【高配当研究所 継続チェック】スターティアホールディングス(3393)1Q営業益19%増で過去最高、DOE13%+累進配当の初年度は順調な滑り出し——ただし株価は「適正圏の上限」へ

今回は、複合機・ネットワーク機器等のITインフラ関連事業とDXソリューション関連事業を展開する「スターティアホールディングス(3393)」の2027年3月期 第1四半期決算について、継続チェックの観点から確認していきます。

分析日は2026年9月17日、評価時点の株価は3,200円(9/17終値、年初来高値)です。前回チェック(2026年7月20日、株価3,065円、総合スコアA)からの変化を確認していきます。

所長ダル
今回はスターティアホールディングスさんの最新の決算をチェックしていきましょう。車野さん、よろしくお願いします。
車野アナリスト
はい、所長。今回のQ1決算は、業績面では前回想定を上回る強い立ち上がりとなりました。ただ、総合スコアの表記については前回のA判定からA-への変更となります。
所長ダル
業績が良いのに、表記が下がるということですね。
車野アナリスト
はい。1Qの営業利益は前年同期比+18.9%で1Qとして過去最高です。業績や財務に問題が生じたための格下げではなく、v1.8で新設された「実体を伴う△が一つでもあればA以上にしない」というルールを適用した結果です。順に見ていきましょう。
目次

① 会社概要

項目内容
正式名称スターティアホールディングス株式会社
証券コード3393(東証プライム)
設立1996年2月(2026年2月に創立30周年)
主な事業①ITインフラ関連事業(複合機・ビジネスホン・ネットワーク機器・光回線・電力小売等)
②DXソリューション関連事業(統合型SaaS「Cloud CIRCUS」、RPA、iPaaS等)
③CVC関連事業
時価総額約328億円(3,200円×10,240,400株)
決算期3月
経営体制代表取締役会長 本郷秀之氏/代表取締役社長 北村健一氏。取締役7名のうち5名が社外

出典:補足資料p41・p42、みんかぶ様、かぶたん様

直近のトピックとしては、8月10日に「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に2年連続で選定されたことが挙げられます(対象期間は2026年8月31日〜2027年8月30日)。また8月28日には、スターティア株式会社によるビーシーメディアの吸収合併(10月1日付)と、海外子会社Startia Asia(シンガポール)の12月中の閉鎖が発表されました。同社は連結業績への影響を軽微としています。加えて4月1日付で、子会社スターティアレイズがスターティアテクノスに商号変更したことに伴い、1Qからセグメントの区分が変更されています(前年同期も新区分で組み替え済みです)。

所長ダル
事業の柱を教えていただけますか。
車野アナリスト
ITインフラ関連事業とDXソリューション関連事業の2本柱に、CVC関連事業が加わる構成です。今回はITインフラが売上の中心を占めており、その中のストック収益の質が論点の一つになります。

② 主要財務指標

当1Q実績と通期予想

項目26/3期1Q27/3期1Q前年同期比27/3期 通期予想通期進捗率
売上高5,636百万円6,041百万円+7.2%26,000百万円23.2%
営業利益593百万円705百万円+18.9%3,550百万円19.9%
営業利益率10.5%11.7%+1.2pt13.7%─
純利益402百万円502百万円+25.0%2,343百万円21.4%
EPS42.79円53.74円+25.6%250.60円21.4%

出典:短信p1、補足資料p9

営業利益は1Qとして過去最高です(補足資料p4)。なお同社では毎年、新卒入社(今期は73名)の人件費が先に発生するため、1Qの通期に対する進捗率は低めに出やすい傾向があります。

財務・配当指標

項目数値出典
BPS857.75円(前期末約898円。期末配当の支払いによる季節的な減少)IRBANK様、短信p1から算出
ROE実績27.61%/予想29.08%(同社資料では26/3期29.0%)IRBANK様、補足資料p35
自己資本比率58.3%(前期末54.0%)短信p1
ネットキャッシュ約41.6億円(現預金6,716百万円−有利子負債2,554百万円)短信p7・p8から算出
年間配当145円(中間67円+期末78円、修正なし)短信p1
配当性向(1株ベース)57.9%(145円÷予想EPS250.60円)当方試算
配当利回り4.53%(3,200円基準)みんかぶ様
PER(予想)12.8倍かぶたん様(3,200円÷250.60円でも12.77倍)
PBR3.73倍かぶたん様

1Qに支払われた期末配当は887.8百万円です(短信p6)。これを1株91円で割ると約975.6万株となり、株式給付信託の保有分も配当を受け取っていることが分かります。この株数で計算すると、今期の年間配当総額は約14.1億円と試算され、純利益に対する比率は約60%となります(当方試算)。

セグメント別(新区分)

セグメント売上高前年同期比セグメント利益前年同期比利益率
ITインフラ4,755百万円+8.1%398百万円+16.0%8.4%(前7.8%)
 うちストック1,938百万円+15.0%───
DXソリューション1,281百万円+4.0%252百万円+21.3%19.7%(前16.9%)
 うちストック1,073百万円+8.0%───

出典:短信p3、補足資料p11・p15

連結ストック売上比率は49.9%(前年同期47.5%、補足資料p5)です。Cloud CIRCUSのMRRは289百万円(+6.6%)、解約率(過去12ヶ月平均)は1.2%(前年同期1.5%)と改善しています(補足資料p18)。

所長ダル
両セグメントとも増益ということですね。
車野アナリスト
はい。ITインフラは利益率が7.8%から8.4%に、DXソリューションは16.9%から19.7%に上昇しています。DXのストック売上は+8.0%と前期からは減速していますが、利益率の改善で利益は+21.3%となっています。同社はAIO(AI検索最適化)関連のコンサル需要の高まりがクロスセルにもつながっていると説明しています。

③ 継続チェックメモの項目別評価

基本項目(テンプレートv1.7)

チェック項目今回実績判定基準判定解説
売上高6,041百万円(進捗23.2%)1Q進捗22〜25%(過去2期は23.7%)○過去パターンの範囲内です。
営業利益705百万円(進捗19.9%)1Q進捗18〜20%(25/3期19.5%、26/3期18.3%)○過去2期を上回る立ち上がりです。
営業利益率11.7%前年1Qの10.5%以上○+1.2pt改善しましたが、+20%超の上振れではないため◎は付けません。
純利益/EPS53.74円(+25.6%)通期EPS200円割れで要注意○通期予想250.60円は据え置きです。
営業CF開示なし中間・通期で配当総額を上回るか構造的─1Qの連結CF計算書は作成されていません(短信p12、制度上の標準)。
年間配当予想145円145円以上(累進配当)○修正はありません。

営業CFの参考値として、EBITDAは813百万円です(補足資料p4)。現預金の減少954百万円は、配当支払い888百万円と借入返済約340百万円でほぼ説明できます。逆算すると営業CFと投資CFの合計はプラス圏にあると考えられますが、法人税の納付(未払法人税等が708百万円減少)を含む、ごく粗い試算にとどまります。この参考値は判定には用いません。

総評

基本項目は、営業CFが構造的に判定不能である点を除き、すべて○評価となりました。1Qの営業利益は過去最高で、進捗率も過去2期を上回るペースです。

A.配当・株主還元まわり

チェック項目判定解説
中間配当67円の実績・修正状況○(上方修正の有無は持ち越し)1Q時点では予想どおりで、修正はありません。過去には「予想→修正→実績」の順に切り上がるパターンがありましたが、その確認は11月の中間決算になります。
中間配当基準日前後の株価動向─(未到来)権利付最終日は9月28日(月)で、9月21〜23日の連休をはさみます。株価は年初来高値圏にあり、権利取りの需要が先回りしている可能性も考えられます。
DOE13%目途の実際の運用○期中平均の株主資本を約87億円(期首83億円、期末見込み約91億円)と置くと、配当総額約14.1億円に対するDOEは約16%と試算されます。DOE13%だけで配当を決めた場合は1株約116円にとどまるため、現状の145円は「累進配当」の方が実際の下限として効いていると考えられます。
記念配当8円の吸収○(確定は期末)27/3期予想145円は、全額が普通配当として示されています。同社は、前期の記念配当を除けば実質8円の増配と説明しています(補足資料p37)。
所長ダル
DOE13%という方針が示されていますが、実際の配当はどうなっているのでしょうか。
車野アナリスト
試算では約16%水準です。DOE13%だけで決めた場合は1株約116円にとどまりますので、現状の145円は「累進配当」の方が実際の下限として効いていると考えられます。裏を返すと、自己資本が増えるほどDOE基準の下限も上がっていく点は、長期保有者にとって押さえておきたいポイントです。

B.経営体制・ガバナンス

チェック項目判定解説
本郷秀之氏の肩書△(変化なし)1Q資料でも「代表取締役会長」のままで、代表権が2人にある体制が続いています(補足資料p41・p42)。就任から間もないため想定の範囲内ですが、要ウォッチとします。
重要決定の主体△(判断材料不足)適時開示はすべて北村社長の名義です。ただし、1Qは決算説明会がなく、社長自身の発信を確認できる場がありませんでした。
新任社外取締役の機能○(形式面)取締役7名中5名が社外(監査等委員3名を含む)で、形式上のけん制体制は整っています。実効性については開示がありません。
本郷氏の持株比率(25.52%)偶発的─最新の開示は3/31時点の有価証券報告書です。大量保有報告書の変更は今回確認できていないため、次回EDINETで確認します。

C.業績・M&A統合

チェック項目判定解説
直近3件の事業譲受△昭文堂事務機(顧客約500社)とセントラルグラフィックセンター(約1,000社)は、資料上「予定」表記が外れており、完了したと考えられます。電通システムは、5/20の開示時点では「契約6/1・譲受7/1予定」でした。しかし、8/7の決算補足資料では「契約8月中・譲受9/1予定」となっており、約2ヶ月遅れています(補足資料p22)。同じ時期に進んでいた昭文堂事務機が当初日程どおりだったのに対し、電通システムだけが遅れた形です。日程変更を知らせる開示は確認されず、補足資料にも変更の注記はありません。同社は業績への影響を「軽微」としており、顧客基盤約500社は取引社数の約1.8%にとどまるため、懸念度は小と考えられます。3件とも1Q末より後の譲受のため、業績への寄与は2Q以降になります。寄与額は開示されていません。
クロスセルの進捗○ITインフラの複数商材取引社数は8,071社(+4.5%)、DXは971社(+8.4%)です(補足資料p13・p17)。同社は、部門間の顧客紹介件数も増えていると説明しています。
DXのストック収益○ストック売上は+8.0%、セグメント利益は+21.3%でした。前期の勢いからは減速していますが、利益率は19.7%に上がっています。同社は、AIO(AI検索最適化)関連のコンサル需要の高まりがクロスセルにもつながっていると説明しています。
中期経営計画の進捗△27/3期の会社予想は、売上26,000百万円(中計計画27,200百万円を下回る)、営業利益3,550百万円(計画3,500百万円を上回る)です。28/3期の既存事業目標(営業利益42億円)には、今期予想から+18%の伸びが必要です。M&Aの最終契約は26/3期が0件(計画4件)、27/3期は1Q時点で1件(計画5件)にとどまっています(補足資料p21)。

なお、電通システムの事業譲受が完了したかどうかについてWeb検索で確認しましたが、該当する開示は見つかりませんでした。本記事ではこの点を偶発的─として扱っています。また同社は、過去の株式取得2件について、営業利益の7年間平均成長率が32.4%だったと示しています(補足資料p27)。

所長ダル
事業譲受で日程の遅れがあったのですね。
車野アナリスト
はい。電通システムについては、5月20日の開示では7月1日譲受予定でしたが、8月7日の補足資料では9月1日予定に変わっています。日程変更を知らせる開示は確認されておらず、補足資料にも変更の注記はありません。理由は開示されていないため、推測で語らないよう注意が必要と考えられます。ただ、顧客基盤は約500社で取引社数の約1.8%にとどまり、会社自身も業績への影響を軽微としていますので、懸念度は小と考えられます。

D.株価・バリュエーション

チェック項目判定解説
PERディスカウント△予想PERは約12.8倍で、同社が示すプライム平均16倍とのかい離は解消していません。
配当利回り△4.73%から4.53%に下がり、5%超の押し目は形成されませんでした。
みんかぶ様目標株価△2,320円から2,314円へ小幅に変わりましたが、更新日はスクリーンショットから特定できません。株価を約28%下回る水準です。
日足レンジ○(上抜け)2,600〜3,150円のレンジを上に抜け、9/17に年初来高値3,200円をつけました。一方で、信用買い残も増えています。

外部データ(v2.0の採否ルールを適用)

項目内容採否
目標株価2,314円(判定「売り」)採用
理論株価2,542円(9/16、「割高」)採用。目標株価と同じく割高を示唆しており、今回は両者に矛盾はありません。
アナリスト予想人数0人(対象外)採用。第三者による業績予想の裏づけはありません。
個人予想株価(1,972円)表示日付「11/30」が更新日なのか予想期日なのか判別できません。数値不採用
売買予想比率(買い87%)更新日を特定できません。数値不採用

信用需給ウォッチ(かぶたん様)

日付売り残買い残信用倍率
8/1413.8千株77.6千株5.62倍
8/2113.7千株93.4千株6.82倍
8/2813.6千株97.3千株7.15倍
9/0412.9千株85.0千株6.59倍
9/1112.7千株92.2千株7.26倍

買い残は発行済株式の約0.9%で、要注意の目安とする2%を下回っています。一方、5日平均出来高4.48万株(IRBANK様)の約2日分にあたり、信用倍率も上昇傾向です。判定は△とします。株価の上昇とともに信用買いが積み上がっているため、上値では利益確定売りが出やすい需給と考えられます。

新たに浮上した論点(今回資料から)

論点内容
ITインフラの取引社数が前四半期比で微減単一商材の取引社数は15,639社から15,538社に減り、全体でも27,625社から27,590社に減りました(補足資料p7・p13)。同社は「地域による人員体制の変動等の影響」に触れています(短信p3)。
ITインフラのストック売上に占める電力の比率が上昇前年同期の20.3%から28.1%に上昇しました(補足資料p13)。電力小売りは、市場価格や燃料費調整によって利益率が振れやすい商材であり、ストックの「質」として注視が必要と考えられます。
自己資本比率58.3%が、同社自身の目標レンジを上回っている目標は「40〜55%程度」(補足資料p34)とされていますが、同じ資料のp36では「50〜55%」と記載されており、表記にずれがあります。財務の安全性という点ではプラスですが、「M&A投資枠100億円」との対比で資金をどう使うかが問われる水準です。
外国法人等の保有比率が上昇14.20%から16.52%に上昇しました(補足資料p39)。JPX日経中小型株指数への2年連続選定(8/10)と合わせ、注目度が上がる兆しと読める可能性があります。
所長ダル
自己資本比率が58.3%というのは、かなり高い水準に見えますが。
車野アナリスト
同社が示す目標レンジ(40〜55%程度、資料によっては50〜55%)を上回っています。財務の安全性としてはプラスですが、3年間で100億円としているM&A投資枠に対し、実際の最終契約は26/3期が0件でした。同社自身も資料で自己株式取得の検討に触れており、成長投資が追いつかない場合は増配や自社株買いという論点につながると考えられます。
所長ダル
ストックの中身にも変化があるのですね。
車野アナリスト
はい。ITインフラのストック売上は+15.0%と伸びていますが、その内訳では電力の比率が20.3%から28.1%に上昇しています。電力小売りは仕入価格の変動を受けやすい商材で、複合機のカウンター料金やSaaSとは安定性が異なると考えられます。一方でDXの解約率は1.2%、MRRは+6.6%と、質の高いストックも育っていますので、内訳を分けて見ることが大切だと考えられます。
総評

基本項目はすべて○(営業CFは構造的に判定不能)で、業績面は前回想定を上回る立ち上がりとなりました。一方でB・C・Dの各項目には△が複数残っており、特に経営体制(代表権の整理)と事業譲受の日程管理・開示姿勢については、次回以降も確認が必要と考えられます。

④ 配当継続性スコア

評価項目判定根拠
配当の中身○145円は全額普通配当で、記念配当は吸収済みです。累進配当とDOE13%の二重の下支えがあり、試算上のDOEは約16%と下限に余裕があります。
本業の稼ぐ力○営業利益+18.9%で1Q過去最高、両セグメントとも増益です。ストック比率は49.9%、解約率は1.2%に改善しました。ITインフラ取引社数の微減は注視します。
財務の健全性○自己資本比率58.3%、ネットキャッシュ約41.6億円で、有利子負債は1Qに約3.4億円減りました。
配当の原資構造的─1Qの連結CF計算書は作成されていません(短信p12)。そのため、この項目を△として減点はしません。
経営方針の透明性△開示は総じて丁寧で、M&Aの未達(26/3期の最終契約0件)も数値で示しています。一方で、①代表権が2人にある状態が継続、②電通システムの譲受日程が、当初開示(5/20、7/1譲受予定)から約2ヶ月遅れた。変更の開示も理由の説明もなく、補足資料の予定日が書き換えられている(案件としての重要性は小さいが、開示姿勢の論点として△に含める)、③DOE13%と実際の配当水準のかい離で「実際に効いている下限」がわかりにくい、④自己資本比率の目標表記が資料内でずれている、という点を実体のある△とします。
総合スコア

A-(前回A→新ルール適用による表記変更)

前回(7/20)は「⑤に△あり」のままA判定でした。その後、v1.8(8/20)で「実体を伴う△が一つでもあればA以上にしない」ルールが新設されました。今回も⑤の△は解消していないため、旧基準ではA/新基準ではA-となります。業績や財務に問題が生じたための格下げではありません。1Qの業績は、むしろ前回想定を上回る立ち上がりです。

数値だけを見た場合、①〜③は○で、1Qの利益の伸びも強く、数値面ではA相当と考えられます。A-にとどめた理由は、⑤の△(実体)に加えて、④が構造的─のため未検証である点です。仮に⑤が改善していたとしても、非対称ルールにより今回は格上げできません。

Aへ戻す条件としては、(a)中間の連結キャッシュ・フロー計算書で、中間の営業CFが中間配当総額(67円×約975万株=約6.5億円)を上回ること、(b)電通システムの譲受完了と、3件の業績寄与(または寄与の規模感)が開示されること、あわせて日程が遅れた経緯について決算説明資料などで何らかの説明があること、(c)DOEと累進配当のどちらが実際の下限なのかが説明資料で明確になるか、代表権の整理について何らかの方向性が示されること、が挙げられます。(a)に加えて(b)(c)のいずれかで⑤が○と判断できれば、Aへの格上げを検討します。

評価ランクの凡例
クリックして評価ランクの説明を見る

S:非常に優れている/A:優れている/A-:Aの要件を満たすがBに近い注意点がある/B+:Bの要件を満たしAに近い水準にある/B:良好/B-:Bの要件を満たすがCに近い注意点がある/C+:Cの要件を満たしBに近い水準にある/C:やや懸念がある/C-:Cの要件を満たすがDに近い注意点がある/D:懸念が大きい/E:重大な懸念がある

※評価体系をS/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「+(プラス)-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。

⑤ 適正株価試算(普通配当逆算法)

前提:現在株価3,200円(9/17終値、年初来高値)、予想配当145円、配当利回り4.53%、予想EPS250.60円です。

シナリオ別試算

シナリオ想定配当額想定利回り適正株価前提
強気165円4.0%4,125円中計最終年度(28/3期)に既存事業の営業利益42億円(今期予想比+18%)を達成し、EPSが約290円台に伸びると想定。配当性向を現状並み(56〜58%)に保てば、165円前後への増配が視野に入ります。
中立145円4.5%3,222円会社予想をそのまま使用。
保守的145円5.0%2,900円増配なしで横ばい。成長が止まると市場が見なした場合の要求利回りです。
弱気約116円5.5%約2,109円下記の前提条件を参照。

弱気シナリオ:「方針を曲げざるを得ない前提条件」

累進配当の方針を撤回し、DOE13%の下限だけを適用するケースです(株主資本約87億円×13%≒11.3億円÷約975万株)。撤回に至る状況としては、次のように利益と自己資本が同時に傷むケースが考えられます。

  • 複合機ストックの縮小や電力小売りの逆ザヤで、純利益が15億円台以下に落ち込む
  • M&Aののれん減損や大型買収による借入増で、自己資本比率が40%を下回る

現在株価3,200円は、中立シナリオ(3,222円)とほぼ同水準です。みんかぶ様の目標株価2,314円は、保守的と弱気の中間にあたります。

BPS×適正PBRとの2点セット確認

基準BPSPBR3.0倍PBR3.5倍PBR4.0倍
1Q末 857.75円2,573円3,002円3,431円
期末見込み 約970円(期末株主資本約91億円÷約939万株、概算)2,910円3,395円3,880円

現在の株価は、1Q末BPSベースではPBR3.73倍で、同社が示す過去レンジ(14/3期以降1.0〜3.5倍、補足資料p35)の上限を超えています。ただし、期末見込みBPSでは約3.3倍となり、期末配当の支払いで1QのBPSが季節的に低く見えている点を割り引く必要があります。ROE約29%は、同社が認識する株主資本コスト4.4%を大きく上回っており、高PBRには一定の根拠があると考えられます。配当法(中立3,222円)とPBR法(期末BPS×3.3〜3.5倍で約3,200〜3,400円)は、おおむね同じ価格帯を示しています。

所長ダル
現在の株価は、どのあたりに位置していると考えればよいでしょうか。
車野アナリスト
配当逆算法の中立シナリオ(3,222円)とほぼ同水準です。PBR法でも、期末見込みBPSを使えば同じような価格帯になりますので、両方から見て「適正圏の上限付近」と考えられます。
所長ダル
みんかぶ様の目標株価とはかなり差がありますね。
車野アナリスト
はい。みんかぶ様の目標株価は2,314円、理論株価も2,542円でいずれも「割高」判定です。ただし証券アナリストの予想人数は0人で、第三者による業績予想の裏づけがない点は留意が必要と考えられます。カバレッジの薄さ自体が、同社の課題とするPERディスカウント(12.8倍対プライム平均16倍)の一因とも考えられます。

全シナリオが崩れる条件

  • ITインフラ(売上の約79%)の主力ストックが崩れる:複合機市場の縮小加速でMFPのカウンター収入が減る、または電力小売りの調達価格高騰で逆ザヤに陥る
  • M&A・PMIで失敗する:大型案件で高値づかみをし、のれん減損が出る。あるいは借入が50億円上限に近づき、自己資本比率が40%を割り込む
  • 中小企業の景況が急に悪化する:顧客の99%が中小企業のため、倒産増や設備投資の凍結が起きれば、フロー・ストックの両方に波及すると考えられます
  • AIによる代替や価格競争でDXの採算が崩れる:解約率が2%を超えて悪化し、MRRが減少に転じる
  • 株主還元方針が後退する:累進配当の撤回や、DOE下限の引き下げ

まとめ

所長ダル
今回のスターティアさんのQ1決算、まとめると総合スコアはA→A-ということでしたが、これは業績が悪化したわけではないのですね。
車野アナリスト
はい。1Qの業績はむしろ前回想定を上回る立ち上がりで、営業利益は過去最高です。今回の表記変更は、v1.8で新設された「実体を伴う△が一つでもあればA以上にしない」というルールを適用した結果で、経営方針の透明性の項目に残る△が主因です。
所長ダル
外部の評価はどうなっているのでしょうか。
車野アナリスト
みんかぶ様の目標株価は2,314円、理論株価は2,542円で、いずれも現在株価3,200円を下回る「割高」判定です。ただし証券アナリストの予想は0人で、第三者による裏づけはありません。配当逆算法の中立シナリオ(3,222円)とほぼ同水準にありますので、「適正圏の上限付近」と考えられます。配当利回り4.53%は前回(4.73%)から低下し、PBRも過去レンジの上限を超えています。信用倍率の上昇(7.26倍)も合わせると、短期的には上値の重さに注意が必要な局面の可能性があります。
所長ダル
長期で配当を目的に持つ場合は、どう捉えればよいでしょうか。
車野アナリスト
業績は1Q過去最高で、DOEと累進配当の二重の下支えがあります。試算上のDOEは約16%と余裕もあり、配当の持続性は高いと考えられます。11月の中間決算では、中間の連結キャッシュ・フロー計算書で配当原資を確かめることと、中間配当の修正の有無を見ることが最重要のポイントになります。権利取りの動きが一巡した後の押し目を待つのも一案です。
所長ダル
強気に見た場合の根拠も教えてください。
車野アナリスト
ROE約29%、ストック比率が50%目前、DX利益率19.7%と、利益構造が改善しています。中期経営計画の既存事業営業利益42億円の達成と、ロールアップM&Aの寄与が上乗せされれば、165円前後への増配とPERの見直しの両方が期待できる可能性があります。なお、新卒73名分の人件費を吸収したうえでの1Q過去最高という点や、信用倍率7倍台への上昇と年初来高値の関係、そして「AIはSaaSの脅威か」という論点に対し、同社が中小企業のSaaS導入率を16%程度とみている点なども、今後注目したい話題と考えられます。
所長ダル
今回も丁寧に見ていただき、ありがとうございました。11月の中間決算では、中間の営業CFと電通システムの譲受完了状況を確認できそうですね。
車野アナリスト
はい。中間の連結キャッシュ・フロー計算書、電通システムの譲受完了と業績寄与の開示、そして代表権の整理やDOE・累進配当の位置づけに関する説明——この3点が次回の最重要チェックポイントになると考えられます。

免責事項

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情報基準日:2026年9月17日

本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。

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