今回取り上げるのは「テスホールディングス(テスHD・5074)」です。データセンターの急増による電力需要拡大を背景に注目される「系統用蓄電池」関連株の中から、受注残高の9割超が蓄電池という突出したテーマ性を持つ銘柄として、高配当研究所が独自に選定しました。決算月(6月期)を迎えるタイミングで、3Q時点の進捗と注目ポイントを所長と車野アナリストが先取りで読み解きます。
テスホールディングス(5074)の会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | テスホールディングス株式会社 |
| 証券コード | 5074(東証プライム) |
| 決算期 | 6月期 |
| 主な事業 | エンジニアリング事業(省エネ・再エネ設備のEPC)、エネルギーサプライ事業(再エネ発電所運営・売電、O&M、電気小売) |
| 経営ビジョン | 「Total Energy Saving & Solution」を実現する脱炭素のリーディングカンパニー |
| 時価総額 | 約662億円(みんかぶ様、6/19時点) |
| 現在株価 | 938.0円(2026年6月19日時点) |
| 配当利回り | 0.62%(会社予想ベース) |
| 総合評価 | B |
所長ダル


主要財務指標(2026年6月期3Q累計、決算短信ベース)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 売上高 | 374.44億円(前年同期比+39.8%) |
| 売上総利益 | 73.38億円(前年同期比+18.3%、利益率19.6%) |
| 営業利益 | 35.92億円(前年同期比+34.6%、利益率9.6%) |
| 経常利益 | 24.97億円(前年同期は2.25億円) |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 12.63億円(前年同期比+105.0%) |
| EPS(3Q累計) | 17.92円 |
| 総資産 | 1,625.80億円 |
| 純資産 | 497.93億円 |
| 自己資本比率 | 30.5%(前期末28.1%から改善) |
| 配当(会社予想) | 5.80円(連結配当性向30%目安、前期5.12円から増配) |
受注残高の9割超が「蓄電池」という突出した構成









3Qで営業利益はほぼ通期計画達成、決算発表が楽しみなタイミング
| 指標 | 3Q累計実績 | 通期計画 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 374.44億円 | 470.00億円 | 79.7% |
| 売上総利益 | 73.38億円 | 90.00億円 | 81.5% |
| 営業利益 | 35.92億円 | 36.00億円 | 99.8% |
| 経常利益 | 24.97億円 | 18.00億円 | 138.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12.63億円 | 12.00億円 | 105.3% |















フロー型とストック型、2つのビジネスモデルの循環構造






大型案件の納期長期化リスクとEPC事業者としての優位性












PERは100倍超だが、PSRで見ると印象が変わる









株価は直近1年で急騰、すでに調整局面に






事業・競争力の評価
3Q累計で売上高+39.8%、営業利益+34.6%の大幅増収増益。ただし売上総利益率は19.6%(前期3Q23.2%からは低下)で、利益率面ではやや希薄化が見られます。エンジニアリング事業のセグメント利益は前年同期比23.4%減(593百万円)となっており、急拡大する売上高に対し利益率の伴った成長かは今後も注視が必要です。
自己資本比率は30.5%(前期末28.1%から改善傾向)ですが、絶対水準としては高くありません。固定資産が前期末比+86億円増加(佐賀伊万里バイオマス発電所の竣工等)し、短期借入金も+41億円増加。2026年6月には子会社テス・エンジニアリングが約80億円規模の財務上の特約付き金銭消費貸借契約を締結(運転資金調達目的)しており、成長投資に伴う資金調達が活発化している局面です。
中期経営計画「TX2030」でROE・ROIC・各KPIを定量開示。決算説明会でも、4Q業績予想が保守的に見える理由や納期長期化リスクについて、経営トップが率直に説明するなど、情報開示姿勢は積極的です。
市場環境としては、データセンター急増による電力需要拡大、再生可能エネルギーの主力電源化(2040年度に電源構成の40~50%を再エネにする政府目標)という構造的な追い風がある一方、世界的な資材価格・エネルギー価格の高騰、中東情勢の地政学リスク、円安の影響など、コスト面の逆風も存在します。
リスク要因
- 蓄電池EPCの粗利率は受託型15%程度・開発型15%以上が目標水準で、案件によりばらつきがある
- 受注残高が大きい中での技術者リソース不足懸念(会社は人員増強で対応中)
- 大型案件の系統接続に2〜3年を要する場合があり、納期が期ずれする可能性は否定できない
- 原材料・資材価格上昇リスク(受注時点での仕入価格確定等でヘッジ)
- 大株主には創業者・役員一族とみられる個人・資産管理会社が複数並び、機関投資家の保有は限定的
- PERがすでに100倍超の水準にあり、株価のボラティリティが大きい
株主構成について









結論
- なぜ今話題なのか:データセンター急増による電力需要拡大を受けた「系統用蓄電池」関連株として、受注残高の92.8%が蓄電池というテーマ性の高さから選定しました
- 決算の進捗:2026年6月期3Q累計で営業利益が通期計画の99.8%に到達、経常利益・純利益はすでに通期計画を上回るペースです(8月の本決算発表に注目)
- 株価指標から見た特徴:予想PER55.12倍、配当利回り0.62%(みんかぶ様)と、高配当株ではなく成長期待先行型の銘柄です。PSR1.80倍で見ると過熱感はやや和らぎます
- 強気シナリオの根拠:データセンター・再エネ双方からの蓄電池需要拡大が続き、受注残高がさらに積み上がり、4Q決算で上方修正が発表されるケース
- 最大のリスク:高PERゆえの株価ボラティリティと、急拡大する受注残高に対する利益率・施工リソースの追いつき具合
- 「今仕込む」判断の目安:8月予定の本決算発表で受注残高・通期実績・来期計画が確認でき、急騰前の水準への調整が一服したタイミング






総合評価Bの根拠
テスホールディングスの総合評価「B」は、3項目評価(本業の稼ぐ力/財務の健全性/経営方針の透明性)を踏まえた上で、「今、この株価水準で新規に仕込む価値があるか」という単一軸で下した主観的な総合判断です。判定の考え方は以下の通りです。
評価を押し上げた要素
- 受注残高45,163百万円のうち92.8%が蓄電池という、テーマとの関連度の高さは他の関連銘柄と比較しても突出しています。受注高も前年同期比228.9%と急拡大しており、案件の「数」自体に勢いがあります
- 3Q累計で営業利益が通期計画の99.8%まで到達し、経常利益(138.7%)・純利益(105.3%)はすでに通期計画を上回るペースです。決算説明会での経営トップの発言からも、4Qの保守的な計画設定の背景には合理的な理由があり、相応の上振れ余地がうかがえます
- 東京センチュリー、大和エナジー・インフラ、Sustech、バディネットなど、複数の有力企業との提携・協業を通じて案件組成力を強化しており、受注拡大が一過性でなく仕組み化されつつあります
A評価に届かなかった要素
- 利益率の伴った成長かに疑問符:3Q累計の売上総利益率は19.6%で、前年同期の23.2%から低下しています。エンジニアリング事業のセグメント利益は前年同期比23.4%減(593百万円)となっており、売上高が大きく伸びる一方で、利益面では裏付けがやや弱い状況です
- 財務体質がまだ盤石とは言えない:自己資本比率は30.5%(前期末28.1%から改善傾向にはあるが)と、絶対水準としては高くありません。固定資産が3Qだけで86億円増加し、短期借入金も41億円増加するなど、成長投資に伴う資金調達が活発化しています。2026年6月にも子会社が80億円規模の短期借入を実施しており、資金繰りの動きを継続的に見ておく必要があります
- 株価がすでに将来の成長を強く織り込んでいる:予想PER55.12倍、実績PER(連)は324.25倍(みんかぶ様)という極めて高い水準です。2023年6月期にはPER131.65倍・PBR16.77倍という局面もありました(IRBANK様)。株価は2025年後半から急騰し、2026年5月には1,300円台の高値をつけた後、現在938円まで調整しています。「良い決算=即座に株価が報われる」とは限らない、期待先行型の銘柄であることは念頭に置く必要があります
- 大株主には創業者・役員一族とみられる個人・資産管理会社が複数並び、機関投資家の保有は限定的です。オーナー色の強い株主構成自体は中小型成長企業によくある形ですが、機関投資家による分散保有が進んだ企業とは性格が異なる点は理解しておく必要があります
- 大型案件は系統接続に2〜3年を要する場合があり、山本社長自身も「納期が期ずれする可能性は完全には否定できない」と発言しています
C以下にしなかった理由
受注残高・受注高ともに前年から大幅に積み上がっており、テーマとしての勢いが衰える兆候は今のところ見られません。経常利益・純利益が3Q時点ですでに通期計画を超過しており、会社側の保守的な計画設定だった可能性はあるにせよ、「未達リスク」よりは「上振れ期待」の方が現実的な局面にあります。また、PERだけで見ると過熱感がありますが、PSR(株価売上高倍率)では1.80倍と、事業規模に対して常識的な範囲の評価にとどまっています。中期経営計画「TX2030」でROE・ROIC等のKPIを定量開示しており、経営の透明性自体は高い点も評価できます。
受注残高の9割超が蓄電池という圧倒的なテーマ性と、3Q時点で営業利益がほぼ通期計画達成という業績モメンタムの強さは際立っていますが、売上総利益率の低下や自己資本比率の絶対水準、そして何より株価がすでに高PERという形で将来期待を織り込んでいる点を踏まえ、Bに着地しました。仮に同じ業績内容でも、利益率がもっと安定していたり、株価がここまで急騰する前の水準であったりすれば、より高い評価になり得ます。逆に、4Q決算で利益率の改善が確認できなかったり、財務面での負担が増す場合は、より慎重な評価が必要になる可能性があります。
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本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。
情報基準日:作成日20260621
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。










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