ジャパンエクセレント投資法人(8987)決算速報レポート

作成日:2026年8月22日

データソース:

  • ジャパンエクセレント投資法人 第40期(2026年6月期)決算短信
  • ジャパンエクセレント投資法人 第40期(2026年6月期)決算説明資料
  • 2026年12月期の運用状況の予想の修正に関するお知らせ
  • 国内不動産信託受益権の譲渡及び国内不動産の譲渡に関するお知らせ(台場ガーデンシティビル・札幌大手町ビル・浦和SHビル)

目次

投資法人の特徴

ジャパンエクセレント投資法人は、オフィスビルを中心に投資するJ-REITです。

2026年6月末時点の保有資産は33物件、取得価格総額は2,974億円。ポートフォリオの中心は東京都心部を含むオフィスで、期末稼働率は98.1%となっています。スポンサーには日鉄興和不動産、第一生命保険、みずほ銀行などが名を連ねています。

今回の決算で特に目立つのは、単純な資産規模拡大ではなく、「低利回り・低成長物件を売却し、ポートフォリオの収益力を高める」ことを明確な戦略として打ち出している点です。

一方で、オフィス賃貸市場は追い風です。マーケット賃料上昇により既存賃料とのマイナスギャップが拡大しており、賃料増額余地が大きくなっています。

つまり現在のジャパンエクセレントは、

「弱い物件を入れ替えながら、既存オフィスの増賃でEPUを育てる」

という転換期にあります。


結論と総評

第40期決算は、数字だけを見ると「小幅減収・増益」です。

営業収益は前期比0.6%減の116億4百万円でしたが、営業利益は2.1%増の52億65百万円、当期純利益は1.1%増の43億99百万円となりました。DPUも3,036円から3,070円へ34円増加しています。

ただ、今回の決算の本質はこの増減ではありません。

注目したいのは大きく3点です。

第一に、オフィス賃料の内部成長が本格化し始めていること。

第40期の賃料改定では、増額割合69.0%、増額改定率5.7%、全体の賃料改定率4.0%まで上昇しました。さらに第42期には賃料改定率6.9%を見込んでいます。

第二に、低収益物件の整理がかなり大胆になってきたこと。

特に台場ガーデンシティビルは、鑑定評価額83億円、帳簿価額約86.8億円に対して107億円で譲渡します。含み損を抱えていた物件を鑑定評価額比約29%高い価格で売却し、約17億円の譲渡益を確保する見込みです。

第三に、DPU成長とEPU成長にはまだ距離があることです。

第40期DPU3,070円に対し、説明資料上の修正EPUは2,779円程度。第41期はDPU3,100円に対し修正EPU2,634円、第42期もDPU3,130円に対し2,656円です。

短期的には、売却益や内部留保を使いながらDPUを維持・増加させ、その間に賃料増額と物件入替で本業EPUを育てる構造になっています。

したがって今回の決算は、

「すでに本業だけで3,000円超のDPUを生み出せるようになった決算」ではなく、「本業利益をそこまで育てる道筋が見え始めた決算」

と評価するのが適切でしょう。

今回読むべき「行間」

  • 内部成長が強いというより、強い内部成長がなければ金利上昇を吸収しにくい
  • DPU3,000円超は、まだ修正EPUだけで支えられているわけではない
  • 物件売却が先行しており、今後の約200億円の取得内容が重要
  • 台場ガーデンシティビルは「捨てる神あれば拾う神あり」
  • お台場を見切ったJEIと、将来価値を見込んだ可能性のある買主TMK
  • 札幌大手町ビルは稼働率を回復させてから売却する巧みな出口
  • 金利対策は「金利を下げる」のではなく「上昇速度を抑える」戦略
  • 賃料ギャップ▲8.4%は成長余地である一方、回収できて初めて利益になる

詳細は「7.専門家による行間の読解」で触れます。


1.決算サマリー

第39期・第40期比較

指標前期:2025年12月期当期:2026年6月期増減一言コメント
営業収益11,672百万円11,604百万円▲68百万円その他賃貸収入減少などで小幅減収
営業費用6,515百万円6,338百万円▲176百万円売却損剥落・水道光熱費等減少
営業利益5,157百万円5,265百万円+108百万円費用減で増益
純利益4,350百万円4,399百万円+48百万円前期比1.1%増益
EPU3,371円3,409円+38円当期純利益ベース
DPU3,036円3,070円+34円連続増配
巡航EPU相当―約2,779円―説明資料の「修正EPU」
自己資本比率50.2%49.0%▲1.2ptLTV上昇に伴い低下
有利子負債額127,600百万円136,100百万円+8,500百万円物件取得に伴う借入増
賃貸NOI7,104百万円7,043百万円▲61百万円物件入替影響等で小幅減
NOI利回り約4.9%約4.7%約▲0.2ptラボ概算・取得価格ベース年換算
FFO5,632百万円5,519百万円▲113百万円売却損益・減価償却費調整後
債務平均残存年数4.2年3.9年▲0.3年やや短期化
平均調達金利1.13%1.36%+0.23pt金利上昇の影響が顕在化
固定債務比率77.3%74.7%▲2.6pt固定化比率は低下
期末稼働率98.3%98.1%▲0.2pt高稼働を維持
格付JCR AA-JCR AA-変わらずアウトルック安定的

営業収益、営業費用、NOI、DPU等については決算説明資料7ページに記載されています。

有利子負債は前期末1,276億円から1,361億円へ増加し、総資産LTVも43.8%から45.5%へ上昇しました。平均金利は1.13%から1.36%、固定金利比率は77.3%から74.7%へ低下しています。

※NOI利回りは各期NOIを年換算し、概算の取得価格総額で除したJ-REIT研究ラボによる参考値です。

※FFOは投資法人開示の定義に基づき、「当期純利益+減価償却費-不動産売却純利益+減損損失」により算定された数値です。第39期5,632百万円、第40期5,519百万円。

決算サマリー所見

第40期は、営業収益が68百万円減少した一方、営業費用が176百万円減少したため営業利益は108百万円増加しました。

賃貸事業収入は前期比34百万円増加しており、本業の賃料収入自体は成長しています。

一方、NOIは71.04億円から70.43億円へ小幅減少しています。

また、平均金利上昇により営業外費用は前期比129百万円増加しました。

つまり、

「増賃効果は出ているが、物件入替と金利上昇の影響も同時に受けている」

というのが現在の姿です。


2.外部成長戦略

今回、ジャパンエクセレントが最も力を入れているのがポートフォリオの質的改善です。

会社は、低利回り・低成長物件を中心に約300億円、ポートフォリオの約1割を入れ替える方針を掲げています。

第39期以降、

  • 物件譲渡決定額:約207億円
  • 物件取得決定額:約139億円

まで進んでいます。

主な施策は以下です。

  • 低利回り・低成長物件を売却する
  • 将来の修繕負担が大きい築古物件を整理する
  • スポンサーパイプラインも活用して高収益・高成長物件を厳選取得する
  • 売却益をDPUだけでなく内部留保にも回す
  • 譲渡代金を新規取得、自己投資口取得、借入返済に柔軟に振り向ける
  • 資本コストを上回るEPU成長が期待できる取得を優先する

台場ガーデンシティビル

今回最も注目したい取引です。

  • 譲渡価格:107億円
  • 帳簿価額:約86.8億円
  • 鑑定評価額:83億円
  • 帳簿価額との差:約20.2億円
  • 想定譲渡益:約17億円
  • 償却後NOI利回り:2.7%
  • 2026年6月末稼働率:91.0%

ジャパンエクセレントは、この物件について「低い利回りでの運用が続いており、今後の収益改善の可能性は限定的」と判断しています。

にもかかわらず、国内の特定目的会社(TMK)が鑑定評価額を約29%上回る107億円で取得します。

ここは、まさに**「捨てる神あれば拾う神あり」**です。

JEIにとっては、今後保有して2.7%程度の償却後NOI利回りを得続けるより、107億円で現金化してより高収益な資産に振り向ける方が合理的です。

一方、買主TMK側からすれば、現在の稼働率91%からの改善余地や、中長期的なお台場エリアの再整備・再評価などを含め、107億円でも投資価値があると判断した可能性があります。

お台場は大型集客施設の閉鎖後、再整備までの端境期にある地域でもあります。買主の意図は非開示であり推測の域を出ませんが、JEIと買主では投資期間や期待する収益構造が異なると考えれば、双方に合理性のある取引とも考えられます。

なお、譲渡益約17億円のうち約15億円は内部留保する方針です。

札幌大手町ビル

札幌大手町ビルも売却します。

  • 譲渡価格:47.95億円
  • 帳簿価額:約43.83億円
  • 鑑定評価額:約47.67億円
  • 築年数:約42年
  • 償却後NOI利回り:2.5%

売却理由として、今後の工事支出増加と、札幌市内での新築ビル供給による競争力低下が挙げられています。

興味深いのは稼働率です。

2025年6月末には78.5%まで低下していましたが、2026年6月末には97.0%まで回復しています。

弱くなったところで投げ売りするのではなく、稼働率を回復させてから出口を作ったと見ることもできます。


3.内部成長戦略

今回の決算で最も強い材料は内部成長です。

賃料改定

項目第39期第40期第41期予想第42期予想
増額割合46.9%69.0%54.8%75.1%
増額改定率5.1%5.7%7.0%9.2%
賃料改定率2.4%4.0%3.8%6.9%

第40期の増額改定面積は13,425坪で、前期比6,430坪増加しました。

増額割合69%ということは、更新対象のかなりの部分で増賃が実現しているということです。

さらに会社は、今後賃料改定率5%以上を目指す方針です。

賃料ギャップ▲8.4%

第40期末の賃料ギャップは**▲8.4%**。

第39期末の▲4.6%からマイナス幅が大きく拡大しました。

全体の72%がマーケット賃料以下となっています。

通常、「ギャップ悪化」という言葉だけを見るとネガティブに聞こえます。

しかし今回は、市場賃料が上昇した結果です。

既存契約賃料より市場賃料の方が約8%高いということは、更新時やテナント入替時に増賃できる余地が大きいことを意味します。

ただし、この8.4%がそのまま利益になるわけではありません。

テナントとの交渉、契約更新時期、退去リスク等があるため、**賃料ギャップは「利益」ではなく「利益化できる可能性のある余地」**として見るべきです。

稼働率

第40期末稼働率は98.1%。

第41期98.7%、第42期98.9%を見込んでいます。

高稼働率を維持したまま増賃できれば、非常に質の高い内部成長となります。


4.財務戦略

財務指標

指標第39期第40期
有利子負債残高1,276億円1,361億円
総資産LTV43.8%45.5%
時価LTV34.4%35.6%
平均残存期間4.2年3.9年
平均金利1.13%1.36%
固定金利比率77.3%74.7%
コミットメントライン140億円140億円
格付JCR AA-JCR AA-

今回、財務面では金利上昇が明確に見え始めています。

第40期の調達実績は、

調達内容金額平均期間平均金利
物件取得に伴う新規調達85億円1.0年1.37%
借換101.5億円3.5年2.35%
投資法人債30億円5.0年2.44%

となっています。

ここはかなり重要です。

既存平均金利は1.36%ですが、長期借換や投資法人債は2%台半ばになっています。

つまり、今後既存の低金利債務が借り換わるたびに、平均金利は上がりやすい構造です。

会社自身も2030年までのEPU成長イメージで、金利コスト増による▲90円を織り込んでいます。

したがって現在の財務戦略は、

「金利上昇を止める」のではなく、「上昇速度をなるべく緩やかにする」

ものと考えた方がよさそうです。


5.次期・次々期業績予想

指標当期:2026年6月期次期:2026年12月期予想次々期:2027年6月期予想一言コメント
営業収益11,604百万円13,123百万円11,080百万円第41期は大型売却益で増収
営業費用6,338百万円6,598百万円6,308百万円物件譲渡後は減少
営業利益5,265百万円6,525百万円4,771百万円売却益の有無で大きく変動
純利益4,399百万円5,529百万円3,751百万円第41期は売却益寄与
巡航EPU相当約2,779円約2,634円約2,656円売却先行で一時低下
DPU3,070円3,100円3,130円DPUは30円ずつ増加

業績予想は決算説明資料11ページによるものです。

2026年12月期予想は大幅上方修正

2026年12月期予想は、同日付IRで修正されました。

指標前回予想修正予想増減率
営業収益11,434百万円13,123百万円+14.8%
営業利益4,883百万円6,525百万円+33.6%
当期純利益3,886百万円5,529百万円+42.3%
DPU3,100円3,100円変わらず

利益が42%も上方修正されたのに、DPUは3,100円のままです。

理由は、台場ガーデンシティビルなどの売却で発生する売却益の大部分を分配せず、買換特例圧縮積立金として内部留保するためです。

2026年12月期に計上予定の売却益21.3億円のうち、15.29億円を買換特例圧縮積立金へ繰り入れる予定です。

短期的な大増配より、中長期的なEPU成長の原資として残す判断です。

第42期は内部留保を利用

2027年6月期は当期純利益37.51億円に対し、DPU3,130円を計画しています。

このDPUには圧縮積立金2.87億円、1口当たり約222円の取崩しが含まれています。

したがって、3,130円は現時点で完全な巡航利益だけから支払われるDPUではありません。


6.その他注目すべき点

1.ポジティブ:賃料上昇が想定以上に強い

第40期の賃料改定率4.0%は、前期2.4%から大きく改善しました。

第42期には6.9%を見込んでおり、東京オフィス市場の回復が既存物件の利益に波及し始めています。

特に賃料ギャップ▲8.4%は、今後数年の内部成長余地を示す重要な数字です。

2.ポジティブ:台場の売却条件はかなり良い

含み損約3.7億円の物件を、鑑定評価額83億円に対して107億円で売却します。

「含み損物件を処分した」というより、

低収益物件に市場価格が追いついてきたタイミングを使い、高値で出口を作った

という性格が強い取引です。

3.ポジティブ:含み益は833億円

第40期末の含み益は833億円、含み益率29.9%。

前期比では38億円増加しています。

今後も売却益を創出できる余地は比較的大きいと考えられます。

4.ネガティブ:売却に取得が追いついていない

第39期以降、

  • 売却決定:約207億円
  • 取得決定:約139億円

と、売却が先行しています。

第42期の賃貸事業収入についても、譲渡物件による▲274百万円を既存物件の増賃+147百万円だけでは補い切れません。

会社は約200億円規模の取得を進めていますが、その中身が今後のEPUを左右します。

5.ネガティブ:金利上昇は確実に利益を削る

平均金利はわずか半年で1.13%から1.36%へ上昇しました。

借換金利は2.35%。

現在の増賃が強いから吸収できていますが、賃料上昇が鈍れば金利コストの存在感は大きくなります。


7.専門家による「行間」の読解

1.「内部成長が強い」というより「強くなければ金利を吸収できない」

2030年までの修正EPU成長イメージでは、

  • 賃料増額:+190円
  • 物件入替・自己投資口取得:+30円
  • 金利コスト増:▲90円
  • その他費用増:▲60円

とされています。

プラス220円に対して、マイナス150円。

つまり賃料増額による利益のかなりの部分が、金利とその他費用に吸収される想定です。

年平均2%以上のEPU成長目標は魅力的ですが、現在の強いオフィス賃料環境がある程度続くことが重要な前提になっています。


2.DPU3,100円台と本業利益にはまだ距離がある

第40期の修正EPUは約2,779円。

第41期2,634円、第42期2,656円を見込みます。

一方DPUは、

3,070円 → 3,100円 → 3,130円。

短期的にはDPUの方が先を走っています。

会社自身も、物件売却によるEPU低下を譲渡益・内部留保によって補うことを説明しています。

したがって重要なのは3,130円という数字そのものではありません。

売却益・内部留保なしで3,000円台のEPUを作れるようになるか。

ここが中期的な評価ポイントです。


3.物件を売るところまではうまい。問題は次に何を買うか

仙信ビル、BIZCORE赤坂見附、台場ガーデンシティビル、札幌大手町ビルと、低収益・低成長資産の整理が進んでいます。

売却戦略そのものはかなり明確です。

しかし不動産価格が高い現在、

「良い物件を高く売る」のはできても、「もっと良い物件を安く買う」のは難しい

という問題があります。

会社は総額約200億円の物件取得を進めているとしています。

この200億円が、

  • どのエリアか
  • NOI利回りはいくらか
  • どれほど賃料成長余地があるか

が次の重要な確認点です。

売却代金が低利回り資産に置き換われば、せっかくの資産入替効果が薄れてしまいます。


4.台場ガーデンシティビル――「捨てる神あれば拾う神あり」

今回の台場売却は、売り手と買い手の時間軸の違いを考えると非常に興味深い取引です。

JEIは、

  • 償却後NOI利回り2.7%
  • 稼働率91%
  • 今後の収益改善可能性は限定的

と判断して売却します。

一方、買主は国内TMKで、鑑定評価額83億円に対して107億円を支払います。

お台場エリアについては、大型集客施設の相次ぐ閉鎖などにより、かつてに比べて賑わいが弱く見える時期がありました。一方で、臨海副都心全体では再整備や新たな集客施策も続いています。

したがって、

JEIは「今後数年の収益力」を考えて売り、買主はより長い時間軸でお台場の将来価値を評価している

という可能性も考えられます。

もちろん買主の投資意図は非開示であり、再開発を目的とした取得だと断定する材料はありません。

ただ、

JEIにとって売る合理性があり、TMKにとって買う合理性もある。

不動産取引らしい「捨てる神あれば拾う神あり」の案件と見ることはできそうです。

そしてJEIにとって重要なのは、将来の可能性を待つよりも、現在107億円で売れるという現実を選んだことです。

速報レポートでは、この判断自体を前向きに評価してよいでしょう。


5.札幌大手町ビルは「弱いときに売らなかった」

札幌大手町ビルは2025年6月末に稼働率78.5%まで落ちました。

そのまま売れば、買主から空室リスクを理由に価格交渉される可能性もあります。

しかし、

78.5%
→88.4%
→97.0%

まで稼働率を回復させたうえで売却します。

築42年で将来の設備投資負担が増える前に、高稼働状態で出口を作る。

派手さはありませんが、ポートフォリオ管理としてはかなり合理的です。


6.賃料ギャップ▲8.4%は「含み益」ではない

全体の72%がマーケット賃料以下。

これは確かに大きな増賃余地です。

しかし、

マーケット賃料との差が8.4%ある=8.4%増益できる

わけではありません。

契約期間中は増賃できない区画もあり、交渉に応じないテナントもいます。

強引に増賃すれば、退去によって空室期間が発生する可能性もあります。

したがって▲8.4%は、

「将来利益になり得る埋蔵量」

くらいに見るのが妥当です。

今後はギャップそのものより、

  • 賃料改定率
  • 増額割合
  • 稼働率

の3つが同時に改善しているかを確認したいところです。


7.金利対策は「防ぐ」のではなく「時間を稼ぐ」

既存平均金利1.36%に対して、

  • 借換:2.35%
  • 投資法人債:2.44%

です。

現在の日本の金利環境では、過去の0%台の資金調達を維持するのは難しくなっています。

したがってJEIの財務戦略は、

「金利上昇をなくす」のではなく、固定化、返済期限分散、中期調達などを組み合わせて平均金利の上昇をゆっくりにする」

ものです。

2030年までに▲90円のEPU押し下げを見込んでいる点からも、経営陣自身が金利上昇を構造的なコストとして認識していることが分かります。


8.内部留保28億円は「バッファ」であると同時に「時間を買う資金」

第40期末の内部留保残高は28.2億円、1口当たり2,185円です。

さらに台場売却益の約15億円を内部留保します。

この資金は単に将来の分配金を補填するだけではありません。

  • 物件取得までの時間を待つ
  • 自己投資口取得の好機を待つ
  • 借入返済に使う
  • EPU成長がDPUに追いつくまでの橋渡しをする

ための選択肢になります。

不動産価格が高い現在、焦って物件を買わずに済むこと自体が価値とも考えられます。


9.今回の決算の本当の勝負は「第43期以降」

第41期・第42期は、すでに売却予定がほぼ決まっています。

DPUも3,100円、3,130円と見通せます。

しかし第42期時点の修正EPUは約2,656円。

したがって本当に見たいのは、その先です。

  • 売却代金で良質な物件を取得できたか
  • 賃料ギャップを利益化できたか
  • 金利上昇を吸収できたか
  • 修正EPUが2,700円、2,800円、3,000円へ伸びていくか

この4点が確認できれば、DPU3,000円台の質は大きく改善します。

逆に修正EPUが2,600円台で停滞するなら、売却益と内部留保への依存が長期化します。

今回の決算はゴールではなく、EPU成長戦略のスタート地点に近い決算と見ています。


8.免責事項

本記事は公開資料に基づく情報提供を目的としており、特定銘柄の推奨を目的としたものや投資勧誘、助言を行うものではありません。

情報の正確性について:作成にあたっては生成AIを活用しており、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。投資検討の際は、必ず投資法人が発行する一次資料(決算短信等)をご確認ください。

自己責任の原則:投資に関する最終決定は、読者ご自身の判断と責任において行ってください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、作成者は一切の責任を負いかねます。


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