作成日付:2026年8月28日
※本記事はAIによる分析をベースに作成しています。投資判断はご自身の責任において行ってください。詳細は記事末尾の免責事項をご確認ください。
はじめに:このシリーズについて
J-REIT研究ラボでは、有価証券報告書を主な資料として、各投資法人の資産内容、収益力、財務、リスクなどを確認しています。
決算説明資料だけでは見えにくい数字の背景にも目を向けつつ、個人投資家・投資初学者の方にもなるべく分かりやすい形で整理していきます。
今回は、**大和証券オフィス投資法人(8976)**の2026年5月期・第41期を取り上げます。
有価証券報告書に加え、第41期決算説明資料と、その後に公表された借換え・自己投資口取得に関するIRまで確認しました。
この銘柄はどんなJ-REIT?
- 名称:大和証券オフィス投資法人
- 証券コード:8976
- タイプ:オフィス特化型
- スポンサー:大和証券グループ
- 保有物件数:58物件
- 取得価格総額:約4,877億円
- 東京主要5区比率:81.5%
- 期末稼働率:99.1%
- 簿価LTV:46.8%
- 時価LTV:35.9%
- 期末鑑定評価額:約6,280億円
- 含み益:約1,554億円
大和証券オフィス投資法人は、その名の通りオフィスビルに特化したJ-REITです。
特徴はかなり明確で、東京主要5区への投資比率が取得価格ベースで81.5%と高く、特に東京都心のオフィス市況の影響を受けやすい構成です。
また、単に物件を長期間保有するだけでなく、物件売却、取得、自己投資口取得、内部留保などを組み合わせた資本政策を比較的積極的に行っている点も特徴です。
直近決算期の指標確認
第41期と前期を比較すると、以下のようになりました。
| 指標 | 2025年11月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 約4,883億円 | 約5,109億円 |
| 純資産 | 約2,425億円 | 約2,432億円 |
| DPU | 8,020円 | 7,630円 |
| 巡航EPU(ラボ推計) | 約6,754円 | 6,927円 |
| 簿価LTV | 44.6% | 46.8% |
| 賃貸NOI | 約106.6億円 | 約110.3億円 |
| NOI利回り | 4.7% | 4.7% |
| 1口当たりFFO | 8,719円 | 8,923円 |
第41期は営業収益165億11百万円、営業利益92億3百万円、当期純利益79億16百万円となりました。
一方、DPUは8,020円から7,630円へ減少しています。
ただし、これは本業の利益が悪化したためではありません。
1口当たり当期純利益は7,996円から8,468円へ増加しています。
第41期には約7億84百万円を圧縮積立金として内部留保したため、DPUが抑えられました。
したがって、表面上は減配ですが、利益創出力まで低下したとは読みづらい決算です。
注目ポイント① 東京都心オフィスの賃料上昇が数字に表れ始めた
今回の最大の注目点は内部成長です。
決算説明資料では、
- 更新時賃料増減率:+12.0%
- 入替時賃料増減率:+23.3%
- 更新・入替による月額賃料増加:約4,845万円
- レントギャップ:約20%
となっています。

単に「東京オフィス市場が回復している」という段階から、実際の契約賃料を引き上げる段階へ移ってきたように見えます。
特にレントギャップが約20%残っている点は重要です。
現在の契約賃料が市場賃料より低いテナントが多く残っているため、今後の更新・入替でも賃料増額の余地があると考えられます。
売却益を除いたEPUも、
- 2026年5月期:6,927円
- 2026年11月期予想:6,970円
- 2027年5月期予想:7,000円
- 2027年11月期目標:7,140円
と、緩やかな成長を目指しています。

注目ポイント② 約1,554億円の含み益
第41期末の賃貸等不動産の帳簿価額は約4,726億円。
これに対して期末鑑定評価額は約6,280億円です。
差額は約1,554億円となります。
これは大和証券オフィス投資法人の大きな強みです。
長期間保有してきた東京都心物件を中心に、相当額の含み益が蓄積されています。
運用会社はこの含み益を単に保有するだけではなく、成長性の低い物件を売却し、
- 分配金への還元
- 高成長資産への入替
- 自己投資口取得
- 借入金返済
などへ振り向ける方針を示しています。
実際、第41期ではDaiwa麻布台ビルとDaiwa猿楽町ビルの持分を売却し、合計約14.9億円の売却益を計上しています。

注目ポイント③ 古い物件を売り、新しい物件へ入れ替える
今回の資産入替は比較的分かりやすい内容でした。
売却したDaiwa猿楽町ビルとDaiwa麻布台ビルは、平均築年数約41.3年、NOI利回り1.9%。
一方、新たに取得した、
- 浜松町PREX
- プライム千駄ヶ谷ビル
の平均築年数は約13.4年、中期NOI利回りは3.7%です。
平均築年数は約28年若返っています。
特に大和証券オフィス投資法人は、1960~90年代竣工の物件も複数保有しています。
都心の築古ビルは立地価値や含み益が大きい一方、設備更新や大規模修繕の負担も増えます。
運用側もその点を認識しており、今後も「3年で10%程度」を目安に資産入替を続ける方針を示しています。
注目ポイント④ 自己投資口取得をかなり積極的に使う
大和証券オフィス投資法人は、自己投資口取得を繰り返し行ってきたREITです。
2026年7月にも最大15億円の自己投資口取得を決定。
その後8月24日までに、
- 4,483口
- 約14億9,976万円
を取得し、取得を終了しました。取得した投資口は全て消却予定です。
平均取得価格を単純計算すると約33.45万円です。
第41期末の1口NAVは418,773円でしたので、NAVを下回る水準で自己投資口を取得したことになります。
不動産価格が高い局面では、無理に物件を取得するよりも、割安になった自分の投資口を買い戻した方が1口当たり価値の向上につながる場合があります。
大和証券オフィス投資法人は、その選択肢を実際に使っている点が特徴です。
気になる点① LTVは46.8%まで上昇
第41期末の簿価LTVは46.8%。
前期の44.6%から2.2ポイント上昇しました。
浜松町PREXとプライム千駄ヶ谷ビルの取得に伴って借入金が増加したことが主因です。
一方、運用会社は、
- 時価LTV:35.9%
- 独自指標「実力LTV」:42.1%
と説明しています。
含み益が大きいため、資産価値を加味すれば財務余力は残っている、という考え方です。
ただし、実際の利払いは鑑定評価額ではなく賃貸キャッシュフローから行います。
そのため、当ラボでは「含み益が大きいからLTV46.8%を気にしなくてよい」とまでは考えません。
気になる点② 平均金利は着実に上昇
平均金利は、
- 2022年11月期:0.41%
- 2024年11月期:0.59%
- 2025年5月期:0.76%
- 2025年11月期:0.87%
- 2026年5月期:1.02%
まで上昇しています。
第41期の支払利息等も、前期の約9.48億円から約11.53億円へ増加しました。
一方、決算説明資料では、基準金利が10bp上昇した場合のDPUへの影響を約▲63円/口と試算しています。
対して内部成長1.75億円/期による効果は約+189円/口とされています。
現時点では、
賃料上昇 > 金利負担増
という関係が維持されています。
ここが今後も続くかが最大の焦点になりそうです。

気になる点③ 有報後の借換えでは変動金利比率が約52%へ
2026年8月25日には、65億円の借換えを発表しました。
借入総額自体は変わらず、短期化していた借入を2032~2033年までの長期借入へ置き換える内容です。
返済期限を伸ばした点は財務安定性の面でプラスです。
ただし、新規借入65億円は全額変動金利です。
借換え後の想定では、
- 変動金利:51.91%
- 固定金利:48.09%
となります。
決算説明資料では固定金利比率50%以上を一つの目安としていましたので、やや下回る形です。
今後金利スワップ等で再度固定化を進めるのかは確認したいところです。
気になる点④ 大型解約を「成長機会」に変えられるか
2027年5月期には、
- 新宿マインズタワー
- 日本橋馬喰町Ⅱ
で大型解約が予定されています。
EPUへの影響は合計約▲177円/口と見込まれています。
一方、対象区画の平均レントギャップは約30%あるとされています。
つまり、退去後に高い賃料で埋め直すことができれば、中期的にはプラスへ転じる可能性があります。
ただし、これは入居が決まって初めて成立する話です。
現在の東京都心オフィス市場では追い風が吹いていますが、ダウンタイムが長期化すれば収益への影響は残ります。
特に新宿マインズタワーはポートフォリオ最大級の物件だけに、今後のリーシング状況は重要です。
気になる点⑤ 含み益が大きくても資産価格が永遠に上がるわけではない
大和証券オフィス投資法人の約1,554億円の含み益は大きな強みです。
一方、東京都心の優良物件では鑑定評価上の還元利回りが2%台後半から3%台前半となるものもあります。
将来、不動産投資家が求める利回りが上昇すれば、鑑定評価額が下がる可能性もあります。
したがって、含み益は非常に大きなバッファではあるものの、「絶対に減らない資産価値」と考えるのは避けたいところです。
グラフ化するなら、もう一つ見たいもの
【グラフ挿入候補④:賃料ギャップ・入替時・更新時賃料増減率】
- レントギャップ:青系棒グラフ
- 入替時賃料増減率:赤系折れ線
- 更新時賃料増減率:オレンジ系折れ線
第38期~第41期程度を並べると、オフィス市場改善が実際の賃料改定へつながっている様子が視覚的に分かりやすくなりそうです。
まとめ
大和証券オフィス投資法人の第41期は、東京都心オフィス市場の改善が実際の賃料と利益に表れ始めた決算でした。
更新時賃料増減率は+12.0%、入替時は+23.3%。
レントギャップも約20%残っており、少なくとも足元では内部成長余地があります。
さらに約1,554億円の含み益を抱え、低成長資産を売却しながら、高成長資産への入替や自己投資口取得も行っています。
一方で、外部成長に伴って簿価LTVは46.8%まで上昇。
平均金利も1.02%まで上がり、有報提出後の借換えでは変動金利比率が約52%となる見込みです。
したがって、この銘柄を見るうえでは、
「オフィス賃料が上がっているか」だけではなく、「その伸びが金利負担の増加を上回っているか」
を継続的に確認する必要がありそうです。
現時点では、賃料上昇の方が優勢です。
加えて、含み益、内部留保、自己投資口取得、資産入替といった複数の選択肢を持っています。
その意味では、単に東京都心オフィスを保有するだけのREITではなく、資産と資本を比較的積極的に動かして1口当たり価値を高めようとしている投資法人と見ることができます。
今後は特に、
賃料増額率、平均調達金利、新宿マインズタワーなど大型解約区画のリーシング
の3点を追っていきたいところです。
免責事項
【AIによる作成について】
本記事は、AIによる分析をベースに作成しています。AIは決算説明資料および有価証券報告書を参照して分析を行っていますが、読み取りの誤り・解釈の相違・情報の欠落が生じる可能性があります。本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、その正確性・完全性を保証するものではありません。
【投資に関する免責事項】
本記事は特定の銘柄への投資を推奨・勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴い、投資元本が保証されるものではありません。J-REITへの投資においては、分配金の減少・投資口価格の下落・上場廃止などのリスクがあります。投資に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。投資判断に際しては、必要に応じて証券会社・ファイナンシャルプランナーなど専門家へのご相談をお勧めします。


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