【高配当研究所 ニュース解説】~高利回りの仕組みを、のぞいてみた。 THE 5Gから学ぶ”予想分配金提示型”の仕組み~
2026
8/31
車野さん、最近エックス(旧Twitter)を見ていたら「THE 5Gってすごい利回りらしい」みたいな投稿をよく見かけるんです。5G関連の投資信託みたいなんですが、これって高配当株の代わりになったりするんでしょうか?
所長、良いところに目をつけられましたね。THE 5G、たしかに最近SNSでよく話題になっていますね。ただ結論から申し上げますと、これは高配当株の代替というよりも、性格がまったく異なる商品です。今日はその中身と、なぜ今「高利回り」に見えているのか、その仕組みを一緒に見ていきましょう。
目次
THE 5Gとは何か
そもそもTHE 5Gって何の略なんですか?株じゃなくて投資信託なんですよね?
はい、正式名称は「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」、運用会社は三井住友トラスト・アセットマネジメントです。5G(第5世代移動通信システム)をはじめとする次世代通信技術の恩恵を受けそうな、日本を含む世界の企業に投資するテーマ型のファンドですね。ファンド・オブ・ファンズ方式で運用されています。
ここで一点、大事な注意点があります。実は「THE 5G」という名前のファンドは2種類存在するんです。
一つは通常型(決算は年1回)。もう一つが、所長が話題にされている「予想分配金提示型」で、こちらは毎月決算・毎月分配のタイプです。同じ運用戦略をベースにしていますが、分配の仕組みが全く違います。SNSで「高利回り」と騒がれているのは、ほぼ間違いなく後者の毎月分配型だと思われます。
同じ名前で2種類あるのは紛らわしいですね……。気をつけないと。
おっしゃる通りです。投資信託あるあるなのですが、「愛称」だけで検索すると別商品を混同してしまうことがよくあります。購入前には必ず正式名称とコード番号を確認する癖をつけていただきたいですね。
気になる分配金の実績
では、その毎月分配型のほうの分配金の実績を教えてもらえますか?
承知しました。1万口あたりの年間分配金合計で見ていきましょう。
2022年:0円
2023年:0円
2024年:2,700円
2025年:3,200円
2026年(1〜8月):すでに3,400円。しかも5月以降は毎月500円が4か月連続で続いています
直近の基準価額はおよそ14,583円(2026年8月28日時点)ですので、単純に直近12か月分の分配金合計(約5,000円)を基準価額で割ると、利回りはおよそ34%という計算になります。
34%!?それは確かに「高利回り」って言いたくなる数字ですね……。
数字だけ見るとインパクトがありますよね。ただ、ここで注目していただきたいのが2022年・2023年の「まる2年間、分配金ゼロ」という実績です。これ、実は所長の疑問にも直結する重要なポイントなんです。
そうそう、それなんです!立ち上げから数年間ずっと無配だったのに、最近になって急に配り始めた気がして……。これって単に私が知らなかっただけなんでしょうか?
なぜ急に配り始めたのか──「予想分配金提示型」という仕組み
いいえ、所長が知らなかったからではなく、これはこのタイプのファンドに共通する「設計」そのものなんです。
THE 5G(予想分配金提示型)のようなファンドは、「決算日の前営業日の基準価額の水準に応じて、あらかじめ決められたルール表に沿って分配額が決まる」という仕組みを採用しています。イメージとしては、たとえば基準価額が1万円から1万1,000円なら分配金100円、1万1,000円から1万2,000円なら200円、1万2,000円から1万3,000円なら300円というふうに、基準価額の水準ごとに分配額があらかじめ決まっているんです(実際の対応表はファンドごとに異なるので、目論見書で確認が必要です)。
つまり、基準価額が上がれば自動的に分配も増える仕組みってことですね。
まさにそうです。逆に言えば、基準価額が低迷している間はルール上、無配やごく少額の分配にとどまります。THE 5Gの2022〜2023年の無配は当時の基準価額の低迷を反映したもので、2025年後半以降の増配は、基準価額が大きく回復・上昇したこと(直近1年のトータルリターンはプラス50%超)を映した結果と考えられます。
なるほど、偶然じゃなくて「そういう仕組みだから」なんですね。
はい。ちなみにこの仕組みが生まれた背景も知っておくと理解が深まります。かつて人気を集めた毎月分配型ファンドは、運用益が出ていないのに無理に分配を続けて基準価額を目減りさせる、いわゆる「タコ足分配」が問題視され、金融庁からも長期の資産形成には不向きだと指摘されていました。その反省を踏まえて登場したのが、基準価額の水準に応じて分配額を決める「予想分配金提示型」という新しい設計なんです。
「高利回り=おいしい」とは限らない理由
なるほど、だから最近エックスで高配当の投資信託のことをツイートしてる「驚き屋」が多いのですね(笑)高値圏だからか😓
所長、鋭いご指摘です(笑)。まさにその通りで、SNSで「利回り〇%!」と取り上げられるタイミングは、往々にして基準価額が上昇して分配額のルールが一段上がった直後であることが多いんですよね。
これは発信している方々が悪意を持っているというより、「予想分配金提示型」という仕組み自体が、構造的にそういう見え方を作り出してしまう面があると理解していただくのが良いと思います。分配が厚い時期は、裏を返せば基準価額が上昇している時期=高値圏である可能性が高い、ということです。逆に分配が少ない・無配の時期は、基準価額が下落し割安になっている可能性もあります。
「利回りの高さ」だけを見て飛びつくと、実は高値掴みになりかねないってことですね……。
その通りです。分配水準だけを見て売買判断をすると、「高く買って安く売る」結果になりやすい、というのはこのタイプのファンドではよく指摘される注意点です。利回りの数字は、あくまで「今、基準価額がどの水準にあるか」を映した結果であって、将来の利回りを保証するものではない、という点は強調しておきたいですね。
個人投資家が押さえておきたい注意点
いくつかございます。順にご説明しますね。
①リスクの高さ
THE 5G(予想分配金提示型)のリスクメジャーは5段階中最高の「5(高い)」です。直近1年の標準偏差(値動きの大きさ)は約41%と、同カテゴリー平均(約19%)の倍以上あります。テーマ・セクター集中型ファンドですので、値動きは相当激しいと考えておいたほうがよいでしょう。
②コストの高さ
購入時手数料は税込3.3%と、ノーロード(購入時手数料無料)のインデックスファンドと比べると決して低くありません。加えて、こうした高頻度分配・アクティブ運用のファンドは、信託報酬が年1.3〜1.8%程度、実質コストが1.7%前後になるケースが一般的とされています。長期保有するほど、このコストの差はじわじわ効いてきます。
③新NISA非対応
毎月決算型(毎月分配型)のファンドは、2024年開始の新NISAの対象から除外されています。純資産から毎月分配金を支払う仕組み上、複利効果が期待しづらいというのが理由です。THE 5G(予想分配金提示型)のような毎月分配型は、新NISAの成長投資枠では基本的に利用できない点も押さえておいていただきたいです。
④分配金の中身
分配金には、運用益から支払われる「普通分配金」と、実質的に元本の一部を払い戻す「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。どちらの割合で構成されているかによって、実質的な運用成果としての評価は変わってきます。この内訳は運用報告書で確認できますので、気になる方はチェックしてみてください。
思っていた以上に、高配当株とは違う目線で見ないといけない商品なんですね。
そもそも、なぜこんな利回りが出せるのか?──合法ファンドと詐欺との決定的な違い
たしかにそうですね!利回り30%!って言ってるのはファンドとは関係のない「驚き屋」で、しかも30%はたまたま良かった最高記録の話で、それがずっと続くとは当の「驚き屋」ですら言っていない話ですもんね😓
所長、その通りです。ここで少し立ち止まって、そもそも「利回り30%」という言葉の意味を整理しておきましょう。世間では「年利10%でも怪しい」と言われる中で、それを大きく上回る数字が”合法な金融商品”として紹介されている——この対比に違和感を持たれるのは、投資を勉強された方なら当然の反応だと思います。
大事なのは、「分配金利回り」と、詐欺でよく使われる「年利〇%保証」は、似た数字に見えてまったく別の性質のものだ、という点です。
「年利保証」は、これから先も決まった利率のリターンを”約束”するものです。まっとうな金融商品で、元本保証かつ市場平均を大きく超える利率を確約できるものは存在しません。一方、投資信託の「利回り34%」というのは、あくまで過去1年間に実際に支払われた分配金の合計を、今の基準価額で割っただけの、過去の実績値 です。将来の分配や運用成果は一切保証していませんし、その中身には投資家自身の元本が戻ってきているだけの部分(元本払戻金)が混ざっている可能性もあります。「未来への約束」か「過去の機械的な計算結果」か、という点がそもそも違うんです。
なるほど、”未来の約束”じゃないから、詐欺の年利保証とは違うんですね。でも、じゃあ運用会社はどこで儲けているんですか?
良い質問です。運用会社の収益源は、ファンドの運用成績そのものではなく信託報酬 、つまり預かっている純資産残高に対して日々差し引かれる手数料(年1.3〜1.8%程度が一般的)です。つまり運用会社にとっては、「本当に儲かっているか」よりも「どれだけ多くのお金を集め、預かり続けられるか」が直接の収益に結びつく構造になっています。「魅力的に見える分配実績」は、資金を集めるための一つの要素になり得る、というわけですね。
それって、詐欺の仕組みとちょっと似ている気もしますが……。
着眼点は近いですが、決定的に違う点があります。それは
情報開示と保証の有無 です。THE 5Gのような投資信託は、目論見書や運用報告書で「元本は保証されません」「分配金水準は将来を約束するものではありません」「運用状況により分配金が変動・停止する場合があります」と、法令に基づいて明確にリスクを開示しています。一方、投資詐欺の多くは、こうしたリスク開示がなく「元本保証」「絶対儲かる」といった断定的な表現で勧誘し、資金の運用実態も不透明であることが典型的です。
同じ「高利回り」という言葉でも、リスクを開示した上での過去実績なのか、リスクを隠した将来の確約なのか ——ここを見分ける目を持つことが、投資家としての自己防衛につながります。
「利回りの数字」だけでなく、「その数字が何を意味しているか」まで見る癖をつけないといけないですね。
まさにそれが今日一番お伝えしたかったことです。SNSの「驚き屋」的な発信を悪者にする必要はありませんが、数字の裏側にある仕組みを知っているかどうかで、受け取り方は大きく変わってくると思います。
まとめ:所長の学び
今日のポイントを整理しますと、
THE 5Gには「通常型」と「予想分配金提示型(毎月分配)」の2種類があり、混同しやすい
「予想分配金提示型」は基準価額の水準に応じて分配額があらかじめ決まる仕組みで、無配から分配再開という動きは偶然ではなく設計そのもの
分配が厚い=基準価額が高い水準にある可能性が高く、利回りの数字だけで飛びつくのは危険
リスクメジャー5・購入時手数料3.3%・新NISA非対応など、コストとリスクの面でも注意が必要
という点になります。私たち高配当研究所が普段扱っている、安定した業績を背景に配当を出し続ける高配当株とは、そもそもの性格がかなり異なる商品だとご理解いただければと思います。
車野さん、今日もありがとうございました。SNSの「利回りすごい」だけで判断せず、まずは仕組みを調べる癖をつけようと思います。
それが何より大切な姿勢です。所長のファイア(早期リタイア)への道のりも、こうした一つひとつの理解の積み重ねが土台になりますからね。引き続き、一緒に見ていきましょう。
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行ってください。本記事に記載した個別ファンドの基準価額・分配金実績・運用成績等のデータは記事作成時点のものであり、将来の運用成果を示唆または保証するものではありません。投資信託は預金とは異なり元本が保証された商品ではなく、基準価額の下落により投資元本を割り込むおそれがあります。ご購入にあたっては、必ず最新の目論見書・契約締結前交付書面等をご確認のうえ、金融商品取引業者等を通じてご自身でご判断ください。
本記事はAI(人工知能)が生成した文章を基に構成されています。内容の正確性については十分な確認を行っておりますが、誤りや情報の古さが含まれる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
なお、記事中に登場する「車野蔵人」は架空のキャラクターであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
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