【高配当研究所】パソナグループ(2168)/配当の8割は時限特別配当、本業赤字の実態を読む

※本レポートの株価(1,548円)は2026年7月時点のものです。数値の出典は決算短信、みんかぶ様、IRBANK様のほか、公開報道各社の記事です。

目次

はじめに

「高配当株研究所」へようこそ。当ラボでは、配当生活・FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す方々に向けて、高配当株の銘柄分析を行っています。私(所長)は投資初心者レベルで、読者の皆さんと同じ目線から素朴な疑問を投げかける役割を担っています。

本日は、人材サービス大手の株式会社パソナグループ(証券コード:2168)について、エキスパート投資アナリストの車野蔵人(くるまの くろうど)さんに解説していただきます。

2026年5月期は当期純損失△33億88百万円と2期連続の最終赤字となりましたが、配当は75円を維持し、配当利回りは約4.84%(みんかぶ様)となっています。しかしこの配当のうち8割にあたる60円は2028年5月期までの時限的な特別配当であり、「この高配当は本物なのか」を丁寧に読み解く必要がある銘柄です。ぜひ最後までお付き合いください。

会社概要

項目内容
正式名称株式会社パソナグループ
証券コード2168(東証プライム)
設立2007年12月3日(創立1976年2月)
決算期5月期
主な事業HRソリューション、グローバルソリューション、ライフソリューション、地方創生・観光ソリューション
時価総額約620億円

主要財務指標一覧(2026年5月期)

指標数値
売上高3,084億96百万円(△0.2%)
営業利益△11億49百万円
経常利益1億38百万円(黒字転換)
当期純損失△33億88百万円
EPS△90.07円
BPS3,397.06円
自己資本比率53.9%
営業CF28億97百万円
年間配当(1株当たり)75円(普通15円+特別60円)
配当利回り(参考)約4.84%(みんかぶ様)/約4.86%(IRBANK様・予想)
現在株価(参考)1,548円

EPS推移と配当の関係

配当75円の中身を見る

所長ダル
配当利回りは4.8%程度とのことで、正直そこまで飛び抜けて高い水準というわけではなさそうですが、それでも気になるポイントがある銘柄なんでしょうか?
車野アナリスト
よい着眼点です。実は利回りの数字だけを見ていると、この銘柄の本質を見誤ってしまいます。現在の年間配当75円のうち、普通配当はわずか15円で、残り60円は2024〜2028年5月期の5期にわたって実施される時限的な特別配当です。つまり配当の8割は「期限付き」であり、2028年5月期以降にこの水準が続く保証はありません。加えて、2025年5月期・2026年5月期と2期連続でEPSがマイナス、つまり最終赤字となっています。まずはこのEPSの推移を確認してみましょう。
決算期EPS(円)1株配当(円)配当性向備考
2021年5月期173.363017.3%
2022年5月期220.183515.9%
2023年5月期155.693522.5%
2024年5月期2,447.55753.1%子会社株式売却益による特別利益。特別配当開始
2025年5月期△215.4375万博費用等の特別損失
2026年5月期△90.0775赤字幅縮小、経常利益は黒字化
2027年5月期(予)△26.5875(予)
所長ダル
2024年5月期だけEPSが2,447円と突出していますが、これはどうしてなんでしょうか?
車野アナリスト
これは連結子会社の株式売却による一時的な利益が計上されたためです。本業の稼ぐ力が急に上がったわけではありません。むしろ重要なのは、この売却益を原資として2024〜2028年5月期の5期間、毎期60円の特別配当を実施するという方針が決議された点です。つまり今の75円配当は、本業の利益ではなく過去の資産売却益を取り崩しながら支払われている性格が強いと考えられます。

読み取りポイント:2021〜2023年度はEPSが155〜220円台で推移し配当性向も20%前後と保守的でしたが、2024年5月期の一時益を境に配当水準が75円へジャンプし、その後2期連続でEPSがマイナスに転じています。配当性向が「ー」表示となっているのは、そもそも当期が赤字であり配当性向という指標自体が意味を持たない状態にあるためです。本業の利益だけで75円配当を賄えているわけではない点に注意が必要です。

所長×アナリスト対談

テーマ① EPS乱高下の正体

所長ダル
先ほどのEPS推移を見ると、本当に振れ幅が大きいですね。この乱高下の背景をもう少し詳しく教えてください。
車野アナリスト
はい。2024年5月期のEPS急騰(2,447.55円)は、連結子会社株式の売却益という一時要因によるものです。この売却益を原資に、2024〜2028年5月期の5期にわたり毎期60円の特別配当を実施する方針が決議されました。つまり「良い決算に見える年」と「実際に本業が稼いでいる年」は必ずしも一致しない、というのがこの銘柄を見るうえでの大前提になります。

テーマ② 配当75円の8割は「時限爆弾」?特別配当依存のカラクリ

所長ダル
配当75円のうち60円が特別配当とのことですが、これがなくなったらどうなるんでしょうか?
車野アナリスト
シンプルに言えば、普通配当15円だけが残ることになります。現在の年間配当75円のうち60円(8割)は2028年5月期までの時限的な特別配当であり、普通配当は15円のみです。特別配当終了後の配当水準について、現時点で会社から明確な方針は示されていません。仮に普通配当15円のみとなった場合、現株価1,548円をベースにした利回りは1%を大きく下回る計算になります。「利回り4.8%」という数字を見るときは、この構造を必ず念頭に置く必要があります。

テーマ③ 2期連続最終赤字でも配当を維持できる理由

所長ダル
2期連続で最終赤字なのに、配当を維持できているのはなぜですか?
車野アナリスト
ポイントは営業キャッシュフローです。2026年5月期の営業CFは28億97百万円で、配当総額(約28億70百万円)をわずかに上回っています。ただし、その差はごくわずかであり、余裕があるとは言い難い水準です。また経常利益が黒字転換したのは万博関連の一時収益が主因であり、連結ベースの営業利益は2期連続の赤字が続いています。キャッシュフロー的には配当を出せる状態ではありますが、本業の稼ぐ力が伴っていない点は引き続き注視が必要です。

テーマ④ 5月決算ならではの特殊要因

所長ダル
パソナは5月決算とのことですが、3月決算の会社と何か違いはあるんでしょうか?
車野アナリスト
今期は特に大阪・関西万博の影響が大きく出ています。パビリオン出展に伴う協賛金収入・物販収入がある一方、出展関連費用も発生しており、業績の押し上げ・押し下げ双方の要因になっています。またゴールデンウィーク期間の有給休暇取得増加も、人材派遣を主力とする同社の業績に季節的な影響を与えます。こうした点は、他の3月期決算銘柄と単純比較する際に注意すべき固有の要因と言えます。

テーマ⑤ 大株主構成とガバナンス

所長ダル
株主構成やガバナンス面で気になる点はありますか?
車野アナリスト
まず株主構成ですが、創業者である南部靖之氏が37.07%を保有しており、集中度の高い構成になっています。また大量保有報告書ベースでは、アクティビストとして知られるOasis Managementが5.02%を保有している旨の注記があります。加えて、労働者派遣の料金設定を巡り公正取引委員会の調査が進行中であることも、決算短信に記載されている事実です。これらは業績そのものとは別に、経営方針や情報開示の透明性を見るうえで押さえておきたいポイントです。

テーマ⑥ 元会長・竹中平蔵氏の経歴とガバナンスへの影響

所長ダル
大株主の話に関連して、以前会長を務めていた竹中平蔵氏についてもよく話題になりますが、現在の経営への影響はあるのでしょうか?
車野アナリスト
竹中氏は2009年8月から2022年8月まで、代表権のない取締役会長を務めていました(Wikipedia、日本経済新聞2022年7月19日付報道)。在任中は同時に、政府の産業競争力会議や国家戦略特区諮問会議、成長戦略会議など、規制改革・成長戦略に関する会議のメンバーも歴任しています。退任については本人の申し出(「若いリーダーに託したい」)による公式説明がなされていますが、一部メディア(FRIDAYデジタル、日刊ゲンダイ等)は、同時期に国家戦略特区諮問会議委員やオリックス社外取締役からも退いていたことを踏まえ、当時の政権の方針転換との関連を指摘しています。ただしこれは各メディアの分析・観測であり、確定した情報ではありません。2026年7月現在、竹中氏は経営に一切関与しておらず、大株主一覧にも名前は登場しない点は明確にしておきたいと思います。
所長ダル
過去には新型コロナの持続化給付金事業を巡る報道もありましたね。これも関係があるのでしょうか?
車野アナリスト
2020年当時、経済産業省・中小企業庁が一般社団法人サービスデザイン推進協議会に事業を委託し、同協議会がその大部分を電通に再委託、電通からパソナへ申請受付業務が外注されたという流れが、東京新聞・日刊ゲンダイ・共同通信など複数メディアで報じられました。批判の対象となったのは主に、協議会自体の実体の乏しさや多重下請け構造、給付の遅延であり、パソナ単体の受注行為自体の違法性が確定しているわけではありません。当時の会長が竹中氏だった時期と重なりますが、氏個人がこの事業判断に関与したことを示す一次資料は確認できていない、という点は事実として区別しておく必要があります。

テーマ⑦ 淡路島移転の経緯

所長ダル
本社機能の一部を淡路島に移転したことも話題になりましたが、これは業績にどう関係するのでしょうか?
車野アナリスト
2020年9月に発表された移転については、代表の南部靖之氏自身が兵庫県出身で同島に土地勘があり、2008年から観光・農業分野の地域創生事業を進めていたことが公式な背景として語られています(財界オンライン、現代ビジネス等のインタビュー記事)。2011年の東日本大震災を機に、東京一極集中のリスク、いわゆるBCP(事業継続計画)上の弱さへの危機意識が高まったこと、コロナ禍が計画実行を後押ししたことも説明されています。一方で、有識者による分析記事(大前研一氏=BBT大学院等)では、同島が「あわじ環境未来島特区」に指定され補助金・税制優遇を受けられる点や、不便な立地による自然減耗、つまり人件費抑制効果を狙った可能性を指摘するものもありますが、これはあくまで推測であり会社の公式見解ではありません。なお、淡路島での若手向け雇用プログラムについては、待遇の厳しさからSNS上で批判的な声が上がった経緯も報じられています。
所長ダル
業績面で言うと、地方創生・観光ソリューション事業自体はどうなんでしょうか?
車野アナリスト
決算資料によれば、同事業は2025年5月期から2027年5月期にかけて3期連続の営業赤字(19.0億円→14.9億円→15.0億円の予想)が続く計画になっています。2024年5月期の子会社株式売却益の一部がこの事業への投資にも充てられたとみられ、特別配当の原資となった一時益が、収益化までに時間がかかる事業にも配分されている構図は、投資家として注目しておくべき点と考えられます。

ラボ独自考察:適正株価を考えてみた

ご注意

※AIによる試算であり投資推奨ではありません。あくまで参考情報としてご覧ください。評価手法は普通配当逆算法(想定配当÷想定利回り=適正株価)です。

シナリオ別 適正株価試算

シナリオ想定配当想定利回り試算 適正株価現株価比前提条件・備考
強気80円4.84%約1,653円+6.8%累進配当方針に基づく上乗せを想定
中立75円4.84%約1,550円+0.1%会社の次期予想配当をそのまま使用
保守的15円(普通配当のみ)4.84%約310円△80.0%2028年5月期の特別配当終了後を想定
弱気10円5.5%約182円△88.2%累進配当方針撤回・特別配当前倒し終了・公取委調査の悪影響顕在化を想定

BPS × 適正PBR倍率

PBR倍率適正株価
0.4倍約1,359円
0.5倍約1,699円

保守的シナリオ(普通配当15円ベース、約310円)とPBR0.4〜0.5倍レンジ(約1,359〜1,699円)は大きく乖離しており、現株価1,548円は「特別配当が今後も続く」ことを織り込んだ水準にあると考えられます。特別配当の存続が、この銘柄のバリュエーションを左右する最大の変数と言えるでしょう。

全シナリオが崩れる条件(銘柄固有リスク)

  • 特別配当終了(2028年5月期)後、普通配当のみに減額され利回りが大幅低下する場合
  • 連結ベースの営業赤字が3期以上継続し、営業CFが配当総額を下回る場合
  • 公正取引委員会の調査で重大な違反認定・課徴金等が科される場合
  • 累進配当方針(75円下限)自体が撤回・修正される場合
  • 自己資本比率が45%を下回るなど財務健全性が大きく悪化する場合

結論ボックス

当ラボの結論

①外部目標株価との比較:みんかぶ様の目標株価は1,010円で、現在株価1,548円を大きく下回る「売り」評価です。個人予想も「売り」となっており、市場のアナリスト評価は弱気と考えられます。

②割高・割安感:PBR0.45〜0.46倍は一見割安に見えますが、業績・配当原資の不確実性を踏まえると「割安」ではなく「市場が信用していないサイン」の可能性があると考えられます。

③長期投資家への視点:配当利回りの大部分が時限的な特別配当に依存しており、2028年5月期以降の配当水準には大きな不確実性があります。高利回りそのものよりも、本業の収益力回復と特別配当終了後の方針発表を注視する必要があると考えられます。

④強気シナリオの根拠:経常利益の黒字転換、営業損失の縮小傾向、主力セグメントの粗利率改善余地が挙げられます。ただし本業が赤字である現状を踏まえると、確度は高くないと考えられます。

まとめ

  • 配当利回り約4.84%(みんかぶ様)は一見魅力的ですが、75円のうち60円(8割)は2028年5月期までの時限的な特別配当であり、普通配当は15円のみです。
  • 2025年5月期・2026年5月期と2期連続で最終赤字。経常利益の黒字化は大阪・関西万博関連の一時収益が主因で、連結営業利益は2期連続の赤字が続いています。
  • 自己資本比率53.9%と財務基盤は一定の健全性を保っていますが、営業CFが配当総額を上回るマージンはごくわずかです。
  • 大株主の集中度、公正取引委員会による調査進行中など、ガバナンス面でも注視すべき論点があります。
  • 総合スコアはC。特別配当終了後の配当方針、本業の収益力回復の有無を継続してモニタリングすることが重要と考えられます。

出典・参照資料一覧

No.資料名備考
12026年5月期 決算短信株式会社パソナグループ 公表資料
2株価情報・目標株価(みんかぶ様)2168 パソナグループ 株価情報
3株式指標・配当情報・EPS推移(IRBANK様)2168 パソナグループ 各種財務・配当データ
4Wikipedia/日本経済新聞(2022年7月19日付)竹中平蔵氏の役員在任期間に関する記述
5FRIDAYデジタル/日刊ゲンダイ竹中氏退任の背景に関する分析記事
6東京新聞/共同通信持続化給付金事業の委託・再委託構造に関する報道
7財界オンライン/現代ビジネス淡路島移転に関する南部靖之氏インタビュー記事
8大量保有報告書Oasis Managementの保有状況に関する開示資料

免責事項

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本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。

本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。

本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。

本記事で参照しているみんかぶ様・IRBANK様などの第三者提供データについて、当ラボはその正確性・完全性について責任を負いません。最新情報は各社の公式サイトおよび企業のIR情報をご確認ください。

本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

本記事における役員経歴・過去の事業委託構造・本社移転の経緯等に関する記述は、公開報道および会社の公式発表を基にした事実整理であり、特定の個人・団体を誹謗中傷する意図はありません。事実として確認できる情報と、各メディア・有識者による分析・推測は明確に区別して記載しています。

本記事における業界慣行への言及は、一般的な注意喚起を目的としたものであり、特定の企業の商品・営業活動を批判するものではありません。

情報基準日:2026年7月15日

本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。

© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。

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