【高配当研究所 継続チェック】NOK/7240/最終売買日は9月28日。累進配当は「NOK Group」へ ― シール好調・電子部品は赤字拡大、統合相手イーグル工業は上方修正

今回は、NOK株式会社(7240)の2027年3月期 第1四半期決算について、継続チェックの観点から確認していきます。あわせて、9月28日(月)を最終売買日とし、10月1日に「NOK Group株式会社(641A)」として上場する経営統合の仕組みについても整理します。

所長ダル
今回はNOKさんの決算をチェックしていきましょう。イーグル工業との経営統合も控えているタイミングですね。車野さん、よろしくお願いします。
車野アナリスト
はい、所長。今回は27/3期1Q決算に加えて、経営統合の仕組みそのものも整理しておく必要があります。結論から申し上げますと、配当継続性スコアはB+のまま据え置き(格上げは保留)と考えられます。
所長ダル
据え置きということですが、どのあたりを見ての判断でしょうか。
車野アナリスト
累進配当を持株会社が継承する方針が明文化されたこと、統合相手のイーグル工業が業績を上方修正したことはプラス材料です。一方で、NOK単体の電子部品事業は1Qの赤字が拡大しており、「本業の稼ぐ力」の△評価はまだ動かせないと考えています。順に見ていきましょう。
目次

① 会社概要

項目内容
正式名称NOK株式会社(NOK CORPORATION)
証券コード7240(東証プライム)。10月1日以降はNOK Group株式会社(641A)へ移行
設立1941年(日本ベアリング製造として創立)
主な事業シール事業(自動車用オイルシールで国内首位級、一般産業機械向けも展開)、電子部品事業(メクテック社のフレキシブル基板=FPC)、その他事業(特殊潤滑剤など)
時価総額約4,917億円(’26/9/25時点、かぶたん様)
決算期3月期(第1四半期=4〜6月)
現在株価3,056円(’26/9/25終値、みんかぶ様・かぶたん様)
統合相手イーグル工業(6486)。1964年にNOKのメカニカルシール製造部門が独立して設立された会社。事業は自動車・建設機械、一般産業機械、半導体、舶用、航空宇宙の5分野

出典:決算短信、決算補足情報、NOK Group株式会社 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)、東証「新規上場会社概要」、みんかぶ様、かぶたん様、IRBANK様

所長ダル
NOKさんはシール事業と電子部品事業の2本柱ということですね。統合相手のイーグル工業さんはどのような会社なのでしょうか。
車野アナリスト
もともとNOKのメカニカルシール製造部門が1964年に独立して設立された会社です。現在は自動車・建設機械、一般産業機械、半導体、舶用、航空宇宙という5つの分野で事業を展開しています。いわば「兄弟会社」同士の統合と言える関係です。

経営統合の仕組み(NOK Group誕生への道筋)

今回はNOKとイーグル工業が共同株式移転により経営統合し、持株会社「NOK Group株式会社」を新設する枠組みです。合併ではなく、両社が並列で持株会社の傘下に入る形のため、記事内でも「経営統合(共同株式移転)」と表記します。

日付出来事
2026年6月24日イーグル工業の定時株主総会で株式移転計画を承認
2026年6月25日NOKの定時株主総会で株式移転計画を承認
9月28日(月)両社の最終売買日(予定)
9月29日(火)両社とも上場廃止(予定)
10月1日(木)NOK Groupを設立し、同日に東証プライムへ上場(予定)

上場廃止から新会社上場までの9/29〜9/30の2日間は、NOK株・イーグル工業株のどちらも売買できない期間となる予定です。

株主側の扱い
NOK株1株、イーグル工業株1株のどちらも、NOK Group株1株に置き換わります。保有株は証券口座で自動的に振り替えられるため、原則として手続きは不要とされています。9/30基準の中間配当70円は、NOKから支払われます。

上場の形式
NOK Groupの上場は「テクニカル上場」という制度によるものです。上場会社同士の組織再編で生まれる持株会社が対象で、審査は形式基準を中心に行われ、通常の新規上場のような収益性などの詳細審査は行われません。

両社のその後
NOK・イーグル工業とも上場はしなくなりますが、会社としては存続し、NOK Groupの100%子会社として事業を続けます。

株式数と持ち分
統合前にNOKが保有していたイーグル工業株14,812,559株は、10/1に持株会社へ現物配当され、消却される予定です。その結果、上場時の発行済株式数は188,604,377株になる予定で、旧NOK株主が約83%、旧イーグル工業の一般株主が約17%を持つ構成になる見込みです(粗い試算)。統合後の筆頭株主はフロイデンベルグ社で、持ち分は25.06%の予定です。

所長ダル
統合比率は1:1ということですが、株主にとって有利・不利はないのでしょうか。
車野アナリスト
NOKは5/20の取締役会で、26/3期決算や株価の変化を踏まえても比率は妥当で変更不要と判断しています。算定レンジも0.97〜1.01と1に近い水準でした。中間配当は両社とも70円で同額ですので、配当を受け取る権利という意味では株主間の不利益はないと考えられます。
所長ダル
テクニカル上場というのは、あまり聞き慣れない言葉ですね。
車野アナリスト
上場会社同士の組織再編で生まれる持株会社を対象とした制度で、審査は形式基準が中心となり、通常の新規上場のような詳細な収益性審査は行われません。東証様が9/1付で「新規上場会社概要」を公表しており、10/1の実際の上場は最終確認する段階です。

② 主要財務指標

NOK(27/3期1Q)実績

指標26/3期1Q27/3期1Q前年同期比通期予想1Q進捗率
売上高1,718.66億円1,812.43億円+5.5%7,566億円24.0%
営業利益70.02億円76.50億円+9.3%350億円21.9%
営業利益率4.1%4.2%+0.1pt4.6%-
経常利益86.25億円133.65億円+54.9%483億円27.7%
純利益57.29億円90.75億円+58.4%464億円19.6%
EPS35.11円56.99円-285.22円20.0%

出典:決算短信 表紙、決算補足情報 1P

項目数値出典
BPS3,978.68円(2026年6月末)決算短信 表紙
自己資本比率65.7%(前期末から横ばい)決算短信 表紙
ROE26/3期実績7.70%、27/3期予想7.31%上場申請書類 39P、IRBANK様
年間配当予想140円(中間70円・期末70円)決算短信 表紙
特別配当等なし決算短信 表紙
配当性向約49.1%(前期45.6%)当方試算、かぶよほう様
配当利回り4.58%(140円÷3,056円)みんかぶ様・かぶたん様
PER(予想)約10.7倍当方試算
PBR約0.77倍当方試算
みんかぶ様目標株価2,829円(判定「売り」)みんかぶ様
増配コミットあり(累進配当。持株会社も継承を目指す方針)上場申請書類(Ⅰの部)64P
次期(統合会社)予想配当持株会社としては未公表決算短信 表紙 注2
権利落ち確認未(権利付最終日は9/28で、最終売買日と同日)-

経常利益の大幅増益は為替要因が中心と考えられます。前年同期は為替差損36.29億円、今期は為替差益17.20億円で、差し引き約53億円の振れがありました(決算短信5P)。本業の増益幅は、営業利益の+6.5億円にとどまります。また、純利益予想464億円は特別利益に大きく依存している可能性があります。経常利益予想483億円に対して純利益464億円という関係から、約200億円規模の特別利益(政策保有株の売却益など)が前提になっていると考えられます(粗い試算)。1Qの特別利益は8.04億円にとどまっており、純利益の進捗率が19.6%と低めなのはこのためと考えられます。

所長ダル
経常利益が前年同期比+54.9%というのは大きな伸びですね。本業が好調ということでしょうか。
車野アナリスト
そこは少し注意が必要です。前年同期は為替差損36.29億円だったのに対し、今期は為替差益17.20億円で、差し引き約53億円の振れがありました。本業に近い営業利益の増益幅は+6.5億円にとどまっていますので、経常利益の伸びの多くは為替要因と考えられます。
所長ダル
純利益予想464億円についても、内訳を見ておいたほうがよさそうですね。
車野アナリスト
はい。経常利益予想483億円に対して純利益予想464億円という関係から逆算すると、約200億円規模の特別利益(政策保有株の売却益など)が前提になっている可能性があります(粗い試算)。1Qの特別利益は8.04億円にとどまっていますので、純利益の進捗率が19.6%と他の指標より低めに出ているのはこのためと考えられます。「配当性向49%」という見かけの数字と、本業ベースの実態には一定の差があると見ておいたほうがよいと思います。

イーグル工業(27/3期1Q)実績

指標26/3期1Q27/3期1Q前年同期比通期予想(修正後)
売上高424.89億円477.87億円+12.5%2,000億円(修正前1,880億円)
営業利益29.98億円42.22億円+40.8%160億円(修正前124億円)
純利益25.93億円34.39億円+32.6%120億円(修正前95億円)
EPS57.34円75.62円-262.89円
自己資本比率-58.0%--
BPS-2,963.41円--

出典:イーグル工業 決算短信 表紙・3P

通期予想は、期初の減益予想から増益予想(営業利益+18.8%)へ上方修正されました。

所長ダル
統合相手のイーグル工業さんは、業績が上方修正されたのですね。
車野アナリスト
はい。通期の営業利益予想を124億円から160億円へ、純利益予想を95億円から120億円へ引き上げています。期初は減益予想でしたので、増益予想への転換という点で評価できる修正と考えられます。セグメント別では、前期通期△11.69億円の赤字だった半導体向け事業が、1Qで4.48億円の黒字に転換したことが大きく寄与しています。AIデータセンター向けの高付加価値メモリ需要が背景です。
所長ダル
自動車向けの事業はどうなっているのでしょうか。
車野アナリスト
自動車・建設機械セグメントは売上高+1.0%に対し、セグメント利益は6.28億円から3.62億円へ約4割減っています。サスペンション用ソレノイドバルブは好調ですが、補器類の電動化により従来製品の販売が減っており、成長製品と縮小製品の入れ替わりが起きていると考えられます。減益額は2.66億円ですので、全社への影響は限定的です。

③ 継続チェックメモ項目評価

最重要イベント:経営統合スケジュール

チェック項目実績評価
定時株主総会で統合議案は承認されたかイーグル工業は6/24、NOKは6/25の総会で承認可決○
統合比率(株式移転比率)の内容はどうか両社とも1:1。NOKは5/20の取締役会で比率は妥当・変更不要と判断○
9月末の上場廃止スケジュールに変更はないか最終売買日9/28、上場廃止日9/29で予定どおり○
10/1にNOK Groupは予定どおり上場するか東証様が9/1付で「新規上場会社概要」を公表。実際の上場は10/1に最終確認○(予定段階)
統合会社としての戦略・計画は発表されたか統合後に公表予定のため、現時点では原理的に確認できない-(構造的)
総評

統合スケジュールに関する不確実要素は、6月の両社総会承認と9/1の東証様による上場承認でほぼ解消されたと考えられます。破談・延期リスクは現時点で確認されていません。

最重要:統合後の配当方針

チェック項目実績評価
累進配当が統合後も維持される言及はあるか上場申請書類の配当政策欄に、具体的な方針は未定としつつ、NOKの従来のキャピタルアロケーション方針と同様に事業投資を最優先しながら、累進配当で1株配当の段階的な向上を目指す予定と明記◎
NOK Groupの配当方針(金額)は公表されたか方向性は示されたが、配当金額の予想は「改めて発表」のまま(決算短信 表紙 注2)△
イーグル工業の期末配当はいつ、いくらで確定したか株式移転計画では9/30基準の中間配当70円までと定められ、期末配当はNOK Groupの配当に一本化される○(論点が移行)
統合比率によって、配当利回りベースで株主間の有利・不利は生じていないか中間配当は両社とも70円で同額。比率は市場株価を基準に決定(算定レンジ0.97〜1.01)○

統合比率によって配当利回りベースで株主間の有利・不利が生じていないかについては、EPSはNOK 285.22円(自社株買い後は約295円)に対しイーグル工業262.89円で、上方修正により差が縮まりました。BPSはNOK 3,978.68円に対しイーグル工業2,963.41円で、純資産はNOK側が約3割多く持ち込む形です。ただし比率は市場株価を基準に決められており、配当を受け取る権利は1:1で同等ですので、NOK株主にとって配当面での不利益はないと考えられます。

所長ダル
累進配当が持株会社に引き継がれるかどうかは、前回から注目されていた論点でしたね。
車野アナリスト
はい。当初は11月頃の公表を想定していましたので、今回の上場申請書類での開示は期待を上回るタイミングだったと考えられます。上場申請書類64Pには、具体的な方針は未定としつつ、NOKの従来のキャピタルアロケーション方針と同様に事業投資を最優先しながら、累進配当で1株配当の段階的な向上を目指す予定と明記されています。
所長ダル
ただ、具体的な配当金額はまだ決まっていないのですね。
車野アナリスト
そこは△評価としています。方向性は示されましたが、配当金額の予想は決算短信の表紙注2で「改めて発表」のままです。イーグル工業の期末配当についても、株式移転計画で9/30基準の中間配当70円までと定められており、期末配当はNOK Groupの配当に一本化される形になりました。論点そのものが持株会社の配当方針に移った、という整理になります。
総評

累進配当の継承方針が明文化されたことは、前回記事で最大の不確実要素としていた論点が良い方向へ前進したことを意味すると考えられます。一方で具体的な金額は未公表であり、統合初年度の配当水準は11月以降の開示を待つ必要があります。

注意点①:NOK本体の業績・本業の稼ぐ力

チェック項目実績評価
営業利益率は4.5%台から改善傾向にあるか1Q4.2%(前年同期比+0.1pt)、通期計画4.6%の線上。目標の2桁利益率にはまだ遠い○
シール事業の増収増益基調は続いているか売上高984.64億円(+7.8%)、営業利益96.44億円(+47.5%)、利益率9.7%(+2.6pt)、通期計画308億円に対し進捗31.3%◎
電子部品事業(メクテック)は計画どおり2Q以降に黒字化したか1Q営業損失22.30億円(前年同期△1.21億円から拡大)。通期計画+35億円達成には2Q〜4Qで約+57億円が必要△
中東情勢の影響で業績予想が見直されていないか5/13公表の予想から変更なし(決算短信2P)○
北米事業への影響は拡大していないか持分法投資利益は26.85億円から30.15億円に増加(決算短信5P)。うち約11億円はイーグル工業分と推計(粗い試算)○

シール事業の増益内訳は、売上高影響+26億円、変動費ほか+9億円、固定費△11億円、為替+7億円です(決算補足情報3P)。売価転嫁と建機向けの伸びによる増益で、量と質の両方が改善していると考えられます。電子部品事業の悪化要因は、固定費△11億円やアジア通貨高などの影響です(決算補足情報3P)。黒字化の判定時期は2Qのため×とはしていませんが、方向感は悪化していると考えられます。なお、フロイデンベルグNOK単体の状況については開示がなく確認できていません。

所長ダル
シール事業と電子部品事業で、明暗が分かれた1Qだったのですね。
車野アナリスト
はい。シール事業は営業利益+47.5%、利益率9.7%(+2.6pt)と好調です。売価転嫁と建機向けの伸びが効いており、量と質の両方が改善していると考えられます。一方で電子部品事業は営業損失が22.30億円と、前年同期の△1.21億円から拡大しました。アジア通貨高と固定費の増加が要因です。
所長ダル
電子部品事業は、通期の黒字化計画に影響はないのでしょうか。
車野アナリスト
通期計画は+35億円の黒字化ですので、残り2Q〜4Qで約+57億円の改善が必要になります。黒字化の判定自体は2Qを待つ必要があるため今回は×としていませんが、方向感としては悪化していますので、次回の最重要チェックポイントの一つと考えています。
総評

NOK単体の本業は「シール好調・電子部品悪化」という二つの顔を持つ1Qでした。営業利益率は通期計画の線上にありますが、電子部品の赤字拡大により中身の評価は慎重に見る必要があると考えられます。

注意点②:イーグル工業の業績・セグメント動向(一次資料で確定)

セグメント売上高前年同期比営業利益前年同期判定
自動車・建設機械230.19億円+1.0%3.62億円6.28億円(△42.3%)×
一般産業機械106.75億円+17.8%18.01億円10.70億円(+68.3%)◎
半導体58.69億円+58.7%4.48億円△3.16億円(黒字転換)◎
舶用54.69億円+13.8%13.49億円15.14億円(△10.9%)△
航空宇宙27.53億円+29.4%2.72億円0.91億円(+198.4%)◎

出典:イーグル工業 決算短信2P・9P

チェック項目実績評価
自動車・建機向け事業(EV向けソレノイドバルブ)の伸びは続いているかサスペンション用ソレノイドバルブは好調だが、補器類の電動化で従来製品の販売が減少。セグメント利益は約4割減(減益額2.66億円、全社影響は限定的)×
半導体向け事業の赤字は縮小・黒字化に向かっているか前期通期△11.69億円の赤字から、1Qで4.48億円の黒字に転換。AIデータセンター向け高付加価値メモリ需要が背景◎
航空宇宙向け事業の減益は一過性か防衛関連需要が堅調で増収増益に転換。前期の減益は一過性だった可能性があるが、金額が小さく通期での確認が必要◎

なお、みんかぶ様によるイーグル工業の株価評価は、同社株が9/29に上場廃止となるため、今回よりチェック項目から除外しています。また、イーグル工業の1Q短信は任意のため監査法人のレビューを受けていない点も補足しておきます(NOKの短信はレビュー済みです)。

所長ダル
イーグル工業さんも、セグメントごとに濃淡があるのですね。
車野アナリスト
はい。半導体は前期通期の赤字から1Qで黒字転換、航空宇宙も増収増益に転じており、この2セグメントは◎評価です。一方で自動車・建設機械は、EV化に伴う従来製品の減少でセグメント利益が約4割減っており、×評価としています。ただし減益額は2.66億円ですので、全社への影響自体は限定的と考えられます。

継続ウォッチ:統合シナジーの発現状況

統合シナジーについては、統合後の開示を待つ段階のため、現時点では構造的に判定できない項目です(-構造的)。両社の算定機関は、シナジーを株式価値の算定に織り込んでおらず(上場申請書類29〜31P)、シナジーはあくまで「上乗せ余地」の位置づけです。ただし、イーグル工業の上方修正により、シナジーを考慮しない単純合算の段階でも営業利益率は改善しています(後述の「統合会社の単純合算試算」参照)。

引き続き良好なら安心できる項目

項目NOKイーグル工業維持ラインの目安評価
自己資本比率65.7%58.0%NOK 55%以上/イーグル工業50%以上○
ROE予想7.31%予想約9%(粗い試算)両社とも7%台以上○(NOKはぎりぎり)
営業CF1Qは非開示(前期681.56億円)1Qは非開示(前期220.37億円)配当総額を上回る-(構造的)
有利子負債ネットキャッシュ約763億円ネット負債約56億円-○
政策保有株の縮減(NOK)1Qに投資有価証券売却益7.59億円-2028年度末までの売却完了方針○

営業CFの参考値(運転資本の増減を考慮しない粗い試算で、判定根拠には使用していません):NOKは1Qの営業利益に減価償却費を加えると約202億円で、1Qの配当支払(約103億円)を上回ります。イーグル工業は同様の計算で約69億円となり、1Qの配当支払(30.06億円)を上回ります。前期の営業CFは、NOKが配当総額(約207億円)の約3.3倍、イーグル工業が配当総額(約57億円)の約3.9倍でした。

即座に見直しが必要なシグナルの点検

シグナル状況
経営統合の延期・条件変更・破談なし
統合比率がNOK株主に不利な内容で決定なし
累進配当方針の撤回なし(継承方針が明文化された)
イーグル工業の期末配当論点自体が消滅(NOK Groupの配当に一本化)
NOK電子部品の通期赤字1Qの赤字拡大により要監視
イーグル工業半導体の赤字拡大なし(黒字転換)
中東情勢による下方修正なし(イーグル工業はむしろ上方修正)
合算の自己資本比率が60%を大きく下回るなし(単純合算で60%台前半〜半ば、粗い試算)
総評

即座の見直しを要するシグナルは点灯していないと考えられます。唯一「要監視」としているのはNOK電子部品事業の1Q赤字拡大で、2Q以降の黒字化計画の進捗を確認する必要があります。統合スケジュール・比率・財務健全性については引き続き良好な水準を維持しています。

統合会社(NOK Group)の単純合算試算

両社の会社予想を単純に足し合わせた粗い試算です。実際の決算は、イーグル工業を連結に取り込む時期(10/1以降)や、取得時の会計処理によって変わります。統合時には取得法の適用によるのれんの計上など会計処理の影響を受ける可能性があり、単純合算値がそのまま反映されるわけではない点には留意が必要です。

項目5月時点今回(イーグル工業の上方修正後)
売上高9,446億円9,566億円
営業利益474億円510億円
営業利益率約5.0%約5.3%
通年ベースのEPS約280円約293円
140円配当の配当性向約50%約48%

EPSの算出方法:NOK予想の純利益464億円から持分法で取り込んでいるイーグル工業分(約31億円)を除き、イーグル工業の純利益120億円を100%加えた約553億円を、持株会社の株式数約1.89億株で割っています。電子部品の比重については、売上高では統合会社の約37%を占めますが、営業利益計画では約7%(35億円÷510億円)にとどまります。統合によって電子部品の赤字リスクが薄まる効果があると考えられます。

所長ダル
統合後は、電子部品事業の位置づけも変わってくるのでしょうか。
車野アナリスト
はい。電子部品事業は売上高では統合会社の約37%を占める一方、営業利益計画に占める比重は約7%にとどまります。統合によって、電子部品の赤字が全体の利益に与えるインパクトは相対的に薄まると考えられます。イーグル工業の上方修正もあり、単純合算の営業利益率は約5.0%から約5.3%へ、140円配当の配当性向は約50%から約48%へ改善しています。

株価・バリュエーション

項目今回(’26/9/25)コメント
株価3,056円8/7の自社株買い価格2,981円を上回る
PER(予想)約10.7倍IRBANK様の予想ベースでは10.33倍
PBR約0.77倍1倍割れが続く
配当利回り4.58%高配当株としての妙味は維持
みんかぶ様目標株価2,829円「売り」株価との差は△227円。前回記事時点の「割安・買い」から評価が変化
みんかぶ様アナリスト予想3,165円「買い」(4人:強気買い1・中立3)総合目標株価と評価が食い違っている。カバレッジも薄い
みんかぶ様理論株価株価診断は対象外上場廃止を控えた措置の可能性
個人投資家の予想数値は不採用更新が約4ヶ月前(5/19)で止まっている
売買予想比率数値は不採用更新日が特定できないため
かぶよほう様コンセンサス目標株価3,072円(9/9時点)参考値

みんかぶ様の総合目標株価2,829円「売り」と、アナリスト予想3,165円「買い」(4人)は評価が食い違っています。カバレッジするアナリストの数自体も少ないため、この乖離をどこまで重視するかは判断が分かれるところと考えられます。理論株価が株価診断の対象外となっている点は、上場廃止を控えた措置の可能性があります。

NOKとイーグル工業の株価連動

9/25の終値はNOKが3,056円、イーグル工業が3,055円で、差は1円です。半年間のチャートもほぼ同じ形で推移しています。

指標NOKイーグル工業
株価3,056円3,055円
PER10.3倍11.6倍
PBR0.75倍1.03倍
利回り4.58%「―」(期末配当が未定のため)

出典:かぶたん様

細かな値動きの違いは、イーグル工業株の出来高の少なさ(9/25はNOKの44.6万株に対し6.2万株)によるものと考えられます。

所長ダル
PERもPBRも違うのに、株価がほぼ同じというのは不思議な感じがします。
車野アナリスト
どちらを買っても、10/1には同じNOK Group株1株になり、中間配当も同じ70円です。価格差が開けば、安い方を買い高い方を売る裁定取引によってすぐに埋まる関係にあります。6月の総会承認と9/1の東証による上場承認で破談リスクがほぼなくなったことで、連動はほぼ完全になっていると考えられます。統合が決まった後の株価は、個別の業績ではなく統合比率で決まることを示す例と言えます。

信用需給(NOK)

日付売り残買い残信用倍率
8/2170.0千株512.8千株7.33倍
8/2899.3千株353.0千株3.55倍
9/0437.1千株221.7千株5.98倍
9/1134.9千株193.7千株5.55倍

出典:かぶたん様

  • 買い残は8月下旬の約51万株から約19万株へ整理が進んでいます
  • 買い残は発行済株式数の約0.12%で、要注意の目安2%を大きく下回ります(9/25の出来高より小さい規模)

なお、8/7には約111億円の自社株買い(ToSTNeT-3、2,981円)が実施され、9月末までに消却される予定です。特定の大株主の売却の受け皿になった可能性もありますが、これは推測の域を出ません。現在株価3,056円は、この自社株買い価格を上回る水準で推移しています。

④ 配当継続性スコア

評価項目評価解説
配当の中身○普通配当のみで記念配当なし。累進配当を持株会社が継承する方針を明記
本業の稼ぐ力△シールは◎だが電子部品は赤字拡大。NOK単体の営業利益率は4.2%にとどまり、純利益予想は特別利益への依存度が高い
財務の健全性○自己資本比率65.7%。ネットキャッシュ約763億円(6月末)、自社株買い後も約650億円(試算)
配当の原資-(構造的)1QはCF計算書を作成しない(決算短信8P)。前期の営業CFは配当総額の約3.3倍
経営方針の透明性○累進配当の継承方針を開示。自社株買い(約111億円)は即日実行し、9月末までに消却予定
総合スコア

B+→B+(格上げ保留)

数値だけを見れば、累進配当の継承方針が明文化されました。さらに統合相手のイーグル工業が上方修正し、単純合算の配当性向は約48%まで下がると試算されます。数値面ではA-相当の要素がそろいつつあると考えられます。

それでも今回据え置いたのは、「本業の稼ぐ力」に実体を伴う△(電子部品の赤字拡大)が残り、「配当の原資」が構造的に-(1QはCF計算書非開示)のためです。業績や財務に問題が生じたための据え置きではないと考えられます。

格上げの条件としては、①中間期の営業CFが中間配当総額(70円×約1.57億株=約110億円)を上回ること、②電子部品の上期累計損失が△30億円以内にとどまり、2Q単独で損益が改善すること、③NOK Groupの期末配当予想が70円以上(年間140円相当)で示されること、の3点がそろえばA-を検討する水準と考えられます。

評価対象は10/1からNOK Group(641A)に切り替わります。次回は統合会社ベースでスコアを付け直し、電子部品の△は統合会社の利益構成の中で改めて評価する予定です。

評価ランクの凡例
クリックして評価ランクの説明を見る

S:非常に優れている/A:優れている/A-:Aの要件を満たすがBに近い注意点がある/B+:Bの要件を満たしAに近い水準にある/B:良好/B-:Bの要件を満たすがCに近い注意点がある/C+:Cの要件を満たしBに近い水準にある/C:やや懸念がある/C-:Cの要件を満たすがDに近い注意点がある/D:懸念が大きい/E:重大な懸念がある

※評価体系をS/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「+(プラス)-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。

⑤ 適正株価試算(普通配当逆算法)

10/1以降は1:1でNOK Group株に移行するため、以下の試算はNOK Group株の目安としても読める内容です。前提:現在株価3,056円(’26/9/25終値)、予想配当140円、現在利回り4.58%。

シナリオ想定配当想定利回り適正株価前提
強気150円4.0%3,750円累進配当で+10円。通年ベースのEPS約293円に対して配当性向約51%。算定機関が前提とした28/3期のNOK営業利益+43.9%計画(上場申請書類31P)とシナジーの上乗せ
中立140円4.5%3,111円会社予想をそのまま使用
保守的140円5.0%2,800円増配なし。統合初年度の不透明感から、市場が高めの利回りを求める場合
弱気100円5.0%2,000円EPS約200円×配当性向50%

弱気シナリオ:「方針を曲げざるを得ない前提条件」

政策保有株の売却益が剥落し、電子部品の赤字が続き、イーグル工業の半導体回復も失速するケースを想定しています。この場合、本業ベースのEPSは200円前後にとどまり、140円配当の配当性向は70%を超えます。累進配当の見直しを迫られる状況になると考えられます。

BPS×PBR倍率による確認

BPS:3,978.68円

PBR倍率適正株価
0.7倍2,785円
0.8倍3,183円
1.0倍3,979円

現在株価3,056円はPBR約0.77倍で、「中立と保守的の間」に位置しています。

所長ダル
外部の目標株価と比べると、現在の株価はどのあたりに位置しているのでしょうか。
車野アナリスト
現在株価3,056円は、みんかぶ様総合目標株価2,829円を上回り、アナリスト予想3,165円・かぶよほう様コンセンサス3,072円に近い水準にあります。PER約10.7倍、PBR約0.77倍、利回り4.58%という数字だけを見ると「やや割安〜中立」と考えられますが、特別利益を除いた本業ベースで見ると、割安感はやや薄れると考えたほうがよいと思います。

全シナリオが崩れる条件

  • NOK Groupが累進配当方針を撤回・修正する、または期末配当予想が70円を下回る場合
  • 電子部品の赤字が通期で拡大し、NOK単体の連結営業利益が300億円を割り込む場合
  • 政策保有株の売却益が計画どおり出ず、持株会社ベースの純利益が配当総額の2倍を下回る場合
  • AI関連の半導体需要が失速し、イーグル工業の上方修正分がはげ落ちる場合
  • 大幅な円高が進む場合(通期の前提は1ドル155円、1Q実績は159.44円)
  • 筆頭株主フロイデンベルグ社(統合後25.06%)との提携関係に変化が生じる場合

まとめ

所長ダル
今回のNOKさんのQ1決算、まとめると配当継続性スコアはB+のまま据え置き(格上げ保留)、ということでしたね。
車野アナリスト
はい。累進配当の継承方針とイーグル工業の上方修正は安心材料と言えます。シール事業の価格転嫁による収益改善、イーグル工業の半導体回復、統合シナジーの上乗せ余地など、強気シナリオを支える材料はそろってきていると考えられます。一方で、統合初年度の配当金額は11月以降の開示待ちであり、NOK単体の電子部品事業も赤字が拡大していますので、「確認しながら持つ」局面だと考えています。
所長ダル
9月28日が最終売買日で、権利付最終日と同じ日になるのですね。
車野アナリスト
そうですね。中間配当70円の権利を得るには9/28までの保有が必要で、その翌営業日である9/29には両社とも上場廃止となる予定です。10/1にNOK Group株として上場した後の値動きも含めて、確認していく必要があると考えられます。
所長ダル
長期で配当を目的に持つ場合、どう捉えるとよいでしょうか。
車野アナリスト
累進配当の継承方針、自己資本比率65.7%、実質無借金に近い財務体質という組み合わせは、利益が一時的に凹んでも配当を維持しやすい構造と考えられます。一方で、NOK単体の電子部品事業の赤字拡大は本業の稼ぐ力への懸念材料として残っています。新規で厚く買うより、11月の中間決算でNOK Groupとしての配当方針・電子部品の損益改善・営業CFの実額を確認しながら判断する姿勢が現実的と考えられます。
所長ダル
今回も丁寧に見ていただき、ありがとうございました。次回からはNOK Groupとしての評価になるのですね。
車野アナリスト
はい。評価対象は10/1からNOK Group(641A)に切り替わります。中間期の営業CFの実額、電子部品の上期損益、そしてNOK Groupの期末配当予想――この3点が次回の最重要チェックポイントになると考えられます。
執筆時点の未確認事項

NOK Groupの最初の事業年度は10/1〜3/31です。11月の中間決算で、旧NOKの中間期のキャッシュフロー情報がどのような形で開示されるかは、現時点で確認できていません。次回のチェックで確認します。

ウェブ版の記事末尾に、そのまま貼り付けられる形でまとめました。


出典

NOK株式会社

  • 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月6日)
  • 2027年3月期 第1四半期 決算補足情報(2026年8月6日)
  • 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得結果に関するお知らせ(2026年8月7日)

イーグル工業株式会社

  • 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月6日)

NOK Group株式会社(上場申請会社)/NOK株式会社・イーグル工業株式会社(提出会社)

  • 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)(2026年9月1日、東京証券取引所ウェブサイト掲載)
    • 配当政策:p.64
    • 株式移転計画(統合前の配当上限・自己株式取得の上限):p.19
    • 株主総会での承認・統合比率の妥当性の再確認:p.17、p.28〜29、p.41
    • 統合比率の算定・財務予測:p.29〜31
    • 最終売買日・上場廃止日:p.37
    • 両社の主要な経営指標の推移:p.39〜40
    • 発行済株式数・株式の消却:p.59
    • 統合後の大株主の状況(予定):p.61
    • https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001v7rs-att/10NOKGroup-1s.pdf

株式会社東京証券取引所

  • 新規上場会社概要 NOK Group株式会社(2026年9月1日)
    • https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001v7rs-att/10NOKGroup-Outline.pdf

外部データ提供サイト

  • みんかぶ様(株価情報・株価予想、2026年9月25日時点)
  • かぶたん様(株価・信用取引残高・チャート、2026年9月25日時点)
  • IRBANK様(株式指標・業績推移、2026年9月24日時点)
  • かぶよほう様(配当性向・コンセンサス目標株価、2026年9月9日時点)

本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成した参考資料です。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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免責事項

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本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。

本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。

本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。経営統合の日程・条件についても、本記事作成時点で公表されている情報に基づくものであり、今後変更される可能性があります。

本記事で参照しているみんかぶ様・かぶたん様・IRBANK様・かぶよほう様などの第三者提供データについて、当ラボはその正確性・完全性について責任を負いません。最新情報は各社の公式サイトおよび企業のIR情報をご確認ください。

本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

本記事における業界慣行への言及は、一般的な注意喚起を目的としたものであり、特定の企業の商品・営業活動を批判するものではありません。

情報基準日:2026年9月25日

本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。

© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。

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