作成日付:2026年8月27日
※本記事はAIによる分析をベースに作成しています。投資判断はご自身の責任において行ってください。詳細は記事末尾の免責事項をご確認ください。
はじめに:このシリーズについて
本シリーズでは、J-REIT各社の有価証券報告書を中心に確認し、その投資法人が現在どのような状態にあるのかを整理していきます。
決算説明資料だけを見ると、どうしても「今後どう成長するか」という前向きな情報が中心になります。
そこで当ラボでは、有価証券報告書で実際の収益、資産、負債、物件状況などを確認したうえで、決算説明資料との違いも見ながら、その銘柄の現在地をなるべく冷静に整理します。
投資のプロ向けではなく、個人投資家・投資初学者の方にも分かりやすい形を目指します。
この銘柄はどんなJ-REIT?
ユナイテッド・アーバン投資法人は、商業施設、オフィス、ホテル、住宅など幅広い用途へ投資する総合型J-REITです。
- 証券コード:8960
- 資産運用会社:丸紅リートアドバイザーズ株式会社
- 投資対象:商業施設、オフィス、ホテル、住宅、物流施設・ヘルスケア施設など
- 保有物件数:143物件
- 取得価格総額:約7,290億円
- 首都圏比率:56.6%
- 商業施設比率:29.7%
- オフィス比率:28.4%
- ホテル比率:24.3%
- 第45期末稼働率:97.8%
2026年5月期末では143物件、取得価格ベースで約7,290億円のポートフォリオを保有しています。用途別では商業施設約30%、オフィス約28%、ホテル約24%と比較的分散されています。
ユナイテッド・アーバンの特徴は、特定用途へ集中せず、その時々の不動産市場に応じて取得・売却・バリューアップを行いやすい点でしょう。
一方で、用途が多いぶん、「何が現在の利益を押し上げているのか」が少し分かりにくいREITでもあります。
直近決算期の指標確認
第45期(2026年5月期)は、前期比でかなり大きな増収増益となりました。
| 指標 | 第44期 | 第45期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 約7,300億円 | 約7,630億円 |
| 純資産 | 約3,584億円 | 約3,841億円 |
| DPU | 4,142円 | 4,592円 |
| 巡航EPU(ラボ推計参考値) | ― | 約3,600~4,000円程度を要確認 |
| 総資産LTV | 45.2% | 44.4% |
| 賃貸NOI | 約189.3億円 | 約211.8億円 |
| 修正NOI利回り | 5.37% | 5.48% |
| FFO | 約148.9億円 | 約167.7億円 |
第45期の営業収益は約308億円、営業利益約163億円、当期純利益約146億円。DPUは4,592円となり、過去最高を更新しました。
ただし、ここで注意したいのが「第45期4,592円を、そのまま毎期の実力DPUとは考えにくい」という点です。
第45期には、
- 不動産売却益:約17.9億円
- 賃貸事業一時収入:約13.7億円
- 一時差異等調整積立金の取崩し:約0.8億円
が含まれています。
特に賃貸事業一時収入には、UUR心斎橋ビルのテナント退去に伴う解約金収入などが含まれています。
決算説明資料では、この解約金収入だけでDPUを1口当たり約383円押し上げたことが示されています。
そのため当ラボでは、売却益等を除いた巡航的な利益水準について、単純計算では3,600~4,000円程度のレンジも意識しておく必要があると見ています。
ただし、これはあくまで簡易的な参考値です。対応費用や物件取得効果などを完全には調整していないため、厳密な巡航EPUとは異なります。

注目ポイント① 稼働率97.8%は見た目ほど悪くない
第45期末のポートフォリオ稼働率は97.8%。
前期の99.2%から大きく低下しているため、数字だけを見ると少し気になります。
しかし主因は、UUR心斎橋ビルのテナントが退去し、売却前の状態となったことです。
決算説明資料では、
UUR心斎橋ビルの影響を除いた稼働率は99.4%
としています。
つまり、ポートフォリオ全体で空室が急増したわけではありません。
有報だけを見ると「稼働率が急落した」と見えますが、実態としては資産売却に伴う一時的な数字です。
このあたりは、有報と説明資料をセットで読む意味が分かりやすく出ている部分です。
注目ポイント② UUR心斎橋ビルの売却益が今後6期にわたりDPUを支える
今後の分配金を見るうえで最も重要なのがUUR心斎橋ビルです。
この物件は、建物と土地を2026年から2029年まで6回に分けて売却する計画となっています。
総譲渡予定価格は約431億円です。
決算説明資料では、売却益を合計約211億円と見込んでおり、
- 第46期:約43億円
- 第47期:約34億円
- 第48期:約34億円
- 第49期:約34億円
- 第50期:約34億円
- 第51期:約34億円
を計上する計画です。
1口当たりDPUへの押し上げ効果は、第46期で約1,331円、第47期以降も1,000円程度が見込まれています。
その結果、UURは年間DPU目標を従来の8,000円超から9,000円超へ引き上げました。
ただし、
年間DPU9,000円超=賃貸事業だけで9,000円を生み出している
という意味ではありません。
今後数年間は、表面DPUのかなりの部分を売却益が支える構造になります。

注目ポイント③ 売却益で時間を稼ぎ、その間に物件を作り替える
今回の中期戦略で最も注目したいのはここです。
UURは、第46期から第51期までを「成長投資期間」と位置付けています。
そして今後約3年間で、
150~200億円規模のバリューアップ投資
を計画しています。
目標ROIは10%以上です。
主な投資予定は、
- ロワジールホテル&スパタワー那覇:約80億円
- ロイヤルパインズホテル浦和:約25億円
- SS30:約10億円
- ホテルヒューイット甲子園:約7億円
- UURコート志木:約5億円
- アクティオーレ町田:約3億円
- アルボーレ仙台:約2億円
など。
つまり、
UUR心斎橋ビルの売却益でDPUをある程度維持できる期間に、既存物件へ積極投資する
という計画です。
この戦略そのものは比較的合理的に見えます。
売却益がなくなってから修繕・改修費が急増するとDPUへの負担が大きくなります。
先に売却益で分配金を支えながら、将来の収益力を高めようという考え方です。
注目ポイント④ 実際にバリューアップ成功例も出ている
有報では稼働率64.4%だったアクティオーレ町田が目につきました。
しかし決算説明資料を見ると、単なるリーシング不振ではありません。
大型フィットネステナント退去後に5~7階を分割し、新たなテナントを誘致。
結果として、
- 5~7階の賃料総額:約3倍
- 全館賃料総額:約36%増
- 想定ROI:約39%
となる見込みです。
パシフィックマークス月島でもセットアップオフィス工事を実施し、マーケット賃料を20%以上上回る条件で成約しています。
これらを見る限り、
「築古物件だから維持費がかかる」
だけではなく、
古い物件に投資して収益を引き上げる
運用が実際に機能しているケースもあります。
今後はロワジールホテル那覇への約80億円投資が、同様に収益増加につながるかが重要になりそうです。
注目ポイント⑤ オフィスの賃料上昇余地は大きい
オフィスについては、第45期にかなり強い内部成長が確認できます。
賃料増額額は月額約1,414万円。
- 改定時賃料増減率:+8.7%
- 入替時賃料増減率:+13.0%
となっています。
さらに、ポートフォリオ全体の賃料ギャップは約16%まで拡大しています。
賃料ギャップとは、現在の契約賃料と市場賃料との差です。
市場賃料の方が高い状態であれば、契約更新やテナント入替時に賃料を引き上げられる可能性があります。
もちろん16%のギャップがすぐ全額埋まるわけではありません。
契約期間があるため、徐々に反映されます。
ただ、中長期の内部成長余地としては注目できる数字です。
【グラフ挿入候補③:オフィス賃料ギャップ・入替/改定増減率】
- 賃料ギャップ:青系棒グラフ
- 入替時賃料増減率:赤系折れ線
- 改定時賃料増減率:オレンジ系折れ線
42期~第45期で並べると、オフィスマーケット改善と実際の賃料増額の関係が分かりやすくなります。

注目ポイント⑥ 商業・住宅でも賃料上昇
内部成長はオフィスだけではありません。
商業施設では大型テナント6件との賃料交渉で、月額約1,390万円、平均約23.5%の増額を実現しています。
住宅では、
- 入替時賃料変動率:+10.0%
- 更新時賃料変動率:+5.6%
- 賃料収入:前期比+3.0%
となっています。
ホテルだけに頼らず、オフィス、商業、住宅でも賃料上昇が確認できる点は、総合型REITとしては好材料でしょう。
注目ポイント⑦ ホテルが今後の成長エンジンになりそう
UURのホテルポートフォリオは24物件、6,855室。
賃料形態は、
- 固定賃料:32%
- GOP歩合:28%
- 売上歩合:40%
となっています。
つまり約68%が変動賃料型です。
ホテル市況が好調であれば、売上や利益増加を賃料に反映しやすい構造です。
第44・45期年間のホテル共込賃料も前年比+10%超となっています。
また、決算後には福岡・上野でホテル3物件を取得しました。
特に「バウンシー・バイ・リーガ福岡博多」はUUR自身が開発主体となった案件です。
取得価格約45億円に対して鑑定評価額約63億円、鑑定NOI利回り6.0%となっています。
完成物件を高値で買うだけでなく、開発段階から関与して取得利回りを確保する試みとして注目できます。
一方で、変動賃料型ホテルを増やすことは、景気・インバウンド動向への感応度を高める面もあります。
注目ポイント⑧ 資産入替の中身は今のところ良好
UURは2025~2027年で大規模な資産入替を進めています。
第43~48期の取得・譲渡を比較すると、
取得物件
- 取得額:約733億円
- 平均築年数:約15年
- NOI利回り:約4.8%
- 償却後利回り:約4.2%
譲渡物件
- 譲渡額:約624億円
- 平均築年数:約26年
- NOI利回り:約3.2%
- 償却後利回り:約2.5%
となっています。
現時点では、
築古・低利回り物件を売り、築浅・高利回り物件へ入れ替える
という、比較的理想的な資産回転ができています。
含み益を単純に分配金へ変えているだけではなく、売却後のポートフォリオ収益力も改善させる意図が見えます。
注目ポイント⑨ 約2,141億円の含み益
第45期末では、
- 期末帳簿価額:約7,008億円
- 期末評価額:約9,149億円
- 含み益:約2,141億円
- 含み益率:約30.6%
となっています。
用途別でも、
- 商業施設:約470億円
- オフィス:約726億円
- ホテル:約422億円
- 住宅:約232億円
- その他:約290億円
と幅広く含み益を抱えています。
これは資産入替の選択肢を確保するうえで大きな強みです。
ただし、含み益は使えば減ります。
低利回り資産を売却し、その資金で高利回り資産を取得できている間は問題ありませんが、将来的には「何を売るか」がより重要になっていきそうです。

気になる点 冷静に見ておきたいリスク
1.第46期・第47期はDPUほど本業が強いわけではない
第46期予想DPUは4,640円、第47期は4,500円です。
しかし第46期の賃貸事業利益は約153億円と、第45期約172億円から減少する予想です。
NOIも約211.8億円から約192.2億円へ低下します。
それでもDPUが高水準なのは、心斎橋売却益が入るためです。
このため、今後数年間はDPUだけを見て「利益成長している」と判断しない方がよさそうです。
2.CAPEX・修繕費はかなり増える
第45期のCAPEXは約28.6億円。
第46期予想は約29億円ですが、第47期は約51.1億円まで増える予定です。
修繕費も第47期には約18.4億円まで増加します。
これは計画的なバリューアップ投資を含むため、必ずしも悪材料ではありません。
ただし、工事費の上振れや期待ROI未達が続けば、将来の収益改善が想定より遅れる可能性があります。
3.金利上昇は確実に利益を削っている
第45期末の加重平均金利は0.91%。
前期0.72%から上昇しました。
平均有利子負債コストも1.00%まで上昇しています。
支払利息等は、
- 第46期:約19.8億円
- 第47期:約23.1億円
まで増える見込みです。
一方、総資産LTVは44.4%、時価LTVは34.6%。
財務危機を心配する水準ではなさそうですが、収益成長が金利コスト上昇を上回れるかは引き続き重要です。
【グラフ挿入候補⑤:平均金利・支払利息・固定金利比率の推移】
- 支払利息:青系棒グラフ
- 平均調達金利:赤系折れ線
- 固定金利比率:オレンジ系折れ線
とすると、金利上昇の影響が分かりやすくなります。
4.固定金利比率低下は意図的だが、追加利上げには注意
固定金利比率は81.4%から77.1%へ低下しました。
UURは、現在の長期金利が高いことを踏まえ、3~5年程度の短期借入や変動金利を活用して金融コストを抑える方針です。
考え方には合理性があります。
ただし、政策金利が想定以上に上昇すれば、変動金利比率が高いことが逆風になります。
この判断が正しかったかは数年後に分かる部分でしょう。
5.2029年以降が本当の答え合わせ
UURは第46~51期を「成長投資期間」、第52期以降を「利益拡大期間」としています。
第52期は2029年11月期です。
ちょうどUUR心斎橋ビルの売却益が終了した後になります。
経営側は、
- 保有物件賃料:年率+1%
- バリューアップ投資:ROI10%
- 年100億円の資産入替
- 取得・譲渡利回り差:約1%
- 政策金利2%まで上昇
という前提で、それでも賃貸収益を成長させるシナリオを示しています。
一つ一つは不自然な前提ではありません。
ただし、複数の条件を数年間継続して達成する必要があります。
そのため、現時点では「2029年以降も問題なく成長する」と断定するより、
そのための準備を進めている段階
と見るのがよさそうです。
まとめ
ユナイテッド・アーバン投資法人の第45期は、DPU4,592円という過去最高の数字だけを見ると非常に好調な決算です。
ただし有報を詳しく見ると、
- 物件売却益
- UUR心斎橋ビルの解約金収入
といった一時要因も大きく寄与していました。
一方で、それらを除いても賃料収入は増加しており、オフィス・商業施設・住宅・ホテルの各用途で内部成長が確認できます。
さらにUURは、心斎橋ビルの売却益がDPUを支える第46~51期を「成長投資期間」と位置付け、150~200億円規模のバリューアップ投資を実施する計画です。
その意味では、
「売却益で分配金を作っているREIT」
というより、
「売却益で分配金を守れる期間を利用して、将来の収益力を作り直そうとしているREIT」
と見る方が近そうです。
もちろん、この戦略が成功するとは限りません。
金利上昇、工事費高騰、ホテル市況、賃料上昇率など、複数の条件に左右されます。
当ラボとして今後最も注目したいのは、DPU4,500円台を維持できるかではありません。
UUR心斎橋ビルの売却益が終わる2029年以降に、賃貸事業だけでどの程度の利益を生み出せる体質になっているか。
ここが今回の中期戦略の本当の答え合わせになりそうです。
免責事項
【AIによる作成について】
本記事は、AIによる分析をベースに作成しています。AIは決算説明資料および有価証券報告書を参照して分析を行っていますが、読み取りの誤り・解釈の相違・情報の欠落が生じる可能性があります。本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、その正確性・完全性を保証するものではありません。
【投資に関する免責事項】
本記事は特定の銘柄への投資を推奨・勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴い、投資元本が保証されるものではありません。J-REITへの投資においては、分配金の減少・投資口価格の下落・上場廃止などのリスクがあります。投資に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。投資判断に際しては、必要に応じて証券会社・ファイナンシャルプランナーなど専門家へのご相談をお勧めします。


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