注目決算!キオクシア285A アナリスト「買い」×個人「売り」どっちが正しい?

目次

はじめに

「高配当株研究所」へようこそ。当ラボでは、配当生活・FIRE(経済的自立と早期退職)を目指す方々に向けて、高配当株の銘柄分析を行っています。私(所長)は投資初心者レベルで、読者の皆さんと同じ目線から素朴な疑問を投げかける役割を担っています。

今回は少し趣向を変えて、「話題の銘柄」をチェックしてみようというコンセプトでお届けします。取り上げるのは、最近よく耳にするキオクシアホールディングス(証券コード:285A)です。「買っていいの?」「今が買い時なの?」というリアルな疑問を、エキスパート投資アナリストの車野蔵人(くるまの くろうど)さんにぶつけてみました。

なお、IRBANKによると同社の配当はずっと0円のため、今回は「配当継続性スコア」の評価は行いません。「配当で稼ぐ銘柄」ではなく「成長で稼ぐ銘柄」として、どう向き合うべきかを掘り下げていきます。ぜひ最後までお付き合いください。

会社概要

項目内容
正式名称キオクシアホールディングス株式会社
証券コード285A(東証プライム)
主な事業NAND型フラッシュメモリの開発・製造・販売
時価総額約24兆2,546億円(2026年5月15日)
決算期3月期
上場2024年12月

主要財務指標一覧

※ 数値の出典:決算短信、決算説明会資料、みんかぶ様・IRBANK様

指標FY2024(2025年3月期)FY2025(2026年3月期)
売上収益1兆7,065億円2兆3,376億円(+37%)
営業利益4,517億円8,704億円(+92.7%)
Non-GAAP営業利益率26.5%37.5%
EPS(Non-GAAP)507.89円1,033.58円
BPS1,367.49円2,561.74円
ROE45.9%51.9%
営業CF4,764億円6,165億円
配当0円0円
親会社帰属持分比率25.3%37.9%

EPS推移と業績の軌跡

決算期Non-GAAP EPSIFRS EPS配当備考
2020年3月△61,051円0市況悪化・大幅赤字
2022年3月204円0黒字転換
2023年3月△267円0再赤字
2024年3月△471円0赤字継続
2025年3月(FY2024)507.89円519.96円0黒字転換・東証上場
2026年3月(FY2025)1,033.58円1,024.07円0過去最高益
2027年3月Q1(予想)1,593.15円(四半期)未定QoQ+74.5%増収見込み

読み取りポイント:2020年3月期に△61,051円という衝撃的な赤字EPSを記録。その後も2023・2024年と赤字が続きましたが、2025年3月期(FY2024)に黒字転換し、2026年3月期(FY2025)には過去最高益を達成しています。メモリ市況のシクリカル(景気循環)な性質が、このEPS推移によく表れています。

所長×アナリスト対談

テーマ① 「Q4だけで1兆円超え」──桁が違う急回復の正体

所長ダル
今回の好決算、数字を見てびっくりしました。Q4だけで売上が1兆円を超えているとか、ちょっと何が起きているのか教えてください。
車野アナリスト
FY2025のQ4(2026年1月〜3月)の売上収益は1兆29億円で、前四半期(Q3:5,436億円)からほぼ倍増しました。Non-GAAP営業利益は5,991億円で、利益率は60%という異次元の数字です(決算説明会資料p.10)。
所長ダル
利益率60%って、売上の半分以上が利益になっているということですよね?どうしてそんなことが起きるんですか?
車野アナリスト
ポイントはASP(平均販売単価)の急騰です。ドルベースでQoQ2倍以上の上昇が起きました。おもしろいのは、出荷量自体は約10%減少しているにもかかわらず、値上がりだけでここまで利益が伸びたという点です。「物量ではなく価格」で稼いだ四半期と言えます。NANDメモリの市況は需給バランスで価格が急変するため、こういった急騰・急落が起きやすい構造になっています。

テーマ② AI=NANDの時代──なぜAI拡大がキオクシアの追い風なのか

所長ダル
「AI関連株」としてキオクシアの名前をよく見かけます。半導体メモリとAIって、どういう関係があるんでしょうか?
車野アナリスト
AI推論サーバーはCPU周辺にKV Cacheと呼ばれる大容量NANDが必要な構造になっています。生成AIの普及でデータセンター向けSSD需要が爆増しており、キオクシアのSSD&ストレージ売上はFY2025に1兆3,626億円(全体の58%)に達しています(決算説明会資料p.7)。Q4単体ではQoQ+99.8%、ほぼ倍増です。
所長ダル
では、AI需要が続く限りキオクシアも好調が続くということでしょうか?
車野アナリスト
経営陣はFY2026もAI推論サーバー向けの引き合いは「一層強くなっている」と明言しています(決算説明会資料p.7)。ただし、AIブームが永遠に続く保証はありませんし、供給サイドの増産が需要を上回れば価格は崩れます。「追い風が吹いている」という事実と、「いつかその追い風が止まる可能性がある」という認識はセットで持っておく必要があります。

テーマ③ 借金まみれから「実質無借金」へ──たった2年間の財務変革

所長ダル
上場したばかりの会社だと思っていましたが、財務の改善が急速に進んでいると聞きました。
車野アナリスト
はい、驚くべきスピードです。IPO直後(2024年Q1)のネットD/Eレシオは227%でした。つまり、借金が自己資本の2倍以上という状況だったのです(決算説明会資料p.18)。それがFY2025 Q4末には39%まで急改善しました。さらにFY2026 Q1末にはネット・キャッシュ・ポジション、つまり実質無借金に転換する見込みとのことです。優先株式の償還・社債発行・シニアローン前倒し返済などのリファイナンスも完了しており、財務の健全化がほぼ完成した段階にあると考えられます。
所長ダル
財務が改善されると、何が変わるんでしょうか?
車野アナリスト
最も大きいのは株主還元の余地が生まれることです。借金の返済が優先されている段階では配当や自社株買いに回せる資金が限られますが、実質無借金になれば経営陣が還元策を打ちやすくなります。実際、次のテーマでもお話しますが、「配当をいつ始めるか」という問いが現実味を帯びてきている状況です。

テーマ④ 配当はいつ始まるのか──「まず配当を優先」の意味

所長ダル
今は配当ゼロですが、将来的には配当を出す可能性はあるんでしょうか?経営陣は何か言っていますか?
車野アナリスト
決算短信では「次期配当予想は未定」と明記されています。ただし、決算説明会の質疑応答では経営陣が「まず配当を優先することを考えている。状況によっては自社株買いを含めて機動的に対応」と回答しています(質疑応答集p.2)。FY2026 Q1でのネット・キャッシュ化が完成すれば、還元策の発表が現実味を帯びてくると考えられます。
所長ダル
では、今は「配当利回り」ではなく「株価の値上がり」を期待して買う銘柄ということですね?
車野アナリスト
そうなります。BPS約2,562円に対して現株価が44,450円(PBR約17倍)という状況では、配当利回りによるインカムゲインよりも、業績成長によるキャピタルゲインが主な投資テーマです。「いつか配当が始まるかもしれない」という期待はボーナス要素として捉え、あくまでも業績の継続成長を主軸に評価することが重要でしょう。

テーマ⑤ シクリカルの罠──過去に△61,051円EPSがあった会社

所長ダル
先ほどのEPS推移表を見て震えました。△61,051円って、1株あたり6万円以上の赤字ということですよね?
車野アナリスト
おっしゃる通りです。IRBANK様のEPS推移を見ると、2020年3月期にその数字が記録されています。その後も2023・2024年と赤字を繰り返しており、NANDメモリというビジネスがいかに市況に左右されるかを示しています。メモリ市況は需給サイクルで価格が数倍〜数分の1に変動するのが常態です。これがシクリカル株と呼ばれるゆえんです。
所長ダル
現在の好業績は本物なんでしょうか?それとも「また崩れる」可能性があるんでしょうか?
車野アナリスト
現在の好業績にはAI需要という強力な追い風があり、経営陣も複数年の売買契約締結による収益安定化が進んでいると述べています。一方で、供給過剰・関税問題・AI投資の調整が重なれば、過去の赤字局面が再来する可能性はゼロではありません。PER43倍・PBR17倍という高バリュエーションは「市況が崩れない」という前提に立っています。成長シナリオへの期待がすでに株価に織り込まれているという点は、常に意識しておく必要があります。

テーマ⑥ 「下がった時に買えない人は勝てない」は本当か

所長ダル
決算発表日に8%超も下げたわけですが、こういう時って「下がった時に仕込める人が勝つ」という話もありますよね。セオリー通り様子見するべきなのか、逆に仕込み時なのか、どう考えればいいでしょうか?
車野アナリスト
鋭いところを突いてきましたね。結論から言うと、どちらも正しいんです。ただし、それぞれ「条件付き」で、という話になります。まず大前提として、投資は自己責任でお願いします、という点を申し上げた上でお話しします。
所長ダル
条件付き、というのはどういう意味でしょうか?
車野アナリスト
「なぜ下がったのか」を正確に理解できている人だけが仕込める、というのが正確な表現です。今回の下落が「業績悪化への失望」ではなく「好決算後の材料出尽くし+市場全体の調整」であることを理解した上で入るのと、なんとなく安くなったから入るのとでは、まったく性質が違います。前者は根拠のある判断、後者は運任せに近い行動です。
所長ダル
なるほど。今回のキオクシアの下げは、どちらに近いと見ますか?
車野アナリスト
5月15日の下落は、業績そのものへの失望ではなく、典型的な「材料出尽くし」と市場全体の利益確定売りが重なったものと考えられます。過去最高益を発表した日に8%超下げているわけですから、業績が悪くて売られたわけではありません。ただし、前日終値48,460円からすでに相当上昇した水準での決算発表だったため、好材料を先取りして買っていた短期の個人投資家が利確に動いた構図です。出来高も3,796万株と非常に多く、まだ「戻り待ち売り」が上値を抑える可能性は残っています。
所長ダル
アナリストは目標株価5万円と言っているのに、みんかぶの目標株価は40,444円で現株価より低いですよね。この矛盾はどう見ればいいですか?
車野アナリスト
矛盾ではなく、時間軸と見ている主体が違うと整理すると分かりやすいです。機関投資家のアナリストは中長期の業績成長を根拠に「買い・5万円」を言っています。一方、みんかぶの目標株価は個人投資家の予想も含んだコンセンサスで、短中期の需給や過熱感を織り込んだ「バランス値」に近い性質があります。つまり「プロは中長期で強気、個人は短期で警戒」という構図です。どちらが正しいかは結果が出るまで分かりません。
所長ダル
じゃあ実際のところ、どう向き合えばいいんでしょう?
車野アナリスト
繰り返しになりますが、投資判断はご自身の責任でお願いします。その上で一つの考え方をお示しすると、「仕込めない人は勝てない」という感覚は正しいと思います。ただし「仕込む根拠を言語化できない人も勝てない」というのがセットです。今回で言えば「業績は本物・下落は需給要因・アナリスト目標5万円・ただしシクリカル株で急落の前例あり」という自分なりの根拠を持った上で、仮にさらに下落しても動じないサイズで入る、というのが現実的な向き合い方ではないでしょうか。一点張りではなく分割で買えるサイズ感にしておくことが、シクリカル株特有の急落リスクへの備えになります。

ラボ独自考察:適正株価を考えてみた

⚠️ ご注意

※AIによる試算であり投資推奨ではありません。あくまで参考情報としてご覧ください。

EPS × 想定PER方式(4シナリオ)

シナリオ想定EPS想定PER適正株価現株価比前提条件
強気(AI需要継続)3,000円30倍90,000円+102%AI需要継続・FY2026も高利益率維持
中立(市場コンセンサス)2,000円25倍50,000円+12%FY2025の約2倍EPS。市場コンセンサス的水準
保守的(市況ピークアウト)1,200円20倍24,000円△46%市況ピークアウト・利益半減・PER収縮
弱気(赤字転落)赤字転落理論値なし関税・供給過剰・価格暴落。過去に実際に発生済み
弱気シナリオが現実化する条件

米中摩擦激化による輸出規制、競合他社の大幅増産、AI設備投資の調整、急速な円高(1円変動で四半期売上±100億円影響)。これら複数要因が重なった場合、過去と同様の急速な業績悪化が生じる可能性があります。

BPS × 適正PBR方式

PBR倍率適正株価
10倍25,617円
17.3倍(現状)44,318円
20倍51,235円
25倍64,044円

全シナリオが崩れる条件(銘柄固有リスク)

! 主要リスク

・メモリ市況の急反転(ASP暴落)

・米中貿易摩擦激化による輸出規制

・AI投資バブルの調整

・競合他社の大規模増産による供給過剰

・急速な円高進行(1円変動で四半期売上±100億円影響)

結論ボックス

① 外部目標株価との比較

みんかぶ様の目標株価は40,444円(売りシグナル)で、現株価44,450円をすでに約10%下回っています(みんかぶ様・2026年5月15日15:30時点)。一方、アナリスト評価は「買い」、個人予想は「売り」と評価が分かれており、「プロは強気・個人は慎重」という構図です。目標株価ベースで見ると現株価は割高水準にあり、好業績がすでに相当程度織り込まれている可能性に注意が必要です。

② 当ラボが考える割高・割安感

PER43倍・PBR17倍は「好業績継続」を前提とした高バリュエーションです。市況が少し崩れるだけで大幅修正リスクがある水準と考えられます。保守的シナリオ(適正株価24,000円)は現株価の約半値水準であり、下方リスクは上方リスクよりも大きいと考えられます。

③ 長期投資家への視点

NAND市場はAI需要という構造的な追い風が続く可能性がありますが、シクリカル性を忘れてはなりません。過去に赤字・黒字を繰り返した実績がある銘柄です。「高値掴み」リスクを意識した分割投資・段階買いが有効と考えられます。配当による安定収入は現時点では期待できないため、あくまでも値上がり益(キャピタルゲイン)を主目的とした投資として位置づけることが重要です。

④ 強気シナリオの根拠

FY2026 Q1ガイダンスで売上収益1兆7,500億円(QoQ+74.5%)、Non-GAAP営業利益1兆3,000億円(マージン74.3%)という驚異的な数字が示されています。CY26・CY27も需要が供給を上回る見通しと経営陣は述べており、複数年売買契約締結による収益の安定化も進んでいます。財務の急速な健全化(実質無借金化)が進めば、将来的な配当開始・自社株買いなど株主還元の可能性も出てきます。

まとめ

  • FY2025(2026年3月期)は売上収益2兆3,376億円(+37%)、Non-GAAP営業利益率37.5%と過去最高益を達成。AI需要を追い風にASP(平均販売単価)が急騰したことが主因です。
  • IPO直後のネットD/Eレシオ227%から、FY2026 Q1末には実質無借金への転換が見込まれるなど、財務の健全化が急速に進んでいます。還元策発表への期待が高まる局面です。
  • 現時点では配当ゼロのため「配当で稼ぐ銘柄」ではなく「成長で稼ぐ銘柄」です。PER43倍・PBR17倍は好業績継続を前提とした高バリュエーションであり、市況悪化時の下落リスクは相応に大きいと認識しておく必要があります。
  • 過去に△61,051円EPSという衝撃的な赤字を記録したシクリカル株です。「今が好調だから将来も安泰」とは考えず、業績モニタリングを続けながら分割投資・段階買いで向き合うことが有効と考えられます。

出典・参照資料一覧

No.資料名備考
1FY2025 決算短信〔IFRS〕(連結)キオクシアホールディングス株式会社 2026年5月公表
2FY2025 決算説明会資料キオクシアホールディングス株式会社 2026年5月公表
3FY2025 決算説明会質疑応答集キオクシアホールディングス株式会社 2026年5月公表
4株価情報・目標株価(みんかぶ様)285A キオクシア 株価情報(2026年5月15日時点)
5株式指標・配当情報・EPS推移(IRBANK様)285A キオクシア 各種財務・配当データ(2026年5月時点)

免責事項

免責事項

本記事はAI(Claude/Anthropic社)を活用して作成したコンテンツです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、記載内容に誤りが含まれる可能性があります。

本記事は特定の有価証券への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。株式投資には価格変動リスクがあり、元本が保証されるものではありません。

本記事に記載されている将来予測・試算・適正株価に関する記述は、あくまで参考情報であり、実際の将来の業績・株価・配当を保証するものではありません。

本記事で参照しているみんかぶ様・IRBANK様などの第三者提供データについて、当ラボはその正確性・完全性について責任を負いません。最新情報は各社の公式サイトおよび企業のIR情報をご確認ください。

本記事は税務・法務上のアドバイスを提供するものではありません。税金・法律に関するご判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

情報基準日:2026年5月15日

本記事に登場する「車野蔵人(くるまの くろうど)」は、AIが生成した架空のキャラクターです。実在する人物・アナリストとは一切関係ありません。

© 高配当株研究所 ※本記事はAIによる分析を含みます。投資推奨ではありません。

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