今回は、NOK株式会社(7240)の2027年3月期 第1四半期決算について、継続チェックの観点から確認していきます。あわせて、9月28日(月)を最終売買日とし、10月1日に「NOK Group株式会社(641A)」として上場する経営統合の仕組みについても整理します。
所長ダル








① 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | NOK株式会社(NOK CORPORATION) |
| 証券コード | 7240(東証プライム)。10月1日以降はNOK Group株式会社(641A)へ移行 |
| 設立 | 1941年(日本ベアリング製造として創立) |
| 主な事業 | シール事業(自動車用オイルシールで国内首位級、一般産業機械向けも展開)、電子部品事業(メクテック社のフレキシブル基板=FPC)、その他事業(特殊潤滑剤など) |
| 時価総額 | 約4,917億円(’26/9/25時点、かぶたん様) |
| 決算期 | 3月期(第1四半期=4〜6月) |
| 現在株価 | 3,056円(’26/9/25終値、みんかぶ様・かぶたん様) |
| 統合相手 | イーグル工業(6486)。1964年にNOKのメカニカルシール製造部門が独立して設立された会社。事業は自動車・建設機械、一般産業機械、半導体、舶用、航空宇宙の5分野 |
出典:決算短信、決算補足情報、NOK Group株式会社 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)、東証「新規上場会社概要」、みんかぶ様、かぶたん様、IRBANK様






経営統合の仕組み(NOK Group誕生への道筋)
今回はNOKとイーグル工業が共同株式移転により経営統合し、持株会社「NOK Group株式会社」を新設する枠組みです。合併ではなく、両社が並列で持株会社の傘下に入る形のため、記事内でも「経営統合(共同株式移転)」と表記します。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年6月24日 | イーグル工業の定時株主総会で株式移転計画を承認 |
| 2026年6月25日 | NOKの定時株主総会で株式移転計画を承認 |
| 9月28日(月) | 両社の最終売買日(予定) |
| 9月29日(火) | 両社とも上場廃止(予定) |
| 10月1日(木) | NOK Groupを設立し、同日に東証プライムへ上場(予定) |
上場廃止から新会社上場までの9/29〜9/30の2日間は、NOK株・イーグル工業株のどちらも売買できない期間となる予定です。
株主側の扱い
NOK株1株、イーグル工業株1株のどちらも、NOK Group株1株に置き換わります。保有株は証券口座で自動的に振り替えられるため、原則として手続きは不要とされています。9/30基準の中間配当70円は、NOKから支払われます。
上場の形式
NOK Groupの上場は「テクニカル上場」という制度によるものです。上場会社同士の組織再編で生まれる持株会社が対象で、審査は形式基準を中心に行われ、通常の新規上場のような収益性などの詳細審査は行われません。
両社のその後
NOK・イーグル工業とも上場はしなくなりますが、会社としては存続し、NOK Groupの100%子会社として事業を続けます。
株式数と持ち分
統合前にNOKが保有していたイーグル工業株14,812,559株は、10/1に持株会社へ現物配当され、消却される予定です。その結果、上場時の発行済株式数は188,604,377株になる予定で、旧NOK株主が約83%、旧イーグル工業の一般株主が約17%を持つ構成になる見込みです(粗い試算)。統合後の筆頭株主はフロイデンベルグ社で、持ち分は25.06%の予定です。












② 主要財務指標
NOK(27/3期1Q)実績
| 指標 | 26/3期1Q | 27/3期1Q | 前年同期比 | 通期予想 | 1Q進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,718.66億円 | 1,812.43億円 | +5.5% | 7,566億円 | 24.0% |
| 営業利益 | 70.02億円 | 76.50億円 | +9.3% | 350億円 | 21.9% |
| 営業利益率 | 4.1% | 4.2% | +0.1pt | 4.6% | - |
| 経常利益 | 86.25億円 | 133.65億円 | +54.9% | 483億円 | 27.7% |
| 純利益 | 57.29億円 | 90.75億円 | +58.4% | 464億円 | 19.6% |
| EPS | 35.11円 | 56.99円 | - | 285.22円 | 20.0% |
出典:決算短信 表紙、決算補足情報 1P
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| BPS | 3,978.68円(2026年6月末) | 決算短信 表紙 |
| 自己資本比率 | 65.7%(前期末から横ばい) | 決算短信 表紙 |
| ROE | 26/3期実績7.70%、27/3期予想7.31% | 上場申請書類 39P、IRBANK様 |
| 年間配当予想 | 140円(中間70円・期末70円) | 決算短信 表紙 |
| 特別配当等 | なし | 決算短信 表紙 |
| 配当性向 | 約49.1%(前期45.6%) | 当方試算、かぶよほう様 |
| 配当利回り | 4.58%(140円÷3,056円) | みんかぶ様・かぶたん様 |
| PER(予想) | 約10.7倍 | 当方試算 |
| PBR | 約0.77倍 | 当方試算 |
| みんかぶ様目標株価 | 2,829円(判定「売り」) | みんかぶ様 |
| 増配コミット | あり(累進配当。持株会社も継承を目指す方針) | 上場申請書類(Ⅰの部)64P |
| 次期(統合会社)予想配当 | 持株会社としては未公表 | 決算短信 表紙 注2 |
| 権利落ち確認 | 未(権利付最終日は9/28で、最終売買日と同日) | - |
経常利益の大幅増益は為替要因が中心と考えられます。前年同期は為替差損36.29億円、今期は為替差益17.20億円で、差し引き約53億円の振れがありました(決算短信5P)。本業の増益幅は、営業利益の+6.5億円にとどまります。また、純利益予想464億円は特別利益に大きく依存している可能性があります。経常利益予想483億円に対して純利益464億円という関係から、約200億円規模の特別利益(政策保有株の売却益など)が前提になっていると考えられます(粗い試算)。1Qの特別利益は8.04億円にとどまっており、純利益の進捗率が19.6%と低めなのはこのためと考えられます。












イーグル工業(27/3期1Q)実績
| 指標 | 26/3期1Q | 27/3期1Q | 前年同期比 | 通期予想(修正後) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 424.89億円 | 477.87億円 | +12.5% | 2,000億円(修正前1,880億円) |
| 営業利益 | 29.98億円 | 42.22億円 | +40.8% | 160億円(修正前124億円) |
| 純利益 | 25.93億円 | 34.39億円 | +32.6% | 120億円(修正前95億円) |
| EPS | 57.34円 | 75.62円 | - | 262.89円 |
| 自己資本比率 | - | 58.0% | - | - |
| BPS | - | 2,963.41円 | - | - |
出典:イーグル工業 決算短信 表紙・3P
通期予想は、期初の減益予想から増益予想(営業利益+18.8%)へ上方修正されました。












③ 継続チェックメモ項目評価
最重要イベント:経営統合スケジュール
| チェック項目 | 実績 | 評価 |
|---|---|---|
| 定時株主総会で統合議案は承認されたか | イーグル工業は6/24、NOKは6/25の総会で承認可決 | ○ |
| 統合比率(株式移転比率)の内容はどうか | 両社とも1:1。NOKは5/20の取締役会で比率は妥当・変更不要と判断 | ○ |
| 9月末の上場廃止スケジュールに変更はないか | 最終売買日9/28、上場廃止日9/29で予定どおり | ○ |
| 10/1にNOK Groupは予定どおり上場するか | 東証様が9/1付で「新規上場会社概要」を公表。実際の上場は10/1に最終確認 | ○(予定段階) |
| 統合会社としての戦略・計画は発表されたか | 統合後に公表予定のため、現時点では原理的に確認できない | -(構造的) |
統合スケジュールに関する不確実要素は、6月の両社総会承認と9/1の東証様による上場承認でほぼ解消されたと考えられます。破談・延期リスクは現時点で確認されていません。
最重要:統合後の配当方針
| チェック項目 | 実績 | 評価 |
|---|---|---|
| 累進配当が統合後も維持される言及はあるか | 上場申請書類の配当政策欄に、具体的な方針は未定としつつ、NOKの従来のキャピタルアロケーション方針と同様に事業投資を最優先しながら、累進配当で1株配当の段階的な向上を目指す予定と明記 | ◎ |
| NOK Groupの配当方針(金額)は公表されたか | 方向性は示されたが、配当金額の予想は「改めて発表」のまま(決算短信 表紙 注2) | △ |
| イーグル工業の期末配当はいつ、いくらで確定したか | 株式移転計画では9/30基準の中間配当70円までと定められ、期末配当はNOK Groupの配当に一本化される | ○(論点が移行) |
| 統合比率によって、配当利回りベースで株主間の有利・不利は生じていないか | 中間配当は両社とも70円で同額。比率は市場株価を基準に決定(算定レンジ0.97〜1.01) | ○ |
統合比率によって配当利回りベースで株主間の有利・不利が生じていないかについては、EPSはNOK 285.22円(自社株買い後は約295円)に対しイーグル工業262.89円で、上方修正により差が縮まりました。BPSはNOK 3,978.68円に対しイーグル工業2,963.41円で、純資産はNOK側が約3割多く持ち込む形です。ただし比率は市場株価を基準に決められており、配当を受け取る権利は1:1で同等ですので、NOK株主にとって配当面での不利益はないと考えられます。












累進配当の継承方針が明文化されたことは、前回記事で最大の不確実要素としていた論点が良い方向へ前進したことを意味すると考えられます。一方で具体的な金額は未公表であり、統合初年度の配当水準は11月以降の開示を待つ必要があります。
注意点①:NOK本体の業績・本業の稼ぐ力
| チェック項目 | 実績 | 評価 |
|---|---|---|
| 営業利益率は4.5%台から改善傾向にあるか | 1Q4.2%(前年同期比+0.1pt)、通期計画4.6%の線上。目標の2桁利益率にはまだ遠い | ○ |
| シール事業の増収増益基調は続いているか | 売上高984.64億円(+7.8%)、営業利益96.44億円(+47.5%)、利益率9.7%(+2.6pt)、通期計画308億円に対し進捗31.3% | ◎ |
| 電子部品事業(メクテック)は計画どおり2Q以降に黒字化したか | 1Q営業損失22.30億円(前年同期△1.21億円から拡大)。通期計画+35億円達成には2Q〜4Qで約+57億円が必要 | △ |
| 中東情勢の影響で業績予想が見直されていないか | 5/13公表の予想から変更なし(決算短信2P) | ○ |
| 北米事業への影響は拡大していないか | 持分法投資利益は26.85億円から30.15億円に増加(決算短信5P)。うち約11億円はイーグル工業分と推計(粗い試算) | ○ |
シール事業の増益内訳は、売上高影響+26億円、変動費ほか+9億円、固定費△11億円、為替+7億円です(決算補足情報3P)。売価転嫁と建機向けの伸びによる増益で、量と質の両方が改善していると考えられます。電子部品事業の悪化要因は、固定費△11億円やアジア通貨高などの影響です(決算補足情報3P)。黒字化の判定時期は2Qのため×とはしていませんが、方向感は悪化していると考えられます。なお、フロイデンベルグNOK単体の状況については開示がなく確認できていません。












NOK単体の本業は「シール好調・電子部品悪化」という二つの顔を持つ1Qでした。営業利益率は通期計画の線上にありますが、電子部品の赤字拡大により中身の評価は慎重に見る必要があると考えられます。
注意点②:イーグル工業の業績・セグメント動向(一次資料で確定)
| セグメント | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自動車・建設機械 | 230.19億円 | +1.0% | 3.62億円 | 6.28億円(△42.3%) | × |
| 一般産業機械 | 106.75億円 | +17.8% | 18.01億円 | 10.70億円(+68.3%) | ◎ |
| 半導体 | 58.69億円 | +58.7% | 4.48億円 | △3.16億円(黒字転換) | ◎ |
| 舶用 | 54.69億円 | +13.8% | 13.49億円 | 15.14億円(△10.9%) | △ |
| 航空宇宙 | 27.53億円 | +29.4% | 2.72億円 | 0.91億円(+198.4%) | ◎ |
出典:イーグル工業 決算短信2P・9P
| チェック項目 | 実績 | 評価 |
|---|---|---|
| 自動車・建機向け事業(EV向けソレノイドバルブ)の伸びは続いているか | サスペンション用ソレノイドバルブは好調だが、補器類の電動化で従来製品の販売が減少。セグメント利益は約4割減(減益額2.66億円、全社影響は限定的) | × |
| 半導体向け事業の赤字は縮小・黒字化に向かっているか | 前期通期△11.69億円の赤字から、1Qで4.48億円の黒字に転換。AIデータセンター向け高付加価値メモリ需要が背景 | ◎ |
| 航空宇宙向け事業の減益は一過性か | 防衛関連需要が堅調で増収増益に転換。前期の減益は一過性だった可能性があるが、金額が小さく通期での確認が必要 | ◎ |
なお、みんかぶ様によるイーグル工業の株価評価は、同社株が9/29に上場廃止となるため、今回よりチェック項目から除外しています。また、イーグル工業の1Q短信は任意のため監査法人のレビューを受けていない点も補足しておきます(NOKの短信はレビュー済みです)。






継続ウォッチ:統合シナジーの発現状況
統合シナジーについては、統合後の開示を待つ段階のため、現時点では構造的に判定できない項目です(-構造的)。両社の算定機関は、シナジーを株式価値の算定に織り込んでおらず(上場申請書類29〜31P)、シナジーはあくまで「上乗せ余地」の位置づけです。ただし、イーグル工業の上方修正により、シナジーを考慮しない単純合算の段階でも営業利益率は改善しています(後述の「統合会社の単純合算試算」参照)。
引き続き良好なら安心できる項目
| 項目 | NOK | イーグル工業 | 維持ラインの目安 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 65.7% | 58.0% | NOK 55%以上/イーグル工業50%以上 | ○ |
| ROE | 予想7.31% | 予想約9%(粗い試算) | 両社とも7%台以上 | ○(NOKはぎりぎり) |
| 営業CF | 1Qは非開示(前期681.56億円) | 1Qは非開示(前期220.37億円) | 配当総額を上回る | -(構造的) |
| 有利子負債 | ネットキャッシュ約763億円 | ネット負債約56億円 | - | ○ |
| 政策保有株の縮減(NOK) | 1Qに投資有価証券売却益7.59億円 | - | 2028年度末までの売却完了方針 | ○ |
営業CFの参考値(運転資本の増減を考慮しない粗い試算で、判定根拠には使用していません):NOKは1Qの営業利益に減価償却費を加えると約202億円で、1Qの配当支払(約103億円)を上回ります。イーグル工業は同様の計算で約69億円となり、1Qの配当支払(30.06億円)を上回ります。前期の営業CFは、NOKが配当総額(約207億円)の約3.3倍、イーグル工業が配当総額(約57億円)の約3.9倍でした。
即座に見直しが必要なシグナルの点検
| シグナル | 状況 |
|---|---|
| 経営統合の延期・条件変更・破談 | なし |
| 統合比率がNOK株主に不利な内容で決定 | なし |
| 累進配当方針の撤回 | なし(継承方針が明文化された) |
| イーグル工業の期末配当 | 論点自体が消滅(NOK Groupの配当に一本化) |
| NOK電子部品の通期赤字 | 1Qの赤字拡大により要監視 |
| イーグル工業半導体の赤字拡大 | なし(黒字転換) |
| 中東情勢による下方修正 | なし(イーグル工業はむしろ上方修正) |
| 合算の自己資本比率が60%を大きく下回る | なし(単純合算で60%台前半〜半ば、粗い試算) |
即座の見直しを要するシグナルは点灯していないと考えられます。唯一「要監視」としているのはNOK電子部品事業の1Q赤字拡大で、2Q以降の黒字化計画の進捗を確認する必要があります。統合スケジュール・比率・財務健全性については引き続き良好な水準を維持しています。
統合会社(NOK Group)の単純合算試算
両社の会社予想を単純に足し合わせた粗い試算です。実際の決算は、イーグル工業を連結に取り込む時期(10/1以降)や、取得時の会計処理によって変わります。統合時には取得法の適用によるのれんの計上など会計処理の影響を受ける可能性があり、単純合算値がそのまま反映されるわけではない点には留意が必要です。
| 項目 | 5月時点 | 今回(イーグル工業の上方修正後) |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,446億円 | 9,566億円 |
| 営業利益 | 474億円 | 510億円 |
| 営業利益率 | 約5.0% | 約5.3% |
| 通年ベースのEPS | 約280円 | 約293円 |
| 140円配当の配当性向 | 約50% | 約48% |
EPSの算出方法:NOK予想の純利益464億円から持分法で取り込んでいるイーグル工業分(約31億円)を除き、イーグル工業の純利益120億円を100%加えた約553億円を、持株会社の株式数約1.89億株で割っています。電子部品の比重については、売上高では統合会社の約37%を占めますが、営業利益計画では約7%(35億円÷510億円)にとどまります。統合によって電子部品の赤字リスクが薄まる効果があると考えられます。






株価・バリュエーション
| 項目 | 今回(’26/9/25) | コメント |
|---|---|---|
| 株価 | 3,056円 | 8/7の自社株買い価格2,981円を上回る |
| PER(予想) | 約10.7倍 | IRBANK様の予想ベースでは10.33倍 |
| PBR | 約0.77倍 | 1倍割れが続く |
| 配当利回り | 4.58% | 高配当株としての妙味は維持 |
| みんかぶ様目標株価 | 2,829円「売り」 | 株価との差は△227円。前回記事時点の「割安・買い」から評価が変化 |
| みんかぶ様アナリスト予想 | 3,165円「買い」(4人:強気買い1・中立3) | 総合目標株価と評価が食い違っている。カバレッジも薄い |
| みんかぶ様理論株価 | 株価診断は対象外 | 上場廃止を控えた措置の可能性 |
| 個人投資家の予想 | 数値は不採用 | 更新が約4ヶ月前(5/19)で止まっている |
| 売買予想比率 | 数値は不採用 | 更新日が特定できないため |
| かぶよほう様コンセンサス目標株価 | 3,072円(9/9時点) | 参考値 |
みんかぶ様の総合目標株価2,829円「売り」と、アナリスト予想3,165円「買い」(4人)は評価が食い違っています。カバレッジするアナリストの数自体も少ないため、この乖離をどこまで重視するかは判断が分かれるところと考えられます。理論株価が株価診断の対象外となっている点は、上場廃止を控えた措置の可能性があります。
NOKとイーグル工業の株価連動
9/25の終値はNOKが3,056円、イーグル工業が3,055円で、差は1円です。半年間のチャートもほぼ同じ形で推移しています。
| 指標 | NOK | イーグル工業 |
|---|---|---|
| 株価 | 3,056円 | 3,055円 |
| PER | 10.3倍 | 11.6倍 |
| PBR | 0.75倍 | 1.03倍 |
| 利回り | 4.58% | 「―」(期末配当が未定のため) |
出典:かぶたん様
細かな値動きの違いは、イーグル工業株の出来高の少なさ(9/25はNOKの44.6万株に対し6.2万株)によるものと考えられます。






信用需給(NOK)
| 日付 | 売り残 | 買い残 | 信用倍率 |
|---|---|---|---|
| 8/21 | 70.0千株 | 512.8千株 | 7.33倍 |
| 8/28 | 99.3千株 | 353.0千株 | 3.55倍 |
| 9/04 | 37.1千株 | 221.7千株 | 5.98倍 |
| 9/11 | 34.9千株 | 193.7千株 | 5.55倍 |
出典:かぶたん様
- 買い残は8月下旬の約51万株から約19万株へ整理が進んでいます
- 買い残は発行済株式数の約0.12%で、要注意の目安2%を大きく下回ります(9/25の出来高より小さい規模)
なお、8/7には約111億円の自社株買い(ToSTNeT-3、2,981円)が実施され、9月末までに消却される予定です。特定の大株主の売却の受け皿になった可能性もありますが、これは推測の域を出ません。現在株価3,056円は、この自社株買い価格を上回る水準で推移しています。
④ 配当継続性スコア
| 評価項目 | 評価 | 解説 |
|---|---|---|
| 配当の中身 | ○ | 普通配当のみで記念配当なし。累進配当を持株会社が継承する方針を明記 |
| 本業の稼ぐ力 | △ | シールは◎だが電子部品は赤字拡大。NOK単体の営業利益率は4.2%にとどまり、純利益予想は特別利益への依存度が高い |
| 財務の健全性 | ○ | 自己資本比率65.7%。ネットキャッシュ約763億円(6月末)、自社株買い後も約650億円(試算) |
| 配当の原資 | -(構造的) | 1QはCF計算書を作成しない(決算短信8P)。前期の営業CFは配当総額の約3.3倍 |
| 経営方針の透明性 | ○ | 累進配当の継承方針を開示。自社株買い(約111億円)は即日実行し、9月末までに消却予定 |
B+→B+(格上げ保留)
数値だけを見れば、累進配当の継承方針が明文化されました。さらに統合相手のイーグル工業が上方修正し、単純合算の配当性向は約48%まで下がると試算されます。数値面ではA-相当の要素がそろいつつあると考えられます。
それでも今回据え置いたのは、「本業の稼ぐ力」に実体を伴う△(電子部品の赤字拡大)が残り、「配当の原資」が構造的に-(1QはCF計算書非開示)のためです。業績や財務に問題が生じたための据え置きではないと考えられます。
格上げの条件としては、①中間期の営業CFが中間配当総額(70円×約1.57億株=約110億円)を上回ること、②電子部品の上期累計損失が△30億円以内にとどまり、2Q単独で損益が改善すること、③NOK Groupの期末配当予想が70円以上(年間140円相当)で示されること、の3点がそろえばA-を検討する水準と考えられます。
評価対象は10/1からNOK Group(641A)に切り替わります。次回は統合会社ベースでスコアを付け直し、電子部品の△は統合会社の利益構成の中で改めて評価する予定です。
クリックして評価ランクの説明を見る
S:非常に優れている/A:優れている/A-:Aの要件を満たすがBに近い注意点がある/B+:Bの要件を満たしAに近い水準にある/B:良好/B-:Bの要件を満たすがCに近い注意点がある/C+:Cの要件を満たしBに近い水準にある/C:やや懸念がある/C-:Cの要件を満たすがDに近い注意点がある/D:懸念が大きい/E:重大な懸念がある
※評価体系をS/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「+(プラス)-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。
⑤ 適正株価試算(普通配当逆算法)
10/1以降は1:1でNOK Group株に移行するため、以下の試算はNOK Group株の目安としても読める内容です。前提:現在株価3,056円(’26/9/25終値)、予想配当140円、現在利回り4.58%。
| シナリオ | 想定配当 | 想定利回り | 適正株価 | 前提 |
|---|---|---|---|---|
| 強気 | 150円 | 4.0% | 3,750円 | 累進配当で+10円。通年ベースのEPS約293円に対して配当性向約51%。算定機関が前提とした28/3期のNOK営業利益+43.9%計画(上場申請書類31P)とシナジーの上乗せ |
| 中立 | 140円 | 4.5% | 3,111円 | 会社予想をそのまま使用 |
| 保守的 | 140円 | 5.0% | 2,800円 | 増配なし。統合初年度の不透明感から、市場が高めの利回りを求める場合 |
| 弱気 | 100円 | 5.0% | 2,000円 | EPS約200円×配当性向50% |
弱気シナリオ:「方針を曲げざるを得ない前提条件」
政策保有株の売却益が剥落し、電子部品の赤字が続き、イーグル工業の半導体回復も失速するケースを想定しています。この場合、本業ベースのEPSは200円前後にとどまり、140円配当の配当性向は70%を超えます。累進配当の見直しを迫られる状況になると考えられます。
BPS×PBR倍率による確認
BPS:3,978.68円
| PBR倍率 | 適正株価 |
|---|---|
| 0.7倍 | 2,785円 |
| 0.8倍 | 3,183円 |
| 1.0倍 | 3,979円 |
現在株価3,056円はPBR約0.77倍で、「中立と保守的の間」に位置しています。






全シナリオが崩れる条件
- NOK Groupが累進配当方針を撤回・修正する、または期末配当予想が70円を下回る場合
- 電子部品の赤字が通期で拡大し、NOK単体の連結営業利益が300億円を割り込む場合
- 政策保有株の売却益が計画どおり出ず、持株会社ベースの純利益が配当総額の2倍を下回る場合
- AI関連の半導体需要が失速し、イーグル工業の上方修正分がはげ落ちる場合
- 大幅な円高が進む場合(通期の前提は1ドル155円、1Q実績は159.44円)
- 筆頭株主フロイデンベルグ社(統合後25.06%)との提携関係に変化が生じる場合
まとめ
























NOK Groupの最初の事業年度は10/1〜3/31です。11月の中間決算で、旧NOKの中間期のキャッシュフロー情報がどのような形で開示されるかは、現時点で確認できていません。次回のチェックで確認します。
ウェブ版の記事末尾に、そのまま貼り付けられる形でまとめました。
出典
NOK株式会社
- 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月6日)
- 2027年3月期 第1四半期 決算補足情報(2026年8月6日)
- 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得結果に関するお知らせ(2026年8月7日)
イーグル工業株式会社
- 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年8月6日)
NOK Group株式会社(上場申請会社)/NOK株式会社・イーグル工業株式会社(提出会社)
- 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)(2026年9月1日、東京証券取引所ウェブサイト掲載)
- 配当政策:p.64
- 株式移転計画(統合前の配当上限・自己株式取得の上限):p.19
- 株主総会での承認・統合比率の妥当性の再確認:p.17、p.28〜29、p.41
- 統合比率の算定・財務予測:p.29〜31
- 最終売買日・上場廃止日:p.37
- 両社の主要な経営指標の推移:p.39〜40
- 発行済株式数・株式の消却:p.59
- 統合後の大株主の状況(予定):p.61
- https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001v7rs-att/10NOKGroup-1s.pdf
株式会社東京証券取引所
- 新規上場会社概要 NOK Group株式会社(2026年9月1日)
- https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/t13vrt000001v7rs-att/10NOKGroup-Outline.pdf
外部データ提供サイト
- みんかぶ様(株価情報・株価予想、2026年9月25日時点)
- かぶたん様(株価・信用取引残高・チャート、2026年9月25日時点)
- IRBANK様(株式指標・業績推移、2026年9月24日時点)
- かぶよほう様(配当性向・コンセンサス目標株価、2026年9月9日時点)
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本記事における業界慣行への言及は、一般的な注意喚起を目的としたものであり、特定の企業の商品・営業活動を批判するものではありません。
情報基準日:2026年9月25日
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。



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