、Q3決算時に最も注意すべき論点です。

補足:8月急騰と「オプション事業がイマイチ」は時期がズレている

今回開示された「四半期単体▲41%減収」は、BTC急騰前(6月末BTC価格952万円)の低迷期の話であり、原因は「調達停止で担保のBTCを積み増せなかったこと」です。8月17日以降の急騰の影響はQ3決算(7〜9月)で初めて数字に表れます。そのうえで、急騰が今後どう効くかは項目によって方向が異なる可能性がある点に注意が必要です。

項目急騰の影響方向
BTC評価額・純利益増加方向(含み損→含み益、評価益で黒字転換の可能性)
ビットコイン・インカム事業(オプション)むしろ逆風の可能性。カバードコール的にコールを売っていた場合、急騰時は権利行使され値上がり益を取り逃す(機会損失)構造になりやすい
株価・mNAVBTCの上昇率に対して連動が鈍い(上記の通り)

引き続き良好なら安心できる項目

項目維持ライン今回評価
自己資本比率70%以上81.4%(3四半期連続低下)○(低下トレンド注意)
BTC保有数量前四半期比プラス43,000BTC(+2,823BTC)
BTCイールド(四半期)プラス圏維持+6.6%(Q1+2.8%から加速)
セグメント利益率(BTC事業)85%以上約90.2%
カバレッジ4.1倍(BTC▲75%で1.0倍)

銘柄固有の注目ポイント

チェック項目評価内容
「555ミリオン計画」(2026年末10万BTC)の進捗×6月末43,000BTC。目標に対し大幅な遅れ。かつ今回の決算資料・説明資料に同計画への言及が一切見当たらない
金融プラットフォーム構想の具体化メタプラネット証券取得完了、BitBonds初回発行完了、SC+ST活用は「検討中」
優先株式の東証上場審査の進捗「取引所との事前相談は既に開始」。ただし「審査の結果その他の事情により上場が実現しない可能性もあります」と明記(決算短信p.6)
大株主構成/アクティビストリスク△(今回判明)半期報告書によりEvo Fundが単独20.82%を保有と判明(詳細は下記)
信用需給×信用倍率25.11倍・買い残35,522千株(8/14時点、かぶたん様)

555ミリオン計画への言及が消えた
前回メモで進捗確認項目としていた「2026年末10万BTC・2027年末21万BTC」という目標について、今回の決算短信・決算説明資料のいずれにも記載が見当たりません。6月末時点で43,000BTCですから、年末10万BTCには残り半年で5.7万BTC(BTC1,256万円換算で約7.2兆円)の取得が必要な計算になり、現実的な水準とは考えにくい状況です。明示的な撤回・下方修正の開示は確認できないため評価は「×」ではなく事実の指摘にとどめますが、「掲げた目標が資料から静かに消える」というのはIR品質の観点で好ましい変化とは言えないと考えられます。次回決算での言及有無は要確認事項です。

信用買い残35.5百万株・信用倍率25.11倍
かぶたん様の信用取引データによれば、8月14日時点で売り残1,414.6千株に対し買い残35,522.3千株、信用倍率25.11倍です。7月24日28.64倍→7月31日23.92倍→8月7日26.15倍→8月14日25.11倍と、高水準で推移しています。買い残35.5百万株は発行済株式数の約2.8%にあたり、株価が上昇するたびに戻り売り圧力として作用する可能性があります。BTCが上がっても株価の上昇率が追いつかない(=mNAVが1倍を回復しない)背景の一つとして、この需給が効いている可能性も考えられます。

大株主構成の判明:Evo Fundが単独で20.82%を保有

前回レポートで「大株主一覧未添付のため判別不可」としていた項目について、半期報告書(2026年6月30日現在)の開示により実態が判明したため、評価を更新します。登録株主上位10社は合計40.34%ですが、CLEARSTREAM BANKING(9.49%)、STATE STREET(6.15%)、NATIONAL FINANCIAL SERVICES(5.64%)、CHARLES SCHWAB(4.32%)、INTERACTIVE BROKERS(3.71%)等、ほぼ全て海外カストディアン(名義株主)です。これらは実質保有者ではなく証券保管機関の名義であり、海外の個人投資家がオンライン証券経由で幅広く分散保有している構図を反映していると考えられます(株主総数243.7千人という開示と整合的)。

保有者所有株式数割合基準日性質
エボ ファンド(Evo Fund)334,732,550株20.82%2026年5月8日新株予約権の主要引受先
キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー128,909,320株9.93%2026年4月23日米国大手資産運用会社(American Funds系列)

即座に見直しが必要なシグナル:該当なし(ただし準警戒2件)

前回メモで設定した6つのシグナルは、いずれも点灯していません。自己資本比率81.4%(70%超)、BTCイールドはプラス、担保割れ開示なし、BTC価格は急落ではなく急騰、mNAVは1倍割れだが調達手段は普通株から社債・借入へシフト済みです。ただし以下2点は準警戒レベルにあると考えられます。①通期業績予想の未達を会社自ら示唆しながら、修正を行っていない(決算短信p.8)。②555ミリオン計画への言及が資料から消失している。

事業・競争力の評価

本業の稼ぐ力:△

売上+133.7%・営業利益+136.3%という数字だけを見れば高成長ですが、中身を見ると評価は割れます。まずQ2単体でQ1比▲41%の減収(2,983→1,759百万円)という減速が起きています(決算短信p.5)。原因が需要減ではなく「調達が止まって担保が積めなかったこと」である以上、これは事業の景気変動ではなく資本市場依存という構造そのものの表れです。

次に収益の質です。売上4,742百万円のほぼ全額が受取オプション料であり、保有BTCと現金を担保に差し出す対価です。会社は相場の方向性そのものから収益を得ることを主眼とするのではなく、継続的な収益の創出とリスク管理の両立を目的として運営していると説明しています(決算短信p.5)が、原資産が急変動すればオプション売りには相応のリスクが伴います。同事業の実態は、保有BTCと現金を担保にオプションを売り、プレミアムを受け取る取引(カバードコール類似の戦略)と考えられます。戦略の骨格自体は個人投資家にも再現可能(Deribit等の海外デリバティブ取引所で個人でも類似取引は可能)ですが、同社の優位性は戦略の独自性よりも「株式・社債で調達した資金でBTCを買い増し、担保規模と取引規模を拡大できる」という量的優位にあります。個人が同じ戦略を取っても、収益の絶対額は資金規模に比例して限定される点が異なります。なお税制面では法人と個人とで扱いが異なり、決算短信では個人の暗号資産譲渡益について2028年1月1日から20.315%の申告分離課税が適用される見込みと記載されています。

そしてキャッシュとして残っていない点が決定的です。営業CF349百万円は、営業利益3,331百万円の約1割にすぎません。差の大半は支払利息1,757百万円です。利益は出ているが現金は利払いに消えているというのが上期の実像と考えられます。一方でBTCイールド+9.6%(Q2単体+6.6%)は、同社の物差しでは明確な前進です。希薄化ペース(半年で+12.2%)をBTC取得ペースが上回った点は評価できます。

財務の健全性:○(ただし方向性は△)

自己資本比率81.4%は絶対水準として高く、カバレッジ4.1倍・BTC▲75%まで耐えるという試算(決算説明資料p.34)も、現在のBTC価格からの距離を考えれば当面の安全余裕は十分と考えられます。BTCという継続的に時価評価可能で流動性の高い資産をほぼ唯一の資産としているため、バランスシートの透明性は極めて高い——これは一般事業会社にはない強みです。同社もこの点を、ビットコインには継続的かつ公に観察可能な市場価格が存在するため決算期末に限らず資産カバレッジを継続的に算定できると説明しています(決算短信p.4)。

懸念は3点です。①自己資本比率が90.7%→86.2%→81.4%と3四半期連続で低下、②短期借入金が半年で+54%、③現金及び現金同等物がわずか1,087百万円。特に③は、年間3,600百万円規模の利払いと年1,156百万円のB種優先配当を控えた水準としては薄く、BTCを売らない方針である以上、資金繰りは新規調達に依存し続ける構造です。

経営方針の透明性:○

IR品質は率直に言って高いと考えられます。理由は以下のとおりです。①都合の悪い事実を自ら書いている。「Q2売上はQ1を下回った」「通期予想の進捗は当初計画を下回る」「当初の業績予想は構築し得た資産規模を上回る水準を前提としていた」(決算短信p.5、p.8)——ここまで書く企業は多くありません。②KPIの定義を開示している。BTCイールド・BTCゲイン・カバレッジの算定方法を注記で明示し、非GAAP指標である旨も明記(決算説明資料p.2、p.14)。③クレジットファシリティの使用額を数字で開示(決算短信p.5)。④優先株式上場について「実現しない可能性もあります」と明記(決算短信p.6)。⑤オンチェーン情報でBTC保有量の一部を外部検証可能としている(決算短信p.4)。

残る懸念は、①555ミリオン計画への言及が消えたこと、②進捗未達を認めながら通期予想を据え置いていることの2点です。②については「今後、業績予想の修正が必要となった場合には、速やかに公表いたします」(決算短信p.8)としており、次回の対応で評価が定まると考えられます。

市場環境コメント

追い風は制度面です。金融商品取引法及び資金決済法の改正法が2026年7月15日に成立・同月23日に公布され、暗号資産を金商法の適用対象に取り込むこと、個人の暗号資産譲渡益に累進税率に代えて20.315%の申告分離課税が2028年1月1日から適用される見込みであることが示されています(決算短信p.2)。会社は、国内機関投資家の参加が限定的だった主因は関心の不足ではなく制度上の位置付けが明確でなかったことにあると分析しており(同p.2)、制度整備が参加拡大につながるという見立てを示しています。

もう一つの追い風はマクロです。日本の家計は現金・預金として約1,126兆円を保有し、これは金融資産合計2,386兆円の47.2%に相当します(決算短信p.3)。一方で10年国債利回りは1年前の1.50%から2026年8月初には2.80%まで上昇し、預金金利の上昇は限定的にとどまっています(同p.3)。同社はこの「利回り需要」と「未形成の円建てハイイールド社債市場」の空白を、BitBondsとメタプラネット証券で埋めようとしています(決算説明資料p.18〜20)。国内公募の非投資適格社債市場は実質的に未形成であり、米ハイイールド債約1.8兆ドル・欧州約0.5兆ドルと比べれば余地は大きいとしています(同p.19)。

現状はビットコイン関連事業が売上の95.9%を占め、そのほぼ全額がBTC担保のオプション収益であるため、現時点では実質的にBTC積み増しが売上を伸ばす主因になっています。ただし会社は中長期構想「Project Nova」で、フェーズI(BTCトレジャリー)からフェーズII(ビットコイン基盤の金融プラットフォーム)への展開を掲げており、その第一号案件として2026年7月にメタプラネット証券(旧Siiibo証券、私募社債プラットフォーム運営・第一種金融商品取引業者)を子会社化しました。この事業は手数料ビジネスであり、理論上はBTC保有量と直接連動しません。自社のBitBonds発行に加え、将来的に「他の発行体にも提供していく」ことを検討しているとされ、外部企業向けプラットフォーム利用料が新たな収益源になりうります。ただし現時点では立ち上げ段階で、決算数字への寄与はまだ確認できません。

逆風は競争環境です。上場企業のBTC保有ランキングでは、Strategyが840,447BTCと同社の約20倍を保有しており、Twenty One Capital(43,514BTC)が僅差で上位にいます(決算説明資料p.12)。同社は3位ですが、「BTCをたくさん持っている」こと自体は模倣可能な戦略であり、参入も相次いでいます。会社が金融プラットフォームへの展開を急ぐのは、この差別化圧力の裏返しと読めます。

リスク要因

押さえておきたい8つのリスク
  1. BTC価格:最大かつほぼ唯一の変数。総資産の97.9%がBTCであり、mNAVも純資産もこれで決まる。BTC▲75%(235万円)でカバレッジ1.0倍(決算説明資料p.34)
  2. 資金調達の停止リスク:mNAV1倍割れが続く限り普通株式による調達は行わない方針(決算短信p.5)。株価がBTCに連動して上がらない限り、調達も収益も止まるという自己参照的な構造
  3. 利払い負担:上期支払利息1,805百万円に対し営業CF349百万円。現金1,087百万円。利払い・優先配当の原資が調達依存
  4. 希薄化:半年で発行済株式+12.2%。完全希薄化後株式数は約16.3億株と逆算され、なお約27%の潜在希薄化余地
  5. 信用需給:信用倍率25.11倍・買い残35,522千株(かぶたん様8/14)。上値の重石
  6. Super League(Superplanet)取引の不確実性:クロージングは2026年第4四半期予定で、Super League株主総会の承認等が条件(同社IR 8/18)。同社の直近3期は連続営業赤字(2025年12月期 売上11,342千ドル・営業損益▲13,053千ドル)であり、赤字のデジタルメディア会社を連結する側面もある。また出資する2,100BTCのうち約6.4%相当は非支配株主持分となり、当社株主に経済的に帰属しなくなる(同IR)
  7. 規制リスク:改正金商法は公布されたが施行日は未定(決算短信p.2)。施行内容次第で開示・インサイダー規制の実務負担が増える可能性
  8. 需給インパクトリスク:大株主構成では、株主総数243.7千人と個人株主中心の一方、半期報告書によりEvo Fundが単独20.82%を保有していることが判明。同ファンドは過去に行使価額修正条項付新株予約権の割当先を複数回務めており(同社IR 8/18)、伝統的なアクティビストというより、信用倍率25.11倍と合わせた需給面での潜在的な上値抑制要因と考えられる

総合評価:C

まず前提として、今回は「成長株として今仕込む価値があるか」という軸での判定です。

Cとした理由(Bに届かない理由)は4点です。①収益が資本市場に完全従属している。Q2単体▲41%減収の原因が「調達できなかったから」である以上、これは事業の一時的な変動ではなく構造です。②営業CFが利払いでほぼ消える。349百万円に対し支払利息1,757百万円。現金残高1,087百万円。事業として自立していません。③通期予想の前提が崩れていることを会社が示唆しながら、修正されていません。④555ミリオン計画への言及が資料から消えました。掲げた目標の扱いが不透明です。

D以下に下げない理由も明確です。自己資本比率81.4%・カバレッジ4.1倍と、BTC▲75%まで耐える財務耐性。BTCイールド+9.6%で、希薄化を上回るBTC蓄積ペースを維持。mNAV約0.91倍——保有BTCの時価より安く買える水準にあります。IR品質が高く、都合の悪い数字を自ら開示する姿勢は判断材料として価値があります。制度面の追い風(金商法改正・20.315%申告分離課税・1,126兆円の家計現預金)もあります。

「成長株として今仕込む価値があるか」という問いに対しては、「これは成長株ではなくビットコインのレバレッジ・ビークルであり、仕込むかどうかの判断の主語は同社ではなくBTCになる」というのが現時点の見方です。BTCに強気で、かつ「NAV割れで買える」という一点に価値を見出せる投資家にとってのみ検討余地がある銘柄と考えられます。

適正株価試算

前提:現在株価305円(2026年8月24日終値・かぶたん様)/BTC 12,560,202円(2026年8月25日・みんかぶ様)/完全希薄化後1,000株当たり0.026355BTC(決算説明資料p.13)/BPS 265.58円(IRBANK様)

1株当たりBTC価値×mNAV法(4シナリオ)

同社はEPSが赤字(▲150.04円)でPERが算出不可であり、かつEPSの大半がBTCの期末時価評価で決まります。「想定EPS×想定PER」という枠組みはこの銘柄では機能しません。そこで当ラボでは、EPS×PERの代替として「1株当たりBTC価値 × mNAV倍率」の枠組みで4シナリオを試算します。EPSに相当するのが1株当たりBTC価値、PERに相当するのがmNAV倍率、という対応関係です(1株当たりBTC価値=0.000026355 BTC × BTC価格)。

シナリオ想定BTC価格1株当たりBTC価値想定mNAV適正株価現株価比前提条件
強気1,600万円421.7円1.20倍506円+65.9%BTC続伸でmNAVが1倍超へ回復→普通株調達再開→BTC積み増し加速の好循環。Superplanetの米国優先株式発行が成功
中立1,256万円(現状)331.0円1.00倍331円+8.5%BTC横ばい。mNAVが1.0倍まで回復しNAV割れが解消
保守的1,000万円263.6円0.90倍237円▲22.3%BTCが6月末水準に戻る。mNAV1倍割れで調達停止、Q2型の減収が定着
弱気600万円158.1円0.70倍111円▲63.6%下記条件が重なった場合

(参考)現在株価305円÷1株当たりBTC価値331.0円=mNAV相当0.92倍。BTCが6月末比+32%上昇したにもかかわらず、株価はNAVディスカウント圏にとどまっています。

弱気シナリオが現実になる条件(複数の同時発生)
  1. BTCが600万円台まで下落(現在比▲52%)。カバレッジは4.1倍→約2.0倍へ低下
  2. 調達が長期停止し、利払い・優先配当の原資確保のためBTC売却に踏み切る(「売却しない」方針の変更=戦略の根幹の否定)
  3. クレジット・ファシリティの担保割れ・追加担保差入れに関する開示
  4. 通期業績予想の大幅下方修正、または555ミリオン計画の正式な撤回
  5. 信用買い残35.5百万株の投げ売りによる需給悪化
  6. Superplanet取引が株主総会等で不成立、または米国での優先株式調達が不発

BPS×適正PBR(2点セット)

会計上のBPSは265.58円(IRBANK様)ですが、これは6月末のBTC価格(952万円)で評価された純資産に基づく数字です。8月のBTC上昇(1,256万円)を反映した「実質BPS」を併記します。実質BPSの試算:普通株主帰属持分3,167億円(決算説明資料p.31)+BTC含み益1,306億円(5,401億円−4,095億円)=4,473億円÷1,281,308,624株=約349円。

基準PBR倍率適正株価位置づけ
会計BPS 265.58円1.00倍266円6月末BTC価格ベースの解散価値
会計BPS1.15倍305円現在水準(かぶたん様・IRBANK様)
実質BPS 349円0.80倍279円深いディスカウント局面の目安
実質BPS0.90倍314円悲観局面の目安
実質BPS1.00倍349円BTC時価ベースの解散価値
実質BPS1.20倍419円プレミアム評価が復活した場合

mNAV法の中立シナリオ(331円)と実質BPS×1.0倍(349円)はやや幅がありますが(B種優先株式236億円の扱いの差)、いずれも現在株価305円を上回ります。つまり現在の株価は「保有BTCの時価より1〜2割安い」水準にあると考えられます。会計上のPBR1.15倍だけを見て「割高」と判断すると誤読になる、というのがこの銘柄の特徴です。

ただし、NAV割れが即座に割安を意味しない点には注意が必要です。BTCそのものはBTCとして買えるため、同社株を買うということは「BTC+希薄化リスク+借入リスク+オプション事業のリスク」をセットで買うことに他なりません。そのリスク分がディスカウントとして正当化されている可能性も十分にあると考えられます。

みんかぶ様目標株価との比較

みんかぶ様の目標株価は569円(現在株価との差+264円)で、判定は「買い」です。内訳は個人投資家の株価予想503円(買い、8/21)、証券アナリストの予想596円(強気買い、8/25、予想人数2名で2名とも「強気買い」)となっています。直近の売買予想比率は買い85%・売り15%です(みんかぶ様、2026年8月25日)。なお同社は株価診断の対象外とされています。

注目すべきは、この569円が当ラボ試算では「BTC 1,256万円のままmNAV約1.72倍」に相当する点です。直近1年のmNAVが1倍前後で推移してきたことを踏まえると、現在のBTC価格を前提とする限り、569円はかなり強気の水準と考えられます。BTC価格ベースで逆算すると、mNAV1.0倍ならBTC約2,158万円(現在比+72%)が必要になる計算です。

また、みんかぶ様の1年チャートを見ると目標株価は1,500円台から569円まで一貫して切り下がっており、前回分析時点(2026年5月27日)の810円からも約30%引き下げられています。「買い」判定は維持されているが、水準は下がり続けている——この方向性のほうが、絶対値より示唆的と考えられます。

全シナリオが崩れる条件

前提そのものが成立しなくなるケース
  1. 同社がBTCを売却する。「売却によらず、株式及び社債等の負債による調達で賄う」という第二の方針(決算短信p.2)が破られた瞬間、mNAVによる評価枠組みそのものが意味を失う
  2. クレジット・ファシリティの担保処分が発動し、BTC保有量が減少に転じる
  3. BTCイールドが2四半期連続でマイナス(希薄化のみが進行し、1株当たりBTCが減少)
  4. BTCそのものに恒常的な規制圧力がかかり、機関投資家の参入という前提が崩れる
  5. Strategy等の先行企業でトレジャリー戦略の破綻事例が発生し、セクター全体のmNAVが構造的に切り下がる

「今仕込む」判断の目安となる株価水準

株価水準位置づけ
約281円以下(1株当たりBTC価値331円の0.85倍)押し目の第一目安。0.75倍=約248円まで下がれば、リスク対価としては相応と考えられる(※BTC価格が動けばこの基準値も動く点に注意)
305円前後(現在水準)mNAV約0.91〜0.92倍。保有BTCの時価より1〜2割安い水準だが、希薄化・借入・オプション事業のリスクの対価とも考えられる
331〜349円(mNAV1.0倍・実質BPS1.0倍)上値の壁。NAV割れが解消される水準
569円(みんかぶ様目標株価)当ラボ試算ではBTC現在価格のままmNAV約1.72倍に相当。現在のBTC価格を前提とする限りかなり強気の水準
スタンスの整理

買い増しを検討できる条件は、①mNAVが1.0倍を回復し普通株式による調達が再開される、②Q3で四半期単体売上がQ1(2,983百万円)の水準を回復する、③営業CFが利息支払額を安定的に上回る(現在のカバー倍率1.38倍が2倍超へ)、④信用買い残35.5百万株が整理され信用倍率が10倍台以下へ低下、⑤Superplanet取引がクロージングし米国での優先株式調達が実際に成立、⑥555ミリオン計画について撤回・修正・再設定のいずれかが明示的に開示される、のいずれかが目安になると考えられます。見送るべき条件は、BTCが1,000万円を割り込んで定着した場合、通期業績予想が下方修正された場合、または利払い原資確保を目的としたBTC売却・大型の普通株式増資が公表された場合です。「これは成長株ではなくビットコインのレバレッジ・ビークルである」という前提に立ち、BTCへの見通しと、NAV割れという一点に価値を見出せるかどうかで、打診買い・分割投入を検討する銘柄と考えられます。

まとめ

  • BTCは6月末比+32%上昇したが、株価は5月末比+5%にとどまり、mNAVは約0.91倍とNAV割れが継続
  • 中間純損失1,828億円は評価損が主因で、BTCの売却は行っていない。一方でQ2単体売上はQ1比▲41%減収
  • 営業CF349百万円は支払利息1,757百万円の約1.38倍にとどまり、利払い原資は新規調達に依存する構造
  • 8月の急騰はQ3決算で資産評価にはプラスだが、オプション事業には逆風となる可能性がある非対称性に注意
  • 半期報告書によりEvo Fundが単独20.82%を保有していることが判明。信用倍率25.11倍と合わせ需給面の重石
  • 555ミリオン計画(2026年末10万BTC)への言及が資料から消失。通期予想の未達を会社が示唆しながら据え置き
  • 総合評価はC。成長株ではなくビットコインのレバレッジ・ビークルであり、判断の主語はBTCになる。押し目の目安は約281円以下

免責事項

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AI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。

本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。ビットコイン等の暗号資産は価格変動が特に大きく、当銘柄はその保有・関連事業を主体とする企業である点にご留意ください。

本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。

本記事で参照しているみんかぶ様・IRBANK様・かぶたん様などの第三者提供データについて、当ラボはその正確性・完全性について責任を負いません。最新情報は各社の公式サイトおよび企業のIR情報をご確認ください。

本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

情報基準日:作成日20260825

本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。

© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。

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