今回は、アパレル大手「TSIホールディングス(3608)」の2027年2月期 第1四半期(2026年3月〜5月)決算について、継続チェックの観点から確認していきます。
所長ダル


① 会社概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 株式会社TSIホールディングス |
| 証券コード | 3608(東証プライム) |
| 主な事業 | アパレル関連事業(MARGARET HOWELL、AVIREX、NANO universe、PEARLY GATES、FREAK’S STORE等)、その他事業 |
| 決算期 | 2月期 |
| 時価総額 | 約780億円(IRBANK様、’26/7/21時点) |
| 現在株価 | 1,239円(’26/7/22 14:53、みんかぶ様) |
| 配当利回り | 5.64%(みんかぶ様、実績40円ベース)/5.69〜5.77%(IRBANK様、予想70円ベース) |
出典:決算短信、決算説明資料、みんかぶ様、IRBANK様






② 主要財務指標
| 指標 | 2026年2月期実績 | 2027年2月期1Q実績 | 2027年2月期通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,670億85百万円 | 462億79百万円(前期比+30.0%) | 2,000億円(+19.7%) | 23.1% |
| 営業利益 | 43億25百万円 | 25億12百万円(+65.8%、第1四半期として過去最高) | 75億円(+73.4%) | 33.5% |
| 純利益 | 37億93百万円 | 21億2百万円(+6.9%) | 77億円(+103.0%) | 27.3% |
| EPS | 60.48円 | 36.65円 | 132.17円(会社予想)/134.24円(IRBANK様予想) | 27.7% |
配当については、2027年2月期予想で年70円(通常55円+特別15円)、直近に公表されている配当予想からの修正の有無は「無」と明記されています(1Q短信p1)。配当性向は前期66.1%から今期予想約53.0%(70÷132.17)へ低下する見込みです。
- BPS:1,651.10円(1Q末、自己株買い等により前期末1,704.79円から減少)(1Q短信p3)
- 自己資本比率:54.9%(前期末57.0%からさらに低下)(1Q短信p3)
- 有利子負債:482億円(前期末448億円からさらに増加、M&A有利子負債330億円超の状況)(1Q短信p4-5)
- 自己株式取得:2026年4月に30億円実施(約2,085千株)(1Q説明資料p9)









③ 継続チェック評価
| チェック項目 | 評価 | 解説 |
|---|---|---|
| 通常配当55円に変更はないか | ○ | 1Q短信で「直近に公表されている配当予想からの修正の有無:無」と明記。TIP27の増配コミットは維持されています(短信p1)。 |
| 純利益予想77億円の進捗 | △ | 1Q単独で純利益21億円(通期予想の27%)、経常利益33億円を計上し好調です。しかし会社の2Q累計(上期)予想は純利益わずか7億円・営業利益12億円にとどまり、1Q実績が既にこれを超過しています。つまり会社計画は「2Q単独で大幅な減益(実質的な損失)」を前提とした形になっており、下期偏重の保守的な計画か、Q2特有の一時要因(季節性・在庫処理等)を織り込んでいる可能性があります。次回2Q決算での修正有無・要因確認が必要です(1Q短信p1、説明資料p22)。 |
| 特別配当15円の財源進捗 | ○ | 政策保有株式の売却が「合意した相手先から順次進行中」と確認されました(説明資料p9)。投資有価証券は前期末28,628百万円→1Q末24,488百万円へ減少し、売却が実際に進んでいます。 |
| 自己資本比率の悪化度合い | △ | 76.4%(2025/2)→57.0%(2026/2)→54.9%(2027/2 1Q)と一貫して低下が継続しています。M&A後の統合リスクとして引き続き要注意です。 |
| 営業CFの正常化 | 未確認 | 四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず(1Q短信p10注記)、今回は確認不可です。2Q(半期報告書)での開示を待つ必要があります。 |
| のれんの追加減損 | ○ | 「固定資産に係る重要な減損損失:該当事項はありません」「のれんの金額の重要な変動:該当事項はありません」と明記されています(1Q短信セグメント情報)。前期発生した米国事業の減損(18億円)は1Qでは再発していません。 |
| 既存ブランドの売上回復 | ○ | 既存事業ベース売上高は前年同期比102.8%、国内既存店売上高は104.9%と回復基調を維持しています。NATURAL BEAUTY BASIC・JILL by JILL STUARTなどウィメンズブランドにも回復が見られます(説明資料p5、p14)。 |
| TIP27目標への進捗 | ○ | 営業利益は1Qで25億円(通期予想75億円の33%)を計上し、第1四半期として過去最高です。既存事業の売上回復+構造改革の一段進化が寄与しています(説明資料p7)。 |
| 自己株式取得の継続性 | ○ | 2026年4月に30億円の自己株式取得を実施しました(説明資料p9)。株主還元方針は継続しています。 |
9項目中7項目が○評価となっており、大きな悪化シグナルは少ないと考えられます。ただし純利益進捗と自己資本比率の悪化度合いの2項目は△評価、営業CFは未確認のままです。特に2Q単独の会社計画が大幅減益を前提としている点は、次回中間決算での確認が必要です。















④ 配当継続性スコア(5項目評価)
| 評価項目 | 前回(2026/4) | 今回 | コメント |
|---|---|---|---|
| 配当の中身 | △ | ○ | 通常配当が25円→55円(+120%)へ大幅増配予定となり、配当全体(70円)における通常配当比率が62.5%→78.6%へ上昇しました。特別配当依存度が相対的に低下し、継続性はやや改善しています。 |
| 本業の稼ぐ力 | ○ | ○ | 1Qは第1四半期として過去最高の営業利益となりました。既存事業ベースでも増収増益となり、前期からの改善傾向が継続・加速しています。 |
| 財務の健全性 | △ | △ | 自己資本比率が57.0%→54.9%へさらに低下、有利子負債も448億円→482億円へ増加しています。M&A統合リスクは依然として注意水準です。 |
| 配当の原資 | ○ | ○(要観察) | 1Q単独の利益は好調ですが、会社の上期計画自体は控えめです。政策保有株売却は順調に進行中で、特別配当の裏付けは維持されています。 |
| 経営方針の透明性 | ○ | ○ | 業績予想の修正なしを明記し、既存事業ベースの内訳、セグメント情報、店舗数まで丁寧に開示しています。 |
| 総合スコア | B | B+ | 配当の中身の評価が△→○に改善した一方、財務の健全性は△のまま変化していません。5項目中変化があったのは1項目のみであり、加えて2Q単独が会社計画上大幅減益を前提としている点、営業CFが未確認である点、現在株価が既に当ラボの合理的レンジを上回っている点など、新たな留意点も複数見られます。変化の実態に見合った形で、A-まで一気に引き上げるのではなくB→B+の1段階の改善にとどめて判定します。 |
B→B+(改善)
配当の中身の評価が△→○に改善したことが主な要因ですが、財務の健全性は依然△のままで、5項目中変化があったのは1項目のみです。加えて2Q単独の会社計画が大幅減益を前提としている点、営業キャッシュ・フローが未確認である点、現在株価が既に合理的レンジを上回っている点など、新たな留意点も出てきています。これらを踏まえ、変化の実態に見合った形でB→B+の判定とします。
S:非常に優れている/A:優れている/A-:Aの要件を満たすがBに近い注意点がある/B+:Bの要件を満たすがA-に近い長所がある/B:良好/B-:Bの要件を満たすがCに近い注意点がある/C+:Cの要件を満たすがB-に近い長所がある/C:やや懸念がある/C-:Cの要件を満たすがDに近い注意点がある/D:懸念が大きい/E:重大な懸念がある
※2026年5月より評価体系をS/A/A-/B/B-/C/C-/D/Eの9段階に変更しました。旧5段階(S/A/B/C/D)のA・B・C・Dの間にそれぞれ「-(マイナス)」ランクを新設しています。これは、同一ランク内でも「条件が揃えば上のランクに相当する」銘柄と「下のランクに近い懸念がある」銘柄を区別するためです。たとえばB-は「Bの要件は満たすが、Cに近い注意点を抱えている」状態を示します。
※さらにB+・C+ランクを追加し、S/A/A-/B+/B/B-/C+/C/C-/D/Eの11段階としました。B+は「Bの要件は満たすが、A-に近い長所を併せ持つ」状態、C+は「Cの要件は満たすが、B-に近い長所を併せ持つ」状態を示します。






⑤ 適正株価試算(普通配当逆算法)
前提:現在株価1,239円(’26/7/22 14:53、みんかぶ様)。会社の業績予想(通常配当55円・特別配当15円)は前回から変更なしのため、前回と同一の想定利回りを用い、時系列比較を可能にしています。
シナリオ別試算
| シナリオ | 想定配当 | 想定利回り | 適正株価 | 現株価(1,239円)比 | 備考・前提条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 強気 | 55円(通常配当) | 4.5% | 約1,222円 | ▲1.4% | TIP27の増配コミット通り実現した場合 |
| 中立 | 55円(会社予想通常配当) | 4.5% | 約1,222円 | ▲1.4% | 会社予想を採用(強気と同値) |
| 保守的 | 55円 | 5.5% | 約1,000円 | ▲19.3% | 増配は実現するが市場評価は厳しめ |
| 弱気 | 約15円(2024年2月期通常配当実績を参考) | 6.0% | 約250円 | ▲79.8% | 既存ブランドが再度失速し増配計画が頓挫した場合。会社は公式な配当性向下限方針を開示していないため、直近の不調期実績を代用 |
BPS×適正PBR倍率(2点セット確認)
BPS:1,651.10円(1Q末)を使用。前回はBPS1,704.79円で938〜1,193円だったため、自己株買い等によるBPS減少で目安レンジもやや下がっています。
| PBR倍率 | 適正株価 |
|---|---|
| 0.55倍 | 約908円 |
| 0.70倍 | 約1,156円 |
なお現在の実勢PBRは0.75倍(時価総額780億円÷純資産)で、前回設定した「合理的上限0.70倍」を上回っており、市場は前回時点より強気に評価している状況です。
両者の一致確認:配当逆算法(保守的1,000円〜中立1,222円)とBPS法(908〜1,156円)を合わせると、合理的レンジは概ね1,000〜1,220円程度です。現在株価1,239円はこのレンジをやや上回っており、前回(1,126円、レンジ内の上限付近)からさらに株価が先行して上昇したことが分かります。









全シナリオが崩れる条件
- 既存ブランドの売上低迷が再発し、TIP27目標を大幅に下回った場合
- のれん(約322億円)の追加減損が発生した場合
- 政策保有株式の売却が計画通り進まず、特別配当の財源が不足した場合
- 自己資本比率の低下が57%台からさらに進行し、財務制約が強まった場合
- 2Q以降、会社計画通りの大幅減益(またはそれ以上の悪化)が実際に発生した場合
まとめ







































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本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。
本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。
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本記事における業界慣行への言及は、一般的な注意喚起を目的としたものであり、特定の企業の商品・営業活動を批判するものではありません。
情報基準日:2026年7月22日
本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。
© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。










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