オキサイドは無配(2027年2月期の年間配当予想0円、決算短信p.1)です。本記事は「高配当株」としてではなく、成長性・競争力・割安感の観点から「今仕込むべきか」を検討します。配当にはこれ以上触れません。
分析基準日:2026年10月16日終値(3,300円)/作成日:2026年10月17日
所長ダル


- 使用資料:2Q決算短信(10/15)、
- 2Q決算補足説明資料(10/15)、
- 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(10/15)、
- 特別利益(補助金収入)及び特別損失(固定資産圧縮損)の計上に関するお知らせ(10/15)、
- 半期報告書の大株主の状況(2026/8/31現在)、
- 事業計画資料p.23、
- みんかぶ様・株探様・IRBANK様(10/15〜10/16)、
- 前回継続チェックメモ(7/17時点)
① 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社オキサイド(OXIDE Corporation) |
| 証券コード | 6521(東証グロース) |
| 設立 | 2000年(※筆者の既知情報。一次資料での再確認を推奨) |
| 本社 | 山梨県北杜市(第6工場も同市、決算短信p.10) |
| 決算期 | 2月(2018年に9月期から変更、IRBANK様の推移より) |
| 時価総額 | 約384億円(株探様、10/16)/38,376百万円(みんかぶ様) |
| 業種 | 電気機器(みんかぶ様) |
どんな事業で稼いでいるか
光学用の単結晶(人工的に育てた結晶)と、それを使ったレーザ・光部品を作る会社です。事業は3つあります。
- 半導体事業(通期修正予想7,241百万円、売上の約7割):半導体ウエハの欠陥検査装置に使う深紫外レーザと光学単結晶(補足説明資料p.5)。波長変換単結晶で世界シェア95%超、レーザ本体で30%超(事業計画資料p.30、前回メモより)。
- ヘルスケア事業(同1,219百万円):PET検査装置に使うシンチレータ単結晶(補足説明資料p.9)。
- 新領域事業(同1,864百万円):AIデータセンターの光通信部品に使うファラデー回転子、量子、パワー半導体、レーザ微細加工など(補足説明資料p.10, p.15)。
なぜ今話題なのか
2Q決算で通期の営業利益予想を933百万円から1,367百万円へ46.5%上方修正し、2028年2月期の中期目標(営業利益率12%)を1年前倒しで達成する見通しになりました(補足説明資料p.12-13)。あわせて、AIデータセンター向けファラデー回転子に追加で約23億円の増産投資を決めており(同p.15、決算短信p.10)、「AI×光通信」のテーマ株として改めて注目されています。
② 主要財務指標
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 売上高(中間期) | 4,935百万円(前年同期比+18.9%) | 決算短信p.1 |
| 売上高(通期修正予想) | 10,323百万円(前期比+2.8%) | 業績修正お知らせ |
| 売上成長率(Raicol社除く実質) | 約+21%(前期100億円のうちRaicol社分約15億円を除いた約85億円と比較、筆者概算) | 事業計画資料p.23 |
| 営業利益 | 中間期641百万円(前年同期▲189)/通期予想1,367百万円(+151.9%) | 決算短信p.1 |
| 営業利益率 | 中間期13.0%/通期予想13.2% | 補足説明資料p.4, p.12 |
| 純利益 | 中間期571百万円/通期予想1,328百万円 | 決算短信p.1 |
| EPS | 中間期49.24円(潜在株式調整後47.32円)/通期予想114.50円 | 決算短信p.1 |
| BPS | 460.4円(自己資本5,349百万円÷期末株式数11,618千株、筆者算出/IRBANK様も460.4円) | 決算短信p.1, p.10 |
| ROE(予) | 24.83%(一過性の特別利益を含む) | IRBANK様 |
| ROA(予) | 8.63% | IRBANK様 |
| 自己資本比率 | 34.7%(前期末31.8%) | 決算短信p.1 |
| 営業CF(中間期) | +793百万円(うち補助金の受取429百万円) | 決算短信p.8 |
| 配当(参考) | 0円(無配) | 決算短信p.1 |
通期の売上成長率が+2.8%と低く見えるのは、イスラエルの子会社だったRaicol社を連結から外したためです。その影響を除くと実質約2割の成長と考えられます。
③ 業績推移(過去8期+今期予想)
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率(%) | EPS(円) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019/02 | 2,608 | 103 | 3.96 | 18.84 | 2月期への変更後の初めての通期(2018/02は5か月の変則決算) |
| 2020/02 | 3,065 | 122 | 4.01 | 10.20 | |
| 2021/02 | 3,579 | 365 | 10.22 | 41.13 | 利益率が2桁に。2021年4月にIPO |
| 2022/02 | 4,756 | 596 | 12.55 | 52.53 | 営業利益率のピーク |
| 2023/02 | 5,752 | 537 | 9.34 | 56.50 | EPSは過去最高 |
| 2024/02 | 6,606 | ▲983 | ▲14.88 | ▲41.58 | 転換点①:Raicol社の子会社化、部材不具合で新規受注を制限(補足説明資料p.8) |
| 2025/02 | 8,394 | 126 | 1.50 | ▲243.91 | 受注再開で営業黒字に戻る。最終赤字は約27億円 |
| 2026/02 | 10,040 | 542 | 5.41 | ▲46.99 | Raicol社の株式譲渡で特別損失。4Q単独で営業利益801百万円と急回復 |
| 2027/02予 | 10,323 | 1,367 | 13.24 | 114.50 | 転換点②:Raicol社を除いた初年度。過去最高の利益率へ。純利益に受贈益280百万円を含む |
出典:IRBANK様の売上高・営業利益・営業利益率・EPS推移、2027/02予は業績修正お知らせ
四半期の営業利益の流れ(補足説明資料p.18)
26/2期:1Q ▲72 → 2Q ▲117 → 3Q ▲68 → 4Q 801 / 27/2期:1Q 199 → 2Q 442(営業利益率16.1%)(単位:百万円)
前期4Qから利益体質が変わった可能性があり、2Qで2四半期続けて2桁近い利益率となりました。ただし、前期の数字にはRaicol社が含まれるため、前年同期比は「Raicol社の除外」と「本業の改善」が混ざっている点に注意が必要です。






④ 継続チェック(7/17メモの項目ごとに評価)
毎回チェックする基本項目
| チェック項目 | 判定基準 | 2Q実績 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(両方向型) | 上半期予想4,659の±20%(3,727〜5,591)で○ | 4,935百万円(予想比+5.9%) | ○ | 範囲内。粗利率も改善しており、量・質ともに問題なし(補足説明資料p.4) |
| 営業利益 | 通期当初予想933の上半期進捗:50%(467)以上で◎ | 641百万円(進捗68.7%) | ◎ | 2Q単独で予想78に対し442と大幅超過。修正後の通期1,367に対しても46.9% |
| 営業利益率 | 7.6〜11.4%で○、11.4%超かつ粗利率維持で◎ | 13.0% | ◎ | 粗利率39.2%(基準34%以上)とセットで確認でき、特則上も◎ |
| 純利益/EPS | 通期当初予想597の50%(299)以上で◎、特別損益を除いた水準も併記 | 571百万円(95.6%)/EPS49.24円 | ◎(注記あり) | 特別損益は差し引き+193百万円(受贈益160など、決算短信p.6)。除いた筆者試算でも約390百万円(経常558×税率30%想定)で◎の水準 |
| 営業CF | 黒字か、有利子負債の返済原資になっているか | +793百万円 | △ | 黒字だが、補助金の受取429百万円を含む。設備投資(有形+無形1,698百万円)を差し引くと約▲905百万円。有利子負債の削減はRaicol社株式の売却収入1,000百万円で賄った形(決算短信p.8) |
| 年間配当予想 | 無配継続で○ | 0円 | ○ | 想定どおり |
| 半導体売上(両方向型) | 2Q予想1,639の±20%(1,311〜1,967)で○ | 1,683百万円(+2.7%) | ○ | 範囲内。受注残高・粗利率も維持。1Qの◎から○へ |
| 新領域売上 | 約610以上で○、500未満で× | 511百万円(上半期800) | △ | 境界線上。ファラデー回転子は「概ね計画どおり」に回復したが、その他分野の一部案件が下期へ期ずれ(補足説明資料p.10) |
| ヘルスケア売上 | 約511+価格転嫁の協議結果 | 548百万円(予想比+138) | × | 2Qは超過したが、協議は継続中。下期予想は3Q 285・4Q 59百万円へ大幅に下方修正(通期1,851→1,219、補足説明資料p.12) |
| 粗利率(質の指標) | 34%以上 | 39.2%(前年同期31.7%、筆者算出) | ◎ | 2Q単独は約41%(筆者概算)。会社も「売上総利益率の改善」を増益の主因と説明 |
| 研究開発費(両方向型) | 上半期累計500〜600百万円で○ | 509百万円(予想540) | ○ | 範囲内。2Q単独254百万円で、1Qの抑制は継続していない |
注意点①:新領域(ファラデー回転子)の期ずれ回収
| チェック項目 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| 2Q売上が約610以上、上半期で約900に届いたか | × | 2Q 511、上半期800(予想900に対し▲99) |
| 期ずれが2Qで回収できたか、3Qへ繰り越されていないか | △ | ファラデー回転子は回収できた模様。ただし別の案件が下期へ期ずれ(補足説明資料p.10) |
| 通期予想(新領域1,575)は維持か修正か | ◎ | 1,864百万円へ上方修正(+288)。理由はファラデー回転子の出荷増加(補足説明資料p.12) |
| 資材調達の安定化策 | ─(偶発的) | 今回の資料に言及なし |
| 量子分野の売上計上 | ─(偶発的) | 今回の資料に言及なし |
| 特定顧客への出荷集中度 | ─(構造的) | 開示なし |
ファラデー回転子そのものの期ずれは解消し、通期も上方修正となったため、「期ずれ」という懸念は注意点①から降格してよいと考えられます。代わりに、総額約23億円のファラデー増産投資が回収できるかという新しい論点が浮上しました。
注意点②:半導体の上振れの継続と「質」
| チェック項目 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| 2Q売上が1,311〜1,967に収まったか | ○ | 1,683百万円。上半期は前年同期比+70%(補足説明資料p.5) |
| 受注残高が2,798〜4,198か | ○ | 2Q末3,390百万円(前期末3,498から▲3.1%)。上半期の受注高は上半期として過去最高の3,456百万円(同p.8) |
| 粗利率34%以上、製品保証引当金が急増していないか | △ | 粗利率は39.2%で良好。一方、製品保証引当金は143.5百万円(前期末100.1、+43.4%、決算短信p.5から筆者算出)で、設定した上限ライン(145、+45%)の目前 |
| メンテナンス売上の進捗 | ─(偶発的) | 今回の資料に開示なし |
| 人員確保の進捗 | ─(偶発的) | 質疑応答要旨が未添付のため確認不能 |
| 不具合・遅延・クレームの新たな開示 | ○ | 今回の資料の範囲ではなし |
会社はSEMI様の予測(2026年の半導体製造装置市場は前年比+23.2%)を背景に挙げています(補足説明資料p.5)。下期の半導体は3Q 1,820・4Q 2,160と、4Qに大きく偏った計画になっている点は次回の確認ポイントです。
注意点③:利益の質と財務
| チェック項目 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| 営業利益の増減要因の内訳 | △ | 前年同期比+830のうち、粗利の増加+615、販管費の減少+216(筆者算出)。研究開発費の減少(▲197、補足説明資料p.4)も寄与。本業の改善が主因と考えられるが、会社による定量的な分解はない |
| 税率の前提 | △ | 上半期の税負担率は24.0%(1Qの約55.8%から正常化)。一方、通期は純利益1,328が経常利益1,234を上回り、税負担率は約14%(筆者概算)と低めの前提 |
| 特別損益(一過性の損益) | △ | 上半期は受贈益160、補助金収入96、固定資産売却益29、圧縮損▲92。通期では受贈益280を見込む(業績修正お知らせ)。純利益を押し上げる一過性の要因がある |
| 有利子負債が2Q末も減少しているか | ○ | 70.6億円(1Q末71.5、前期末75.4、決算短信p.5から筆者算出) |
| ネット有利子負債/EBITDA | ○ | 会社算出2.6倍(前期末3.7倍、補足説明資料p.14)。通期予想EBITDA 2,076で計算すると約2.5倍(筆者算出) |
| 棚卸資産 | ○ | 31.6億円(前期末28.3億円、+11.6%)。売上の伸び(+18.9%)の範囲内で、製品在庫はむしろ減少。増えたのは仕掛品・原材料で、受注増への備えと考えられる |
| 自己資本比率33%以上 | ○ | 34.7% |
引き続き良好なら安心できる項目
| 項目 | 2Q末 | 維持ライン | 判定 | 前回比 |
|---|---|---|---|---|
| 自己資本比率 | 34.7% | 32%以上 | ○ | 1Q末32.9%→+1.8pt |
| 有利子負債 | 70.6億円 | 73億円以下 | ○ | 1Q末比▲0.9億円 |
| 営業利益率 | 13.0% | 7.6%以上 | ◎ | 1Q 9.1%→2Q単独16.1% |
| 粗利率 | 39.2% | 34%以上 | ◎ | 1Q 37.0%→上半期39.2% |
| 製品保証引当金 | 143.5百万円 | 145百万円以下 | △ | 1Q末120.8→+18.8%。上限の目前 |
| 受注残高(半導体) | 3,390百万円 | 2,800百万円以上 | ○ | 1Q末は未開示、前期末比▲3.1% |
| 発行済株式数 | 11,620千株 | 11,798千株以内 | ○ | 前期末比+0.46%。ただし潜在株式による希薄化は約4%(EPS 49.24円→47.32円から筆者算出)。新株予約権の発行もあり(決算短信p.5, p.9) |
株価・バリュエーション
| 項目 | 7/17(1Q後) | 10/16(2Q後) | 変化のポイント |
|---|---|---|---|
| 株価 | 3,385円 | 3,300円(▲2.5%) | 利益予想は倍増したが株価はほぼ横ばい |
| PER(予想) | 65.8倍 | 28.8倍(株探様28.9倍) | 低下の理由は株価ではなく予想EPSの引き上げ(51.53円→114.50円) |
| PER(一過性除く) | ─ | 約44倍(筆者試算の実力EPS 74.5円で計算) | 受贈益を除くと、まだ割安とは言いにくい |
| PBR | 8.22倍 | 7.17倍(株探様・IRBANK様)/8.17倍(みんかぶ様) | BPS上昇(412円→460円)による。みんかぶ様の8.17倍は前期末BPSを使っている可能性 |
| PSR | ─ | 3.82倍(過去2年平均3.29倍、みんかぶ様) | 過去比較では割高 |
| みんかぶ様目標株価 | 3,403円(買い) | 2,828円(売り) | ▲575円(▲16.9%)、判定も反転。更新日は画面で確認できず |
| みんかぶ様理論株価 | ─ | 1,929円(割高) | |
| 個人予想(みんかぶ様) | ─ | 4,178円(買い81%) | 個人投資家は強気が多い |
| どのシナリオに近いか | 中立 | 中立(会社予想EPS×現状PER) |
信用需給(株探様)
| 日付 | 売り残 | 買い残 | 信用倍率 |
|---|---|---|---|
| 9/11 | 0.0千株 | 712.9千株 | ─ |
| 9/18 | 0.4千株 | 675.1千株 | 1,687倍 |
| 9/25 | 0.1千株 | 682.0千株 | 6,820倍 |
| 10/2 | 0.1千株 | 667.7千株 | 6,677倍 |
| 10/9 | 0.0千株 | 690.9千株 | ─ |
| チェック項目 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| 信用倍率が低下しているか | × | 売り残がほぼゼロのため倍率が出ない状態。踏み上げ(買い戻し)は期待しにくい |
| 買い残が発行済株式数の2%超か | × | 690.9千株=約5.9%(目安の約3倍) |
| 買い残が直近の出来高を上回るか | × | 10/16出来高473千株、5日平均約401千株(IRBANK様)を上回る |
| 買い残の整理が進んでいるか | △ | 9月以降67万〜71万株で横ばい。整理は進んでいない |
最大の理由は、この需給と考えられます。5月の高値7,420円付近で買った信用買いの一部が残っている可能性があり、株価が上がるたびに「やれやれ売り」が出やすい状態です。
チャートの位置(株探様・IRBANK様、10/16):25日線(約3,254円)は上回る(+1.41%)、75日線(約3,440円、乖離▲4.15%から筆者逆算)と200日線(約3,710円、同▲11.14%)は下回る。8月以降は3,000〜3,500円の範囲で横ばい。「下落は一服したが、上昇トレンドへの転換はまだ」という局面と考えられます。






即座に見直しが必要なシグナル
| シグナル | 該当 | コメント |
|---|---|---|
| 業績予想の下方修正 | 非該当 | 上方修正。ただしヘルスケアは事業単位で▲632の下方修正 |
| 粗利率32%割れ | 非該当 | 39.2% |
| 自己資本比率30%割れ | 非該当 | 34.7% |
| 有利子負債が75.4億円超 | 非該当 | 70.6億円 |
| 受注残高2,800百万円割れ | 非該当 | 3,390百万円 |
| 製品保証引当金145百万円超 | 非該当(目前) | 143.5百万円。次回は最重要確認事項 |
| 新領域が2期連続で予想比2割以上の未達 | 非該当 | 2Qは予想比+42% |
| 営業CFマイナス | 非該当 | +793百万円 |
| 発行済株式数+2%超の希薄化 | 非該当 | +0.46%(潜在株式は約4%) |
| 主要顧客・主要株主の悪材料 | 非該当 | むしろKLAグループの持株比率が上昇 |
| 海外パートナーの地政学リスク | 注意 | Raicol社からの育成炉の無償譲受は「不透明な国際情勢」で遅れていたが、今期に段階的に実施中(決算短信p.10) |
⑤ 事業・競争力の評価
| 項目 | 7/17 | 10/17 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 本業の稼ぐ力 | ○ | ○ | 上半期の営業利益率13.0%、通期予想13.2%は過去最高水準。半導体の受注高は上半期として過去最高。ただしヘルスケアの失速があり◎には届かない |
| 財務の健全性 | △ | △(改善中) | 自己資本比率34.7%、Net Debt/EBITDA 2.6倍と着実に改善。一方、Raicol社の売却収入を除いた実質のフリーCFはマイナスで、今期の設備投資は約30億円弱+10/14決議分8.41億円と大きい |
| 経営方針の透明性 | ○ | ○ | 四半期・事業別の予想と実績、受注高・受注残、EBITDA、Net Debt/EBITDAまで開示。「下期の進捗を見極めて中期目標の見直しを検討」と明言(補足説明資料p.13)。ヘルスケアの協議の中身は不透明 |
市場環境コメント
- 半導体:SEMI様の予測では、2026年の半導体製造装置市場は前年比+23.2%(補足説明資料p.5)。同社はウエハ欠陥検査装置向けで高いシェアを持つため、市場の追い風を直接受けやすい立場です。
- AIデータセンター:光通信のトランシーバーには、光が逆流しないようにする「光アイソレータ」が必要で、その中核部品がファラデー回転子です(同p.15)。生成AIの普及で需要が増えていると会社は説明しています。
- 新しい成長分野:Fluence社と共同で深紫外フェムト秒レーザを開発(8/18開示)。CoWoSなどの先端半導体パッケージ、光電融合(CPO)の微細加工を狙います(同p.6)。東芝で半導体事業を率いた香山晋氏を経営戦略アドバイザーに招きました(同p.7)。
- 比較される銘柄(株探様):シキノハイテック、santec、フェローテック。
リスク要因
- 半導体サイクル:売上の約7割が半導体。製造装置市場が減速すれば受注に直結します。下期計画は4Qの半導体2,160百万円に大きく依存しています。
- 主要顧客への集中:KLAグループが大株主(合計約11.7%)であり、主要顧客と推定されます。関係の強さは安心材料である一方、同社の発注動向に業績が左右されやすい構造と考えられます(顧客別売上は開示なし)。
- 大型設備投資と償却負担:今期の設備投資は約30億円弱(前期4.67億円の約6倍、補足説明資料p.16)に、10/14決議の8.41億円が加わります。通期予想の償却費は約7億円(EBITDA 2,076−営業利益1,367、筆者算出)ですが、来期以降は増える可能性が高く、ファラデー回転子の需要が想定を下回ると利益を圧迫します。投資の回収見込みは開示されていません。
- ヘルスケアの原材料:調達環境の悪化と価格高騰で、4Qの売上予想は59百万円まで落ちています。協議が決裂すれば事業の縮小もありえます。
- 品質:24/2期に部材不具合で新規受注を制限した前例があり、製品保証引当金が上限ラインの目前まで増えています。
- 地政学:Raicol社の前例。新パートナーのFluence社など海外連携にも同様のリスクがありえます。
- 為替:上半期の為替差損は5百万円と小さいものの(決算短信p.6)、海外売上比率は今回の資料では確認できません。
- 需給:信用買い残が発行済株式数の約5.9%。
大株主構成とアクティビストリスク(半期報告書、2026/8/31現在)
筆頭株主はKLAテンコール株式会社(8.17%)で、KLA-TENCOR(SINGAPORE)3.52%と合わせKLAグループで約11.7%。創業者の古川保典氏は7.69%(6/5記事の9.49%から低下)、NTTグループ合計10.06%、ニコン・レーザーテック・島津製作所がそれぞれ1.7〜2.2%を保有しています。取引先や業界の事業会社が中心で、アクティビストリスクは低いと考えられます。KLA日本法人が上位に入った経緯と、古川氏の持株減少の理由は今回の資料では確認できません。
前回は「実力はあるが、期待が先行している」としてBでした。今回は、利益が期待に追いつき始めたことを確認できました。営業利益率は過去最高水準に入り、中期目標の前倒し達成も見込まれ、予想PERは65倍から29倍まで下がっています。
一方で、①純利益には受贈益という一過性の要因が含まれ、実力ベースのPERは約44倍とまだ高い、②実質のフリーCFはマイナスで、大型投資の回収はこれから、③信用買い残が重く、みんかぶ様の目標株価も現株価を下回る、という3点から、AやSには届かないと判断しました。「業績の方向性は良いが、買い場は慎重に選ぶべき銘柄」という位置づけです。






⑥ 適正株価試算
前提となるEPSの整理
- 会社予想EPS:114.50円(受贈益280百万円などの一過性の特別利益を含む)
- 実力EPS(筆者試算):74.5円=経常利益予想1,234百万円×(1−税率30%)÷約1,160万株
- 中期目標(29/2期:売上130億円・営業利益率14%)達成時のEPS(筆者試算):約103円
| シナリオ | 想定EPS | 想定PER | 適正株価 | 現株価(3,300円)比 | 考え方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 強気 | 110円 | 40倍 | 4,400円 | +33.3% | 28/2期に売上120億円・営業利益率16%(4Q修正予想16.3%の通年化)を達成。AI・半導体のテーマプレミアムが乗る(筆者想定) |
| 中立 | 114.50円 | 28.8倍 | 3,298円 | ±0% | 会社の修正予想どおりに着地し、PERは現状維持 |
| 保守的 | 74.5円 | 25倍 | 1,863円 | ▲43.5% | 受贈益がなくなり実力EPSで横ばい、PERは業種平均に近い水準へ収縮。みんかぶ様の理論株価1,929円とほぼ同水準 |
| 弱気 | 赤字 | 評価不能 | 1,381円(PBR3.0倍)/930円(PBR2.02倍) | ▲58.2%/▲71.8% | PBRで代替評価 |
半導体製造装置市場の減速で受注が急減し、そこへ品質トラブルの再発(製品保証引当金の急増や受注制限)、ヘルスケアの協議決裂による事業縮小、ファラデー回転子の需要の伸び悩みによる「償却費だけが増える」状態が重なった場合です。24/2期〜26/2期のような最終赤字(EPS▲41〜▲244円)に戻る可能性があります。
BPS×PBRとの2点セット確認(BPS 460.4円)
| PBR | 株価 | 現株価比 |
|---|---|---|
| 3.0倍 | 1,381円 | ▲58.2% |
| 5.0倍 | 2,302円 | ▲30.2% |
| 6.5倍(2022年以降のレンジ2.02〜11.01倍の中央付近) | 2,993円 | ▲9.3% |
| 7.17倍(現状) | 3,300円 | ±0% |
| 8.0倍 | 3,683円 | +11.6% |
PBRで見ると、現株価は過去レンジの中央よりやや上です。中期目標達成時のEPS約103円で計算すると、現株価はPER約32倍に相当し、「中期目標の達成」をすでにかなり織り込んだ水準と考えられます。
みんかぶ様目標株価との比較
目標株価2,828円(売り)に対し、現株価は約17%上回っています。7/17の3,403円(買い)から引き下げられており、業績の上方修正後もAIの評価は厳しいままです。ただし、みんかぶ様の目標株価はPSRやPBRの過去比較を重視する傾向があるため、利益の急改善はまだ十分に反映されていない可能性があります。






結論
①なぜ今話題なのか
2Q決算で営業利益予想を46.5%上方修正、中期目標を1年前倒し。AIデータセンター向けファラデー回転子に約23億円の増産投資。
②外部目標株価との比較
みんかぶ様2,828円(売り)、理論株価1,929円(割高)。現株価3,300円はいずれも上回る。
③割高・割安感
会社予想PER28.8倍は前回65.8倍から大幅に低下。ただし一過性を除くと約44倍、PBR7.17倍は過去レンジの中央より上。「割安になった」とまでは言いにくい。
④強気シナリオの根拠
上半期として過去最高の半導体受注、4Q修正予想の営業利益率16.3%、ファラデー回転子の増産、会社自身が中期目標の見直しを示唆。
⑤最大のリスク(一言で)
「重い信用買い残と、大型投資の回収リスク」
⑥「今仕込む」目安
実力EPS74.5円×PER35〜38倍の約2,600〜2,850円(みんかぶ様目標株価付近)が一つの目安。3Q決算で①半導体3Q1,820百万円の達成、②製品保証引当金145百万円以内、③ヘルスケア協議の決着、④信用買い残の減少(50万株以下)を確認できれば、3,300円前後でも検討の余地があると考えられます。一度に買わず、分けて買うのが無難です。
対談:オキサイドを深掘りする5つのテーマ
テーマ①:「利益は倍、株価は横ばい」――なぜ上方修正でも株価が上がらないのか


















テーマ②:純利益1,328百万円の”中身”――タダでもらった育成炉が利益になる話















テーマ③:AIデータセンターの”光の一方通行バルブ”――ファラデー回転子に約23億円を賭ける


















テーマ④:ヘルスケア4Q売上59百万円の衝撃――”売らない”という選択















テーマ⑤:KLAが筆頭株主に――大株主から読む「顧客との絆」と「依存リスク」












まとめ
- 2Q決算で通期の営業利益予想を46.5%上方修正(933→1,367百万円)、営業利益率13.2%で中期目標を1年前倒し
- 半導体の上半期受注高は上半期として過去最高の3,456百万円、粗利率も39.2%に改善
- 純利益には受贈益280百万円などの一過性の要因を含み、実力EPSは約74.5円、実力ベースのPERは約44倍
- 信用買い残が発行済株式数の約5.9%と重く、売り残もほぼゼロで、上値が抑えられやすい需給
- ファラデー回転子への約23億円の増産投資は、回収見込みが未開示。製品保証引当金は上限ライン145百万円の目前(143.5百万円)
- 総合評価はA-。仕込みの目安は約2,600〜2,850円、3Q決算で条件を確認できれば3,300円前後も検討余地あり(分割購入が無難)
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情報基準日:20261017
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。




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