【高配当研究所】オークネット(3964)利回り5.55%の”中身”を分解する|82円のうち39円は今回限りの特別配当だった

目次

はじめに

「高配当株研究所」へようこそ。当ラボでは、配当生活・FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す方々に向けて、高配当株の銘柄分析を行っています。私(所長)は投資初心者レベルで、読者の皆さんと同じ目線から素朴な疑問を投げかける役割を担っています。

本日は、業者間(BtoB)のネットオークション運営を手がける株式会社オークネット(AUCNET INC.、証券コード:3964)について、エキスパート投資アナリストの車野蔵人(くるまの くろうど)さんに解説していただきます。

2026年12月期第2四半期は増収増益・2期連続の上方修正と、本業は絶好調です。一方で、現在の配当利回り5.55%のうち約半分にあたる39円は「今回限りの特別配当」であり、普通配当ベースでは2.91%まで下がります。「この利回りをどう読み解けばいいのか」——そこが今回の最大の論点です。ぜひ最後までお付き合いください。

※本レポートの株価(1,477.0円)は2026年8月13日終値時点のものです。同社は8月4日に通期業績予想の上方修正、および特別配当・特別株主優待の実施を発表しています。

所長ダル
配当利回りが5.55%超って、すごく魅力的に見えますが、やはりあとは持っているだけでいいというわけにはいかないですよね?
車野アナリスト
鋭いご指摘です。実はオークネットの配当利回り5.55%は、年間配当82円のうち39円、約48%が今期限りの「特別配当」によるものなんです。普通配当43円だけで計算すると、利回りは2.91%まで下がります。まずはこの内訳を正しく理解することが、この銘柄を読み解く出発点になります。
所長ダル
なるほど、利回りの数字だけを鵜呑みにしてはいけないんですね。それでは会社の概要から見ていきましょう。

会社概要

項目内容
正式名称株式会社オークネット(AUCNET INC.)
証券コード3964(東証プライム)
創業1985年6月29日
決算期12月31日
資本金1,807百万円(2025年12月末)
連結従業員数1,119名(2025年12月末)
時価総額1,418億6,998万円(IRBANK様・2026年8月13日)
代表者代表取締役社長CEO 藤崎慎一郎
主な事業業者間ネットオークションの運営。中古自動車・中古バイク(モビリティ&エネルギー)、中古スマートフォン/PC・ブランド品・アパレル・酒類(ライフスタイルプロダクツ)の2本柱。出品・落札手数料、月会費、車両検査料が主な収益源

出典:2026年12月期第2四半期決算説明資料 P.9, P.28、みんかぶ様

自ら在庫を持って売買するのではなく、出品・落札の手数料と月会費、車両検査料が主な収益源という点が特徴で、取扱高が伸びれば利益率が上がりやすい構造です。上期の取扱高総額は4,440億円(前年同期比+22.0%)に対し、売上高は379億円となっています。

主要財務指標一覧

※ 数値の出典:決算短信P.1、決算説明資料P.3, P.20, P.25、みんかぶ様・IRBANK様

指標2025年12月期(実績)2026年12月期(予)
売上高64,139百万円75,000百万円(+16.9%)
営業利益(利益率)9,517百万円12,000百万円(+26.1%)
当期純利益5,921百万円7,800百万円(+31.7%)
EPS(1株当たり純利益)64円93銭※85円91銭
年間配当(1株当たり)29円00銭※82円00銭(普通43円+特別39円)
配当性向44.7%95.5%
自己資本比率51.9%(前期末)49.66%(2026年6月末)
ROE26.29%(連・予)
PER17.2倍(連・予)
PBR4.52倍(連)
配当利回り(参考)5.55%(普通配当ベースでは2.91%)
現在株価(参考)1,477.0円(2026年8月13日終値)
みんかぶ目標株価1,232円

※EPS・配当は株式分割考慮後の数値です(2025年4月1日・2026年4月1日にそれぞれ1株→2株の株式分割を実施)。

2026年12月期 第2四半期(中間期)実績

項目FY2026 2Q累計FY2025 2Q累計前年同期比
売上高37,983百万円32,532百万円+16.8%
営業利益7,082百万円5,836百万円+21.3%
営業利益率18.6%17.9%+0.7pt
EBITDA7,680百万円6,340百万円+21.1%
経常利益7,154百万円5,716百万円+25.1%
親会社株主帰属中間純利益4,820百万円3,703百万円+30.2%
1株当たり中間純利益53円11銭40円37銭+12円74銭
営業CF8,183百万円11,370百万円▲3,187百万円
取扱高総額444,042百万円+22.0%

出典:2026年12月期第2四半期決算短信P.1、決算説明資料P.3, P.9, P.25

自己資本比率について補足

2026年6月末の自己資本比率は49.7%(前期末51.9%)と低下していますが、これは「オークション借勘定」が205億円と前期末比54億円増加したことが主因です。これは落札代金の一時的な預り金に近い性質で、取扱高の増加に伴って両建てで膨らむ勘定であり、実質的な財務悪化とは異なる性質と考えられます。

EPS推移と配当の関係

高配当株の「落とし穴」とEPSの関係

所長ダル
配当性向が今期は95.5%まで上がっているんですね。これって少し危ういサインだったりしませんか?
車野アナリスト
良い着眼点です。配当はあくまでEPS(1株当たり純利益)の範囲内から支払われるものですから、配当性向が急上昇したときはまず「なぜ上がったのか」を確認する必要があります。オークネットの場合は、特別配当39円が上乗せされたことが主因で、普通配当43円だけを見れば配当性向は約50%にとどまります。中計「Blue Print 2027」でも配当性向50%以上という下限方針が明示されており、この水準自体は経営方針の範囲内と考えられます。
所長ダル
では、EPSそのものはどう推移してきたんでしょうか?実際のデータを見てみたいです。

※2025年4月1日・2026年4月1日にそれぞれ1株→2株の株式分割を実施。下表はすべて分割調整後の数値です。

決算期EPS(円)1株配当(円)配当性向(%)備考
2018年12月15.556.5041.8前期比▲7.1%
2019年12月12.746.5051.0減益も配当据置
2020年12月17.145.2530.6増益・配当性向を30%水準に
2021年12月32.6410.0030.6EPS+90.4%の急拡大
2022年12月39.8712.0030.1自己株取得31.6億円
2023年12月43.9513.2530.1自己株取得37.5億円
2024年12月47.1119.0040.3期末配当を大きく増額、総還元性向56.9%
2025年12月64.9329.0044.740周年関連施策・自己株取得35億円、総還元性向104.4%
2026年12月(予)85.9182.0095.5普通配当43円+特別配当39円、株式分割(4月1日)

出典:IRBANK様(株式指標・配当情報・配当履歴)、2026年12月期第2四半期決算短信P.1

読み取りポイント:EPSは2019年の12.74円を底に、2026年予想85.91円まで一貫して右肩上がりで推移しています。2020年から2023年にかけて配当性向は30%前後で安定していましたが、2024年40.3%→2025年44.7%→2026年予想95.5%と、還元姿勢が段階的に、そして今期は急激に強化されています。2025年の総還元性向104.4%(配当+自己株買い58.2億円)は、稼いだ利益をすべて還元に回した水準です。

このEPS推移から何が言えるか

車野アナリスト
このEPS推移から、三つの点が読み取れます。まず「増配余地」についてです。今期予想EPSは85.91円で、これに配当性向50%方針を当てはめると普通配当は将来43円を超えて伸びる余地があります。次に「特別配当の性質」です。39円の特別配当は中計「Blue Print 2027」のM&A投資枠70億円のうち35億円を原資とする、今回限りの措置と明記されています。来期はこの39円が剥落する前提で見る必要があります。最後に「注目ポイント」です。来期に配当が82円→43円へ戻ったとき、これは減配ではなく特別配当の剥落ですが、表面的な数字だけを見ると「減配された」と誤解されやすい点には注意が必要です。
所長ダル
要するに「普通配当43円がEPS成長とともに積み上がっていくかどうか」を見ていく必要があるということですね。それをしっかり追いかけていきます!

所長×アナリスト対談

テーマ① 利回り5.55%の”正体”——82円のうち39円は今回限り

所長ダル
配当利回りランキングで見ると5.55%はかなり上位に来る数字だと思うのですが、この中身をもう少し詳しく教えてください。
車野アナリスト
年間配当82円の内訳は普通配当43円+特別配当39円です。特別配当39円は、中期経営計画「Blue Print 2027」でM&Aへの投資枠として設定した70億円のうち、半分の35億円を原資とする今回限りの措置と明記されています(決算説明資料P.21)。普通配当だけで計算すると利回りは2.91%となり、いわゆる「高配当株」の範疇からは外れます。
所長ダル
なるほど、来期にもし82円から43円に戻ったとしても、それは「減配」とは言えないわけですね。
車野アナリスト
その通りです。決算短信P.1の注記にも「普通配当22円00銭 特別配当39円00銭」(期末分の内訳)と明記されており、確認は30秒あれば済みます。「利回りが高い=高配当株」ではなく、必ず配当の内訳を確認する習慣が大切です。

テーマ② 本業は絶好調——2期連続の上方修正と18.6%の営業利益率

所長ダル
特別配当の話とは別に、本業そのものの調子はどうなんでしょうか?
車野アナリスト
特別配当の話とは切り離して見ても、本業は極めて好調です。上期は増収+16.8%、営業増益+21.3%で、営業利益率も17.9%から18.6%へ改善しました。5月12日と8月4日の1Q・2Qと2期連続で通期予想を上方修正しており、売上高予想は72,000百万円から75,000百万円に引き上げられています。取扱高総額は4,440億円(+22.0%)で、オートモビル事業+24.3%、デジタルプロダクツ事業+21.3%と二本柱がともに二桁成長しています。
所長ダル
在庫を持たない手数料ビジネスだからこそ、取扱高の伸びがそのまま利益率改善につながっているんですね。人材面のコストなどでリスクはありませんか?
車野アナリスト
おっしゃる通り、取扱高の伸びが利益率改善に直結する構造です。人材面については、技術者派遣型ではなくプラットフォーム型(手数料ビジネス)のため該当度は低い銘柄です。なお前年同期に計上されていた従業員向け株式報酬の一過性費用が今期は剥落しており、これも増益要因の一つになっています。「その他」(アグリ・サーキュラーコマース)が213百万円の営業損失を計上していますが、全体への影響は限定的です。

テーマ③ 営業CFが「減った」ように見えるカラクリ——オークション借勘定を読む

所長ダル
上期の営業CFが前年同期より減っているように見えますが、これは心配しなくていいんでしょうか?
車野アナリスト
数字だけ見ると心配になりますが、内訳を見ると別の絵が見えてきます。上期営業CFは8,183百万円で、前年同期11,370百万円から▲3,187百万円の減少です。しかし税金等調整前中間純利益は57.2億円から71.4億円へ増加しており、稼ぐ力そのものは向上しています。差の主因は「オークション借勘定」の増加額が前年87.8億円から今期54.0億円へ縮小したことで、これは落札代金の一時預り金的な勘定が、取扱高の伸びに応じて貸勘定と両建てで膨らむ性質のものです。
所長ダル
つまりCF計算書は「合計額」だけでなく「内訳」で読まないといけないんですね。実際の配当を賄う余力はどうなんでしょうか?
車野アナリスト
オークション貸/借勘定の増減を除いた実質的な営業CFは上期で約58億円と試算され、通期配当総額約74.5億円に対しても、通期ベースでは十分カバーできる水準と考えられます。会社側も「残りの投資枠(35億円程度)および直近の業績好調に伴う営業キャッシュフローの増加により、十分な投資余力を維持できている」と説明しています(決算説明資料P.21)。自己資本比率が51.9%から49.7%へ低下したのも同じ理由によるもので、財務悪化を意味するものではないと考えられます。

テーマ④ 創業家54%の会社に、なぜアクティビストが9%いるのか

所長ダル
大株主を見ると創業家系の会社が過半を持っているようですが、それなら経営権の心配はなさそうですね?
車野アナリスト
おっしゃる通りです。半期報告書の大株主構成では、フレックスコーポレーション40.67%、㈱Blue Peak 10.53%、㈱ナマイ・アセットマネジメント3.04%と、いずれも創業家の資産管理会社であると注記されており、3社合計で54.24%を保有しています。経営権を巡るリスクは低いと考えられます。
所長ダル
でも一部、聞き慣れない名前の株主もいるように見えますが……?
車野アナリスト
よくお気づきになりました。大量保有報告書の変更報告書No.5では、㈱ヴァレックス・パートナーズが2026年3月16日時点で9.18%を保有している旨が記載されています。会社側は中間会計期間末時点の実質所有株式数を確認できていないとして大株主表には含めていませんが、フィデリティ系も合算で6.74%を保有しており、外部投資家の存在感は決して小さくありません。2026年4月の株式分割・優待拡充から、8月4日の特別配当39円・特別株主優待、8月10日の優待Q&A公表と、還元策が短期間に連続している点も指摘できます。ただし因果関係を示す開示はないため、断定は避けるべきと考えられます。

テーマ⑤ PBR4.52倍という壁——配当逆算とBPS法で答えが割れる

所長ダル
株価1,477円という水準は、割高なんでしょうか、それとも割安なんでしょうか?
車野アナリスト
評価手法によって結論が割れるところです。配当逆算法(普通配当43円÷想定利回り2.8%)では1,536円となり、現株価とほぼ整合します。一方でBPS法(BPS326.59円×過去PBR上限3.67倍)では1,199円で、約19%割高という結果になります。現在のPBR4.52倍は2017〜2025年のレンジ(1.07〜3.67倍・IRBANK様)を明確に上抜けた水準です。
所長ダル
どちらの物差しを信じればいいんでしょうか……?
車野アナリスト
みんかぶ様の目標株価1,232円はPBR約3.77倍相当で、過去上限とほぼ整合します。実際、みんかぶ様の評価も割れており、株価診断は「割高」、個人予想は「売り」である一方、アナリストは「強気買い」としています。成長性を評価軸にすればPER17.2倍は割高とは言えませんが、資産価値を評価軸にすればPBRは買われすぎです。どちらの物差しを使うかで結論が変わる、良い教材と言えるかもしれません。なお8月10日発表のJPX日経中小型株指数への採用(8月31日〜)によるパッシブ買い需要も、足元の株価にはある程度織り込まれている可能性があります。

テーマ⑥ 権利日と株主優待、押さえておきたい実務ポイント

所長ダル
特別株主優待やJPX指数の話が出ましたが、実際にいつまでに株を持っていればいいのか、権利日を教えてください。
車野アナリスト
整理しますと、

中間配当21円は2026年6月末基準ですでに権利落ち済みで、支払開始は9月1日です。

特別株主優待は2026年9月2日基準のため、8月31日までの保有が必要と会社Q&Aで明記されています。

期末配当(普通22円+特別39円)と通常の株主優待(300株以上が対象)は、いずれも2026年12月末基準となります。

所長ダル
特別株主優待の中身はどんな内容なんでしょうか?
車野アナリスト
特別株主優待は100株から1,000ポイント(≒1,000円相当)が付与され、通常優待(300株から)より対象が広い今回限りの措置です。Amazonギフトカードへの等価交換が可能で、上限は設けられていません。100株保有の場合、配当82円×100株=8,200円に加えて、1,000円相当のポイントが受け取れる計算になります。

配当継続性スコア

評価ランクの凡例
ランクスコア基準意味
S○5つ全項目良好:配当継続性について特段の懸念なし
A○4つ△1つほぼ良好:軽微な注意点あり
B○3つ△2つ概ね良好だが注意点あり:モニタリングが必要
C○2つ以下または×あり注意点が多い:投資前の慎重な検討が必要
D×2つ以上要注意:配当リスクが高い

※2027年7月より評価体系をS/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・Cの間にそれぞれ「+(プラス)、-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。

評価項目評価コメント
配当の中身(普通配当か・継続性)年間配当82円の内訳は普通配当43円+特別配当39円。特別配当はM&A投資枠70億円のうち35億円を原資とする今回限りの措置(決算説明資料P.21)。来期は39円の剥落が前提。
本業の稼ぐ力上期増収+16.8%・営業増益+21.3%、営業利益率18.6%。2期連続の通期上方修正で成長モメンタムは強い。
財務の健全性自己資本比率49.7%(オークション借勘定を除けば実質的にはより高水準)、現預金289億円、有利子負債の記載なし、のれん残高1.58億円と小さい。
配当の原資上期営業CF81.8億円、オークション借/貸勘定調整後の実質CFは約58億円。通期配当総額約74.5億円は通期ベースでカバー可能な水準。
経営方針の透明性中計「Blue Print 2027」でGCV1兆円・EBITDA135億円・ROE15〜20%・配当性向50%以上を数値で明示。
総合スコアA-△が1つ(配当の中身)あるためA以上とはしません。ただし、その△の性質は「配当が不安定・危険」という意味ではなく、「一過性の特別配当が利回りを押し上げており、表示利回りをそのまま将来に当てはめられない」という性質のものです。本業の稼ぐ力・財務・原資・透明性の4項目はいずれも良好で、B+ではなくA-が妥当と考えられます。

この銘柄を「配当利回り5.55%の高配当株」として捉えると、来期に利回りが2.9%前後へ低下した際に「減配された」と受け止めてしまう可能性があります。実態は「配当性向50%以上の方針を持つ、EPS成長型の増配銘柄」であり、普通配当43円が今後EPS成長に伴って積み上がっていくかどうかを見るべき銘柄と考えられます。

ラボ独自考察:適正株価を考えてみた

ご注意

⚠️ ※AIによる試算であり投資推奨ではありません。あくまで参考情報としてご覧ください。

評価手法:普通配当逆算法
計算式:想定配当(円)÷ 想定利回り(%)= 適正株価

特別配当39円を含む82円を利回り逆算に使うと想定利回り2.8%で2,929円という数字が出ますが、一過性の配当を恒久的な利回り計算に使うのは適切でないと考えられるため、以下はすべて普通配当ベースで試算しています。想定利回りは、同社の過去の配当利回り実績(2021年2.39%→2025年2.8%/IRBANK様)を踏まえ、2.5〜3.5%のレンジで設定しました。

シナリオ別 適正株価試算

シナリオ想定配当想定利回り試算 適正株価現株価比前提条件・備考
強気50円2.5%約2,000円+35.4%来期EPS100円想定×配当性向50%。取扱高+20%成長と利益率16%維持が続き、市場が成長株として一段高い評価(低利回り)を許容する前提
中立(会社予想をそのまま使用)43円2.8%約1,536円+4.0%会社予想の普通配当43円をそのまま採用。想定利回りは2025年実績利回り2.8%を適用
保守的(増配なし・据置)43円3.0%約1,433円▲3.0%特別配当剥落後に市場が求める利回りが3.0%へ切り上がる前提
弱気(業績悪化想定)32.5円3.5%約929円▲37.1%下記シナリオ参照
弱気シナリオ:「方針を曲げざるを得ない前提条件」

配当性向50%以上の方針は維持したまま、その分母であるEPSが縮小するケースを想定しています。

①円高への転換——デジタルプロダクツ事業の成約単価上昇は為替の影響もあり、ファッションリセールのC向け事業も円安によるインバウンド需要が支えです。円高転換は両セグメントに同時に効きます。
②中古車輸出需要の減退——オートモビル事業は輸出事業者の落札需要が継続して高いことが成長ドライバーです。新興国側の輸入規制強化や需要減で総成約台数が減少するケースを想定します。
③株高の反転——C向け事業の国内需要は株高によるものと説明されており、資産効果の剥落が響きます。

これらが重なりEPSが2025年水準の65円へ逆戻りし、配当性向50%で32.5円。特別配当剥落と業績悪化で市場が求める利回りが3.5%へ上昇し、約929円という試算になります。なお、配当性向50%以上の方針そのものが撤回される事態(M&A投資枠の再設定など)が生じた場合は、この水準もさらに下振れする可能性があります。

合理的レンジの根拠(2点セット確認)

PBR倍率適正株価位置づけ
3.00倍980円直近数年の中位圏
3.67倍1,199円2017〜2025年のPBR上限(IRBANK様)
4.52倍1,477円現在の水準(過去レンジを上抜け)

BPS326.59円(IRBANK様)をもとに算出。配当逆算の中立シナリオ1,536円に対し、PBR面では過去上限3.67倍でも1,199円にとどまります。PBRの観点からは、現在の株価は過去9年間のレンジを明確に上抜けた水準にあります。みんかぶ様の目標株価1,232円はPBR約3.77倍相当で、この過去上限とほぼ整合しており、株価診断も「割高」、個人予想は「売り」(アナリストは「強気買い」)と評価が割れています。

全シナリオが崩れる条件(銘柄固有リスク)
  • 為替が急速な円高に転換し、デジタルプロダクツの平均成約単価とC向けインバウンド需要が同時に減退するケース
  • 中古車輸出規制の強化等でオートモビル事業の落札需要が構造的に縮小するケース
  • 配当性向50%以上の方針が撤回、またはM&A投資枠の再設定により還元原資が転用されるケース
  • 大型M&Aの失敗によるのれん減損(現在ののれん残高は1.58億円と小さいが、Blue Print 2027でM&A枠50〜70億円を設定済み)
  • ㈱ヴァレックス・パートナーズ等の大口保有者の動向変化により、還元強化トレンドが反転するケース
  • PBR4.52倍という過去レンジ上抜けの評価が正常化し、成長期待の剥落だけで株価が3割超調整するケース
結論ボックス

① みんかぶ様の外部目標株価との比較
みんかぶ様の目標株価1,232円に対し現株価1,477円は約20%上回っています。株価診断は「割高」、個人予想は「売り」、アナリストは「強気買い」と評価が明確に割れています。当ラボの配当逆算(中立シナリオ)1,536円は現株価とほぼ同水準で、みんかぶ様よりやや強気寄りの結論となりました。

② 当ラボが考える割高・割安感
PER17.2倍は営業利益+26%成長を織り込むと過大とは言えませんが、PBR4.52倍は2017年以降のレンジ(1.07〜3.67倍)を明確に上抜けており、資産面からは割高感があります。「利回り5.55%だから割安」という判断は、その利回りの半分が今回限りの特別配当である以上、成立しにくいと考えられます。

③ 長期投資家への推奨視点(普通配当基準での評価)
この銘柄は「利回り5.55%の高配当株」ではなく「配当性向50%以上を掲げるEPS成長型の増配銘柄」として捉えるのが実態に近いと考えられます。2020年に配当性向30%だったものが2026年に95.5%(特別配当込み)まで来た変遷は、還元姿勢の段階的強化の記録でもあります。見るべきは表示利回りではなく、普通配当43円がEPS成長とともに積み上がり続けるかどうかです。

④ 強気シナリオの根拠
取扱高総額+22.0%、2期連続の通期上方修正という強いモメンタムに加え、在庫を持たない手数料モデルで取扱高成長が利益率改善に直結しています(17.9%→18.6%)。オートモビル取扱高+24.3%、デジタルプロダクツ+21.3%と二本柱がともに二桁成長し、ROE26.29%は中計目標15〜20%を大幅に上回ります。JPX日経中小型株指数への採用(2026年8月31日〜)によるパッシブ資金流入の可能性や、創業家54%の安定株主構造の下で還元強化が継続的に打ち出されている点も強気材料と考えられます。

まとめ

  • ✔ 配当利回り5.55%のうち、39円(約48%)は今期限りの特別配当。普通配当43円ベースの利回りは2.91%で、来期の82円→43円は「減配」ではなく「特別配当の剥落」です。
  • ✔ 本業は絶好調。上期増収+16.8%・営業増益+21.3%、営業利益率18.6%へ改善し、2期連続で通期予想を上方修正しています。
  • ✔ 上期営業CFの減少は「オークション借勘定」の振れが主因で、実質的な稼ぐ力は向上。通期配当総額は実質CFベースでもカバー可能な水準と考えられます。
  • △ 創業家が54.24%を握る安定株主構造の一方、㈱ヴァレックス・パートナーズ等の外部投資家が9%超を保有。還元策強化との因果関係は不明ですが、時系列としては注目に値します。
  • △ PBR4.52倍は過去9年のレンジ(1.07〜3.67倍)を明確に上抜けた水準。みんかぶ様の株価診断は「割高」で、短期的な過熱感には注意が必要です。
  • 💡「利回り5.55%の高配当株」ではなく「配当性向50%以上を掲げるEPS成長型の増配銘柄」として捉え、普通配当43円がEPS成長とともに積み上がっていくかどうかを継続的に確認することが重要です。

出典・参照資料一覧

No.資料名備考
12026年12月期 第2四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)株式会社オークネット 2026年8月公表
22026年12月期 第2四半期 決算説明資料株式会社オークネット 2026年8月4日公表
3特別株主優待の実施に関するお知らせ株式会社オークネット 2026年8月4日公表
4株主優待制度に関する「よくある質問と回答」株式会社オークネット 2026年8月10日公表
5「JPX日経中小型株指数」構成銘柄への選定に関するお知らせ株式会社オークネット 2026年8月10日公表
6半期報告書(大株主構成)2026年6月30日現在
7株価情報・目標株価(みんかぶ様)3964 オークネット 株価情報(2026年8月13日時点)
8株式指標・配当情報・配当履歴・EPS推移(IRBANK様)3964 オークネット 各種財務・配当データ(2026年8月時点)

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本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

本記事における業界慣行への言及は、一般的な注意喚起を目的としたものであり、特定の企業の商品・営業活動を批判するものではありません。

情報基準日:2026年8月13日

本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。

© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。

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