作成日:2026年8月2日
※本記事はAIによる分析をベースに作成しています。投資判断はご自身の責任において行ってください。詳細は記事末尾の免責事項をご確認ください。
はじめに:このシリーズについて
本シリーズでは、J-REIT各銘柄の状況を、有価証券報告書を中心に確認します。
決算説明資料だけを読むと、経営側が強調したい成長施策や明るい材料に目が向きがちです。一方、有価証券報告書には、個別物件の収支、賃貸借契約、借入条件、資本的支出など、投資法人の実態を考えるうえで重要な情報が掲載されています。
投資のプロ向けではなく、個人投資家や投資初学者にも分かりやすい形で、決算数字の背景や今後の確認点を整理します。
今回は、星野リゾート・リート投資法人の2026年4月期・第26期有価証券報告書を確認しました。
この銘柄はどんなJ-REIT?
- 名称:星野リゾート・リート投資法人
- 証券コード:3287
- タイプ:ホテル・旅館特化型REIT
- 決算月:4月・10月
- スポンサー:星野リゾート
- 保有物件数:71物件
- 取得価格合計:約2,339億円
- 総資産:約2,573億円
- 有利子負債:約1,050億円
- LTV:40.8%
- 星野リゾート運営比率:46.8%
- 星野リゾート賃借比率:71.7%
名称からは「星野リゾートのホテルだけを保有するREIT」という印象を持ちやすいですが、実際には外部オペレーターが運営するホテルも多く保有しています。
星のや、界、リゾナーレ、OMOなどの星野リゾートブランドに加え、ANAクラウンプラザホテル、グランドハイアット、グランドプリンスホテル、the b、コンフォートインなどが組み入れられています。
したがって、現在の星野リゾート・リートは、単純なブランド特化型というより、星野リゾートをスポンサーとする観光・ホテル総合型REITに近い構成です。
ホテルの利益に連動して賃料が増減する物件が多いため、宿泊需要が伸びる局面では収益が増えやすい一方、市況が悪化すると投資法人の賃料収入も減少しやすい特徴があります。
直近決算期の指標確認
| 指標 | 第25期 | 第26期 | 増減・コメント |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 2,509億円 | 2,573億円 | アクアイグニス取得などで増加 |
| 純資産 | 1,459億円 | 1,463億円 | 小幅増加 |
| 営業収益 | 86.96億円 | 93.44億円 | +7.5% |
| 当期純利益 | 35.56億円 | 39.98億円 | +12.4% |
| DPU | 6,077円 | 6,832円 | +755円 |
| EPU | 6,069円 | 6,823円 | +754円 |
| 巡航EPU・当ラボ推計 | ― | 約6,000~6,300円 | 中期の基礎利益水準を考慮 |
| LTV | 39.5% | 40.8% | 負債調達で上昇 |
| 賃貸NOI | 71.59億円 | 78.52億円 | +9.7% |
| NOI利回り | 6.3% | 6.7% | 収益改善 |
| FFO | 約55.2億円 | 約61.1億円 | 増加 |
| 1口当たりNAV | 305,074円 | 307,350円 | 小幅上昇 |
第26期は、営業収益、賃貸NOI、当期純利益、DPUがそろって増加しました。
前期には不動産売却益が含まれていましたが、第26期には売却益がありません。それでも当期純利益は増加しており、ホテル収益の改善による本業増益だったと評価できます。
DPU6,832円に対し、1口当たり当期純利益は6,823円でした。
圧縮積立金の取崩しは約8円にとどまり、分配金のほぼ全額が当期利益で構成されています。利益超過分配にも依存しておらず、第26期の分配金の内容は比較的良好でした。
ただし、決算説明資料では、第26期の利益水準がそのまま今後も続くとは想定されていません。
OMO7大阪の割増固定賃料終了や、大阪のホテル需要低下などを考慮すると、中期的な基礎利益は第26期実績より低い可能性があります。
当ラボでは、万博需要、割増固定賃料、季節性などを調整した中期的な巡航EPUを、ひとまず6,000~6,300円程度と推計します。

注目ポイント
1.売却益に頼らない本業増益
第26期の賃貸事業収入は、前期の約85.4億円から約93.4億円へ増加しました。
一方、賃貸事業費用の増加は約1億円にとどまり、不動産賃貸事業損益は約7億円増加しています。
ホテル業績に連動する変動賃料が増加したことで、増収分の多くが投資法人側の利益として残りました。
第26期の固定賃料は約54.2億円、変動賃料は約39.1億円で、変動賃料比率は約42%です。
ホテル市況が良い局面では、変動賃料の多さが収益成長につながります。
2.コンフォートホテル3物件の契約変更
コンフォートホテル函館、苫小牧、呉では、固定賃料だけの契約から、固定賃料と施設利益に連動する変動賃料を組み合わせた契約へ変更されました。
会社側は、この変更によるDPU効果を、
- 第27期:約205円
- 第28期:約130円
- 巡航時:年間約420円
と見込んでいます。
新規物件を取得せず、既存物件の契約条件を変更することで収益を増やす施策です。
実際に予想どおりの賃料増加が確認できれば、運用会社のアセットマネジメント力を評価する材料になりそうです。
3.小規模CAPEXでは収益改善実績も確認
ホテルは、客室や共用部の更新に継続的な資金が必要です。
第26期の資本的支出は約27億円で、減価償却費約21億円を上回りました。ホテルREIT特有の資金負担として、継続的な確認が必要です。
一方、決算説明資料では、the b浅草やthe b赤坂の客室を多人数対応へ改装し、RevPARを引き上げた事例が紹介されています。
the b浅草では、改装した客室のRevPARが49.5%上昇し、投資回収期間も当初想定より短くなったと説明されています。
資本的支出のすべてが単なる維持費ではなく、収益増加を目的とした成長投資も含まれています。
4.約387億円の含み益

第26期末の賃貸等不動産の帳簿価額は約2,379億円、時価は約2,767億円でした。
差額は約387億円です。前期末からも含み益は増加しています。
1口当たりNAVは約30.7万円で、スクリーンショット確認時の投資口価格24.4万円に対するNAV倍率は約0.80倍でした。
資産価値に対して投資口価格は割安な水準ですが、含み益は保有しているだけでは投資主へ還元されません。
資産売却、物件入替、自己投資口取得、借入返済などを通じて、どのように投資主価値へ変換するかが重要です。
気になる点 冷静に見ておきたいリスク
1.DPU7,000円目標は1年後ろ倒し
会社側は、DPU7,000円の達成目標を第31期・2028年10月期へ1年後ろ倒ししました。
主な理由は、
- 万博終了後の大阪宿泊需要の低下
- 中国からの訪日需要減少
- 大阪市場での価格競争
- OMO7大阪の割増固定賃料終了
- グランドプリンスホテル大阪ベイの収益低下
- 金利・修繕費・減価償却費の増加
です。
目標を無理に維持せず修正した点は、慎重な姿勢ともいえます。
一方、DPU7,000円への道筋は、OMO7大阪とグランドプリンスホテル大阪ベイの回復に大きく依存しています。
会社側だけでは制御しにくい大阪ホテル市場の回復が前提となるため、達成時期については引き続き確認が必要です。
2.万博特需の剥落だけでは説明しにくい大阪の弱さ
万博後に需要が減ること自体は、ある程度想定されていたと考えられます。
問題は、単に万博による上乗せがなくなっただけでなく、会社が想定していた平常水準より大阪のホテル需要が弱い可能性があることです。
決算説明資料では、2026年1~3月の大阪府の延べ宿泊者数が、前年同期比で次のように減少したとしています。
| 区分 | 前年同期比 |
|---|---|
| 日本人 | ▲15.7% |
| インバウンド | ▲10.1% |
| 合計 | ▲13.3% |
インバウンドより日本人宿泊者の減少率が大きい点も見逃せません。
万博後の反動、宿泊料金上昇への反動、ホテル供給増加、旅行先の分散などが重なった可能性があります。
ただし、この低下が一時的な反動なのか、中期的な競争激化へつながるのかは、現段階では判断できません。
3.OMO7大阪の賃料は第28期まで低下予想
OMO7大阪は取得価格290億円、ポートフォリオ比率12.4%の最大物件です。
第26期は割増固定賃料を含め、賃料約10.9億円を計上しました。
会社予想では、今後の賃料は次のように減少します。
| 期 | 賃料合計 |
|---|---|
| 第26期実績 | 10.93億円 |
| 第27期予想 | 9.43億円 |
| 第28期予想 | 8.20億円 |
第26期から第28期までに約2.7億円減少する見込みです。
割増固定賃料の終了は予定されていましたが、その後の変動賃料で十分に補えない点が課題です。
4.グランドプリンスホテル大阪ベイの収益変動
グランドプリンスホテル大阪ベイは固定賃料を持たず、ホテルEBITDAに連動する賃料設計です。
ホテル業績が良いときは大きな収益が期待できますが、業績悪化時には賃料も直接減少します。
会社資料では、第28期のDPU減少要因として、同物件だけで約602円のマイナスを見込んでいます。
また、帳簿価額約171億円に対して鑑定評価額は141億円で、約30億円の含み損があります。
短期のホテル収益だけでなく、取得価格や追加投資を含めた資産価値も確認していく必要があります。
5.調達金利は上昇方向

第26期末の有利子負債は約1,050億円、LTVは40.8%です。
LTV自体は直ちに危険な水準ではありません。時価ベースLTVも35.6%で、財務余力は残っています。
一方、平均金利は前期末の1.18%から1.30%へ上昇しました。
2026年2月に発行した投資法人債の利率は2.515%で、借入明細には3%前後の長期調達も見られます。
今後5年間は、毎年約140~150億円の借換えが続く見込みです。
返済期限は分散されていますが、低金利で調達した借入れが、少しずつ高い金利へ置き換わる可能性があります。
市場評価をどう見るか
ホテルREITとして比較すると、星野リゾート・リートのNAV倍率約0.80倍は低い水準です。
一方、分配金利回りは約5.55%で、ホテルREITの中では必ずしも高くありません。
これは、星野ブランド、資産価値、格付、スポンサーの運営力には一定の評価があるものの、今後のDPU成長については慎重に見られている可能性を示します。
市場は、星野リゾート・リートが危険だから一律に売っているというより、
- DPU7,000円目標の延期
- 大阪2物件の回復時期
- 金利上昇
- 低いNAV倍率下での外部成長の難しさ
- 含み益の活用方法
を割り引いていると考えられます。
日足チャートでは、2026年6月の安値から安値と高値を切り上げる動きが見られます。
ただし、25万円前後では上値を抑えられており、25日移動平均線と75日移動平均線も接近した段階です。
底打ちの兆しはあるものの、明確な上昇トレンドへ移行したと判断するには、もう少し実績や材料が必要でしょう。
今後確認したいポイント
最も重要なのは、OMO7大阪とグランドプリンスホテル大阪ベイの月次運営実績です。
ADR、客室稼働率、RevPAR、宴会需要、変動賃料が回復すれば、DPU7,000円への確度が高まります。
コンフォートホテル3物件については、会社が見込む年間DPU約420円の効果が実際に確認できるかが注目点です。
また、2026年11月に売却予定のソルヴィータホテル那覇について、売却益だけでなく、売却資金の使途も重要です。
借入返済、新規取得、自己投資口取得、投資主還元のどれを優先するかによって、市場評価は変わる可能性があります。
まとめ
星野リゾート・リート投資法人の第26期は、売却益に頼らず、ホテル収益の改善によって利益と分配金を伸ばした好決算でした。
DPU6,832円はほぼ当期利益で構成されており、分配金の内容も良好です。
一方、今後はOMO7大阪の割増固定賃料終了、万博後の大阪需要低下、グランドプリンスホテル大阪ベイの収益減少、調達金利上昇などが見込まれます。
会社側もDPU7,000円目標を1年後ろ倒ししており、第26期の利益をそのまま巡航水準と考えるのは慎重であるべきでしょう。
約387億円の含み益、星野ブランド、スポンサー・DBJ共同ファンドのパイプライン、既存物件の契約変更や改装による内部成長は強みです。
その一方、現在の成長ストーリーは大阪2物件の回復に一定程度依存しています。
今後は、ブランドの知名度だけでなく、
- 大阪のホテル収益がどこまで戻るか
- コンフォート3物件の契約変更効果
- 金利上昇を吸収できるか
- 売却資金をどのように活用するか
という具体的な数字を確認することが重要です。
星野リゾート・リートは、財務や資産価値が大きく崩れている銘柄ではありません。
ただし、DPU成長の道筋を再構築している途中にあります。
NAV倍率0.80倍には見直し余地がある一方、その評価差が縮小するためには、DPU7,000円への具体的な進捗を実績で示す必要がありそうです。
免責事項
【AIによる作成について】
本記事は、AIによる分析をベースに作成しています。AIは決算説明資料および有価証券報告書を参照して分析を行っていますが、読み取りの誤り・解釈の相違・情報の欠落が生じる可能性があります。本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、その正確性・完全性を保証するものではありません。
【投資に関する免責事項】
本記事は特定の銘柄への投資を推奨・勧誘するものではありません。投資にはリスクが伴い、投資元本が保証されるものではありません。J-REITへの投資においては、分配金の減少・投資口価格の下落・上場廃止などのリスクがあります。投資に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。投資判断に際しては、必要に応じて証券会社・ファイナンシャルプランナーなど専門家へのご相談をお勧めします。


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