こんにちは、高配当研究所です。
以前、当研究所ではスペースX(SpaceX)のIPOについて解説しました。その後、2026年6月12日にNasdaq市場へ上場(ティッカー:SPCX)し、8月4日には上場後初めての決算となる2026年第2四半期(4〜6月)の決算が発表されました。
今回は、所長から「決算ってどうだったんですか?」という質問を受けましたので、SpaceXが公表した決算資料(Earnings Update)と決算説明会の書き起こし(Transcript)をもとに、車野アナリストと一緒に読み解いていきます。
そもそもSpaceXって、どんな事業をしている会社?
所長ダル


| 部門 | 主な事業 | Q2売上 | 営業損益 |
|---|---|---|---|
| Space(宇宙) | ロケット打ち上げ、Starship開発、宇宙船、月着陸船 | 約9.6億ドル | 赤字 |
| Connectivity(通信) | Starlink(個人・法人・政府向け)、スマホ直接通信 | 約42.9億ドル | 黒字 |
| AI | Grok、X(旧Twitter)、AIクラウド、Cursor(買収手続き中) | 約25.6億ドル | 赤字 |
出典:SpaceX 2026年第2四半期決算資料(Earnings Update)
Space(宇宙・ロケット)部門
Falcon 9・Falcon Heavy(打ち上げサービス)
再利用できるロケットで、人工衛星などを宇宙へ運ぶ事業です。決算説明会でイーロン・マスク氏は、世界の軌道投入量の8〜9割をFalconが担っていると述べています。ただし、打ち上げの多くは自社のStarlink衛星向けです。
Starship(次世代大型ロケット)
完全再利用を目指す超大型ロケットで、現在は開発段階です。打ち上げコストを大幅に下げることが期待されており、宇宙部門の研究開発費の大部分がここに使われていると考えられます。
Dragon(宇宙船)
NASAなどの依頼で、宇宙飛行士や物資を国際宇宙ステーションへ運ぶ宇宙船です。
HLS(有人月着陸システム)
NASAのアルテミス計画向けの月着陸船で、Starshipを使います。決算説明会では、2028年の月面着陸を目指すと語られていました。
Connectivity(通信)部門
Starlink(個人向け衛星インターネット)
約1万200基の衛星を使い、世界167の国・地域で提供されている衛星インターネットです。加入者は約1,200万人で、現在の会社の稼ぎ頭です。
Starlink法人向け(航空・海運など)
航空機内Wi-Fiや船舶向けの通信サービスです。今期はアメリカン航空との大型契約が発表されています。
Starshield(政府・安全保障向け)
政府や軍向けの専用衛星ネットワークです。今期、米宇宙軍などから60億ドル超の複数年契約を獲得したとされています。
Starlink Mobile(スマホ直接通信)
地上の基地局を使わず、衛星からスマートフォンに直接電波を届けるサービスです。日本ではソフトバンクやNTTドコモと提携しています。EchoStar社から取得した周波数を使い、来年末の本格サービス開始を目指すとしています。
AI部門
Grok(AIモデル)
傘下のxAIが開発する対話型AIです。7月にGrok 4.5が公開され、年内にGrok 5の公開を予定しているとされています。
X(旧Twitter)
SNSプラットフォームで、広告収入とサブスクリプション収入があります。
AIクラウド(計算資源の貸し出し)
「Colossus」と呼ばれる大規模データセンターの計算能力を他社に貸し出す事業です。顧客としてGoogleやAnthropicの名前が挙がっています。
Cursor(AIプログラミングツール)
AIを使ったプログラミング支援ツールの会社で、600億ドルでの買収が発表されています。決算時点では規制当局の承認待ちで、第3四半期中の完了を見込んでいました。
Starmind(宇宙AIデータセンター衛星)
AI用のコンピューターを衛星として宇宙に打ち上げる構想です。来年から打ち上げを始める予定と語られていました。






決算の全体像:売上はほぼ倍増、赤字も縮小






| 項目 | 2026年Q2 | 前年同期 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 78.1億ドル | 40.7億ドル | +92% |
| 営業損益 | ▲1.4億ドル | ▲9.7億ドル | 赤字縮小 |
| 純損益 | ▲5.4億ドル | ▲10.1億ドル | 赤字縮小 |
| 調整後EBITDA | 35.4億ドル | 12.1億ドル | +191% |
| 設備投資 | 183.7億ドル | 28.3億ドル | 約6.5倍 |
出典:SpaceX 2026年第2四半期決算資料(Earnings Update)






なお、Sahi様の記事(2026年8月5日)によりますと、SPCX株は決算発表後の時間外取引で約8%下落したと報じられています。売上が市場予想を上回った一方で、設備投資も予想を大きく上回ったことが、市場で意識された可能性があります。
部門別に見ると、3つの事業の性格はまったく違う
Connectivity(Starlink):稼ぎ頭であり、安定感がある
| 項目 | 2026年Q2 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 42.9億ドル | 25.9億ドル(+66%) |
| うち法人・政府向け | 18.1億ドル | 8.7億ドル(+108%) |
| 営業利益 | 16.6億ドル | 9.2億ドル(+79%) |
| 営業利益率 | 約38.6% | 約35.7% |
| 加入者数 | 1,200万人 | 600万人(倍増) |
| ARPU(1人あたり月額) | 66ドル | 85ドル(約22%低下) |
出典:SpaceX 2026年第2四半期決算資料(Earnings Update)









ARPU(Average Revenue Per User)は、利用者1人あたりの平均売上のことです。加入者が増えても単価が下がれば、売上の伸びは加入者数の伸びほど大きくなりません。通信会社の決算では、加入者数とセットで確認したい指標の一つです。
AI部門:急成長しているが、中身の見極めが必要
| 項目 | 2026年Q2 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 25.6億ドル | 7.4億ドル(+247%) |
| うちAIソリューション・インフラ | 21.9億ドル | 3.1億ドル |
| うち広告(X) | 3.7億ドル | 4.3億ドル(約14%減) |
| 営業損益 | ▲12.6億ドル | ▲15.2億ドル |
| 調整後EBITDA | +11.5億ドル(黒字化) | ▲2.8億ドル |
| 減価償却費 | 18.9億ドル | 8.1億ドル |
| 設備投資 | 158.3億ドル | 7.5億ドル |
出典:SpaceX 2026年第2四半期決算資料(Earnings Update)












調整後EBITDAは、会計ルール(GAAP)で定められた指標ではなく、会社が独自に定義した利益の指標です。SpaceXの場合、純損益から減価償却費、株式報酬、支払利息などを足し戻して計算しています。今期は全社で減価償却費が約28.5億ドル、株式報酬が約8.3億ドルあり、調整後EBITDA(35.4億ドル)と純損益(▲5.4億ドル)の間には大きな開きがあります。設備投資が大きい企業ほど、両方の数字を並べて確認することが大切と考えられます。
Space(ロケット)部門:研究開発の真っ最中
| 項目 | 2026年Q2 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上 | 9.6億ドル | 7.5億ドル(+29%) |
| 営業損益 | ▲5.4億ドル | ▲3.7億ドル(赤字拡大) |
| 研究開発費 | 10.8億ドル | 6.9億ドル |
| 打ち上げ回数 | 38回 | 46回 |
| 軌道投入量 | 485トン | 652トン |
出典:SpaceX 2026年第2四半期決算資料(Earnings Update)









キャッシュフロー:ここがいちばん大事なポイント






| 項目(2026年1〜6月) | 金額 | 意味 |
|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | +34.7億ドル | 本業で稼いだお金 |
| 設備投資 | ▲284.8億ドル | データセンター・衛星・ロケットなどへの投資 |
| 財務キャッシュフロー | +1,002.9億ドル | IPOや社債で集めたお金 |
出典:SpaceX 2026年第2四半期決算資料(Earnings Update)









現在のSpaceXは、本業の稼ぎを大きく上回る設備投資を、上場時に集めた資金で支えている段階と考えられます。この投資が将来の売上と利益にどれだけつながるかが、今後の決算で最も注目したい点の一つと言えそうです。
その他、決算資料から気になった点
関連当事者からの借入



「年末にARR1,000億ドル」という見通し






ARR(Annual Recurring Revenue)は、ある時点の月間売上などを年換算した数字です。「1年間で実際に1,000億ドルを売り上げる」という意味ではなく、「12月のペースが1年続けば1,000億ドルになる」という意味合いになります。
顧客の集中



本記事は、AI(Claude/Anthropic社)を活用して作成しています。今回の決算説明会では、Anthropic社がSpaceXのAIクラウドの顧客として言及されています。記事作成にあたっては公平な記述に努めていますが、透明性の観点からお知らせいたします。
経営陣の壮大なビジョンと、実際の数字は分けて考える






評価できる点と、慎重に見たい点
評価できる点
- Starlinkは売上・利益ともに大きく伸び、利益率も改善している
- AIクラウド契約は141億ドル分が確定し、決算後にも67億ドル分が追加されている
- 純損失は前年のほぼ半分に縮小した
- 手元資金が約1,000億ドルと厚く、当面の資金繰りの不安は小さいと見られる
・上半期の設備投資は本業の稼ぎ(営業キャッシュフロー)の約8倍で、この水準が年内続く見通しです。
・調整後EBITDAと、実際の損益との差が大きくなっています。
・Starlinkの単価(ARPU)低下や、Xの広告収入の減少が見られます。
・将来の見通しの多くが、経営陣の強気な発言に依存しています。
「今買えば、テスラのように何十倍」は現実的?






| 項目 | テスラ | SpaceX |
|---|---|---|
| 上場年 | 2010年 | 2026年 |
| 上場時の時価総額(概算) | 約17億ドル | 約1兆7,500億ドル |
| 規模の差 | ― | テスラの約1,000倍 |
※テスラの数値は上場当時に一般に報じられた概算値、SpaceXはIPO時の報道(Reuters様)に基づく評価額です。



SpaceXが「10倍」になると、どのくらいの規模?









年率に直すと、ハードルの高さが見えてくる
| 目標 | 10年で達成する場合 | 15年で達成する場合 |
|---|---|---|
| 2倍 | 年率 約7.2% | 年率 約4.7% |
| 3倍 | 年率 約11.6% | 年率 約7.6% |
| 10倍 | 年率 約25.9% | 年率 約16.6% |
※当研究所による単純計算です。



一方で、「数倍」のシナリオは描ける






売上1兆ドル × 利益率20% × PER30倍 = 時価総額 約6兆ドル
→ 上場時の評価額(約1.75兆ドル)の約3.4倍
ただし、今期の売上を年換算すると約310億ドルです。売上1兆ドルは、その30倍以上にあたります。会社側の非常に強気な目標がすべて実現した場合の試算である点にご注意ください。



見落とされがちな「希薄化」



似た規模で上場した先例









車野アナリストの総括
上場後初めての決算は、売上がほぼ倍増し、赤字も縮小するなど、事業の勢いが感じられる内容だったと考えられます。特にStarlinkは、利益率の改善も伴った質の高い成長を見せています。
一方で、AIを中心とした設備投資は本業の稼ぎを大きく上回っており、その資金はIPOと社債で集めたお金に支えられています。この巨額の投資が、将来どれだけの売上と利益を生むかが、今後の最大の注目点と言えそうです。
また、「テスラのように何十倍」という期待については、スタート地点の規模の違いを考えると、慎重に受け止めたほうがよいかもしれません。SpaceXが優れた企業であることと、今から株価が何十倍になるかは、別の問いとして考えることが大切と思われます。






参照資料
・SpaceX「SpaceX Reports Second Quarter 2026 Results」(Earnings Update、2026年8月4日)
・SpaceX「Second Quarter 2026 Webcast Edited Transcript」(2026年8月4日)
・SpaceX 投資家向け情報サイト:https://ir.spacex.com/
・Sahi様「SpaceX Q2 2026 Earnings: Starlink Profit, AI Capex and the SPCX Drop」(2026年8月5日):https://www.sahi.com/blogs/spacex-q2-2026-earnings-starlink-ai-capex-spcx-stock
・Reuters様(SpaceX IPOに関する報道、2026年6月)
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。
情報基準日:2026年9月21日(決算数値は2026年8月4日発表の決算資料に基づきます)
本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。
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