※本レポートの株価(1,462.0円)は2026年7月8日15:30時点のものです。
建設業 / 東証プライム / 舗装専業大手(アスファルト舗装・道路工事、東急グループ)
はじめに
「高配当株研究所」へようこそ。当ラボでは、配当生活・FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す方々に向けて、高配当株の銘柄分析を行っています。私(所長)はこれまで数多くの銘柄を見てきましたが、まだまだ勉強中の身として、読者の皆さんと同じ目線で疑問を投げかけながら学んでいく役割を担っています。
本日は、道路舗装最大手クラスの世紀東急工業株式会社(証券コード:1898)について、エキスパート投資アナリストの車野蔵人(くるまの くろうど)さんに解説していただきます。
ちなみに、同社の社名「世紀」は、前身である世紀建設工業株式会社の設立(1950年)が20世紀後半の第1年目にあたることに由来するそうです。創業者らが手がけた道路舗装が、米軍のチーフエンジニアから「人力をもって最高の世紀的な仕事である」と評価されたことにも由来すると言われています。1982年に世紀建設株式会社と東急建設の道路部門・東急道路株式会社が合併し、現在の社名・東急グループ入りとなりました。
2026年3月期は増収減益ならぬ「減収増益」で純利益は前期比+20.0%となった一方、1株配当は90円から71円へと減配となりました。「業績は良いのに、なぜ減配なのか」——ここが今回最大の論点です。ぜひ最後までお付き合いください。
会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 世紀東急工業株式会社 |
| 証券コード | 1898(東証プライム) |
| 設立 | 1950年1月16日 |
| 主な事業 | 建設事業(アスファルト舗装・土木工事等)、舗装資材製造販売事業(アスファルト合材等) |
| 時価総額 | 552億円(みんかぶ様、2026年7月8日時点)/547億円(IRBANK様、2026年7月6日時点) |
| 決算期 | 3月期 |
| 資本金 | 20億円 |
| 従業員数 | 1,011名(2026年3月31日現在) |
| 建設業許可 | 国土交通大臣許可(特-4)第1962号 |
| 大株主 | 東急建設株式会社(24.38%)ほか |
出典:2026年3月期決算短信・決算説明資料、みんかぶ様、IRBANK様
主要財務指標一覧
| 指標 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予) |
|---|---|---|
| 売上高 | 952億59百万円(▲4.1%) | — |
| 営業利益 | 64億17百万円(+9.9%) | — |
| 経常利益 | 62億78百万円(+8.5%) | — |
| 当期純利益 | 46億66百万円(+20.0%) | — |
| EPS(1株当たり純利益) | 127.43円 | 128.30円(予) |
| BPS(1株当たり純資産) | 1,207.01円 | — |
| ROE | 10.9% | — |
| 自己資本比率 | 52.3% | — |
| 年間配当(1株当たり) | 71円(中間35円+期末36円) | 75円(予、中間37円・期末38円) |
| 配当性向 | 55.7% | 58.5%(予) |
| DOE(純資産配当率) | 6.1% | — |
| 配当利回り(参考) | 約5.12%(みんかぶ様) | — |
| 現在株価(参考) | 1,462.0円(2026年7月8日15:30時点) | — |
| PER | 11.47倍(みんかぶ様)/11.5倍(IRBANK様) | — |
| PBR | 1.23倍(みんかぶ様)/1.22倍(IRBANK様) | — |
| みんかぶ目標株価 | 1,279円(評価:売り) | — |
出典:2026年3月期決算短信、みんかぶ様、IRBANK様
なお、配当性向が同社の目標方針(DOE6%)から見て高めの水準(55.7%)となっている背景には、2024年3月期・2025年3月期にDOE8%の暫定方針のもとで配当性向100%超・84.5%という厚い還元を実施してきた経緯があり、その調整局面にあると考えられます。詳細はこの後のEPS推移および対談テーマ①で解説します。
EPS推移と配当の関係
増益なのに「減配」?EPSと配当方針の関係
所長ダル








EPS推移表(過去8期+今期予想)
出典:2026年3月期決算短信、IRBANK様
| 決算期 | EPS(円) | 1株配当(円) | 配当性向(%) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年3月期 | ― | 27 | 31.3 | |
| 2020年3月期 | 162.37 | 47 | 28.9 | |
| 2021年3月期 | 128.45 | 43 | 33.5 | |
| 2022年3月期 | 84.81 | 30 | 35.4 | |
| 2023年3月期 | 30.73 | 30 | 97.6 | 業績低迷(EPS急減)も配当維持のため配当性向急上昇 |
| 2024年3月期 | 75.16 | 90 | 119.7 | 配当性向100%目標を掲げ大幅増配(前期比+60円) |
| 2025年3月期 | 106.46 | 90 | 84.5 | 増益により配当性向は低下 |
| 2026年3月期 | 127.43 | 71 | 55.7 | 株主還元方針をDOE6%基準へ移行、配当は前期比▲19円 |
| 2027年3月期(予想) | 128.30 | 75 | 58.5 | 中間37円・期末38円、増配予想 |
※記念配当・特別配当の計上はなく、一貫して普通配当のみで推移していると考えられます。ただし2026年3月期の配当は前期比で減少しており、これは業績悪化によるものではなく、株主還元指標の変更(配当性向基準→DOE基準)に伴うものである点に留意が必要です。
読み取りポイント:2023年3月期にEPSが30円台まで落ち込んだ局面はあったものの赤字転落ではなく、以降4期連続でEPSは右肩上がりに回復しています。配当については2023年5月導入の暫定方針(配当性向100%・DOE8%)のもとで一時的に厚い還元がなされた後、2024年5月にDOE6%基準へ移行し、2026年3月期の配当は前期比で減少しました。次期(2027年3月期)はEPS・配当ともに増加が予想されており、方針転換後の「新しい巡航速度」を見極める局面にあると考えられます。
このEPS推移から何が言えるか












所長×アナリスト対談
テーマ① 大幅増配からの「減配」―DOE基準移行の裏側












テーマ② 政策保有株式、ついに残高ゼロへ












テーマ③ 筆頭株主は東急建設―グループとのシナジーと株主構成の実態





















テーマ④ ROE2.8%から10.9%へ―経営改革の軌跡とその背景


















テーマ⑤ 舗装会社が農業用廃プラリサイクル事業に参入した理由












配当継続性スコア
| ランク | スコア基準 | 意味 |
|---|---|---|
| S | ○5つ | 全項目良好:配当継続性について特段の懸念なし |
| A | ○4つ△1つ | ほぼ良好:軽微な注意点あり |
| A- | Aの要件はほぼ満たすがBに近い注意点あり | 概ね良好だが、一部項目でやや慎重な評価 |
| B | ○3つ△2つ | 概ね良好だが注意点あり:モニタリングが必要 |
| B- | Bの要件は満たすがCに近い注意点あり | モニタリングに加え、やや踏み込んだ注意が必要 |
| C | ○2つ以下または×あり | 注意点が多い:投資前の慎重な検討が必要 |
| C- | Cの要件は満たすがDに近い懸念あり | 投資前の慎重な検討に加え、より高い注意が必要 |
| D | ×2つ以上 | 要注意:配当リスクが高い |
| E | 重大な懸念あり | 配当継続性について強い懸念:投資には特に慎重な判断が必要 |
※2026年5月より評価体系をS/A/A-/B/B-/C/C-/D/Eの9段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 配当の中身 | △ | 普通配当のみで記念配当等はないと考えられますが、株主還元方針の変更(配当性向100%超→DOE6%)に伴い、2026年3月期は前期比19円の減配となりました。業績悪化によるものではなく方針転換によるものですが、表面上の「継続性」の観点では留意点として扱いました。 |
| 本業の稼ぐ力 | ○ | 建設事業営業利益率9.6%、舗装資材製造販売事業8.1%(2027年3月期予想)と、ROE10.9%(2026年3月期)は会社推計の株主資本コスト(CAPMベース6.4〜8.0%)を上回る水準にあると考えられます。 |
| 財務の健全性 | ○ | 自己資本比率52.3%、有利子負債残高66億円に対し純資産442億円(DEレシオ0.15程度)と健全な水準を維持していると考えられます。 |
| 配当の原資(営業CF vs 配当総額) | ○ | 2026年3月期の営業CFは114億17百万円と配当総額26億円を大幅に上回っていますが、2025年3月期は売上債権増加により営業CFが一時的にマイナス(▲9億71百万円)となった実績があり、単年度の振れ幅には留意が必要と考えられます。 |
| 経営方針の透明性 | ○ | ROE・株主資本コストを意識した経営を明確に開示し、DOE基準への移行理由も丁寧に説明されているほか、SR・IRミーティングや統合報告書・英文開示等、情報開示の充実に努めている様子がうかがえます。 |
| 総合スコア | A- | 本業の収益性・財務健全性・経営の透明性はいずれも良好な水準にあると考えられ、配当原資についても足元は十分な営業CFで賄われています。一方で、直近の配当は方針転換に伴い減少しており、表面的な「継続性」の観点で△評価としたため、A評価には届かないと判断いたしました。ただし、この減配は業績要因ではなく、より持続可能な還元方式(DOE基準)への移行という前向きな変化と捉えることもでき、次期は増配予想(75円)となっている点も踏まえると、実態としてはA評価に近い内容と考えられます。 |
ラボ独自考察:適正株価を考えてみた
⚠️ ※AIによる試算であり投資推奨ではありません。あくまで参考情報としてご覧ください。
評価手法:普通配当逆算法
計算式:想定配当(円)÷ 想定利回り(%)= 適正株価
普通配当:2027年3月期予想75円(DOE6%基準への移行後の還元方針に基づく増配予想)、特別配当・記念配当の明示なし
シナリオ別 適正株価試算
| シナリオ | 想定配当 | 想定利回り | 試算 適正株価 | 現株価比 | 前提条件・備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 強気 | 80円 | 4.5% | 約1,778円 | +21.6% | EPS成長継続(2027年3月期予想128.30円からの更なる増益)を背景に、DOE6%超の還元余地を織り込んだ増配を想定 |
| 中立 | 75円 | 5.0% | 約1,500円 | +2.6% | 会社が公表している2027年3月期予想配当をそのまま使用 |
| 保守的 | 71円 | 5.12% | 約1,387円 | ▲5.1% | 増配なし・2026年3月期実績配当を据え置き、現在の実績利回りをそのまま適用 |
| 弱気 | 32円 | 6.0% | 約533円 | ▲63.5% | 中東情勢の長期化等により原価高騰・受注減少が進み、EPSが半減程度(64円前後)まで落ち込んだと仮定。DOE6%方針を維持できず、配当性向50%水準まで方針を切り下げざるを得なくなった場合を想定 |
※現在株価:1,462.0円(2026年7月8日15:30時点、みんかぶ様)
※弱気シナリオで「方針を曲げざるを得ない条件」:①中東情勢の緊迫化が長期化し、アスファルト・重油の供給停止や原価の急激な上昇が生じる場合、②官公庁発注工事が想定以上に減少し、繰越工事高・受注残高が大幅に下振れする場合、③自己資本比率が大幅に低下し、格付目安(BBB+相当)の維持が困難になる場合、これら複数要因が重なるケースを想定しています。
合理的レンジの根拠(2点セット確認)
| 根拠 | 計算・確認 |
|---|---|
| ①普通配当逆算法(保守的シナリオ) | 71円 ÷ 5.12% = 約1,387円 |
| ②BPS × 適正PBR倍率 | BPS:1,207.01円(2026年3月期実績) PBR1.0倍 = 約1,207円(解散価値水準) PBR1.2倍(実績PBR近辺) = 約1,448円(現株価1,462円とほぼ一致) ROE10.9%の水準を踏まえ、PBR1.0〜1.2倍が合理的と判断。 |
| 両者の一致確認 | ①保守的シナリオ:約1,387円 に対し、②PBR1.2倍:約1,448円 は概ね近似した水準にあります。合理的な下限レンジは約1,207〜1,450円程度と考えられます。現株価1,462円はこのレンジの上限付近に位置しており、業績継続と方針転換後の増配シナリオが前提ではあるものの、極端な割高水準ではないと考えられます。 |
全シナリオが崩れる条件(銘柄固有リスク)
| ! | 中東情勢の緊迫化が長期化し、アスファルト・重油の供給停止や原価の急激な上昇が生じる場合(会社自身が業績予想に未織り込みと明言) |
| ! | 官公庁発注工事が想定以上に減少し、繰越工事高・受注残高が大幅に下振れする場合 |
| ! | DOE(純資産配当率)方針の撤回・大幅修正 |
| ! | 農業用廃プラスチックリサイクル事業(ゼネラルアクト)など新規M&Aで想定外の損失・のれん減損が発生する場合 |
| ! | 自己資本比率が大幅に低下し、格付目安(BBB+相当)の維持が困難になる場合 |
結論
① みんかぶ様の外部目標株価との比較
みんかぶ様の目標株価1,279円(評価:売り)に対し、現株価1,462円は上回っており、外部評価では割高感を指摘する声もあると考えられます。一方、当ラボの試算では中立シナリオが約1,500円となっており、評価は分かれる水準と言えそうです。
② 当ラボが考える割高・割安感
PER11.5倍・PBR1.2倍は、同社の過去5年推移(PER7.2〜26.4倍、PBR0.7〜1.7倍)の中では中間的な水準にあると考えられ、極端な割高・割安のいずれにも該当しないと見られます。
③ 長期投資家への推奨視点(普通配当基準での評価)
ROE10%超・PBR1倍超えを継続的に達成しつつある点、配当方針がDOE基準へ移行し透明性が高まっている点は、長期保有の観点でプラス材料と考えられます。ただし直近の減配(90円→71円)は方針転換によるものであり、業績要因ではない点を理解した上で保有を検討する必要があります。また、東急グループという安定株主構成と、水面下でポジションを維持している可能性があるアクティビストの存在という、やや複雑な株主構成も踏まえておくべきでしょう。
④ 強気シナリオの根拠
2030年度目標(単体工事受注780億円、連結売上高1,100億円・ROE10%)に向けた中期経営計画が前倒しで進捗している点、農業用廃プラリサイクル事業など既存事業とのシナジーを意識した新規分野への展開が進んでいる点が根拠として考えられます。
まとめ
- 2026年3月期は純利益が前期比+20.0%と増益。一方で配当は90円から71円へ減配となりましたが、これは業績悪化ではなく、株主還元方針を配当性向100%基準からDOE6%基準へ移行したことによるものです。次期(2027年3月期)は75円への増配が予想されています。
- ROEは2023年3月期の2.8%から2026年3月期には10.9%まで改善。背景には過去の独占禁止法違反・株主代表訴訟という特殊要因を乗り越えたガバナンス強化の取り組みがあり、自己資本比率52.3%・営業CFが配当総額を大幅に上回る水準など、財務基盤は良好です。
- 東急建設が筆頭株主(24.38%)を務める安定株主構成の一方で、国内著名アクティビストファンドが5%近い保有を継続している可能性があり、株主構成はやや複雑です。中東情勢の緊迫化による資材価格の高騰や、官公庁工事の受注動向は業績・配当の変動要因として継続的なモニタリングが必要です。
- 現株価1,462円はみんかぶ様の目標株価1,279円を上回る一方、当ラボの試算レンジ(約1,207〜1,450円)の上限付近に位置しており、極端な割高感はないものの、方針転換後の増配シナリオの実現を確認しながら保有判断を行うことが重要です。
出典・参照資料一覧
| No. | 資料名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結) | 世紀東急工業株式会社 2026年公表 |
| 2 | 2026年3月期 決算説明資料 | 世紀東急工業株式会社 2026年公表 |
| 3 | 株価情報・目標株価(みんかぶ様) | 1898 世紀東急工業 株価情報(2026年7月8日時点) |
| 4 | 株式指標・配当情報・配当履歴・EPS推移(IRBANK様) | 1898 世紀東急工業 各種財務・配当データ(2026年7月時点) |
| 5 | 大量保有報告書関連データ | 株式会社ストラテジックキャピタルの保有状況(IRBANK様集計) |
免責事項
本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。
本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。
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本記事における業界慣行・過去の法的手続き等への言及は、一般的な情報提供・注意喚起を目的としたものであり、特定の企業の現在の商品・営業活動を批判するものではありません。
情報基準日:2026年7月8日
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。










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