⚠️ 本銘柄は無配(配当利回り0.00%/みんかぶ様・決算短信P.1)であり、高配当銘柄ではありません。本記事では「成長株として今仕込む価値があるか」という切り口で分析します。配当については以降深追いしません。
① 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社アスタリスク(Asterisk Inc.) |
| 証券コード | 6522(東証グロース) |
| 設立 | 2006年9月1日 |
| 資本金 | 1,082,530,200円(2026年5月31日現在) |
| 本社 | 大阪市淀川区木川西2丁目2-1 |
| 代表者 | 代表取締役執行役員社長 鈴木 規之 |
| 決算期 | 8月期(第20期) |
| 時価総額 | 約160億円(1,985円時点15,972百万円) |
| 発行済株式数 | 8,046,800株(2026年5月31日) |
| 主な事業 | ①AsReader事業(スマホ装着型バーコード/RFIDリーダー)②システムインテグレーション事業 ③賃貸事業 |
なぜ今話題なのか
所長ダル


② 主要財務指標(2026年8月期3Q累計)
| 指標 | 実績 | 出典 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,184百万円(前年同期比△9.2%) | 3Q短信P.1 |
| 売上総利益 | 519百万円(+2.0%)/粗利率43.9% | 3Q説明資料P.20 |
| 営業利益 | △41百万円(営業損失) | 3Q短信P.1 |
| 経常利益 | △11百万円(うち為替差益36.7百万円含む) | 3Q短信P.1,P.7 |
| 純利益 | △13百万円 | 3Q短信P.1 |
| EPS(3Q累計) | △1.73円 | 3Q短信P.1 |
| BPS | 235.96円 | IRBANK様 |
| ROE(今期予想) | 3.42% | IRBANK様 |
| ROA(今期予想) | 2.27% | IRBANK様 |
| 自己資本比率 | 66.2%(前期末62.1%) | 3Q短信P.1 |
| 現金及び預金 | 1,079百万円 | 3Q短信P.5 |
| 有利子負債 | 706.6百万円(ネットキャッシュ約373百万円) | 3Q短信P.5-6 |
| PER(予想) | 約237〜246倍 | かぶたん様 |
| PBR | 9.24倍 | みんかぶ様 |
| 年間配当 | 0.00円(無配・参考値) | 3Q短信P.1 |
通期会社予想:売上高2,291百万円(+37.5%)/営業利益117百万円/経常利益110百万円/純利益65百万円/EPS 8.38円(3Q短信P.1)
3Q累計の経常損失は△11百万円と、前年同期△62百万円から大幅改善しているように見えますが、営業外収益に為替差益36,695千円が計上されています(3Q短信P.7)。これを除けば経常損失は△48百万円程度であり、本業の改善ではなく円安による為替要因が主因と考えられます。
③ 業績推移(過去8期+今期予想)
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 | EPS(円) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019/8 | 1,144 | 65 | 5.75% | 14.06 | ROE31.51%、高効率経営期 |
| 2020/8 | 1,398 | 112 | 8.03% | 13.47 | 増収増益 |
| 2021/8 | 1,792 | 266 | 12.64% | 33.96 | 2021年IPO、ROE36.76% |
| 2022/8 | 2,407 | 400 | 16.62% | 46.82 | 業績ピーク。PER30.37倍・PBR4.84倍 |
| 2023/8 | 1,779 | △192 | △10.91% | △24.01 | 転換点=赤字転落 |
| 2024/8 | 1,578 | △224 | △14.24% | △54.81 | 赤字拡大 |
| 2025/8 | 1,666 | △125 | △7.54% | △24.42 | 3期連続営業赤字 |
| 2026/8予 | 2,291 | 117 | 5.11% | 8.38 | 黒転予想。3Q時点で未達懸念 |
(出典:IRBANK様「株式指標」、2026/8期予想は3Q決算短信P.1)






通期予想達成のハードル(最重要論点)
| 項目 | 通期予想 | 3Q累計実績 | 4Q単独で必要な額 | 前年同期4Q実績 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,291百万円 | 1,184百万円 | 1,107百万円 | 約362百万円 |
| 営業利益 | 117百万円 | △41百万円 | 158百万円 | ─ |
4Q単独で前年同期の約3.1倍の売上、かつ過去最高水準を大きく超える四半期営業利益158百万円が必要という計算になります。四半期営業利益の過去最高はFY25 2Qの約29百万円(3Q説明資料P.16グラフ)であり、達成のハードルは相当に高いと考えられます。それにもかかわらず、会社は7月15日時点で通期予想を据え置いています(3Q短信P.3)。
④ 事業・競争力の評価
本業の稼ぐ力:×
3期連続営業赤字(2023/8〜2025/8期)、今期も3Q時点で営業損失△41百万円と、実質4期連続赤字の可能性があります。3Q累計売上は前年同期比△9.2%と減収で、会社計画比では△25.2%(3Q説明資料P.14)。セグメント別では明暗が分かれており、AsReader事業は売上1,038百万円(△4.8%)ながらセグメント利益96百万円(+4.2%)を確保している一方(3Q短信P.11)、システムインテグレーション事業は売上137百万円(△32.9%)でセグメント損失△11.8百万円と悪化しています。地域別ではアメリカが72百万円(前年同期比△35.1%、計画比△77.3%)(3Q説明資料P.17)で、米国政府調達の話題性とは裏腹に、足元の米国売上は計画の4分の1以下という点は直視すべきと考えられます。ROE予想3.42%・ROA予想2.27%(IRBANK様)も、成長株として評価される水準には届いていません。
財務の健全性:△
自己資本比率66.2%、現預金1,079百万円は一見健全です。有利子負債706百万円を差し引いたネットキャッシュは約373百万円(3Q短信P.5-6より算出)。ただし、継続企業の前提に関する重要事象等が記載され続けています(3Q短信P.3-4)。GC注記そのものは「該当事項なし」ですが、3期連続営業損失と米国子会社の未受注状態を挙げ、「重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在することを認識」と明記されています。純資産1,899百万円の中身は、資本金1,082百万円+資本剰余金1,072百万円に対し利益剰余金は△254百万円(3Q短信P.6)で、累積赤字を新株予約権行使による増資で補填している構造です。中間期の営業CFは△156百万円(2Q短信P.9)で、3Q時点で現預金が147百万円増えているのは、EVO FUNDの新株予約権行使による1億9,200万円の調達(3Q説明資料P.9)が主因と考えられます。会社は「約2年分の運転資金に相当するキャッシュを確保」と説明しています(3Q短信P.4)。
経営方針の透明性:△






市場環境コメント
RFIDソリューションの世界市場は、2027年に2兆3,379億円規模へ拡大予測(2023〜27年CAGR12%、矢野経済研究所様調べ、2025年5月7日)とされています(3Q説明資料P.30)。背景には深刻な労働力不足、欧州のDPP(デジタル製品パスポート)規制、セルフレジ・無人店舗の普及があり、市場そのものの追い風は本物と考えられます。同社の競争優位性としては、①トヨタ自動車での約10年にわたる採用実績(3Q説明資料P.6)、②青山商事445店舗、ワールド、西鉄ストア全拠点といった大手導入実績(同P.7,10)、③RFIDセルフレジ関連の基幹特許7件の完全自社保有化と米国特許取得(同P.7,12)が挙げられます。一方で、市場規模2.3兆円に対し同社売上は22.9億円(予想)とシェアは0.1%程度にとどまり、デンソーウェーブ、キーエンス、ゼブラ、ハネウェルといった巨大プレイヤーが存在する市場であり、特許による参入障壁がどこまで実効性を持つかは未検証と考えられます。
⑤ リスク要因
- 継続企業の前提に関する重要事象等(3Q短信P.3-4)── 最も重い開示リスク
- 通期予想の下方修正リスク ── 4Q単独で前年3.1倍の売上が必要
- 希薄化リスク ── 潜在株式1,150,000株、希薄化率14.31%
- 信用需給の悪化 ── 買い残917.3千株は発行済株式数の約11.4%(かぶたん様8/7時点)
- 米国子会社の業績寄与不透明 ── 単体では米国子会社への貸付金に貸倒引当金を計上(3Q説明資料P.24)
- 為替感応度 ── 経常損益は為替差益36.7百万円に支えられており、円高反転時に経常が再悪化する可能性
- 顧客集中度 ── トヨタ自動車、青山商事、ワールド等の大型案件依存で四半期業績が振れやすい構造
希薄化リスクの詳細
2026年6月26日発行決議、7月13日発行の第9回・第10回新株予約権(TIP=ターゲット・イシュー・プログラム)(3Q説明資料P.11、3Q短信P.12)は次のとおりです。
| 項目 | 第9回 | 第10回 |
|---|---|---|
| 対象株式数 | 575,000株 | 575,000株 |
| 当初行使価額 | 1,800円 | 2,000円 |
| 調達予定額 | 10.35億円 | 11.5億円 |
| 割当先 | EVO FUND | EVO FUND |



⑥ 適正株価試算
前提:現株価1,989円(かぶたん様 2026/8/13 10:12)/BPS 235.96円(IRBANK様)/潜在株式込み株式数 9,196,800株(8,046,800株+新株予約権1,150,000株)
EPS×PER法(4シナリオ)
| シナリオ | 想定EPS | 想定PER | 適正株価 | 現株価比 |
|---|---|---|---|---|
| 強気 | 54円 | 60倍 | 3,240円 | +63% |
| 中立 | 20円 | 80倍 | 1,600円 | △20% |
| 保守的 | 8.38円 | 100倍 | 838円 | △58% |
| 弱気 | 赤字(測定不能) | ─ | 519円 | △74% |
①10月中旬の通期決算で営業利益117百万円の予想を大きく下回り4期連続営業赤字となる(4Q単独で前年3.1倍の売上が必要な現状から、蓋然性は低くないと考えられます)②通期決算に先立つ業績予想の下方修正 ③継続企業の前提が「重要事象等」から「注記」へ格上げされる ④米国子会社AsReader, Inc.の大型案件が再度後ろ倒し、または撤退・閉鎖の判断 ⑤第9回・第10回新株予約権の行使が急速に進み需給が崩れる。以上のいずれかが起きた場合、弱気シナリオが現実味を帯びると考えられます。
BPS×適正PBR(2点セット確認)
| PBR倍率 | 適正株価 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1.9倍 | 448円 | 2025年8月期実績PBR |
| 2.2倍 | 519円 | 2024年8月期実績PBR |
| 3.3倍 | 779円 | 2023年8月期実績PBR |
| 4.8倍 | 1,133円 | 2022年8月期=業績ピーク時のPBR |
| 9.24倍 | 1,985円 | 現在の水準(みんかぶ様2026/8/13) |






⑦ 総合評価:C-
「成長株として今仕込む価値があるか」という基準で見た場合、ストーリーの魅力と数字の実態の乖離が極端に大きいと考えられます。評価を押し下げる要因(決定的)は、
①実質4期連続の営業赤字、
②3Q時点で減収、
③通期計画の達成が算術的に極めて困難、
④継続企業の前提に関する重要事象等の継続開示、
⑤PER237倍・PBR9.2倍という説明の難しいバリュエーション、
⑥14.3%の希薄化リスク、
⑦発行済の11%超という買い残です。
一方、評価を支える要因は、
①自己資本比率66.2%とネットキャッシュ約3.7億円で当面の資金繰り懸念は限定的、
②AsReader事業単体は3Q会計期間の売上が過去最高でセグメント利益も黒字、
③RFID市場のCAGR12%成長という本物の追い風、
④トヨタ・ワールド・青山商事等の実績と特許7件の保有です。
つまり「事業は死んでいないが、株価が織り込んでいる未来が実績から遠すぎる」という状態と考えられます。米国政府調達市場への登録について、会社自身が「本リリースによる業績に与える影響は軽微であります」と明記している点は重要です(IR資料P.4)。






まとめ
- 2026年8月12日のSAM.gov登録は「入場券」であり「受注」ではなく、会社自身が業績への影響は軽微と明記している
- 3Q累計は減収・営業損失で、4Q単独で前年比3.1倍の売上と過去最高を大きく超える営業利益が必要
- 継続企業の前提に関する重要事象等が継続開示されている
- PER約237倍・PBR9.24倍は、最高益期(2022年8月期)のPBRの約1.9倍という説明の難しい水準
- 希薄化率14.31%・信用買い残発行済の約11.4%という二重の需給の重石がある
- 総合評価はC-。最短の確認ポイントは2026年10月中旬の通期決算発表






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本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。
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情報基準日:作成日20260813
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
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