ディスコの配当利回りは約1.0%(参考値)で、高配当銘柄ではありません。本記事は「成長株として今仕込むべきか」という観点で分析します。配当は参考程度にとどめます。
所長ダル





なぜ今ディスコが話題なのか
ディスコは東京エレクトロン・キオクシアと並ぶ半導体主力株です。日本の半導体株指数でも、2026年7月の入れ替え後にキオクシア・ディスコ・東京エレクトロンなどがそろって上限の10%で組み入れられています。
国内半導体装置メーカーの決算の先陣として10月22日に過去最高益を発表しましたが、AI・半導体株全体の調整局面と重なり、株価は年初来安値を更新しました。「半導体株の調整は買い場なのか」を占う試金石として注目されています。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社ディスコ(DISCO CORPORATION) |
| 証券コード | 6146(東証プライム・機械) |
| 設立 | 1940年(第一製砥所として創業)※一般情報 |
| 主な事業 | 半導体ウェーハを「切る(ダイサ)・削る(グラインダ)・磨く」精密加工装置と、消耗品(ブレード・砥石=精密加工ツール) |
| 時価総額 | 約5兆3,491億円(株探様、10/23) |
| 決算期 | 3月(今期=2027年3月期、会社表記FY2026) |
| 業績予想 | 「1四半期先までの開示」方針のため通期予想は非開示(業績予想のお知らせ) |
主要財務指標
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 売上高(26/3期) | 4,368億89百万円 | 補足情報Excel「Yearly」 |
| 売上成長率(26/3期) | +11.1% | 同上より算出 |
| 売上高(27/3期 上期) | 2,570億58百万円(+32.1%) | 決算短信 P1 |
| 営業利益(上期) | 1,166億39百万円(+47.9%) | 決算短信 P1 |
| 営業利益率(上期/2Q単独) | 45.4%/47.4% | 決算短信 P2/説明資料 P4 |
| 中間純利益 | 803億66百万円(+43.7%) | 決算短信 P1 |
| EPS(上期/26/3期通期) | 740.84円/1,249.84円 | 決算短信 P1/Excel「Yearly」 |
| BPS(上期末) | 約5,783円(自己資本6,274億79百万円÷期末株式数で算出) | 決算短信 P1・注記 |
| ROE(26/3期) | 25.1% | Excel「Yearly」、IRBANK様 |
| ROA(26/3期) | 19.4% | IRBANK様 |
| 自己資本比率(上期末) | 76.1% | 決算短信 P1 |
| 営業CF(上期) | 1,117億8百万円(+181.5%) | 決算短信 P2 |
| 現金及び預金(上期末) | 3,424億11百万円/有利子負債:実質なし | 決算短信 P3 |
| (参考)配当 | 26/3期 年505円、今期中間186円(期末未定)、利回り約1.02% | 決算短信 P1、みんかぶ様 |






業績推移(過去8期+今期)
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率(%) | EPS(円) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019/3 | 147,500 | 38,645 | 26.2 | 267.45 | シリコンサイクル調整局面、減収減益 |
| 2020/3 | 141,083 | 36,451 | 25.8 | 256.52 | 直近の業績ボトム/収益認識を検収基準に変更 |
| 2021/3 | 182,857 | 53,106 | 29.0 | 361.82 | 回復局面入り |
| 2022/3 | 253,781 | 91,513 | 36.1 | 611.67 | 半導体特需で急拡大 |
| 2023/3 | 284,135 | 110,413 | 38.9 | 765.47 | 増収増益継続 |
| 2024/3 | 307,554 | 121,490 | 39.5 | 777.29 | 増益率鈍化(踊り場) |
| 2025/3 | 393,313 | 166,834 | 42.4 | 1,143.26 | 生成AI需要が本格化、利益率40%台へ |
| 2026/3 | 436,889 | 184,989 | 42.3 | 1,249.84 | 過去最高(増益率は+10.9%に鈍化) |
| 2027/3 4-12月予想 | 389,500 | 174,700 | 44.9 | 1,123.43 | 会社予想(9ヶ月累計、前年同期比 営業益+38.4%) |
| 2027/3 通期試算 | 約521,900 | 約232,800 | 約44.6 | 約1,506 | ※編集部試算(4Qを3Q予想と同水準と仮定) |
出典:補足情報Excel「Yearly」、決算短信 P1、業績予想のお知らせ。2023年4月の1:3株式分割を考慮した調整後EPS。






対談テーマ① 半導体決算の”先陣”ディスコが示したもの――調整は買い場か、天井のサインか


















対談テーマ② 「1四半期先しか出さない」予想をどう読むか















対談テーマ③ 「切る・削る・磨く」がなぜAIで儲かるのか












対談テーマ④ PER40倍は高いのか?――「割安・割高」の3つの物差し












対談テーマ⑤ 信用買い残と株価トレンド――”需給の重し”はどこまで残るか












事業・競争力の評価
| 評価項目 | 判定 | コメント |
|---|---|---|
| 本業の稼ぐ力 | ○ | 営業利益率47.4%(2Q)、ROE25%台、消耗品も過去最高を更新 |
| 財務の健全性 | ○ | 自己資本比率76.1%、実質無借金、契約負債の増加で前受け需要も強い |
| 経営方針の透明性 | ○ | 開示の細かさは業界屈指。ただし通期予想・中計の数値目標はなし |
| 市場環境 | ― | 生成AI・HBM・先端パッケージ・CPOでKKM需要は構造的に拡大傾向。株価は半導体セクターの地合いに連動しやすい |
| 総合評価 | A- | 事業の質はS級だが、セクター調整局面とトレンドの悪さを踏まえ一段引き下げ |
財務の健全性について補足
契約負債(前受金等)は半年で500億円から796億円へ増えており(決算短信 P3)、顧客が前払いしてでも装置を確保したいほど需要が強いことがうかがえます。なお26/3期のフリーCFは-22億円でした(IRBANK様)。これは定期預金への預け入れ(約1,000億円)が投資CFに計上された影響で、実態としての資金流出ではないと考えられます。
設備投資・研究開発
今期は設備投資約330億円、減価償却約160億円、研究開発約380億円の見通しです(説明資料 P16)。広島新工場(約330億円)と羽田R&Dセンター新棟(約140億円)は、FY25〜27に支出予定です(説明資料 P17)。減価償却は売上比3%程度にとどまり、利益率を圧迫する水準ではないと考えられます。
大株主・アクティビストリスク
2026年3月期末時点の上位株主は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)15.78%、日本カストディ銀行(信託口)8.28%、ダイイチホールディングス5.52%、ダイイチ企業4.65%、Octagon Lab 4.57%です。ダイイチ系やOctagon Labは創業家・関家系の資産管理会社とされ、創業家合計で15%前後の安定株主がいると考えられます。ROE25%・無借金・高還元という経営内容から、アクティビストが介入する余地は小さいと考えられます。






リスク要因
・セクター連動性:好決算でも半導体株全体の調整に巻き込まれやすい
・3Q予想の減速:3Q売上1,324億円・営業益581億円は、2Q比でそれぞれ-7%・-14%(説明資料 P14)。精密加工ツール-5%、ブレードダイサ-5%の見通し(説明資料 P18)
・地域集中・地政学:2Q検収の地域構成は中国31%・台湾26%・韓国11%で、アジアが78%(説明資料 P21)。米中規制の影響を受けやすい構造
・為替:海外売上比率89.7%(説明資料 P6)。ドル1円の変動で年換算約21億円の影響、3Q想定は1ドル151円(説明資料 P14)
・用途集中:ダイサの73%、グラインダの77%がIC向けで(説明資料 P21)、AI半導体投資の波に業績が連動しやすい
・特定顧客依存:顧客別の売上比率は開示なし(確認不能)
適正株価試算
EPS×PER法(4シナリオ) 現株価 49,290円(10/23終値)
| シナリオ | 想定EPS | 想定PER | 適正株価 | 現株価比 | 備考・前提条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 強気 | 1,750円 | 45倍 | 78,750円 | +59.8% | アナリスト通期コンセンサス並みに着地し、セクター調整一巡でPERがバンド上限(+1σ≒48倍)近くまで回復 |
| 中立 | 1,506円 | 39倍 | 58,734円 | +19.2% | 会社予想ベースの通期試算EPS、PERは現在の実績PER水準を維持 |
| 保守的 | 1,500円 | 28倍 | 42,000円 | -14.8% | 4Q以降の増益が一服しEPS横ばい、PERが業種平均(みんかぶ様 相対比較28.13倍)へ収縮 |
| 弱気 | 1,100円 | 25倍 | 27,500円 | -44.2% | EPSが25/3期(1,143円)水準まで逆戻り |
※通期コンセンサスについて:株予報様のアナリスト予想では、27/3期の当期利益は1,904億円(1株あたり約1,755円)とされています。
・米ハイパースケーラーのAI設備投資が急減速し、装置出荷が2四半期以上連続で前年割れ
・顧客の工場稼働率が落ち、精密加工ツール(消耗品)の出荷まで減少に転じる
・中国向け(31%)が輸出規制強化で大きく制限される
・1ドル130円程度までの円高(約20円×21億円≒営業益400億円強の押し下げ要因)
BPS×適正PBR(BPS 約5,783円)
| PBR倍率 | 適正株価 | 現株価比 |
|---|---|---|
| 6.1倍(10年平均:IRBANK様) | 35,276円 | -28.4% |
| 8.5倍(現在水準:株探様8.52倍) | 49,156円 | ±0% |
| 11.0倍(10月上旬水準) | 63,613円 | +29.1% |
※みんかぶ様のPBR9.11倍は前期末BPS(5,408円)ベース、株探様8.52倍は上期末BPSベースのため差が出ています。PER・PBRとも、IRBANK様のバンド内位置は「適正」圏です(PER41%、PBR54%)。10年平均への回帰を前提にすると、平均回帰株価はPER法39,257円、PBR法32,783円です。
みんかぶ様目標株価との比較
| 指標 | 株価 | 現株価比 |
|---|---|---|
| みんかぶ様 目標株価(総合) | 62,684円 | +27.2% |
| 証券アナリスト予想 | 80,335円 | +63.0% |
| 株価診断 理論株価 | 55,481円 | +12.6% |
| 個人投資家予想 | 29,363円 | -40.4% |






全シナリオが崩れる条件
・生成AIブームそのものが投資回収難から失速し、半導体業界全体が「冬」に入る
・先端パッケージの技術方式が変わり、ディスコが得意な「切る・削る」工程の重要度が下がる(現時点では兆候なし)
・米中対立の激化で、中国・台湾向けの出荷が同時に止まる
・大規模災害等で国内工場(広島・長野)の生産が長期停止する
結論:ディスコは今仕込むべきか
【なぜ今話題なのか】東京エレクトロン・キオクシアと並ぶ半導体主力株。国内半導体装置メーカーの決算の先陣として過去最高益を発表したが、セクター全体の調整と重なり年初来安値を更新。「調整は買い場か」を占う試金石。
【外部目標株価との比較】みんかぶ様目標62,684円(+27.2%)、アナリスト予想80,335円(+63.0%)、理論株価55,481円(+12.6%)。いずれも現値を上回る。
【割高・割安感】実績PER39.4倍・PBR8.52倍は絶対水準では割高。ただし予想PER約28〜33倍で、10年PER・PBRバンドではともに「適正」圏。
【強気シナリオの根拠】2Q出荷額が過去最高、3Q出荷予想もさらに増加。契約負債(前受け)が半年で約6割増。会社予想は保守的に出る傾向。
【最大のリスク】AI半導体投資の一服による「装置+消耗品」の同時減速。加えて、個別業績より半導体セクター全体の地合いに株価が左右されやすい。
【仕込み判断の目安】第1の目安は予想PER30倍(通期試算EPS1,506円ベース)=約45,000円前後(10/23安値46,100円付近)。東京エレクトロンなど後続の半導体決算でセクター需要を確認し、2027年1月下旬予定の3Q決算で「3Q出荷額1,496億円の達成」と「4Q予想の再加速」を確認。テクニカル面では25日移動平均線の回復が下げ止まりのサイン。一括ではなく、2〜3回に分けた分割購入が現実的と考えられます。









まとめ
- 上期営業益1,166億円(+47.9%)、2Q営業利益率47.4%・GP率71.7%はいずれも過去最高水準
- それでも株価は年初来高値91,680円から約46%下落。主因は半導体セクター全体の地合い悪化
- 自己資本比率76.1%・実質無借金・消耗品によるストック型収益で、事業の質はトップクラス
- 通期予想は非開示。出荷額・契約負債・用途別構成など先行指標で判断するのがポイント
- 適正株価:強気78,750円/中立58,734円/保守的42,000円/弱気27,500円
- 総合評価A-。仕込み目安は約45,000円前後、3Q決算などを確認しながらの分割購入が現実的
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本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。
本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。
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情報基準日:2026/10/23
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。






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