ダイセル(4202)
化学 / 東証プライム / セルロース・有機合成・合成樹脂・火工品の総合化学メーカー
※本レポートの株価(1,327.5円)は2026年6月19日終値時点のものです。同社は2026年5月22日に新中期戦略「Accelerate 2030」を発表し、DOE5%以上・総還元性向60%以上・累進配当を明文化しました。
はじめに
「高配当株研究所」へようこそ。当ラボでは、配当生活・FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す方々に向けて、高配当株の銘柄分析を行っています。私(所長)は投資初心者レベルで、読者の皆さんと同じ目線から素朴な疑問を投げかける役割を担っています。
本日は、100年超の歴史を持つ総合化学メーカー、株式会社ダイセル(証券コード:4202)について、エキスパート投資アナリストの車野蔵人(くるまの くろうど)さんに解説していただきます。
2026年3月期はドイツCOC第2プラントの減損324億円(一過性)により純利益が前期比▲79.4%と急減しましたが、年間配当は60円を維持し、次期2027年3月期は70円への増配を予定。さらに新中期戦略「Accelerate 2030」でDOE5%以上+総還元性向60%以上+累進配当を2030年度まで明文化しました。「減損324億円を計上しながら増配を選んだ経営判断は本物か」——そこが最大の論点です。ぜひ最後までお付き合いください。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社ダイセル |
| 証券コード | 4202(東証プライム) |
| 設立 | 1919年9月8日 |
| 主な事業 | セルロース、有機合成、合成樹脂、火工品製品の製造・販売 |
| 主力製品 | 自動車エアバッグ用インフレータ、アセテート・トウ、酢酸、POM、LCP、PPS等 |
| 時価総額 | 約3,400億円(みんかぶ様、2026年6月19日時点) |
| 決算期 | 3月期 |
| トピック | 2026年4月にポリプラスチックス株式会社を吸収合併。2026年5月22日に新中期戦略「Accelerate 2030」を発表 |
主要財務指標一覧
※ 数値の出典:決算短信P1、決算説明資料、中期戦略「Accelerate 2030」P20-21、みんかぶ様、IRBANK様
| 指標 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,866億円 | 5,796億円(▲1.2%) | — |
| 営業利益(利益率) | 610億円(10.4%) | 421億円(7.3%) | — |
| 経常利益 | 623億円 | 451億円(▲27.6%) | — |
| 純利益(親会社帰属) | 494億円 | 102億円(▲79.4%) | — |
| EPS(1株当たり純利益) | 181.44円 | 38.75円 | 125.30円(予) |
| BPS(1株当たり純資産) | — | 1,392.36円 | — |
| ROE | — | 2.8% | — |
| 自己資本比率 | — | 42.6% | — |
| 営業CF | — | 678億円 | — |
| 年間配当(1株当たり) | 60円 | 60円 | 70円(前期比+10円) |
| 配当性向 | 33.1% | 154.8%(減損による一時的乖離) | 約56% |
| DOE | — | 4.4% | 5%以上(中期方針) |
| 配当利回り(参考) | — | — | 約5.27%(みんかぶ様) |
| 現在株価(参考) | — | 1,327.5円(2026年6月19日終値) | — |
| みんかぶ目標株価 | — | 1,390円 | — |
EPS推移と配当の関係
高配当株の「落とし穴」とEPSの関係
所長ダル








EPS推移表(過去9期+今期予想+中期計画参考値)
出典:IRBANK様、決算説明資料P33、配当予想修正IR、中期戦略「Accelerate 2030」P20
| 決算期 | EPS(円) | 1株配当(円) | 配当性向(%) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年3月期 | 107.81 | 32 | 29.7 | |
| 2019年3月期 | 105.38 | 32 | 30.4 | |
| 2020年3月期 | 15.49 | 34 | 219.5 | COVID影響 |
| 2021年3月期 | 65.18 | 32 | 49.1 | |
| 2022年3月期 | 104.14 | 34 | 32.6 | |
| 2023年3月期 | 138.87 | 38 | 27.4 | |
| 2024年3月期 | 197.56 | 50 | 25.3 | 過去最高益 |
| 2025年3月期 | 181.44 | 60 | 33.1 | |
| 2026年3月期 | 38.75 | 60 | 154.8 | COC第2プラント減損324億円 |
| 2027年3月期(予) | 125.30 | 70 | 約56 | 累進配当開始+DOE5%以上 |
| 2029年3月期(中期計画)※参考 | 約172円試算 | 85〜90円試算 | 約50 | 純利益440億円計画より |
| 2031年3月期(2030挑戦)※参考 | 約254円試算 | 100円超試算 | 約40 | 純利益650億円挑戦より |
読み取りポイント:2024年3月期に過去最高益(EPS197円)を記録したものの、2026年3月期はCOC第2プラント減損324億円により純利益が▲79.4%と急落。一方、配当は60円を維持し、次期70円への増配を予定。DOE方針の下、純資産を基準とした配当のため、単年度の利益変動に左右されにくい構造が機能しています。中期計画通り2028年純利益440億円が達成されれば、EPS172円・配当85〜90円圏も視野に入ります。
このEPS推移から何が言えるか












所長×アナリスト対談
テーマ① 累進配当の「コミットレベル」が変わった。中期戦略5年間の本気度












テーマ② 「2030年売上7,500億円・営業利益1,000億円超」という挑戦的目標












テーマ③ 5年累計1,600億円の株主還元枠 ── 時価総額の約半分を還元へ












テーマ④ AIサーバー向け素材は「追い風」だが「主役」ではない。多面的な事業構成の強み












テーマ⑤ 「変革」象限を抱える化学メーカーの正直さ ── COC・汎用化学品の再生プラン












テーマ⑥ 大株主構成が示唆する「還元方針の継続性」












配当継続性スコア
S:全項目良好。配当継続性について特段の懸念なし
A:ほぼ良好。軽微な注意点あり
A-:Aの要件を満たすが、Bに近い注意点あり
B:概ね良好だが注意点あり。モニタリングが必要
B-:Bの要件を満たすが、Cに近い注意点を抱える
C:注意点が多い。投資前の慎重な検討が必要
C-:Cの要件を満たすが、Dに近い懸念あり
D:要注意。配当リスクが高い
E:配当の継続性に重大な懸念
※2026年5月より評価体系をS/A/A-/B/B-/C/C-/D/Eの9段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 配当の中身(普通配当か・継続性) | ○ | 100%普通配当。記念配当・特別配当なし。DOE5%以上+総還元性向60%以上+累進配当を中期戦略「Accelerate 2030」で5年コミット。 |
| 本業の稼ぐ力 | △ | 2026年3月期営業利益は▲31.0%。前中期戦略「Accelerate 2025」で▲600億円の計画未達実績あり。新中期はさらに野心的(営業利益2.4倍化)で達成可能性に不確実性が残る。 |
| 財務の健全性 | ○ | 自己資本比率42.6%、現金預金688億円、ネットD/Eレシオ0.69倍。継続企業の前提に関する注記なし。 |
| 配当の原資 | ◎ | 営業CF678億円で配当総額156億円を4倍以上カバー。5年累計1,600億円超の株主還元枠を中期戦略で明示。 |
| 経営方針の透明性 | ◎ | DOE5%以上+還元性向60%以上+累進配当を中期戦略で5年コミット。シルチェスター7.88%保有による還元継続圧力も働く構造。 |
| 総合スコア | A- | 中期戦略により還元方針の透明性は最高レベルに到達。BPS1,392円×DOE5%=約70円が配当の構造的下限であり、純資産が大きく毀損しない限り70円配当は維持可能。一方で本業計画(営業利益2.4倍化)の達成可能性に不確実性があるため、A-が妥当な評価。 |
ラボ独自考察:適正株価を考えてみた
※AIによる試算であり投資推奨ではありません。あくまで参考情報としてご覧ください。
評価手法:普通配当逆算法
計算式:想定配当(円)÷ 想定利回り(%)= 適正株価
普通配当:2027年3月期予想70円(累進配当方針に基づく増配)、特別配当・記念配当の明示なし
シナリオ別 適正株価試算
| シナリオ | 想定配当 | 想定利回り | 試算 適正株価 | 前提条件・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 強気(中期計画部分達成) | 80円 | 4.5% | 約1,778円 | 2028年純利益350〜400億円達成。DOE5%維持+緩やかな増配 |
| 中立(会社予想をそのまま使用) | 70円 | 4.0% | 約1,400円 | 2027年3月期の公式予想配当をそのまま使用 |
| 保守的(増配なし・現状維持) | 70円 | 5.5% | 約1,273円 | 前中期未達の再現シナリオではこの水準 |
| 弱気(業績悪化・方針後退想定) | 56円 | 5.5% | 約1,018円 | 追加減損・地政学リスク顕在化で純資産毀損、DOE4%へ後退(BPS×4%=56円) |
※弱気シナリオで「方針を曲げざるを得ない条件」:①COC追加減損または北米事業の追加損失、②中東情勢悪化によるメタノール・パルプ調達コスト高騰の長期化、③中国アンチダンピング課税の拡大によるPOM事業の収益悪化、これら複数要因が重なるケースを想定しています。
合理的レンジの根拠(2点セット確認)
| 根拠 | 計算・確認 |
|---|---|
| ①普通配当逆算法(中立シナリオ) | 70円 ÷ 5.0% = 約1,400円 |
| ②BPS × 適正PBR倍率 | BPS:1,392.36円(2026年3月期末、決算短信P1) PBR0.9倍 = 1,253円(過去レンジ下限) PBR1.0倍 = 1,392円(解散価値水準、現株価1,327.5円とほぼ一致) PBR1.2倍 = 1,671円(ROE12%(2028計画)が実現する場合に正当化できる水準) ROE2.8%の現状を踏まえると、PBR0.9〜1.0倍が現時点の合理的水準。 |
| 両者の一致確認 | ①中立シナリオ:約1,400円 に対し、②PBR1.0倍:約1,392円 は概ね一致した水準にあります。合理的レンジは約1,270〜1,400円程度と考えられます。現株価1,327.5円は中立シナリオとPBR1.0倍水準のほぼ中央に位置しており、業績継続が前提ではあるものの、バリュエーション的には妥当な水準と考えられます。 |
全シナリオが崩れる条件(銘柄固有リスク)
! 中期計画の2028年営業利益630億円が大幅未達となるケース(前中期戦略▲600億円未達の再現)
! 中東情勢悪化によるメタノール・パルプ調達コスト高騰の長期化
! COC第2プラントで追加減損または稼働遅延の再発
! アセテート・トウのローカル市場の構造的価格崩壊(タバコ世界需要の急減等)
! 中国アンチダンピング課税の長期化・拡大によるPOM事業の収益悪化
! DOE5%以上・累進配当方針の撤回(最悪のシナリオ。中期戦略全体の修正を伴うため発生確率は低いが、発生すれば全シナリオが崩れる)
結論ボックス
① みんかぶ様の外部目標株価との比較
みんかぶ様の目標株価は1,390円で、現株価1,327.5円はやや下回る水準です。中立シナリオ(1,400円)と一致する水準にあり、中期計画達成シナリオが織り込まれれば強気シナリオ(1,778円)も視野に入ります。
② 当ラボが考える割高・割安感
PBR0.95倍、配当利回り5.27%は割安圏といえる水準です。2027年予想EPSベースのPER10.6倍は妥当水準で、中期計画通り2028年純利益440億円達成ならEPS約172円でPER7.7倍まで低下する計算になります。
③ 長期投資家への推奨視点(普通配当基準での評価)
DOE5%以上+累進配当が2030年まで中期戦略で確約されました。前中期戦略で▲600億円の計画未達があったにもかかわらず還元方針を引き上げた経営判断は、長期配当投資家にとって極めて重要なメッセージと考えられます。BPS1,392円×DOE5%=約70円が構造的な配当下限であり、純資産が大きく毀損しない限り70円配当の維持は可能性が高いと評価できます。
④ 強気シナリオの根拠
(1) 中期計画2028年純利益440億円・2030年650億円計画 ── ただし前中期戦略で▲600億円の未達実績があり、達成率には慎重な見方が必要 (2) AIサーバー向けLCP/PPSは追い風要因だが市場は現時点でAI銘柄として評価しておらず、主役は累進配当 (3) COプラント・アセテート・トウの重荷解消 (4) 5年累計1,600億円超の株主還元枠 (5) シルチェスター7.88%保有による還元方針の構造的継続性。これらが重なれば、増配ペースの加速も期待できると考えられます。
まとめ
- 2026年3月期はCOC第2プラント減損324億円により純利益が▲79.4%と急減したものの、配当60円を維持し、次期2027年3月期は70円への増配を予定。配当利回りは約5.27%と高水準です。
- 新中期戦略「Accelerate 2030」でDOE5%以上+総還元性向60%以上+累進配当を2030年度まで明文化。5年累計1,600億円超(時価総額の約47%)の株主還元枠を確保しました。
- 自己資本比率42.6%、営業CF678億円で配当総額156億円を4倍以上カバー。BPS1,392円×DOE5%=約70円が構造的な配当下限となり、純資産が大きく毀損しない限り70円配当は維持可能と評価できます。
- 前中期戦略「Accelerate 2025」で▲600億円の計画未達実績あり。新中期はさらに野心的(営業利益2.4倍化)で達成可能性に不確実性が残るため、増配ペースは業績次第と考えられます。総合スコアはA-が妥当な評価です。
- 「高配当×累進配当コミット×多面的事業構成」は魅力的なセットです。ただし前中期の計画未達実績を念頭に置き、四半期ごとの中期計画進捗と次期中計での配当方針継続を確認しながら保有判断することが重要です。
出典・参照資料一覧
| No. | 資料名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) | 株式会社ダイセル 2026年5月公表 |
| 2 | 2026年3月期 決算説明資料 | 株式会社ダイセル 2026年5月公表 |
| 3 | 中期戦略「Accelerate 2030」 | 株式会社ダイセル 2026年5月22日公表 |
| 4 | 配当予想修正に関するお知らせ | 株式会社ダイセル 2026年公表 |
| 5 | 有価証券報告書(2026年3月期) | 株式会社ダイセル 2026年公表 |
| 6 | 大量保有報告書(シルチェスター) | 2025年3月公表 |
| 7 | 株価情報・目標株価(みんかぶ様) | 4202 ダイセル 株価情報(2026年6月19日時点) |
| 8 | 株式指標・配当情報・配当履歴・EPS推移(IRBANK様) | 4202 ダイセル 各種財務・配当データ(2026年6月時点) |
免責事項
本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。
本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。
本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。
本記事で参照しているみんかぶ様・IRBANK様などの第三者提供データについて、当ラボはその正確性・完全性について責任を負いません。最新情報は各社の公式サイトおよび企業のIR情報をご確認ください。
本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。
本記事における大株主構成・株主行動に関する言及は、公開情報に基づく一般的な分析であり、特定の株主の意図や活動を断定するものではありません。
情報基準日:2026年6月19日
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。









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